夏の脱水症状を見逃すな – 高齢者に潜む危険なリスク因子

夏の脱水症状を見逃すな - 高齢者に潜む危険なリスク因子

夏の厳しい暑さは、私たちの体に大きな負担をかけますが、特にご高齢の方にとっては「脱水症状」という見過ごせないリスクが潜んでいます。

ご自身では気づきにくい体の変化や、持病、生活習慣など、様々な要因が重なり合い、知らず知らずのうちに深刻な状態に陥ることがあります。

この記事では、なぜご高齢の方が脱水になりやすいのか、その背景にある多様なリスク因子を一つひとつ丁寧に解き明かします。

ご家庭でできる早期発見のサインや重篤化を防ぐための具体的な対策まで、訪問診療の視点から詳しく解説します。大切なご家族やご自身の健康を守るための一助となれば幸いです。

目次

高齢者が脱水症状を起こしやすい生理学的要因

私たちの体は、年を重ねるごとに少しずつ変化していきます。その変化の中には、水分を体に蓄え、調節する能力の低下も含まれます。

若い頃と同じように生活していても、ご高齢の方が脱水に陥りやすいのは、こうした避けがたい生理学的な理由が背景にあります。

ここでは、加齢に伴う体の内側で起こる変化と、それがどのように脱水リスクを高めるのかを具体的に見ていきましょう。

加齢による体内水分量の減少

人間の体の大部分は水分で構成されていますが、その割合は年齢と共に自然と減少します。

例えば、新生児では体重の約80%が水分ですが、成人では約60%に、そして高齢者になると50~55%まで低下します。これは、体内の「水タンク」の容量そのものが小さくなることを意味します。

同じ量の水分を失ったとしても、もともとの貯蔵量が少ないご高齢の方のほうが、体内の水分バランスが崩れやすく、脱水の影響をより深刻に受けやすくなるのです。

年齢階級別の平均的な体内水分率

年齢階級体重に占める水分率(目安)特徴
新生児・乳児約75~80%体成分のほとんどが水分。
成人(男性)約60%筋肉量が多く、水分を保持しやすい。
高齢者(75歳以上)約50~55%筋肉量の減少に伴い、水分率が低下する。

腎機能低下による水分調節機能の悪化

腎臓は、体内の水分量と塩分(ナトリウムなど)のバランスを一定に保つための重要な役割を担っています。体内の水分が不足すると、腎臓は尿を濃縮して、水分が体外へ排出される量を最小限に抑えようとします。

しかし、加齢に伴い腎機能が低下すると、この尿を濃縮する能力が衰えてきます。その結果、体内の水分が不足している状況でも、一定量の尿が作られ続けてしまい、脱水状態が進行しやすくなります。

また、余分な塩分を排出する機能も低下するため、体液のバランスがさらに崩れやすくなるという側面もあります。

口渇感覚の鈍化と体温調節機能の低下

「喉が渇いた」と感じる感覚(口渇感)は、体が水分を必要としている重要なサインです。

しかし、ご高齢になると、この口渇中枢の働きが鈍くなり、体内の水分が実際に不足していても、喉の渇きを感じにくくなる傾向があります。

このため、水分補給のタイミングが遅れがちになります。さらに、体温調節機能も低下し、暑い環境にいても汗をかきにくくなることがあります。

汗をかけないことは一見、水分の喪失を防いでいるように思えますが、実際には体内に熱がこもりやすくなり、熱中症のリスクを高める要因となります。

熱がこもると、不感蒸泄(皮膚や呼気から無意識のうちに蒸発する水分)が増加し、結果的に脱水を助長することにもつながります。

筋肉量減少による体液貯蔵能力の低下

筋肉は、脂肪組織に比べてはるかに多くの水分を蓄える能力があります。いわば、筋肉は体内の水分を貯蔵しておく「第二のタンク」のような存在です。

しかし、加齢や活動量の低下に伴って筋肉量が減少すると(サルコペニア)、この水分を貯蔵するスペースも同時に失われてしまいます。

筋肉量が少ないご高齢の方は、体内に保持できる水分量が少ないため、少しの水分不足でもすぐに脱水状態に陥りやすいのです。

日頃から体を動かし、筋肉量を維持することが、脱水予防の観点からも非常に重要になります。

夏季特有の脱水リスク因子と環境要因

ご高齢の方の脱水リスクは、夏という季節によってさらに高まります。気温や湿度の上昇は、体に直接的な影響を与えるだけでなく、生活環境にも変化をもたらします。

ここでは、夏の気候がもたらす特有のリスクや、住環境に潜む危険性、さらには近年の社会的な問題がどのように関わってくるのかを解説します。

高温多湿環境による発汗量の増加

夏は気温が高いだけでなく、湿度も高くなるのが日本の気候の特徴です。湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温を下げるための気化熱が奪われにくくなります。

その結果、体はさらに多くの汗を流して体温を下げようとするため、発汗量が増加し、普段以上に多くの水分と塩分が失われます。

ご自身では「あまり汗をかいていない」と感じていても、じっとりとした湿度の高い環境では、知らず知らずのうちに大量の水分が失われている可能性があります。

暑さ指数(WBGT)と危険度の目安

暑さ指数(WBGT)危険度注意事項
28℃未満注意適宜、水分・塩分を補給する。
28~31℃未満警戒積極的に休憩し、水分・塩分を補給する。
31℃以上厳重警戒/危険外出は避け、涼しい室内で過ごす。

室内熱中症のリスクと冷房使用の課題

熱中症や脱水は屋外で起こるもの、というイメージが強いかもしれませんが、実際には高齢者の熱中症の半数以上が住み慣れた室内で発生しています。

特に夜間、気温が下がらない熱帯夜が続く時期は、就寝中に大量の汗をかき、本人が気づかないうちに脱水が進行する「かくれ脱水」のリスクが非常に高くなります。

窓を開けるだけでは十分な換気が得られず、室温や湿度が下がらないことも少なくありません。適切な室温管理のためには冷房の使用が重要ですが、これにはいくつかの課題が伴います。

電気料金高騰による冷房控えの危険性

近年の電気料金の高騰は、家計に大きな影響を与えています。このため、「電気代がもったいない」という理由で、暑さを我慢して冷房の使用を控えてしまうご高齢の方が少なくありません。

特に、日中一人で過ごされている場合、その傾向は強くなる可能性があります。しかし、この冷房控えが、室内での脱水や熱中症の直接的な引き金となるケースが後を絶ちません。

命を守るための投資として、適切な冷房使用の重要性を、ご本人だけでなくご家族も理解し、サポートすることが求められます。

疾患・服薬による脱水リスクの増大

加齢に伴う生理的な変化や夏の環境要因に加え、ご高齢の方が抱えていることが多い持病や、日常的に服用しているお薬も、脱水のリスクを大きく左右する重要な因子です。

これらの要因は相互に影響し合い、脱水のリスクをさらに高めることがあります。

ここでは、どのような疾患や薬剤が特に注意を必要とするのか、また、心理的な要因がどのように水分摂取を妨げるのかを詳しく見ていきます。

利尿作用のある薬剤による脱水促進

高血圧や心不全、むくみ(浮腫)などの治療には、尿の量を増やして体内の余分な水分や塩分を排出させる「利尿薬」が広く用いられます。

これらの薬剤は治療上非常に重要ですが、その作用機序から、必然的に脱水を引き起こしやすいという側面も持ち合わせています。

特に、気温が高く汗をかきやすい夏場は、利尿薬の作用と発汗による水分喪失が重なり、急激に脱水が進行する危険性があります。

医師は通常、季節や患者さんの状態を考慮して薬の量を調整しますが、ご自身で「いつもより汗をかいた」「食事がとれなかった」といった変化があった場合には注意が必要です。

脱水リスクを高める可能性のある主な薬剤

薬剤の種類主な用途脱水に関わる作用
ループ利尿薬・サイアザイド系利尿薬高血圧、心不全、浮腫尿量を増やし、水分・塩分を排出させる。
SGLT2阻害薬糖尿病尿中に糖を排出する際に、水分も一緒に排出する。
下剤(緩下剤)便秘腸からの水分吸収を妨げたり、腸内へ水分を移動させたりする。

糖尿病・高血圧などの基礎疾患の影響

糖尿病をお持ちの方で血糖コントロールが不良な場合、高血糖の状態が続きます。

体は過剰な糖を尿として排出しようとしますが、その際に糖と一緒に水分も大量に失われるため、脱水状態に陥りやすくなります。

また、高血圧の方は、減塩指導を受けていることが多く、食事からの塩分摂取量が少ない傾向にあります。

夏場に大量の汗をかくと、水分だけでなく塩分も失われるため、体内の電解質バランスが崩れやすい「低張性脱水」という状態になりやすいので注意が必要です。

認知症による水分摂取意識の低下

認知症が進行すると、様々な理由で水分摂取が困難になることがあります。

「喉が渇いた」という感覚をうまく認識または表現できなくなったり、コップや急須の使い方が分からなくなったりすることがあります。

また、飲み物そのものを認識できず、目の前にあっても飲もうとしないこともあります。

ご家族や介護者が「お水を飲みましょう」と声をかけても、その意味が理解できなかったり、すぐに行動に移せなかったりするため、周囲のきめ細やかなサポートが不可欠です。

認知症の方に見られる水分摂取の課題

  • 喉の渇きを訴えられない
  • 飲み物の存在を認識できない
  • コップなどをうまく使えない
  • 食事や水分摂取への興味・関心が低下する

嚥下機能低下による水分摂取困難

加齢や脳梗塞の後遺症などにより、食べ物や飲み物をうまく飲み込むことが難しくなる「嚥下機能低下(嚥下障害)」も、脱水の大きなリスク因子です。

水やお茶のようなサラサラした液体は、むせやすく、気管に入ってしまう誤嚥(ごえん)を引き起こす危険性があります。このため、ご本人が無意識のうちに水分摂取を避けるようになります。

誤嚥を恐れるあまり、飲むこと自体に恐怖心や苦痛を感じてしまう方も少なくありません。このような場合には、とろみ剤を使用して飲みやすい形態に調整するなど、専門的な工夫が必要です。

頻尿・失禁を恐れた自発的水分制限

トイレが近くなる(頻尿)、間に合わずに漏らしてしまう(失禁)といった排泄の悩みは、ご高齢の方にとって非常に切実な問題です。

夜中に何度もトイレに起きることで睡眠が妨げられたり、外出先でトイレの心配をしたくないという思いから、自ら意識的に水分を摂る量を減らしてしまう方が多くいらっしゃいます。

この「セルフネグレクト(自己放任)」的な水分制限は、特に夏場においては極めて危険な行為です。

排泄の失敗を避けたいという気持ちが、結果的に命に関わる脱水を引き起こす可能性があることを理解しなくてはいけません。

脱水症状の早期発見と重篤化予防

ご高齢の方の脱水は、ご本人が自覚しないまま静かに進行することが多く、対応が遅れると一気に重篤化する危険があります。

だからこそ、ご家族や周囲の方が「いつもと違う」という些細な変化に気づくことが何よりも重要です。

ここでは、見逃しやすい脱水の初期サインから、危険な症状の見極め方、そしてご家庭でできる具体的な観察ポイントまでを詳しく解説します。

「かくれ脱水」の兆候と見極め方

「かくれ脱水」とは、喉の渇きなどの自覚症状がはっきりしないものの、体内の水分がすでに不足し始めている状態を指します。

この段階で適切に対処できれば、本格的な脱水症への進行を防ぐことができます。ご家庭で簡単にできるチェック方法をいくつか紹介します。

これらのサインが複数見られる場合は、意識して水分補給を促す必要があります。

家庭でできる「かくれ脱水」チェックリスト

チェック項目正常な状態脱水が疑われるサイン
手の甲の皮膚をつまむすぐにつまんだ跡が消える跡が3秒以上残る(皮膚のハリ低下)
爪を押す(ネイルチェック)ピンク色にすぐ戻る(2秒以内)色が白っぽいまま戻りが遅い
舌の状態湿っていて、きれいなピンク色乾いている、ひび割れている、白っぽい苔が付着している
脇の下しっとりと湿っている乾いている

脱水症状の段階別症状と危険度

脱水症は、体内の水分が失われる程度によって、軽度、中等度、重度と進行していきます。段階が進むにつれて、現れる症状も変化し、危険度も増していきます。

どの段階にあるのかを大まかに把握することは、適切な対応を判断する上で役立ちます。

脱水症の進行度と主な症状

進行度(水分喪失率)主な症状危険度
軽度(~2%)強い喉の渇き、ぼんやりする、食欲不振、尿量の減少注意
中等度(3~9%)頭痛、めまい、吐き気、傾眠傾向(うとうとする)、皮膚の乾燥危険
重度(10%~)意識障害、けいれん、呼吸困難、血圧低下極めて危険

家族・介護者が注意すべき観察ポイント

ご本人の訴えがなくても、日々の生活の中での些細な変化が脱水のサインであることがあります。

毎日顔を合わせるご家族や介護者だからこそ気づけるポイントを意識して観察することが、早期発見につながります。

  • なんとなく元気がない、活気がない
  • 口数が減った、返事がぼんやりしている
  • 食事をあまり食べたがらない
  • トイレに行く回数が普段より明らかに少ない
  • 尿の色がいつもより濃い(濃い黄色や茶褐色)

特に「なんとなく元気がない」という漠然とした変化は、脱水だけでなく様々な体調不良の初期サインです。こうした主観的な感覚は非常に重要で、客観的なデータと同じくらい価値のある情報です。

緊急受診が必要な重篤症状の判断基準

脱水症が重度に進行すると、ご家庭での対応では回復が難しく、生命に危険が及ぶ可能性があります。

以下の症状が一つでも見られる場合は、迷わずに救急車を要請するか、速やかに医療機関を受診してください。迅速な判断が命を救います。

緊急受診を要する危険なサイン

分類具体的な症状
意識の状態呼びかけに対する反応が鈍い、または全くない
つじつまの合わないことを言う、時間や場所が分からない
けいれんを起こしている
呼吸・循環の状態呼吸が速い、息苦しそうにしている
脈が非常に速い、または弱くて触れにくい

訪問診療における脱水予防と対策

ご自宅で療養生活を送る方々にとって、夏の脱水予防は特に重要な課題です。

訪問診療は、単に病気の治療を行うだけでなく、患者さん一人ひとりの生活背景に深く関わり、こうした季節的なリスクを未然に防ぐための大きな役割を担っています。

医師や看護師が定期的にご自宅を訪問することで、きめ細やかな健康管理と予防的なアプローチが可能になります。

個別リスクアセスメントの重要性

脱水のリスクは、全ての高齢者で一様ではありません。持っている疾患、服用している薬剤、食事の状況、住環境、さらにはご家族の介護力まで、様々な要因が複雑に絡み合っています。

訪問診療では、まずこれらの情報を総合的に評価し、患者さん一人ひとりの「脱水リスク」を個別にアセスメントします。

このアセスメントにより、画一的な指導ではなく、その方に本当に合った、実行可能な予防計画を立てることが可能になります。

訪問診療におけるリスク評価項目例

カテゴリ評価項目
医学的因子基礎疾患(心臓、腎臓、糖尿病など)、服用薬、嚥下機能、認知機能の状態
生活環境因子住居の温湿度環境、冷房設備の有無と使用状況、日中の活動量
社会的因子独居か同居か、主な介護者の有無、経済的な状況(冷房使用への抵抗感など)

適切な水分摂取量の指導と管理

「水分をたくさん摂りましょう」という一般的なアドバイスだけでは、十分な対策とは言えません。

心臓や腎臓に疾患がある方の場合、水分を摂りすぎることがかえって体に負担をかけてしまうこともあります。

訪問診療では、医師が患者さんの病状を正確に把握した上で、個別に適切な水分摂取量の目安を提示します。

さらに、看護師が訪問時に、実際にどれくらい水分が摂れているかを確認し、具体的な摂取方法(いつ、何を、どのように飲むか)を一緒に考え、工夫を提案します。

例えば、1日の目標量をペットボトルに入れて見える化したり、時間を決めて飲む習慣をつけたりするなど、生活の中で無理なく続けられる方法を一緒に探します。

経口補水液の効果的な活用法

経口補水液は、水分と電解質(塩分やカリウムなど)を、体が最も吸収しやすいバランスで配合した飲み物です。

大量に汗をかいた時や、食事が十分に摂れず脱水が疑われる時などに非常に有効です。しかし、その独特の風味から苦手意識を持つ方も少なくありません。

訪問診療では、経口補水液が必要なタイミングを的確に判断し、効果的な使い方を指導します。例えば、ゼリータイプのものを選んだり、少量ずつ頻回に分けて飲むことを勧めたりします。

自己判断でスポーツドリンクを代用する方もいますが、糖分濃度が異なるため、病状によっては経口補水液が推奨されます。その違いについても丁寧に説明し、適切な製品選択をサポートします。

飲み物の種類と適した状況

飲み物の種類主な成分適した状況
水・お茶水分日常的な水分補給
スポーツドリンク水分、糖分、電解質運動後など、健康な人が汗をかいた時
経口補水液水分、電解質(塩分が多い)、少量の糖分脱水時(下痢、嘔吐、多量の発汗後)の補給

よくある質問

ここでは、高齢者の脱水に関して、ご家族やご本人からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

お茶やコーヒー、アルコールでも水分補給になりますか?

カフェインを含むお茶(緑茶、紅茶など)やコーヒー、そしてアルコールには利尿作用があります。

これは、飲んだ量以上に尿として水分が排出されてしまう可能性があることを意味します。そのため、これらを水分補給の主軸と考えるのは適切ではありません。

水分補給の基本は、水や麦茶、そば茶のようなノンカフェインの飲み物です。

嗜好品として楽しむ分には問題ありませんが、それとは別に、しっかりと水分を補給することを心がけてください。

1日にどれくらいの水分を摂ればよいのでしょうか?

一概に「何リットル」と言うのは難しく、その方の体格や活動量、病状によって必要な水分量は異なります。

一般的な目安としては、食事から摂れる水分(約1リットル)とは別に、飲み水として1日あたり1.0~1.5リットル程度を推奨することが多いです。

しかし、前述の通り、心臓や腎臓にご病気がある場合は水分制限が必要なこともあります。

かかりつけ医がいる場合は、ご自身にとっての適切な水分量を確認することが最も安全で確実です。

食事からでも水分は摂れるのですか?

はい、食事も重要な水分補給源です。特に夏場は、意識して水分の多い食事メニューを取り入れると効果的です。

例えば、ご飯やパンなどの主食にも水分は含まれていますし、味噌汁やスープ、煮物といった汁物は効率よく水分を補給できます。

また、きゅうり、トマト、スイカ、メロンなどの夏野菜や果物も水分が豊富です。食欲がない時でも、こうした食べやすいものから水分と栄養を摂ることを心がけましょう。

むくみがあるのに、水分を摂って大丈夫ですか?

「むくみ(浮腫)があるから水分を控える」というのは、必ずしも正しくありません。むくみの原因は様々で、心不全や腎不全、肝機能障害、低栄養など多岐にわたります。

一方で、脱水状態が続くと血液が濃縮されて血流が悪くなり、かえってむくみを悪化させることもあります。自己判断で水分を制限するのは非常に危険です。

むくみがある場合は、まず医師の診察を受け、その原因を特定し、適切な指示に従うことが重要です。

今回の内容が皆様のお役に立ちますように。
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この記事を書いた人

新井 隆康のアバター 新井 隆康 富士在宅診療所 院長

医師
医療法人社団あしたば会 理事長
富士在宅診療所 院長
順天堂大学医学部卒業(2001)
スタンフォード大学ポストドクトラルフェロー
USMLE/ECFMG取得(2005)
富士在宅診療所開業(2016)

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