住み慣れた自宅で、自分らしく穏やかな療養生活を送りたい。そう願う方々とそのご家族にとって、訪問診療は心強い選択肢の一つです。
しかし、具体的にどのようなサービスを受けられるのか、病院との連携はスムーズに行われるのか、家族の負担はどれくらいかなど、多くの疑問や不安があるかもしれません。
この記事では、訪問診療の基本的な知識から、病院からの円滑な移行、ご自宅での療養環境の整え方、ご家族へのサポート体制、そして多職種が連携するチーム医療の姿まで、包括的に解説します。
この記事を通じて、訪問診療への理解を深め、安心して在宅療養を始めるための一助となれば幸いです。
訪問診療における在宅療養環境の基礎知識
ご自宅で医療を受けながら生活を続ける在宅療養は、多くの方にとって望ましい形です。その中心的な役割を担うのが訪問診療です。
ここでは、訪問診療がどのような医療サービスなのか、どのような方が対象となるのか、そして在宅で療養生活を送ることにどのような利点があるのか、基本的な事柄から一つひとつ丁寧に解説していきます。
訪問診療とは何か
訪問診療とは、お一人での通院が難しい患者さんのご自宅に、医師が定期的かつ計画的に訪問し、診察や治療、お薬の処方、療養上の相談などを行う医療サービスです。
急に具合が悪くなった時にだけ医師が駆けつける「往診」とは異なり、訪問診療はあらかじめ立てた治療計画に基づいて、毎週あるいは隔週といったペースで定期的に訪問し、患者さんの病状を継続的に管理します。
この定期的な訪問により、病状の悪化を早期に発見したり、予測される変化に先手を打って対応したりすることが可能になります。
患者さんやご家族が、ご自宅で安心して療養生活を続けられるように、総合的に支援する医療の形です。
訪問診療と往診の主な違い
| 項目 | 訪問診療 | 往診 |
|---|---|---|
| 訪問のタイミング | あらかじめ決めた日時に定期的・計画的に訪問 | 患者さんの急な求めに応じて不定期に訪問 |
| 医療の目的 | 慢性疾患の継続的な管理、症状緩和 | 急な発熱や痛みなど、急性症状への対応 |
| 関係性 | 継続的な主治医としての役割 | 一時的な対応が中心 |
在宅医療の対象となる患者さん
訪問診療は、年齢や病名にかかわらず、お一人で医療機関への通院が困難な方であれば、どなたでも利用を検討できます。
例えば、ご高齢で足腰が弱くなった方、寝たきりの状態の方、脳梗塞の後遺症で介助が必要な方などが対象です。
また、がんの終末期でご自宅での緩和ケアを希望される方や、人工呼吸器などの医療機器を常に必要とする方、認知症が進行し外出が難しい方なども、訪問診療を利用することで住み慣れた環境での療養を続けられます。
病状が安定している慢性疾患の管理から、専門的な医療的ケアが必要な方まで、幅広い状態の患者さんを支えることができます。
訪問診療で受けられる医療サービス
訪問診療では、クリニックや病院の外来で行われる医療の多くをご自宅で受けることが可能です。
定期的な診察による健康状態の確認はもちろん、血圧測定や体温測定などのバイタルチェック、血液検査や尿検査、心電図検査なども実施できます。
また、床ずれ(褥瘡)の処置、点滴、中心静脈栄養の管理、在宅酸素療法、人工呼吸器の管理、気管カニューレの交換、胃ろうや尿道カテーテルの管理・交換など、専門的な医療処置も行います。
お薬が必要な場合は処方箋を発行し、ご自宅へお薬を届けてもらうことも可能です。患者さんの状態に合わせて、療養生活全般にわたる医療的なサポートを提供します。
ご自宅で受けられる主な医療処置
| 分類 | 具体的な内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 検査 | 血液検査、尿検査、心電図、超音波検査 | 病状の把握、治療効果の確認 |
| 処置・管理 | 点滴、褥瘡処置、カテーテル管理 | 栄養補給、創傷治癒、排泄管理 |
| 医療機器管理 | 在宅酸素療法、人工呼吸器管理 | 呼吸機能の補助、生命維持 |
在宅療養のメリットと特徴
在宅療養の最大のメリットは、患者さんが最も安心できる「住み慣れた我が家」で療養を続けられることです。
入院生活で感じるような環境の変化によるストレスがなく、ご自身の生活リズムを保ちながら治療を受けられます。
また、通院に伴う身体的な負担や、待ち時間による心身の疲労もありません。ご家族にとっては、面会時間の制約なく、いつでも患者さんのそばにいられるという安心感があります。
日々の暮らしの中で、患者さんの小さな変化にも気づきやすくなります。
訪問診療を利用することで、医療的な管理のもと、患者さんとご家族が共に過ごす大切な時間を確保し、生活の質(QOL)を維持・向上させることが在宅療養の大きな特徴です。
病院から在宅への医療連携システム
入院中の病院からご自宅での療養へ移行する際には、医療が途切れることのないよう、病院と在宅医療チームが密に情報をやり取りすることが重要です。
患者さんが退院後も安心して療養生活を送れるように、どのような仕組みで連携が行われるのかを具体的に解説します。この連携が、質の高い在宅医療の土台となります。
病院からの紹介プロセス
多くの場合は、入院している病院の医師や看護師、あるいはソーシャルワーカーといった専門職から、退院後の選択肢として訪問診療の紹介があります。
患者さんやご家族が在宅療養を希望されると、病院のスタッフが地域の訪問診療クリニックと連絡を取り、調整を開始します。
退院前には、病院のスタッフと訪問診療の医師や看護師、ケアマネジャーなどが一堂に会し、カンファレンス(退院前カンファレンス)を開くことが一般的です。
この場で、患者さんの病状や必要な医療ケア、ご自宅の環境、ご家族の状況などを共有し、在宅療養への円滑な移行計画を立てます。
医療情報の引き継ぎ方法
病院から在宅医療へ移行する際、最も重要なのが正確な医療情報の伝達です。
病院の主治医は「診療情報提供書(紹介状)」を作成し、これまでの治療経過、現在の病状、処方されているお薬の内容、アレルギー情報、今後の治療方針などを詳細に記述します。
この書類に加え、レントゲン写真やCTなどの画像データ、血液検査の結果なども引き継がれます。
退院前カンファレンスでは、これらの書類だけでは伝わりにくい、患者さんの人柄や日々のケアで注意すべき点、ご家族の意向といった細やかな情報も口頭で共有し、人物像を含めた総合的な情報を引き継ぎます。
主治医との連携体制
在宅療養が始まってからも、病院の主治医との連携は続きます。訪問診療医は、日々の診療で得た患者さんの状態変化や治療方針の相談などを、必要に応じて病院の主治医に報告・相談します。
特に、専門的な治療や判断が必要な場合や、病状が大きく変化した際には、専門医の意見を仰ぐことで、より質の高い医療を提供できます。
この連携により、患者さんはご自宅にいながら、専門性の高い医療と地域に根差したきめ細やかな医療の両方を受けることが可能になります。
- 現在の病状と治療状況
- 処方されている薬剤情報
- アレルギーや副作用の履歴
- ご本人とご家族の療養に関する意向
緊急時の病院連携対応
在宅療養中に病状が急変した場合に備えて、緊急時の対応体制をあらかじめ整えておくことが大切です。
訪問診療クリニックは24時間365日対応の連絡体制を整えており、まずは訪問診療医が電話で状況を伺い、必要であれば緊急往診を行います。
ご自宅での対応が難しいと判断した場合には、事前に入院先として連携を取り決めている後方支援病院へ連絡し、スムーズに入院できる体制を確保します。
どの病院と連携しているか、どのような手順で連絡を取るかについては、療養開始前に患者さんとご家族に詳しく説明し、緊急時にも慌てず対応できるように準備します。
定期的な病院との情報共有
緊急時だけでなく、平時からの定期的な情報共有も連携の重要な柱です。訪問診療医は、定期的に患者さんの状態をまとめた報告書を作成し、病院の主治医と共有することがあります。
また、患者さんが定期的に病院の専門外来を受診する際には、訪問診療での様子を情報提供書にまとめ、持参してもらいます。
これらの地道な情報のやり取りを通じて、病院と在宅医療チームが常に患者さんの最新の状態を把握し、一貫性のある医療を提供し続けることができます。
病院と在宅チームの連携の流れ
| 段階 | 病院側の役割 | 在宅側の役割 |
|---|---|---|
| 退院前 | 在宅療養の提案、診療情報提供書の作成 | 退院前カンファレンスへの参加、受け入れ準備 |
| 療養開始後 | 専門的な見地からの助言、後方支援 | 定期的な訪問診療、状態報告 |
| 緊急時 | 入院の受け入れ、専門的治療の実施 | 初期対応、病院への連絡・調整 |
安心できる在宅療養環境の整備方法
ご自宅で安全かつ快適に療養生活を送るためには、療養環境を適切に整えることが大切です。
必要な医療機器の準備から、ご家族の介護負担を軽くするための工夫、そして日々の生活の中での安全対策まで、物理的・心理的な両面から環境を整える具体的な方法について解説します。
自宅での医療機器設置と管理
在宅療養では、病状に応じて様々な医療機器を使用することがあります。
例えば、呼吸を助けるための在宅酸素濃縮器や人工呼吸器、栄養を補給するための経管栄養ポンプ、痛みを和らげるための持続注入ポンプなどです。
これらの医療機器は、専門の業者がご自宅まで設置に伺い、使用方法や緊急時の対応について詳しく説明します。
訪問診療の医師や看護師は、機器が正しく作動しているか、設定は適切かなどを定期的に確認し、管理をサポートします。
機器の操作に不安がある場合でも、いつでも相談できる体制が整っているので、安心して使用できます。
在宅療養で利用される主な医療機器
| 機器の名称 | 主な用途 | 管理のポイント |
|---|---|---|
| 在宅酸素濃縮器 | 慢性的な呼吸不全の患者さんへ酸素を供給 | 適切な流量設定、チューブの管理、火気厳禁 |
| 人工呼吸器 | 自発呼吸が困難な患者さんの呼吸を補助 | 回路の接続確認、アラーム対応、停電対策 |
| 経管栄養ポンプ | 胃ろう等から栄養剤を正確な速度で注入 | チューブの清潔保持、注入速度の確認 |
家族の介護負担軽減策
ご家族だけで全ての介護を担うのは、身体的にも精神的にも大きな負担となります。介護負担を軽減するためには、外部のサービスを積極的に活用することが重要です。
介護保険サービスを利用すれば、訪問介護(ホームヘルプ)で身体介護や生活援助を受けたり、訪問入浴で入浴の介助を受けたりすることができます。
また、介護用ベッドや車いすなどの福祉用具をレンタルすることも可能です。ご家族が休息を取るために、短期入所生活介護(ショートステイ)を利用することも一つの方法です。
一人で抱え込まず、ケアマネジャーや訪問診療チームに相談し、利用できる社会資源を上手に組み合わせることが、介護を長く続けるための秘訣です。
療養環境の安全性確保
ご自宅での療養生活では、転倒や感染症などのリスクを減らし、安全な環境を保つことが求められます。
例えば、ベッド周りの動線を確保し、床に物を置かないようにする、滑りやすい敷物を撤去する、廊下やトイレに手すりを設置する、といった工夫で転倒を予防できます。
また、医療機器の電源コードにつまずかないように配線を整理することも大切です。
感染症予防の観点からは、介護の前後の手洗いや、必要に応じた消毒、室内の換気などを習慣づけることが基本となります。
訪問看護師などがご自宅の環境を確認し、具体的な改善点を助言することもできます。
- 手すりの設置
- 段差の解消
- 滑りにくい床材への変更
- 十分な明るさの確保
家族サポート体制の充実
在宅療養は、患者さんご本人だけでなく、支えるご家族の存在があってこそ成り立ちます。しかし、ご家族は介護による身体的な疲労や、精神的な不安を抱えがちです。
ここでは、ご家族が安心して介護を続けられるように、医療チームが提供する様々なサポート体制について解説します。ご家族自身の心と体の健康も、在宅療養を支える大切な要素です。
家族への医療指導とケア教育
ご自宅で痰の吸引や経管栄養、インスリン注射などの医療的ケアが必要になる場合、訪問看護師が中心となって、その手技をご家族に指導します。
安全に実施できるようになるまで、何度でも丁寧に説明し、一緒に練習します。
また、日々の健康観察のポイント(顔色、呼吸の状態、食事や水分の摂取量など)や、どのような変化があった時に医療者に連絡すべきかといった判断基準についても具体的にお伝えします。
これらの指導を通じて、ご家族が自信を持って日々のケアにあたれるように支援し、急な変化にも落ち着いて対応できる力を育みます。
精神的サポートとカウンセリング
「この先のことが不安」「自分の介護はこれでいいのだろうか」といった、ご家族が抱える精神的な悩みやストレスに寄り添うことも、私たち医療チームの重要な役割です。
訪問時には、療養上のことだけでなく、ご家族自身の気持ちや困っていることを話していただく時間を大切にしています。
話を聞くだけで気持ちが軽くなることもありますし、必要であれば臨床心理士によるカウンセリングや、同じような境遇の家族が集う会などを紹介することもできます。
ご家族が精神的に孤立しないよう、常に気配りをし、サポートを続けます。
ご家族が利用できる精神的サポート
| サポートの種類 | 提供者 | 内容 |
|---|---|---|
| 傾聴・相談対応 | 医師、看護師、ソーシャルワーカー | 日々の訪問時に不安や悩みを聞き、共感的に寄り添う |
| 専門カウンセリング | 臨床心理士、精神保健福祉士 | 専門的な知見に基づき、心理的な問題の解決を支援 |
| 家族会・サロン | 地域の支援団体、医療機関 | 同じ立場の人と情報交換や交流を行い、孤立感を解消 |
介護保険サービスとの連携
在宅療養を支える制度として、医療保険と並んで重要なのが介護保険です。ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護保険サービスの利用計画(ケアプラン)を作成する専門家です。
訪問診療チームはケアマネジャーと密に連携し、患者さんの心身の状態や必要な医療ケアの情報を共有します。
この情報をもとに、ケアマネジャーは訪問介護、訪問看護、デイサービス、福祉用具のレンタルなど、数あるサービスの中からご本人とご家族にとって最適な組み合わせを提案します。
医療と介護が一体となってサポートすることで、よりきめ細やかで総合的な支援が実現します。
家族の休息時間確保のための支援
介護者が休みなく介護を続けると、心身が疲弊し、共倒れになってしまう危険性があります。これを防ぐために、介護者が休息を取るための支援(レスパイトケア)があります。
代表的なものに、医療機関や介護施設に短期間宿泊する「ショートステイ」があります。レスパイト目的での入院を受け入れている病院もあります。
また、訪問看護や訪問介護の利用時間を一時的に増やすことで、ご家族が外出したり、休息したりする時間を作ることも可能です。
ご家族が自分のための時間を持つことは、質の高い介護を長く続けるためにとても重要です。
多職種連携によるチーム医療
在宅療養は、一人の医師だけで支えられるものではありません。
医師、看護師、薬剤師、リハビリ専門職、ケアマネジャーなど、様々な専門性を持つ職種がそれぞれの役割を果たし、情報を共有しながら一つのチームとして患者さんを支えます。
この「多職種連携」こそが、質の高い在宅医療の要です。それぞれの専門職がどのように関わるのかを解説します。
医師・看護師の役割分担
チームの中心となるのが医師と看護師です。医師は、医学的な診断に基づき治療方針を決定し、処方や医療処置を行います。療養生活全体を見渡し、最終的な医学的判断の責任を担います。
一方、看護師は、医師の指示に基づき日々の医療的ケア(点滴、褥瘡処置など)を実施するほか、患者さんの最も身近な存在として、日々の体調変化や精神的な状態を観察し、ご家族からの相談に応じます。
医師と看護師がそれぞれの専門性を生かし、車の両輪のように機能することで、きめ細やかな医療が提供されます。
チーム医療における医師と看護師の主な役割
| 職種 | 主な役割 | 専門性 |
|---|---|---|
| 医師 | 診断、治療方針の決定、処方、医学的判断 | 疾患の総合的な管理、治療 |
| 看護師 | 医療的ケアの実践、日々の健康管理、家族への支援 | 療養生活の支援、症状緩和ケア |
薬剤師・リハビリ専門職との協働
お薬の管理も在宅療養では重要なポイントです。訪問薬剤師は、ご自宅を訪問し、お薬の飲み合わせの確認や副作用のチェック、服薬状況の管理を行います。
お薬カレンダーなどを用いて、飲み忘れがないように工夫することも大切な役割です。
また、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)といったリハビリ専門職も在宅療養を支える重要なメンバーです。
寝たきりを防ぐための関節の運動や、日常生活動作(食事、着替えなど)の練習、飲み込み(嚥下)機能の訓練などを、ご自宅の環境に合わせて行い、患者さんの身体機能の維持・向上を目指します。
- 理学療法士(PT)
- 作業療法士(OT)
- 言語聴覚士(ST)
ケアマネジャーとの連携
ケアマネジャーは、医療と介護をつなぐコーディネーターの役割を担います。患者さんやご家族の希望を伺いながら、必要な介護サービスを組み合わせたケアプランを作成します。
訪問診療チームは、患者さんの医学的な情報をケアマネジャーに提供し、ケアプラン作成に必要な助言を行います。
例えば、「褥瘡のリスクが高いので、体位交換の回数を増やす必要がある」「嚥下機能が低下しているので、食事形態の工夫が必要」といった医療的な視点からの情報を伝えることで、より患者さんの状態に合ったケアプランが完成します。
定期的にサービス担当者会議を開き、関係者全員で情報を共有し、方針を確認します。
訪問診療に関するよくある質問
これまで訪問診療の様々な側面について解説してきましたが、まだ具体的な疑問やご不安な点があるかもしれません。
ここでは、訪問診療を検討される方から特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。皆様の疑問解消の一助となれば幸いです。
- 訪問診療と往診の違いは何ですか?
-
訪問診療は、通院が困難な方に対して、医師が定期的・計画的にご自宅を訪問し、継続的な健康管理を行うものです。
一方、往診は、急な発熱や体調不良など、突発的な症状に対応するために、患者さんやご家族の求めに応じて不定期に訪問するものを指します。
訪問診療を受けている方が急に具合が悪くなった場合は、かかりつけの訪問診療医が緊急往診という形で対応します。
- 訪問診療の費用はどのくらいかかりますか?
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訪問診療の費用は、医療保険(後期高齢者医療制度など)が適用されます。自己負担額は、お持ちの保険証に記載された負担割合(1割〜3割)によって決まります。
また、1ヶ月の医療費の自己負担額には上限(高額療養費制度)が設けられています。
具体的な費用は、訪問回数や診療内容によって異なりますが、基本的な月2回の訪問の場合の目安は以下の通りです。詳細な費用については、ご相談の際に詳しくご説明します。
1ヶ月あたりの自己負担額の目安(1割負担の場合)
サービス内容 費用の目安 備考 基本的な訪問診療(月2回) 約7,000円〜 在宅時医学総合管理料などを含む 各種検査や処置 実施内容に応じて別途加算 血液検査、点滴、処置など お薬代 処方内容に応じて薬局で別途必要 調剤薬局へのお支払い - 家族だけで介護をするのが不安です。誰に相談すればよいですか?
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ご家族だけで介護の全てを担う必要はありません。まずは、地域包括支援センターや、現在入院中であれば病院の医療相談室、あるいは担当のケアマネジャーにご相談ください。
訪問診療クリニックでも、療養相談を随時受け付けています。
ご状況を伺い、訪問看護や訪問介護、デイサービスといった介護保険サービスの利用や、地域のサポート体制について一緒に考え、適切な窓口をご紹介します。
一人で抱え込まず、専門家に相談することが大切です。
- 緊急時にはどう対応してもらえますか?
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多くの訪問診療クリニックでは、24時間365日対応可能な緊急連絡先を設けています。夜間や休日でも、まずはその番号にお電話ください。
電話で看護師や医師が状況を詳しく伺い、必要な対処法をお伝えします。電話での対応が難しい場合や、直接の診察が必要と判断した場合は、医師がご自宅へ緊急往診に伺います。
さらに、入院が必要と判断した場合は、あらかじめ連携している後方支援病院と連絡を取り、スムーズな入院手続きをサポートします。
療養開始前に緊急時の連絡方法や対応の流れを詳しく説明しますので、ご安心ください。
今回の内容が皆様のお役に立ちますように。

