ご自身やご家族が、今後の療養生活をどこでどのように送るか考える際、老人保健施設(老健)への入所と、住み慣れた自宅などでの訪問診療の利用は、主要な選択肢となります。
しかし、それぞれに特徴があり、どちらがより適しているかは、ご本人の病状や心身の状態、そして何より大切にしたい生活によって異なります。
この記事では、老健施設と訪問診療を多角的に比較し、後悔のない選択をするための一助となる情報を提供します。
老健施設と訪問診療 – 比較で見つける最適解
高齢期を迎え、医療や介護の必要性が高まったとき、どのような環境でサポートを受けるかは非常に重要な問題です。
老人保健施設(以下、老健施設)と訪問診療は、どちらも高齢者の療養生活を支える大切な選択肢ですが、その性質や目的は大きく異なります。
それぞれの違いを理解することが、ご本人やご家族にとってより良い選択をするための第一歩となります。
老健施設と訪問診療の基本的な違い
老健施設と訪問診療は、提供されるサービス内容や生活の場が根本的に異なります。老健施設は、病院での治療を終えた方が在宅復帰を目指すための一時的な入所施設としての役割が主です。
一方、訪問診療は、医師が定期的に患者の自宅や入居施設を訪れて医療を提供する形を取ります。この基本的な枠組みの違いが、対象者やサービス内容、生活環境に影響を与えます。
主な違いの概要
| 項目 | 老健施設 | 訪問診療 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 在宅復帰支援、リハビリ | 自宅等での療養生活支援 |
| 生活の場 | 施設内 | 自宅、有料老人ホーム等 |
| 医療の関与 | 常勤医による管理、看護師常駐 | 計画的な医師の訪問 |
対象となる利用者・患者層
老健施設の主な対象者は、病状が安定期にあり、病院での急性期治療を終えたものの、すぐに自宅での生活に戻るには医学的な管理やリハビリテーションが必要な方です。
具体的には、脳卒中後のリハビリが必要な方や、骨折治療後で歩行訓練が必要な方などが該当します。原則として、要介護1以上の認定を受けている方が対象となります。
一方、訪問診療の対象者は、病気や障害のために通院が困難な方全般です。年齢制限はなく、小児から高齢者まで幅広く対応します。
慢性疾患の管理、がん末期の緩和ケア、神経難病、認知症の方など、自宅や施設での療養を希望し、医師による定期的な医学管理が必要な方が主な対象となります。
対象者の比較
| 項目 | 老健施設 | 訪問診療 |
|---|---|---|
| 主な状態 | 急性期治療後、リハビリ期 | 慢性期、終末期、通院困難 |
| 要介護度 | 原則要介護1以上 | 特になし(通院困難が条件) |
| 年齢 | 主に高齢者 | 全年齢対象 |
提供される医療・介護サービス
老健施設では、医師による医学的管理のもと、看護、介護、リハビリテーションが一体的に提供されます。
日々の健康管理、薬の管理、医師の診察に加え、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士による専門的なリハビリテーションを受けることができます。また、食事や入浴、排泄などの日常生活上の介護も提供されます。
訪問診療では、医師が定期的に訪問し、診察、検査、薬の処方、治療、療養上の相談などを行います。看護師が同行し、医師の指示のもとで点滴や褥瘡の処치などの医療行為を行うこともあります。
必要に応じて、地域の訪問看護ステーションやケアマネジャー、薬剤師、リハビリ専門職などと連携し、チームで患者の療養生活を支えます。
提供サービスの一例
- 老健施設: 医師の診察、投薬、リハビリ、日常的な介護、栄養管理
- 訪問診療: 医師の診察、投薬、検査、医療処置、療養指導、他職種連携
生活環境とサポート体制
老健施設での生活は、施設があらかじめ定めた日課に沿って進められます。居室は個室、多床室など施設によって異なり、共用スペースで他の入所者と交流する機会もあります。
医師や看護師が24時間体制ではありませんが日中は常駐しており、夜間もオンコール体制などで対応する施設が多いです。
訪問診療の場合、患者は自宅や入居している高齢者向け住宅などで生活を継続します。住み慣れた環境で、自分のペースで生活できる点が大きな特徴です。
サポート体制は、訪問診療医を中心に、訪問看護師、ケアマネジャー、ヘルパーなどが連携して構築します。緊急時には、訪問診療医や連携する医療機関が対応します。
生活環境の選択は、ご本人の価値観やこれまでの生活スタイル、そして何よりも「どこでどのように過ごしたいか」という希望を尊重することが大切です。
老健施設の特徴と役割
老健施設は、介護保険制度のもとで運営される施設の一つで、病院と自宅の中間的な役割を担います。
その目的は、利用者の在宅復帰と自立支援であり、医療ケアとリハビリテーション、そして日常生活の介護を総合的に提供することで、利用者が再び住み慣れた地域で生活できるよう支援します。
老健施設の目的と機能
老健施設の最も重要な目的は「在宅復帰」です。
そのため、施設では医学的管理下でのリハビリテーションや看護・介護ケアを通じて、利用者の身体機能の回復や日常生活動作(ADL)の向上を目指します。
また、家族への介護指導や住宅改修のアドバイスなど、退所後の生活を見据えた支援も行います。
機能としては、医療機関としての側面と生活施設としての側面を併せ持っています。医師、看護師、介護職員、リハビリ専門職、栄養士、支援相談員など多職種が連携し、個別のケアプランに基づいてサービスを提供します。
医療・リハビリ・介護の連携
老健施設におけるケアの核心は、医療、リハビリテーション、介護の三者が密接に連携することです。医師は利用者の健康状態を管理し、必要な医療的指示を出します。
看護師はその指示に基づき、日々の健康チェックや医療処置を行います。介護職員は食事や入浴、排泄などの日常生活をサポートします。
そして、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士は、個々の利用者の状態に合わせたリハビリ計画を立て、身体機能や嚥下機能の回復・維持を支援します。
これらの専門職が情報を共有し、一体となって利用者の在宅復帰を支えます。
老健施設における職種連携の例
| 職種 | 主な役割 | 連携内容 |
|---|---|---|
| 医師 | 医学的管理、診断、治療方針決定 | 各職種への指示、情報共有 |
| 看護師 | 健康管理、医療処置、服薬管理 | 医師の指示実行、介護職員との連携 |
| リハビリ専門職 | 機能訓練、ADL訓練 | 医師・看護師と状態共有、介護職員への介助方法指導 |
入所条件と利用期間
老健施設に入所するための主な条件は、原則として65歳以上で、要介護認定(要介護1~5)を受けていることです。
また、40歳から64歳の方でも、特定疾病により介護が必要と認定された場合は対象となります。病状が安定しており、入院治療の必要はないものの、リハビリテーションや看護・介護が必要な方が主な対象です。
利用期間については、老健施設はあくまで在宅復帰を目指すための一時的な施設であるため、永続的な入所は想定していません。
一般的には3ヶ月から6ヶ月程度が目安とされ、入所時に作成されるケアプランに基づいて定期的に退所の見込みが検討されます。ただし、利用者の状態や家族の状況により、期間は変動することがあります。
費用と公的支援制度
老健施設の利用費用は、要介護度、居室の種類(多床室、従来型個室、ユニット型個室など)、提供されるサービス内容によって異なります。
費用には、介護保険サービス費の自己負担分(通常1割~3割)、食費、居住費、その他日常生活費などが含まれます。
公的支援制度としては、高額介護サービス費制度があります。これは、1ヶ月の介護保険サービスの自己負担額が一定の上限を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です。
また、所得の低い方に対しては、食費や居住費の負担を軽減する特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)の制度もあります。
これらの制度の利用については、施設の支援相談員やケアマネジャーに相談すると良いでしょう。
老健施設の費用内訳(例)
- 介護保険サービス費(自己負担分)
- 食費
- 居住費
- その他(理美容代、日用品費など)
訪問診療の特徴と活用シーン
訪問診療は、通院が困難な患者さんの自宅や入居施設に医師が定期的に訪問し、計画的な医療サービスを提供するものです。
「在宅医療」の中核を担うサービスであり、患者さんが住み慣れた場所で安心して療養生活を送れるよう支援します。特に高齢化が進む現代において、その重要性はますます高まっています。
訪問診療の対象者とサービス内容
訪問診療の対象者は、年齢や疾患の種類を問わず、病気、怪我、あるいは身体的な理由で外来通院が難しい方です。
例えば、寝たきりの方、認知症で外出が困難な方、がんの終末期で自宅での緩和ケアを希望される方、神経難病の方などが挙げられます。
提供されるサービス内容は多岐にわたります。
定期的な診察、血圧や体温などのバイタルチェック、血液検査や尿検査などの各種検査、薬の処方、点滴や注射、褥瘡(床ずれ)の処置、在宅酸素療法の管理、経管栄養の管理、痛みのコントロールなど、患者さんの状態に応じた医療を提供します。
また、療養上のアドバイスや精神的なサポートも重要な役割です。
訪問診療で提供可能な医療行為の例
| 分類 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 診察・検査 | 定期診察、血液検査、尿検査、心電図検査(ポータブル) |
| 治療・処置 | 薬の処方、点滴、褥瘡処置、気管カニューレ交換、在宅酸素管理 |
| 相談・指導 | 療養指導、栄養指導、家族への介護指導、終末期ケア相談 |
自宅・施設での医療提供の流れ
訪問診療を開始するにあたり、まずは患者さんやご家族からの相談を受け、現在の病状や生活状況、希望などを詳しく伺います。その上で、訪問診療の計画(訪問頻度、診療内容など)を作成し、同意を得てから診療を開始します。
通常、月に2回から4回程度の定期的な訪問が基本となります。訪問時には、医師が診察を行い、必要な医療処置や薬の処方を行います。看護師が同行することもあります。
患者さんの状態に変化があった場合や緊急時には、臨時で往診を行ったり、連携する病院への紹介を行ったりします。
この計画的な医療提供により、患者さんは自宅にいながら継続的な医療ケアを受けることができます。
多職種連携と家族支援
訪問診療は、医師だけで完結するものではありません。患者さんの療養生活を総合的に支えるためには、様々な専門職との連携が重要です。
ケアマネジャー(介護支援専門員)は介護サービスの計画を立て、訪問看護師は医師の指示のもとで日常的な医療ケアや健康管理を行います。
薬剤師は薬の管理や服薬指導を行い、理学療法士や作業療法士は自宅でのリハビリテーションを提供します。これらの多職種が情報を共有し、それぞれの専門性を活かしてチームとして患者さんをサポートします。
また、患者さんを支えるご家族への支援も訪問診療の重要な役割です。病状の説明や今後の見通し、介護方法の指導、精神的なサポートなどを通じて、ご家族の不安や負担を軽減するよう努めます。
ご家族が安心して介護に取り組める環境を整えることが、患者さんの安定した在宅療養につながります。
訪問診療のメリット・デメリット
訪問診療には多くのメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットや留意点も存在します。これらを理解した上で、利用を検討することが大切です。
訪問診療の利点と留意点
| 側面 | メリット | デメリット・留意点 |
|---|---|---|
| 生活面 | 住み慣れた環境で過ごせる、通院の負担がない | 家族の介護負担が増える可能性、24時間体制の医療機関ではない |
| 医療面 | 個別性の高いケア、定期的な健康管理 | 高度な検査や専門治療は困難な場合がある、緊急時の対応に限界があることも |
| 精神面 | 安心感、プライバシーの確保 | 社会との繋がりが減る可能性(対策が必要) |
メリットとしては、何よりも住み慣れた自宅でリラックスして医療を受けられる点が挙げられます。通院に伴う身体的・精神的な負担も軽減されます。
また、医師や看護師が生活の場を直接見ることで、よりきめ細やかな療養指導や環境調整のアドバイスが可能になります。
デメリットとしては、自宅で可能な検査や治療には限界があるため、高度な医療が必要になった場合には入院が必要となることがあります。
また、24時間常に医師や看護師がそばにいるわけではないため、緊急時の対応については事前に取り決めをしておく必要があります。
家族の介護負担が増える可能性も考慮し、介護サービスを適切に利用することが求められます。
緊急時や看取り対応
訪問診療では、患者さんの状態が急変した場合の緊急対応体制を整えています。
多くの訪問診療クリニックでは、24時間対応の連絡先を設け、必要に応じて臨時往診を行ったり、連携する病院への救急搬送を手配したりします。
事前に緊急時の連絡方法や対応の流れについて、患者さんやご家族と十分に話し合い、共有しておくことが大切です。
また、人生の最終段階における医療・ケア(看取り)についても、訪問診療は重要な役割を担います。患者さんやご家族の意向を尊重し、苦痛の緩和を最優先に考えたケアを提供します。
住み慣れた自宅で、家族に見守られながら穏やかな最期を迎えたいと希望される方にとって、訪問診療は心強い支えとなります。
医師、看護師、ケアマネジャーなどが連携し、精神的なサポートも含めて、患者さんとご家族に寄り添います。
老健施設と訪問診療の比較ポイント
老健施設への入所と訪問診療の利用、どちらを選択するかは、ご本人の病状、必要な医療・介護の内容、生活に対する希望、そしてご家族の状況などを総合的に考慮して判断する必要があります。
ここでは、両者を比較する上での主なポイントを整理します。
医療体制・対応範囲の違い
老健施設では、常勤の医師や看護師が配置され、施設内で一定レベルの医療ケアを提供します。リハビリテーションに力を入れている施設が多く、集中的な機能回復訓練を受けることができます。
ただし、高度な医療機器や専門的な治療が必要な場合は、外部の医療機関と連携して対応することになります。
訪問診療では、医師が定期的に訪問して診療を行いますが、医療設備は限られます。対応できる医療行為は、医師の専門性やクリニックの体制によって異なります。
慢性疾患の管理や緩和ケアなど、在宅での療養を中心とした医療が主となります。緊急時には往診や連携病院への紹介で対応しますが、即座の高度医療提供は難しい場合があります。
医療体制の比較
| 項目 | 老健施設 | 訪問診療 |
|---|---|---|
| 医師の関与 | 常勤医(日中)、オンコール体制 | 定期訪問、緊急時往診(契約による) |
| 看護体制 | 看護師常駐(24時間体制ではない場合も) | 訪問看護(別途契約)との連携 |
| 対応可能な医療 | ある程度の医療処置、リハビリ | 慢性期管理、緩和ケア、限定的な処置 |
費用・保険適用の比較
費用面では、老健施設は介護保険が主に適用され、自己負担額に加えて食費や居住費がかかります。所得に応じた負担軽減制度があります。
訪問診療は医療保険が適用されます。自己負担割合(1割~3割)に応じた費用がかかり、その他に薬代や、訪問看護、訪問リハビリなどを利用する場合は別途介護保険または医療保険の費用が発生します。
高額療養費制度や高額介護合算療養費制度などの公的助成が利用できる場合があります。
一概にどちらが安価とは言えませんが、必要なサービス内容や利用頻度によって総費用は大きく変わります。具体的な費用については、各施設やクリニック、ケアマネジャーに確認することが重要です。
生活の自由度とQOL
生活の自由度という点では、訪問診療を利用して自宅で療養する方が一般的に高いと言えます。自分のペースで生活でき、家族やペットと共に過ごせるなど、住み慣れた環境ならではの安心感があります。
このことは、患者さんの生活の質(QOL)の維持・向上に大きく寄与する可能性があります。
一方、老健施設では、集団生活となるため、日課や規則がある程度定められています。プライバシーの確保や個人の嗜好への対応には限界があるかもしれません。
しかし、専門職による24時間体制に近い見守りや、他の入所者との交流がある点はメリットとも言えます。どちらの環境がQOLを高めるかは、ご本人の性格や価値観、心身の状態によって異なります。
家族・介護者の負担
家族や介護者の負担は、選択において非常に重要な要素です。老健施設に入所する場合、日常的な介護の多くを施設スタッフに任せることができます。
このため、家族の身体的・精神的な負担は大幅に軽減される可能性があります。面会時間の制約などはありますが、介護から一時的に解放されることで、家族自身の生活を取り戻せることもあります。
訪問診療を利用して在宅で療養する場合、家族が中心となって介護を担うケースが多くなります。
訪問診療や訪問看護、ヘルパーなどのサービスを利用しても、日々のケアや緊急時の対応など、家族にかかる負担は大きくなる傾向があります。
介護者の健康状態や仕事との両立、精神的なサポート体制などを十分に考慮する必要があります。
介護者負担の観点
- 老健施設: 介護負担は軽減、面会や精神的サポートは継続
- 訪問診療(在宅): 介護負担は増大の可能性、介護サービスの活用が鍵
地域連携・情報共有の仕組み
老健施設も訪問診療も、地域における他の医療機関や介護サービス事業者との連携が不可欠です。
老健施設は、退所後の在宅生活を円滑に移行するために、地域のケアマネジャーや訪問サービス事業者と情報を共有し、連携を図ります。
訪問診療においては、特に多職種連携が重要となります。
地域の訪問看護ステーション、薬局、歯科診療所、病院などと密に連携を取り、患者情報を共有することで、切れ目のない医療・介護サービスを提供します。ICT(情報通信技術)を活用した情報共有システムを導入している地域や医療機関も増えてきています。
この地域包括ケアシステムの中での連携の質が、サービスの質にも影響します。
よくある質問
療養場所や医療の受け方を選ぶ際には、様々な疑問や不安が生じることと思います。ここでは、老健施設と訪問診療の選択に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- 療養場所を選ぶ際、利用者や家族の希望はどのように反映できますか
-
利用者本人と家族の希望や意向は、療養場所を選択する上で最も尊重されるべき点です。まずは、ご本人がどのような生活を送りたいか、何を大切にしたいかをじっくりと話し合うことが大切です。
医療従事者やケアマネジャーは、その希望を最大限に実現できるよう、専門的な立場から情報提供や助言を行います。
例えば、「最期まで自宅で過ごしたい」「リハビリを集中的に行いたい」「家族の負担を減らしたい」など、具体的な希望を伝えることで、より適切な選択肢が見えてきます。
遠慮なく、ご自身の考えや気持ちを伝えてください。
- 医療・介護ニーズは変化することがありますが、どのように対応すればよいですか
-
病状や心身の状態は時間とともに変化することがあります。そのため、一度選択した療養方法が永続的に最適とは限りません。
老健施設に入所している場合でも、状態が改善すれば在宅復帰を目指しますし、逆に在宅療養中に状態が悪化すれば、入院や施設入所を検討することもあります。
大切なのは、定期的に医療・介護の専門職と面談し、現在の状態やニーズを評価し直すことです。ケアプランは通常数ヶ月ごとに見直されます。
その際に、現状に合ったサービス内容になっているか、療養場所の変更も視野に入れるべきかなどを相談し、柔軟に対応していくことが重要です。
ニーズ変化への対応ポイント
状況 老健施設での対応例 訪問診療での対応例 状態改善 在宅復帰に向けた準備、退所支援 訪問頻度の調整、リハビリ強化 状態悪化 医療機関への紹介、ケア内容の見直し 臨時往診、入院調整、ケアプラン変更 介護力変化 家族相談、退所後のサポート検討 介護サービス追加、レスパイト入院検討 - 利用できる地域の資源やサポート体制について、どこで情報を得られますか
-
地域の医療・介護資源やサポート体制に関する情報は、様々な場所で得ることができます。まず、かかりつけ医がいる場合は、その医師に相談するのが良いでしょう。
また、市区町村の役所の高齢者福祉担当窓口や、地域包括支援センターは、地域の公的な相談窓口として重要な役割を担っています。
これらの窓口では、介護保険サービスの種類や利用方法、地域の医療機関や介護施設の情報などを提供してくれます。ケアマネジャーが決まっている場合は、ケアマネジャーも情報提供の重要な担い手です。
インターネットで検索することも可能ですが、情報の正確性には注意が必要です。
情報収集先の例
- かかりつけ医
- 市区町村の役所(高齢者福祉課など)
- 地域包括支援センター
- 担当ケアマネジャー
- 専門職(医師、ケアマネジャーなど)に相談する際のポイントは何ですか
-
専門職に相談する際は、事前にいくつかの点を整理しておくと、よりスムーズで有益な情報交換ができます。
まず、ご本人の現在の病状や困っていること、不安に思っていることを具体的に伝えられるようにメモしておくと良いでしょう。
次に、どのような生活を送りたいか、何を優先したいかという希望を明確にしておくことも大切です。質問したいこともリストアップしておくと、聞き忘れを防げます。
相談時には、専門職の説明をよく聞き、分からない点や疑問点は遠慮なく質問しましょう。複数の選択肢が提示された場合は、それぞれのメリット・デメリットを確認し、ご自身の状況や希望と照らし合わせて検討します。
一度の相談で全てを決定しようとせず、持ち帰って家族と話し合ったり、セカンドオピニオンを求めたりすることも考えて良いでしょう。
信頼できる専門職を見つけ、良好な関係を築くことが、納得のいく選択につながります。
今回の内容が皆様のお役に立ちますように。

