病気や事故の影響でストマ(人工肛門・人工膀胱)を造設した後、ご自宅での療養生活に不安を感じる方は少なくありません。
「装具の交換がうまくできるか」「皮膚がかぶれたらどうしよう」といった心配事は、ご本人だけでなくご家族にとっても大きなものです。
訪問診療は、医療者が定期的にご自宅へ伺い、専門的なストマケアや健康管理を行うことで、在宅での安心した生活を支えます。
この記事では、ストマの在宅ケアにおける基本的な知識から、訪問診療が提供する具体的なサポート内容、トラブル時の対応まで、詳しく解説します。
ストマと在宅ケアの基礎知識
ストマ(人工肛門・人工膀胱)を造設した後、多くの方はご自宅での生活に戻ります。住み慣れた環境で療養を続けるためには、ストマの特性を理解し、適切な在宅ケアを行うことが大切です。
ここでは、ストマの基本的な知識と、なぜ在宅でのケアや訪問診療によるサポートが重要になるのかを解説します。
ストマとは何か、その種類と特徴
ストマとは、病気の治療などのために、お腹に手術で造設された便や尿の排泄口のことです。
ギリシャ語で「口」を意味します。消化管ストマ(人工肛門)と尿路ストマ(人工膀胱)の2種類に大別されます。
ご自身の意思で排泄をコントロールすることはできないため、ストマ装具と呼ばれる袋(パウチ)を貼付して、そこに出てくる排泄物を受け止めます。
ストマの種類と主な特徴
| 分類 | ストマの名称 | 特徴 |
|---|---|---|
| 消化管ストマ | コロストミー(結腸ストマ) | 大腸(主に結腸)で造設。比較的固形の便が排泄されることが多い。 |
| 消化管ストマ | イレオストミー(回腸ストマ) | 小腸(主に回腸)で造設。水様性または泥状の便が排泄される。 |
| 尿路ストマ | ウロストミー(人工膀胱) | 尿を排泄するために造設。尿が持続的に排泄される。 |
ストマは粘膜でできているため赤色をしていますが、痛みを感じる神経はありません。ただし、傷つきやすいため、ケアの際には優しく扱う必要があります。
造設される場所や排泄物の性状は、元の病気や手術の内容によって異なります。
在宅でのストマケアが必要な理由
ストマを造設すると、生涯にわたって排泄管理(ストマケア)が必要になります。
入院中は看護師がケアを行いますが、退院後はご自宅で患者さんご自身、またはご家族がケアを継続しなければなりません。
ケアの主な目的は、排泄物を適切に処理すること、そしてストマ周囲の皮膚を健康に保つことです。
適切なケアが行われないと、装具からの「漏れ」や、皮膚がかぶれる「皮膚トラブル」を引き起こす原因となります。
これらは生活の質(QOL)を大きく低下させるため、日々の継続的なケアがとても重要です。
訪問診療によるサポートの重要性
退院直後はケアの手順に慣れず、不安を感じることが多いものです。
また、高齢の患者さんや、他の病気を併発している方、ご家族の介護力が十分でない場合、ご自身やご家族だけで完璧なケアを続けることは困難な場合があります。
訪問診療では、医師や看護師が定期的にご自宅を訪問し、専門的な視点でストマの状態や皮膚の状態をチェックします。
ケアの方法が適切かを確認し、個々の状況に合わせて指導を行うことで、トラブルを未然に防ぎ、安心して在宅療養を続けられるよう支援します。
在宅ケアの対象となる患者さん
ストマの在宅ケアは、ストマを造設されたすべての方が対象となります。その中でも、特に訪問診療によるサポートが有効なのは、以下のような状況にある患者さんです。
- 退院直後で、ご自身やご家族がストマケアに不安を感じている
- 高齢や体力低下により、ご自身でのケアが困難になってきた
- 認知機能の低下により、ケアの手順を覚えたり管理したりすることが難しい
- 併存疾患(脳梗塞後遺症、パーキンソン病、関節リウマチなど)により、手指の細かい動作が難しい
また、介護するご家族がご高齢の場合や、日中お一人になる時間が多い場合なども、医療者が定期的に関わることで、ご本人とご家族の双方の負担を軽減できます。
訪問診療で提供するストマケアの内容
訪問診療では、患者さんがご自宅で安全かつ快適に過ごせるよう、多岐にわたるストマケアのサポートを提供します。
単に装具を交換するだけでなく、専門的なアセスメントに基づき、皮膚トラブルの予防から栄養指導、セルフケアの支援まで、総合的に関わります。
ストマ装具の選択と交換管理
ストマ装具には多くの種類があり、患者さんのストマの形状、お腹の硬さやシワの状態、ライフスタイルに合わせて最適なものを選択することが重要です。
装具が合っていないと、漏れや皮膚トラブルの原因になります。訪問診療では、医師や看護師が患者さんのお腹の状態を定期的に評価します。
体重の増減や加齢による体形の変化に合わせて、装具の種類や面板(皮膚保護剤)のカット方法を見直します。
ストマ装具の主な種類
| 種類 | 特徴 | 交換の目安 |
|---|---|---|
| 単品系(ワンピース) | 面板と袋(パウチ)が一体型。薄く、柔らかい。 | 1〜3日ごと |
| 二品系(ツーピース) | 面板と袋(パウチ)が別々。袋だけ交換できる。 | 面板:3〜7日、袋:1〜3日 |
また、装具の交換手順を患者さんご自身やご家族が行えるよう、丁寧に指導します。ご自身での交換が難しい場合は、訪問する看護師が交換作業を実施し、ストマの状態を管理します。
皮膚トラブルの予防とケア
ストマケアで最も重要なことの一つが、ストマ周囲の皮膚を健康に保つことです。排泄物が皮膚に付着したり、装具の不適切な使用により、かぶれ(皮膚炎)やただれ(びらん)が起こりやすくなります。
訪問時には、ストマ周囲の皮膚を入念に観察し、発赤、かゆみ、痛みなどの初期サインを見逃さないようにします。
皮膚を清潔に保つための洗浄方法や、保湿剤・皮膚保護剤(パウダー、スプレーなど)の適切な使い方を指導します。
基本的な皮膚ケア用品
| 用品の種類 | 主な目的 |
|---|---|
| 皮膚洗浄剤 | 皮膚を刺激せずに、やさしく汚れを落とす |
| 皮膚保護剤(パウダー) | じゅくじゅくした皮膚を乾燥させ、保護する |
| 皮膚被膜剤(スプレー・ワイプ) | 皮膚の表面に薄い膜を作り、排泄物の刺激から守る |
もし皮膚トラブルが発生した場合は、その原因を特定し、速やかに適切な治療(軟膏の塗布など)を開始します。必要に応じて皮膚科専門医と連携することもあります。
食事指導と排泄コントロール
ストマを造設した後も、基本的には食事制限はありません。しかし、食べたものが便の性状や量、ガスの発生に影響します。
特にイレオストミー(回腸ストマ)の方は、便が水様性になりやすく脱水に注意が必要です。また、消化されにくい食べ物は、ストマの詰まり(フードブロッケージ)の原因になることもあります。
訪問診療では、患者さんの排泄物の状態や食生活をお伺いし、バランスの良い食事内容や、よく噛んで食べることの重要性などをアドバイスします。
便の性状やガスに影響しやすい食品例
| 影響 | 食品例 | アドバイス |
|---|---|---|
| 便を硬くしやすい | チーズ、芋類、米、パン | 水分摂取も意識する |
| 便を軟らかくしやすい | アルコール、香辛料、油分の多い食品 | 摂取量に注意する |
| ガスを発生させやすい | 炭酸飲料、豆類、いも類、ごぼう | ゆっくり食べることを心がける |
これらの食品も禁止ではなく、ご自身の体調に合わせて摂取量を調整することが大切です。個々の患者さんに合わせた水分摂取の目安などもお伝えします。
定期的な観察とアセスメント
訪問診療の大きな役割は、ストマとその周囲の状態を定期的に「アセスメント(評価)」することです。
ストマのサイズ、色、形、高さ、排泄物の性状、量、臭い、皮膚の状態、お腹の張り具合などを詳細に観察します。
これらの情報から、現在のケア方法が適切か、合併症(ストマの狭窄、脱出、陥凹、ヘルニアなど)の兆候がないかを判断します。
早期に変化を発見することで、深刻なトラブルに至る前に対処できます。
セルフケア指導と患者教育
ストマとの生活において、患者さんご自身がセルフケアの技術と知識を身につけることは、自立した生活を送る上で非常に重要です。
訪問診療では、患者さんやご家族の理解度や習熟度に合わせて、ケアの方法を繰り返し指導します。「なぜこのケアが必要なのか」という理由も丁寧にご説明し、納得してケアに取り組めるよう支援します。
また、装具の交換時期の管理方法や、緊急時の対処法など、日常生活で必要な知識の教育も行います。
医療・介護の連携体制
ストマを持つ患者さんの在宅療養は、訪問診療クリニックだけで完結するものではありません。
入院していた病院、地域の訪問看護ステーション、ケアマネジャー、そして介護施設など、多くの専門職が関わります。
これらの機関が密に情報を共有し、連携することで、切れ目のない一貫したサポートが可能になります。
退院時の病診連携とスムーズな移行
手術を行った病院からご自宅へ退院する際は、情報連携が特に重要です。
退院前に病院の医師やストマ専門の看護師(皮膚・排泄ケア認定看護師など)と訪問診療の担当者がカンファレンス(会議)を開き、患者さんのストマの状態、入院中のケア内容、使用している装具、注意点などの情報を正確に引き継ぎます。
この「病診連携」により、患者さんは退院後も迷うことなく、入院中と一貫性のあるケアをご自宅で受け続けることができます。
訪問看護師との協働によるケア
在宅でのストマケアは、訪問診療の医師の指示のもと、訪問看護師が中心となって行うことも多くあります。
訪問診療(医師)は月2〜4回程度の訪問が基本ですが、訪問看護はより頻回に(週に数回など)訪問することが可能です。
医師は医学的な診断や全体の方針決定、薬剤の処方などを行い、看護師は日々のケアの実践、状態のモニタリング、ご家族への指導を行います。
医師と訪問看護師の役割分担例
| 役割 | 訪問診療(医師) | 訪問看護(看護師) |
|---|---|---|
| 全体の健康管理 | 診察、診断、治療方針の決定、処方 | バイタルチェック、全身状態の観察 |
| ストマケア | 合併症の診断、専門的な処置の判断 | 装具交換、皮膚ケア、セルフケア指導 |
| 連携 | 病院や他職種との調整、指示書作成 | 医師への状態報告、ケアマネジャーとの連携 |
医師と訪問看護師が常に情報を共有し、それぞれの専門性を活かして「協働」することで、質の高いケアを提供します。
介護施設入居中の医療サポート
特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの介護施設に入居されているストマの患者さんに対しても、訪問診療は重要な役割を果たします。
施設の看護師や介護職員と連携し、医療的な管理を行います。施設職員では判断が難しい皮膚トラブルの処置や、ストマ合併症の評価、装具の選定などを医師がサポートします。
これにより、施設で療養しながらでも、専門的なストマ管理を継続することが可能になります。
ストマケアのトラブル対応
ご自宅でどれだけ丁寧にケアを行っていても、ストマ周囲の皮膚トラブルや装具の問題が起こることはあります。
大切なのは、トラブルの兆候を早期に発見し、迅速かつ適切に対処することです。訪問診療は、日々のケアだけでなく、こうした「もしも」の時にも頼れる存在です。
皮膚障害の早期発見と治療
ストマ周囲の皮膚障害は、最も多く見られるトラブルの一つです。排泄物の刺激、装具の機械的刺激、アレルギー、汗などが原因となります。
訪問診療では、わずかな皮膚の変化も見逃さないよう、定期的に詳細な観察を行います。
主な皮膚トラブルのサイン
- 皮膚が赤くなっている(発赤)
- かゆみやヒリヒリとした痛みがある
- 皮膚がただれている(びらん)
- 小さなブツブツができている
これらのサインを発見した場合、原因を追究します。例えば、装具の穴の大きさがストマに合っておらず、皮膚が排泄物にさらされているかもしれません。
原因に応じて、装具のカット方法の調整、皮膚保護剤の使用、適切な軟膏の処方など、専門的な治療とケアを行います。
装具のトラブルと対処法
「装具がすぐに剥がれてしまう」「排泄物が漏れる」といった装具に関するトラブルも、患者さんの大きなストレスとなります。
漏れは皮膚トラブルに直結するだけでなく、衣服の汚れや臭いの原因ともなり、外出への意欲を削いでしまいます。
よくある装具トラブルと初期対応
| トラブル | 考えられる原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 漏れ・剥がれ | 装具が体形に合っていない(シワ、くぼみ) | 皮膚保護シールやペーストで隙間を埋める。装具の種類を見直す。 |
| 装具の膨らみ(ガス) | ガス抜きフィルターの詰まり、ガスの多い食事 | フィルターの機能を確認する。食事内容を見直す。 |
| ストマの詰まり | 消化されにくい食品の摂取 | 水分を多く摂る。お腹を温める。(改善しない場合は医療機関へ連絡) |
訪問診療では、こうしたトラブルの原因を患者さんと一緒に考え、お腹の形に合わせた装具の選択や、しわやくぼみを補正するためのアクセサリー(皮膚保護シールやペーストなど)の適切な使い方を指導します。
緊急時の連絡体制と24時間対応
在宅療養中の最も大きな不安の一つが、「夜間や休日にトラブルが起きたらどうしよう」ということでしょう。
多くの訪問診療クリニックでは、24時間365日対応可能な緊急連絡体制を整えています。
ストマから出血が続く、装具が何度も漏れて交換できない、強い腹痛があるなど、緊急時にはいつでも電話で相談が可能です。
電話での助言で解決できることもありますし、必要であれば医師や看護師が緊急でご自宅へ訪問し、処置を行います。この「いつでも繋がる安心感」が、在宅療養を力強く支えます。
在宅療養中の生活の質向上
ストマを造設した後も、その人らしい豊かな生活を続けることは可能です。
訪問診療の目的は、単にストマを管理するだけでなく、患者さんが安心して日常生活を送り、趣味や社会参加を継続できるよう支援することにあります。
生活の質(QOL)の向上を目指し、具体的なアドバイスや精神的なサポートを行います。
日常生活における工夫とアドバイス
ストマとの生活には、いくつかの工夫が必要です。例えば、入浴もその一つです。
ストマ装具をつけたまま入浴できますが、フィルター部分を濡らさないようにシールで保護するなどの工夫があります。また、装具を外して入浴することも可能です。
入浴時のポイント
- 装具はつけたままでも、外しても入浴可能。
- 装具をつけたまま入る場合は、ガス抜きのフィルターが濡れないよう工夫する。
- ストマ自体を石鹸で洗っても問題ないが、優しく洗う。
- 入浴後は、皮膚をよく乾かしてから新しい装具を装着する。
衣服に関しても、ストマを圧迫しないような服装や、ベルトの位置をずらすといった小さな工夫で快適に過ごせます。
訪問時には、こうした日常生活の具体的な悩みや疑問にもお答えし、患者さんのライフスタイルに合わせたアドバイスを提供します。
外出や旅行時の注意点
ストマがあっても、外出や旅行を楽しむことは十分に可能です。不安なく楽しむためには、事前の準備が大切です。特に装具の準備は重要です。
訪問診療では、旅行の計画(日数や場所)をお伺いし、必要な装具の量や、トラブル時に備えたケア用品の準備について一緒に確認します。
外出・旅行時の持ち物リスト例
| 分類 | 持ち物 |
|---|---|
| 基本装具 | ストマ装具(予定より多めに)、ハサミ(カット済み面板)、袋止めクリップ |
| ケア用品 | 洗浄用品、ガーゼやティッシュ、皮膚保護剤、ビニール袋(ゴミ用) |
| その他 | 健康保険証、障害者手帳(該当する場合)、緊急連絡先 |
特に海外旅行の場合は、装具の機内持ち込みや、渡航先での万が一の事態に備えた情報(英文の説明書など)の準備もサポートします。
患者さんの精神的サポート
ストマを造設したことによるボディイメージ(身体像)の変化や、排泄に対する不安、周囲の目への懸念などから、精神的に落ち込んだり、塞ぎ込んだりする患者さんは少なくありません。
訪問診療では、定期的に顔を合わせ、じっくりとお話をお伺いする時間を大切にしています。医療者が良き相談相手となり、不安や悩みを共有することで、患者さんの精神的な孤立を防ぎます。
ストマと共に生きる前向きな気持ちを持てるよう、精神面からもサポートします。
ご家族の介護負担軽減支援
ストマケアをご家族が担う場合、その負担は心身ともに大きなものになることがあります。
「うまく交換できなかったらどうしよう」「皮膚トラブルを起こさせてしまった」というプレッシャーは計り知れません。
訪問診療や訪問看護がケアに介入することで、ご家族の介護負担は大きく軽減されます。
医療者が定期的にケアを行い、状態を確認することで、ご家族は「見守られている」という安心感を得ることができます。
また、介護方法に関する悩み相談にも応じ、ご家族自身の健康も守れるよう支援します。
在宅ストマケア開始までの流れ
実際に訪問診療によるストマケアを始めるには、どうすればよいのでしょうか。ここでは、ご相談から訪問診療が開始されるまでの一般的な手順と、費用に関する基本的な情報をご説明します。
安心して在宅療養をスタートするための準備について解説します。
相談から訪問診療開始までの手順
訪問診療の開始は、通常、患者さんご本人やご家族、または入院中の病院のソーシャルワーカーからのご相談が起点となります。
まず、訪問診療クリニックに電話やウェブサイトを通じて連絡を取ります。現在の病状、ストマの状態、お困りごと、ご自宅の状況などをお伺いします。
退院が近い場合は、入院先の病院と連携し、退院前カンファレンスを設定して情報共有を行います。
その後、患者さんやご家族と面談を行い、訪問診療の具体的な計画(訪問頻度やサポート内容)を立てます。
ご契約と重要事項の説明にご同意いただいた後、計画に基づいて定期的な訪問診療が開始されます。初回の訪問では、医師や看護師がご自宅に伺い、ストマの状態や療養環境を詳しく確認します。
医療保険の適用と費用について
ストマの管理を含む訪問診療は、公的医療保険(健康保険や後期高齢者医療制度など)が適用されます。費用は、保険の種類や所得に応じた自己負担割合(通常1割〜3割)に基づいて計算されます。
月々の費用は、「訪問診療の回数」や「行った検査・処置の内容」、「緊急往診の有無」などによって変動します。
また、ストマ装具やケア用品の費用は、一定の基準を満たせば「日常生活用具給付券」の制度(市町村の福祉制度)を利用して助成を受けられる場合があります。
医療保険における費用負担の例(月2回訪問の場合)
| 自己負担割合 | 1ヶ月あたりの目安(交通費等を除く) |
|---|---|
| 1割負担 | 約6,000円 〜 8,000円程度 |
| 2割負担 | 約12,000円 〜 16,000円程度 |
| 3割負担 | 約18,000円 〜 24,000円程度 |
※上記はあくまで目安であり、病状や処置内容によって異なります。詳細な費用については、ご相談の際に訪問診療クリニックへ直接ご確認ください。
介護保険サービス(訪問看護やデイサービスなど)を併用する場合は、別途介護保険の自己負担も発生します。
ストマ在宅ケアに関するよくある質問
ストマの在宅ケアや訪問診療に関して、多くの患者さんやご家族から寄せられるご質問にお答えします。不安や疑問の解消にお役立てください。
- 訪問診療では、どれくらいの頻度で来てもらえますか?
-
患者さんの病状やストマの状態、セルフケアの習熟度によって異なりますが、一般的には月に2回程度の定期訪問が基本となります。
退院直後や皮膚トラブルがある時、体調が不安定な時期は、訪問回数を増やしたり、訪問看護と密に連携したりして対応します。
- 家族が交換を手伝えない場合でも大丈夫ですか?
-
はい、大丈夫です。ご高齢の患者さんや、お一人暮らし、ご家族が日中不在の場合など、ご自身やご家族でのケアが難しい場合は、訪問診療の医師の指示に基づき、訪問看護師が定期的に訪問して装具交換や皮膚のケアを行います。
医療者が責任を持って管理しますのでご安心ください。
- 夜間や休日にトラブルが起きたらどうすればよいですか?
-
多くの訪問診療クリニックでは、24時間365日対応の緊急連絡先を患者さんにお伝えしています。
夜間や休日に「装具が漏れてどうしようもない」「ストマから出血した」などの緊急事態が発生した場合は、まずはお電話ください。
状況をお伺いし、電話での対処法のアドバイスや、必要に応じた緊急訪問を行います。
- 臭いが気になります。何か対策はありますか?
-
ストマ装具は防臭性の高いフィルムで作られており、適切に装着されていれば臭いが外に漏れることはほとんどありません。
臭いが気になる場合は、装具からの「漏れ」が起きていないか、まず確認が必要です。
また、排泄後の装具内の臭いについては、装具内に入れる消臭潤滑剤の使用や、食事内容(臭いの強い食品を控えるなど)の見直しで改善することがあります。
訪問時にご相談いただければ、具体的な対策を一緒に考えます。
- 訪問診療と訪問看護はどう違うのですか?
-
訪問診療は「医師」がご自宅に伺い、診察、診断、治療、薬の処方など、医学的な管理を行います。
訪問看護は「看護師」が医師の指示に基づいてご自宅に伺い、日々のストマケアの実践、バイタルチェック、療養上のお世話、ご家族への指導などを行います。
多くの場合、医師と看護師が連携・協働して、患者さんの在宅療養を支えます。
今回の内容が皆様のお役に立ちますように。

