施設入居者の訪問診療料は安くなる?「同一建物居住者」の減算ルールと費用

施設入居者の訪問診療料は安くなる?「同一建物居住者」の減算ルールと費用

有料老人ホーム等の施設に入居している場合、訪問診療の費用は自宅での診療に比べて低く抑えられます。

これは「同一建物居住者」という区分が適用となり、医師の移動コストを削減できる分、一人あたりの診察料を減らすルールがあるためです。

本記事では、この減算制度の仕組みや実際の支払い額、人数による点数の違いを詳しく解説します。費用の内訳を正しく理解し、安心して医療を受けましょう。

目次

施設入居者が知っておくべき訪問診療料の基本構造

施設入居者が利用する訪問診療の費用は、医師が一度の訪問で何人を診察するかによって決まります。

基本的には一人あたりの費用が、自宅で受ける診療よりも大幅に安くなる仕組みを導入しています。この費用の違いを生んでいるのが「在宅患者訪問診療料」という項目です。

厚生労働省が定めるこの料金体系には、自宅で受ける場合と施設で受ける場合の二つの大きな枠組みが存在します。

自宅での診療は、医師が一軒の家に対して一人の患者さんを診るため、移動時間や手間に見合った高い点数を設定しています。

対して施設は、複数の患者さんをまとめて診察できるため、一人あたりの負担を軽減しています。

在宅患者訪問診療料の区分と点数の関係

訪問診療の基本料金は、大きく分けて二つの算定区分で構成しています。一つは「同一建物居住者以外」で、もう一つが「同一建物居住者」という名称の区分です。

同一建物居住者以外とは、主に一軒家や、同じ建物内で一人だけが受診する場合を指します。この区分は点数が最も高く、医療機関が移動にかけるコストを補う意味合いを強く持っています。

一方で同一建物居住者は、老人ホーム等の集合住宅において、複数の入居者が同じ日に受診する場合に適用します。効率的な診療が可能となるため、点数は低く設定されています。

算定区分別の基本点数比較

診察の区分主な対象者1回分の点数
居住者以外自宅での単独診療888点
同一建物(少人数)施設での2〜9人213点
同一建物(大人数)施設での10人以上161点

同一建物居住者の具体的な定義

同一建物居住者とは、法律で定められた特定の施設や住宅に住んでいる方を指します。有料老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅などがその代表例です。

単なるマンションやアパートであっても、同じ建物内で複数の人が同日に診療を受ける場合はこの区分に該当します。

反対に、施設に入居していても、その日に自分一人しか診察を受けない場合は注意が必要です。この場合、施設入居者であっても「同一建物居住者以外」の高い点数で請求が行われる可能性があります。

請求書を確認する際は、受診日の人数構成がどうなっていたかを知ることが重要です。

厚生労働省が定める算定基準の考え方

日本の医療保険制度は、医療の質を保ちながら国民全体の負担を抑えることを目的としています。訪問診療の点数設定も、この考え方に基づいて効率性を重視した設計を施しています。

一人の医師が一日に診察できる人数には限りがあります。そのため、移動時間を短縮して多くの患者さんを診察できる環境については、一人あたりの点数を下げるのが合理的です。

この合理的な設計の結果として、施設入居者は安価に医療を受けられる恩恵を享受しています。制度の仕組みを理解することは、納得感のある医療サービスの利用に繋がります。

「同一建物居住者」の減算ルールが適用される条件

減算ルールが適用となるためには、医師が同じ日に、同じ建物内の何人の患者さんを診察するかが判定の基準となります。この人数カウントは非常に厳格に行い、月々の請求額を左右します。

以前は施設入居者であれば一律に低い点数でしたが、現在は診察の密度に応じた三段階の評価に分かれています。これによって、より実態に即した費用負担が可能となりました。

具体的には「1人」「2人から9人」「10人以上」という区切りを設けています。多くの入居者が定期的な訪問診療を利用している施設では、必然的に最も安い点数が適用となります。

人数によって変動する点数の仕組み

同一建物の減算ルールは、医師の稼働効率をダイレクトに反映しています。

2人から9人を診察する場合、一人あたりの点数は自宅診療の約4分の1程度まで下がります。さらに10人以上をまとめて診察する場合、点数はさらに低くなり、経済的な負担は最小限となります。

この区分の切り替わりは、医療機関側が提出するレセプト(診療報酬明細書)で管理しています。

利用者側としては、同じ施設内で何人の仲間が同じクリニックを利用しているかを知ることで、大まかな費用を予測できます。

施設側が提携クリニックを絞っている場合は、このメリットを受けやすいです。

同日診療人数と費用の関係性

同日の人数区分の名称1回分の点数
1人のみ同一建物内1人888点相当
2人〜9人同一建物内2〜9人213点
10人以上同一建物内10人以上161点

併設施設やグループホームでの取り扱い

診療所と同じ敷地内にある施設や、密接な関係にあるグループホームでは、さらに特別なルールを適用します。移動距離が極めて短いことを考慮し、点数をより抑える設定があります。

特に、医療機関を運営する法人が同じ施設を運営しているケースでは、事務的な手間も削減できるとみなします。

このような環境では、通常の同一建物居住者よりも低い点数で算定を行う場合があります。

利用者は、入居を検討している施設がどのような医療機関と提携しているかを確認しましょう。法人が一体となっている場合は、費用の透明性が高く、連携もスムーズな傾向にあります。

医師が同日に診察する人数のカウント方法

人数のカウントは、あくまで「その医療機関の医師が」「その日に」診察した実人数で行います。午前中に5人、午後に6人を診察した場合は、合計11人として扱います。

ただし、急な体調不良による入院などで予定していた診察がキャンセルとなった場合は注意が必要です。

当日の実人数が9人になれば、点数は10人以上の区分ではなく2〜9人の区分を適用します。

月によって基本料金が数百円程度前後するのは、こうした日々の受診人数の変動が原因です。この変動は制度上の決まりであり、クリニック側のミスではないことを理解しておくと安心です。

施設入居者の月々の訪問診療にかかる具体的な費用目安

訪問診療の総額は、基本の診療料に加えて、体調管理のための管理料や処方箋料が合算となります。

施設入居者の場合、自宅診療に比べて月額で数千円から1万円以上の差が出るのが一般的です。

合計額を左右するのは、本人の負担割合です。75歳以上であれば原則1割(現役並み所得者は3割)の負担となりますが、この割合によって窓口での支払い額は大きく変わります。

標準的なケースとして、月2回の訪問診療を受ける場合、1割負担の方であれば月額3,000円から7,000円程度が目安となります。これには、24時間の体制維持費も含まれています。

1割負担・3割負担別の自己負担額

訪問診療の費用は、点数に10円を乗じた金額に負担割合をかけて計算します。同一建物居住者(10人以上)の区分であれば、1回あたりの診察代は約161円(1割負担の場合)です。

これに「在宅時医学総合管理料」という、月ごとの健康管理費用が加わります。この管理料も施設入居者は安くなっており、1割負担で3,000円前後の設定が多いです。

結果として、1割負担の方の多くは、毎月の医療機関への支払いが5,000円前後に収まります。3割負担の方はこの3倍になりますが、それでも自宅診療に比べれば割安感があります。

自己負担割合による月額総額の目安

負担割合基本費用(月2回)管理料(月額)
1割負担約320円〜430円約2,000円〜4,000円
2割負担約640円〜860円約4,000円〜8,000円
3割負担約960円〜1,290円約6,000円〜12,000円

診察料以外に発生する管理料や加算

月々の支払額において、診察料よりも大きな比重を占めるのが「在宅時医学総合管理料」です。これは、医師が日々の健康状態を把握し、緊急時に対応する体制を維持するための費用です。

また、特定の処置が必要な場合は加算が発生します。例えば、がんの末期で特別なケアを行う場合や、胃ろう、点滴などの管理を行っている場合は、専門的な指導料が追加となります。

これらの加算についても、施設入居者向けには減算を適用した点数が用意されています。全体として、施設という集団生活の場を活用すると、高度な医療を比較的安価に継続できます。

お薬代や検査代が加わった時の総額

医療機関への支払いとは別に、院外処方の場合は薬局への支払いが発生します。

訪問診療では薬剤師が施設まで薬を届けてくれるため、その分の指導料(居宅療養管理指導費)も必要です。血液検査や心電図検査を行った月は、さらに数千円程度の検査費用が加わります。

すべてを合わせた1割負担の方の月間コストは、通常時で8,000円から12,000円程度を見込んでください。

高額療養費制度を利用すれば、一定以上の負担には上限が設けてあります。

所得区分にもよりますが、一般的な所得の方であれば、複数の医療機関にかかっても負担が過大にならない保護策があります。

同一建物での診療でコストを抑えられる理由とメリット

施設入居者の診療費が安い理由は、医療機関の運営効率を患者さんの負担軽減に還元しているためです。

この合理的なシステムは、単なる費用の問題以上の大きな利点を患者さんへ提供しています。

まず、医師の移動時間を大幅にカットできます。一軒家を回る場合、移動だけで数時間を費やすケースもありますが、施設であればその時間を診察や記録の整理、スタッフとの打ち合わせに活用できます。

この時間の余裕は、より細やかな体調の変化を見逃さない診察に繋がります。効率化が生むメリットは、巡り巡って医療の質という形で患者さん自身に戻ってきます。

効率的な巡回診療による医療側の負担軽減

訪問診療クリニックにとって、最大の課題は移動にかかる時間とコストの管理です。渋滞や駐車スペースの確保などは、診察以外の大きなストレスとなります。

施設での巡回診療は、このストレスを最小限に抑えます。一度の訪問で10人以上の診察を完了できる環境は、医療機関の経営基盤を安定させ、継続的なサービスの提供を可能にします。

その結果、医療機関は質の高い機材を導入したり、優秀な看護師を配置したりするための資源を確保できます。

患者さん側が支払う低い点数は、この高度に効率化した運用を支える対価と言えます。

施設側と医療機関の連携強化

同一建物の減算ルールが成立する前提には、施設スタッフによる事前の準備があります。患者さんの顔ぶれを揃え、直近のバイタルサインや食事の様子をまとめておき、診察が円滑に進みます。

この事前の準備と情報共有は、一人で暮らす自宅での診療では実現が難しいものです。医療と介護が同じ現場で手を取り合うと、より安全な生活環境を構築できます。

費用が安くなることは、こうした連携が機能している証拠でもあります。安価な料金設定を最大限に活用し、多職種によるチーム医療の恩恵を受けることが、施設生活を豊かにします。

緊急時の駆けつけ時間が短縮される期待

多くの患者さんを抱える施設には、医師が頻繁に足を運びます。週に何度も訪問する環境であれば、万が一の急変時にも、近くを巡回している医師が即座に駆けつけてくれる可能性が高まります。

「顔の見える関係」が施設スタッフと医師の間で築けているため、電話一本での状況判断も正確になります。これは、コスト面でのメリットに勝るとも劣らない、施設診療の大きな魅力です。

安心を安価に購入できる現在の制度は、高齢社会における合理的な解決策の一つと言えます。制度を正しく理解し、自分のケアチームを信頼して任せることが、心身の安定に直結します。

注意が必要な「同一建物内」の例外規定と算定不可のケース

すべての施設や状況で安くなるわけではなく、算定できないケースや、逆に高くなる例外も存在します。制度の落とし穴を把握しておくと、後々の請求トラブルを回避できます。

特に、施設の種類や提供される医療サービスの内容によっては、訪問診療そのものが制限されている場合があります。自分の入居先がどのような法的性質を持っているかを知ることは非常に大切です。

また、病状が著しく重い場合など、特別な事情がある際には減算ルールが適用されないケースもあります。

介護老人保健施設(老健)等での制限

介護老人保健施設(老健)に入所している場合、原則として外部の医療機関による訪問診療は利用できません。

老健には配置医師が常駐しており、日常の医療ケアはその医師が行う義務があるためです。

特別な専門外来を除き、外部の医師を呼ぶことは「二重請求」の禁止に触れる可能性があります。このため、老健に入所する際は、それまで利用していた訪問診療を一度休止する必要があります。

このルールを知らずに入居してしまうと、医療の継続性が断たれたと感じるかもしれません。

入居前に、施設内の医師がどの程度までの医療をカバーしてくれるのかを詳細に確認することが重要です。

急変時の往診や深夜診療の扱い

定期的な訪問診療は「同一建物居住者」の低い点数で済みますが、緊急で呼ぶ「往診」は別料金です。往診は計画外の対応であるため、施設内であっても通常の高い点数が適用となります。

特に夜間や休日、深夜に医師を呼んだ場合は、多額の往診加算が発生します。これは施設に入居していても避けられないコストであり、月額費用が一時的に跳ね上がる要因となります。

定期的な診療費の安さにだけ注目していると、緊急時の出費に驚くことになります。月々の予算には、数回程度の往診が発生しても対応できるだけの余力を持たせておくのが賢明です。

末期がんや重症患者における除外規定

病状が非常に重い患者さんについては、厚生労働省が定める「厚生労働大臣が定める状態」に該当する場合、減算ルールの対象外となるときがあります。

これは、手間のかかる患者さんに十分な時間をかけるための措置です。

具体的には、末期がんの緩和ケアを行っている方や、人工呼吸器を使用している方などが対象です。これらのケースでは、施設入居者であっても「自宅診療と同じ高い点数」で計算を行う場合があります。

ただし、これは決して不利なことではなく、それだけ手厚い医療提供が求められている証拠です。

質の高い医療を受けるために必要なコストとして理解し、ケアプランの内容を医師と共有しましょう。

施設の種類による費用の違いと入居時の判断基準

訪問診療の費用は、施設の種類によっても微妙な変化が生じます。建物の構造や入居定員、提供される介護保険サービスの内容が、医療費の算定区分に影響を与えるためです。

入居を検討する際は、家賃や介護費用だけでなく、医療費の算定ルールも考慮に入れてください。特に大規模な施設と小規模なグループホームでは、一人あたりの負担額に差が出やすいです。

有料老人ホームとサ高住の比較

介護付有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、いずれも「同一建物居住者」の算定対象となります。しかし、その建物に住む受診者の総数によって点数が分かれます。

大規模なサ高住であれば、多くの入居者が同じクリニックを利用するため、10人以上の区分(最も安い点数)が適用されやすいです。

費用を極力抑えたい場合は、提携医療が確立された大規模施設が有利です。

一方で、小規模な住宅型有料老人ホームでは、受診者が自分を含めて数人しかいないケースもあります。

この場合、2〜9人の区分となり、大規模施設よりは少し高い点数になることを覚えておきましょう。

グループホームにおける費用の特徴

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、一つのユニットが9人以下という少人数で構成されています。そのため、施設全体でも受診者が10人に満たないケースが多々あります。

この環境では、必然的に「同一建物内2〜9人」の区分が適用となります。大規模施設に比べると一人あたりの点数はわずかに高くなりますが、その分、アットホームで密な医療提供が期待できます。

また、グループホームでは薬剤師による薬の配達(居宅療養管理指導)の回数制限など、独自のルールもあります。総額での費用負担を把握するために、ケアマネジャーに概算を出してもらうと安心です。

特別養護老人ホーム(特養)での算定ルール

特別養護老人ホーム(特養)にも配置医がいますが、外部の医療機関が訪問診療を行うことも可能です。

ただし、特養における外部診療は、特定の疾患や配置医が対応できない専門的な治療に限られます。

特養で訪問診療を受ける際も、同一建物居住者のルールを適用します。特養は入所者数が多いため、許可された診療については10人以上の低い点数で算定を行うのが一般的です。

しかし、特養は本来、施設内の医師が全てをカバーするのが理想とされています。外部の医師を入れると追加の費用が発生することを理解し、施設側とよく相談して決定してください。

適切な訪問診療クリニックを選ぶためのポイント

施設入居者にとって、訪問診療クリニックの選択は健康管理の質を左右する重大な決定です。費用面での誠実さはもちろん、施設スタッフとの連携のスムーズさを重視する必要があります。

多くの施設では「協力医療機関」として提携先を紹介されますが、必ずしもそこに従わなければならないわけではありません。

本人の意向や家族の希望を尊重し、納得できる医師を選ぶ権利があります。

契約後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、チェックすべきポイントを整理しました。これらを基準に、長く付き合える医療のパートナーを見極めてください。

費用説明の透明性と詳細な明細

契約時に、毎月の支払い額について具体的なシミュレーションを提示してくれるかを確認してください。

減算ルールの適用区分を明確にし、1割負担の場合の概算を隠さず話してくれる姿勢が大切です。

また、診療後の請求書に不透明な加算がないか、質問した際に事務担当者が丁寧に答えてくれるかも判断材料となります。誠実なクリニックは、患者さんの経済的な不安に対しても真摯に向き合います。

交通費の有無も重要な確認事項です。同一建物内で多くの患者さんを診ている場合、交通費を免除しているクリニックも多いです。

無駄な出費を抑えるためにも、細かな料金体系を事前に把握しましょう。

施設スタッフとの情報共有体制

訪問診療の質は、施設スタッフとの連携力に依存します。医師が施設を訪れた際、看護師や介護士としっかりと対話を行い、情報を吸い上げる体制ができているかを確認してください。

優れたクリニックは、独自の連絡帳やICTツールを活用し、24時間体制で施設側と連絡を取り合っています。

医師の指示が現場のスタッフに正しく伝わっていることが、医療ミスを防ぐ最大の防御策となります。

可能であれば、施設のケアマネジャーに「そのクリニックの先生は、現場の話をよく聞いてくれますか?」と尋ねてみると良いです。現場の評価こそが、最も信頼できる情報源となります。

看取りの実績と方針の合致

施設で最期まで過ごしたいと考えている場合、看取りへの対応実績は必須の確認事項です。緊急時に夜間でも駆けつけ、死亡診断まで責任を持って行ってくれるかどうかを明確にしましょう。

クリニックによっては、定期的な診察は行うものの、看取りの瞬間には対応できないという方針を持っている場合もあります。

本人の人生の最終段階をどう支えてほしいか、その方針を共有できる医師を選んでください。

安価な減算ルールを維持しつつ、手厚いケアを最期まで提供してくれるクリニックこそが、施設入居者にとっての理想の医療機関です。

費用の安さに満足するだけでなく、心の平穏を得られる選択をしましょう。

よくある質問

夫婦で同じ個室に入居していますが二人とも安くなりますか?

同一の建物内に住んでいれば、お二人とも同一建物居住者の点数が適用となります。同じ部屋であるかどうかは関係ありません。

重要なのは、その日に医師が建物内の複数人を診察しているという事実です。そのため、ご夫婦ともに自宅診療に比べて大幅に費用を抑えることが可能です。

月に何回まで訪問診療を受けられますか?

標準的には月に2回の訪問診療を行う計画を立てます。病状が安定している方であれば、この回数で十分な管理が可能です。

もし病状が悪化した場合は、月3回以上の診療を行うときもありますが、その際の基本料の扱いは制度によって細かく決められています。

頻繁な訪問が必要な場合は、事前に費用の変動について説明を受けるようにしてください。

薬の受け取りも安くなるのでしょうか?

訪問診療におけるお薬の処方自体には減算ルールはありませんが、薬剤師による施設への配達料(居宅療養管理指導費)については、同一建物内での人数による割引設定があります。

一人の薬剤師が同じ施設内の複数人に薬を届ける場合、一人あたりの負担は安くなります。

このように、医師の診療代だけでなく、付随するサービスでも集団のメリットを受けられます。

他の病院の専門外来に受診しても大丈夫ですか?

訪問診療を受けていても、眼科や耳鼻科などの専門外来に受診することは可能です。

ただし、内科の訪問診療を受けている最中に、他の内科クリニックを受診して同じ薬を処方してもらうことは、保険制度上好ましくありません。

他の病院にかかる際は、必ず主治医(訪問診療医)に相談し、紹介状を作成してもらうなどの連携をとりましょう。

施設を退去して病院に入院した場合はどうなりますか?

病院に入院している間は、訪問診療を利用できません。入院先の病院がすべての医療をカバーするためです。

入院が決まった時点で、訪問診療クリニックとは一時的な休止状態となります。退院して施設に戻ってきた際に、再び診療を再開する手続きを行います。

入院中の費用については、病院側の規定に従って支払うことになります。

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この記事を書いた人

新井 隆康のアバター 新井 隆康 富士在宅診療所 院長

医師
医療法人社団あしたば会 理事長
富士在宅診療所 院長
順天堂大学医学部卒業(2001)
スタンフォード大学ポストドクトラルフェロー
USMLE/ECFMG取得(2005)
富士在宅診療所開業(2016)

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