在宅看取りはしんどい?家族の負担の実態と乗り越えるための支え方

在宅での看取りをしんどいと感じるのは、介護を担う家族の多くが通る道です。気持ちの持ちようではなく、夜間の対応や代わりのきかない役割といった、負担のかかり方そのものに理由があります。
支えの中身は、すでに制度として用意されているものが少なくありません。訪問看護の緊急時の対応、介護休業、短期入所といった仕組みを組み合わせれば、一人で抱える部分を確実に減らせます。
負担を身体・気持ち・時間・関係の4つに分けて眺めたうえで、夜間の備え、仕事との両立、親族での分担、休むための預け先、相談先の順にたどっていきます。
在宅看取りをしんどいと感じる家族は決して少数ではありません
しんどさの正体は覚悟の不足ではなく、看取りの時期に暮らしへ入り込む用事の量と、代わりのきかなさにあります。同じ介護でも、先の見えない日々が続いていた時期とは、負担のかかり方が違います。
夜中に呼ばれるたび睡眠不足になる
体の向きを変える、痛みを訴える声に応える、排せつを手伝う。夜間に起きる用事はどれも短い一方で、寝入りばなに呼ばれる日が重なると、まとまった睡眠はあっけなく失われていきます。
眠りが浅い状態が続けば、判断する力も感情の余裕も削られ、日中のちょっとした行き違いにも耐えにくくなります。疲れが出るのは、介護している人の気持ちが弱いからではありません。
夜の当番を一人で抱えている家庭ほど、この削られ方は速く進みます。だからこそ、夜間をどう分け合うかが、いちばん先に手をつける場所になります。
代わりのいない役割が一人に集まる
介護を担う家族には、薬の管理、訪問や通院の日程調整、親族への連絡、家事といった役目が同時に集まりがちで、そのどれもが途中で放り出せません。用事の数より、抜けられなさのほうが重くのしかかります。
役割が一か所に寄ると、休むという選択そのものが後ろめたくなります。誰かに頼めば済む用事でも、説明する手間を思えば自分でやったほうが早い、という判断が積み重なっていくのでしょう。
この積み重ねは、外からいちばん見えにくい形で進みます。周りから平気そうに映る家庭ほど、内側の負担は静かに溜まっているといえます。
医療の判断を家族が担う心細さ
呼吸の間隔が空いてきた、食事が進まない、痛みの訴え方が変わった。こうした変化に最初に気づくのは家族であり、医療者を呼ぶかどうかの入り口に、そのまま立たされます。
専門の教育を受けていない立場で判断を求められれば、心細さを覚えて当たり前です。この心細さは、24時間つながる連絡先と、あらかじめ決めておいた対応の手順があるだけで、かなり和らぎます。
しんどいと言ったら自宅での看取りは中止になるのか?
弱音を漏らせば自宅での看取りをやめる話になるのでは、と恐れて黙り込む家族は少なくありません。実際に伝えた先で出てくるのは中止の提案ではなく、支えを足すための相談です。
訪問の回数を増やす、夜間に使える頓用の薬を用意しておく、数日だけ預け先を確保する。方針を保ったまま打てる手は、思っているより幅があります。
在宅看取りで家族にかかる負担は4つに分けると手が打てます
負担をひとまとめに「つらい」と抱えるより、身体・気持ち・時間・関係の4つへ切り分けたほうが、どこに手を入れるかが見えてきます。切り分けた時点で、その半分は他人に渡せる用事です。
| 負担の種類 | 表れやすい場面 | 軽くする手立て |
|---|---|---|
| 身体 | 夜間の体位交換、排せつの介助、入浴の手伝い | 訪問介護や訪問入浴を朝晩の時間帯へ寄せる |
| 気持ち | 呼吸の変化に気づけるかという不安、判断を迫られる場面 | 24時間つながる連絡先と対応の手順を紙で手元に置く |
| 時間 | 仕事の途中で呼ばれる、外出の予定を組めない | 介護休業や介護休暇、短期入所を先に予定へ入れる |
| 関係 | きょうだい間で分担が偏る、方針で意見が割れる | 役割ごとに担当を決め、状況を同じ形で共有する |
4つのうち1つだけが飛び抜けて重い家庭もあれば、少しずつ重なって身動きが取れなくなる家庭もあります。自分の家がどの型に近いか見当をつけておくと、相談するときの言葉も出しやすくなるでしょう。
身体の負担は介助の回数と時間帯で決まる
体重を支える動作が一日に何回あるか、そのうち何回が夜に寄っているか。身体の疲れはおおよそこの2つで決まるため、介助そのものを減らせなくても、時間帯を動かせば負担は軽くなります。
起床や就寝の時刻に合わせて訪問介護を入れる、浴室での介助を訪問入浴へ切り替えるといった組み替えで、腰や腕にかかる回数は確実に減ります。ケアマネジャーへ相談するときは、つらい動作を具体名で挙げると調整が早く進みます。
気持ちの負担は先が読めないところから生まれる
あとどれくらい続くのか、急に変わったとき自分で対処できるのか。答えの出ない問いを抱えたまま日々を送っていると、気持ちは静かにすり減っていきます。
見通しは医療者に尋ねてよい事柄です。今の時期にどんな変化が起こりうるか、そのとき何をすればよいかを訪問看護師と共有しておけば、不安は輪郭を持ち、扱える大きさへ変わります。
時間の負担は予定を立てられない苦しさ
呼ばれれば中断する暮らしでは、先の約束を入れられません。友人との食事も、自分自身の通院も、いつの間にか後回しになっていきます。
ここを軽くする手立ては、休みを「空いたら取る」から「先に押さえる」へ変える方法です。短期入所や親族の交代をあらかじめ予定へ組み込んでしまえば、周りもその日を前提に動いてくれます。
関係の負担は分担の偏りから始まる
同居する家族に用事が集まる一方で、離れて暮らす親族は状況を知らないままになりがちです。この差が広がるほど、感謝の言葉が足りない、口だけ出すといった不満が生まれます。
関係のこじれは、誰かの悪意ではなく情報の落差から起こります。週に一度でも状況を同じ形で伝えておけば、話し合いの土台が揃い、分担の相談も進めやすくなるでしょう。
夜間の対応をどう分け合うかで家族の負担は変わります
夜をどう設計するかが、在宅での看取りの負担を大きく左右します。訪問診療にも訪問看護にも夜間に応じる体制があり、家族だけで夜を抱える前提には立っていません。
訪問診療は24時間の連絡体制を備えている
厚生労働省が定める在宅療養支援診療所の施設基準は、24時間連絡を受ける体制、患家の求めに応じた往診の体制、そして24時間の訪問看護を提供できる体制を求めています。連絡先を文書で患家へ渡す取り扱いも、あわせて定められています。
つまり夜中に電話をかける行為は、例外的な迷惑ではなく、制度が最初から織り込んでいる使い方です。渡された文書が見当たらなければ、次の訪問のときに番号を確かめ直しておきましょう。
迷ってから電話をかけるまでの時間が、家族にとってはいちばん苦しい時間になります。どういう変化があれば連絡してよいのか、その線を担当医と先に決めておくと迷いが減ります。
訪問看護の緊急時の対応を使い切る
訪問看護には、利用者や家族と24時間連絡を取れる体制を整えたうえで、必要に応じて計画外の訪問を行う仕組みがあります。厚生労働省の算定の要件でも、その体制が評価の対象になっています。
実際には、電話で状態を伝えるだけで対応が決まる場面も多く、来てもらうかどうかを家族が判断する必要はありません。伝える中身は、いつから・どう変わったか・今どうしているかの3点で足ります。
夜に慌てないためには、使う道具と情報を一か所へ集めておくと動きが速くなります。
- 夜間の連絡先を書いた紙(電話機のそば)
- 頓用の薬と、使う目安を書いた指示のメモ
- 体温計・血圧計と、記録用のノート
- 口の中を湿らせる用具とタオル
- 健康保険証・介護保険証・お薬手帳をまとめた袋
置き場所は、介護している人だけでなく同居の家族全員へ伝えておきます。当番を代わってもらう晩にも、そのまま引き継げます。
一時的に訪問看護を増やせる指示の仕組み
状態が急に変わった時期には、主治医が特別訪問看護指示書を出すと、一時的に頻回の訪問看護を受けられます。厚生労働省の取り扱いでは、指示のあった日から14日を限度とし、原則として月1回まで認めています。
気管カニューレを使っている状態や、真皮を越える褥瘡がある状態では、月2回まで使えます。毎日看護師が来る期間を作れると分かっていれば、家族の身構え方も変わってくるはずです。
介護と仕事を両立する家族が使える休みの制度
仕事を辞めずに看取りを支える道はあります。育児・介護休業法には介護休業と介護休暇が用意されており、状態の変わり目に合わせて使い分けられます。
介護休業は通算93日を3回に分けて使える
厚生労働省の説明によれば、介護休業は対象家族1人につき3回、通算93日まで取得できます。一度に使い切る必要はなく、状態が変わる節目ごとに分けて当てられる点が、看取りの時期には効いてきます。
対象家族は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母です。同居しているかどうかを問わないので、離れて暮らす家族も申し出られます。
要介護状態の定義は、負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態です。介護保険の要介護認定を受けていなくても、この状態に当たれば対象になります。
介護休暇は1日でも時間単位でも取れる
介護休暇は1年に5日、対象家族が2人以上いる場合は10日まで取得でき、1日単位でも時間単位でも使えます。訪問診療への立ち会いや、役所での手続きといった短い外出に向いています。
半日や数時間だけ抜ける形が認められると、仕事に開く穴も小さくて済みます。遠慮して年次有給休暇を削り続ける前に、こちらが使えないか職場へ確かめてみる値打ちがあるでしょう。
職場へ伝える時期と伝え方
制度の中身より、いつ誰に言うかという段取りのほうが悩ましいかもしれません。看取りの時期は予定を立てにくいため、早めに大枠だけ共有し、細かい日程は追って伝える形が現実に即しています。
伝える相手を直属の上司と人事の担当者の2か所に分けると、引き継ぎと手続きが並行して進みます。診断書などの提出物を先に確かめておけば、急に休む日が来ても慌てずに動けます。
辞める前に相談する先を持っておく
介護を理由に仕事を離れたあと、収入と気持ちの支えを同時に失う例は珍しくありません。退職を決める前に、勤務先の制度と介護サービスの両方で打てる手が残っていないか確かめる価値があります。
勤務先の制度は人事の担当者、介護サービスはケアマネジャーが窓口です。両方へ同じ状況を伝えると、片方だけでは見えてこない組み合わせが見つかる場合もあります。
| 制度 | 使える範囲 | 覚えておきたい点 |
|---|---|---|
| 介護休業 | 対象家族1人につき3回まで、通算93日 | 分割して使えるので、看取りの時期に残しておける |
| 介護休暇 | 1年に5日、対象家族が2人以上なら10日 | 1日単位でも時間単位でも取得できる |
| 対象家族の範囲 | 配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母 | 事実婚の配偶者も含まれる |
きょうだいや親族と在宅看取りの負担を分け合う段取り
分担は「手伝えるときに手伝う」では回りません。役割ごとに担当を決め、離れている親族にも名前のついた仕事を渡すと、偏りは目に見えて減っていきます。
時間ではなく役割で切り分ける
同じ時間だけ介護する形の分担は、住んでいる場所や仕事の都合で必ず崩れます。支払いの管理、書類の手続き、日々の見守りといった役割で切ると、遠くにいても担える仕事が浮かび上がってきます。
役割で分ければ、誰が何をしているかが互いに見えるようになります。見えれば感謝も伝わり、不公平だという感情も生まれにくくなるでしょう。
- 医療費や介護費の支払いと記録の管理
- 制度の申請書類の下調べと記入の下準備
- 週に一度の電話で、介護している家族の話を聞く役
- 週末だけ泊まり、夜間の当番を代わる役
- ほかの親族への連絡と説明の窓口
離れて暮らす家族へ頼むときは、「何かあったら言って」ではなく、上に挙げたような具体の仕事を名指しで渡すほうが動いてもらえます。断られたら次の役を提案すればよく、頼んだ側が引け目を感じる筋合いはありません。
話し合いは一度で終わらせない
状態が変われば必要な手も変わるため、最初に決めた分担は必ず古くなります。月に一度でも短く見直す場を設けておくと、我慢の溜め込みを未然に防げます。
集まれない親族が多い家庭では、電話やメッセージでの短い報告で代えてかまいません。同じ情報を同じ形で共有する習慣そのものが、いざというときの話し合いを楽にします。
意見が割れたときの決め方
自宅で最期まで過ごすかどうかで親族の意見が割れる場面は、しばしば起こります。判断の軸を「誰の希望か」へ戻すと、話は収まりどころを見つけやすくなります。
本人の意向が確かめにくくなっている場合は、医療者を交えた場を持つ方法があります。訪問診療の医師や訪問看護師が同席すると、見通しを全員で共有したうえで話し合えます。
主に介護する家族を支える役も要る
分担の相談では、介護される本人の世話ばかりが議題に並びがちです。実際には、主に担っている家族の話を聞く役、その人の休みを確保する役も、同じくらい要ります。
週に一度の電話でも、こぼした言葉を受け止める相手がいるかどうかで持ちこたえ方は変わります。誰かがその役を引き受けると宣言すれば、担い手は孤立から抜け出しやすくなります。
家族が休むための短期入所とレスパイト入院
数日だけ預ける先を持っておくと、看取りの時期を最後まで支える助けになります。道は大きく2つあり、介護保険の短期入所と、医療機関での短期入院に分かれます。
| 預ける先 | 主に受け入れる場所 | 押さえておく決まり |
|---|---|---|
| 短期入所生活介護 | 特別養護老人ホームなど | 連続して30日を超えた分は介護報酬の請求が認められない |
| 短期入所療養介護 | 介護老人保健施設、介護医療院、病院など | 医療の管理が続いている状態でも受け入れやすい |
| 医療機関への短期入院 | 訪問診療を担う医療機関や連携先の病院 | 受け入れの可否と条件は医療機関ごとに違う |
医療の管理が要る状態では短期入所療養介護
点滴や酸素、たんの吸引といった医療の手当てが続いている状態では、介護老人保健施設や介護医療院、病院などが行う短期入所療養介護が向いています。看護職員がいる環境なので、状態の変化にも対応できます。
特別養護老人ホームなどが行う短期入所生活介護との違いは、医療の手厚さにあります。どちらが合うかは、今の状態をケアマネジャーと主治医に伝えたうえで決めると迷いません。
連続して使える日数には決まりがある
厚生労働省が示した取り扱いでは、短期入所を連続して30日を超えて利用した場合、30日を超えた分の介護報酬は請求が認められません。長く預けたい事情があっても、そのまま延ばし続ける形は取れないわけです。
加えて居宅サービス計画をつくる基準では、短期入所生活介護と短期入所療養介護を利用する日数が、要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えないよう定めています。使える枠を年間で眺め、山場に残しておく組み立てが要ります。
短期入所の予約はどのくらい前に押さえるか?
短期入所は希望が集中する時期があり、直前の申し込みでは空きが見つからない場合もあります。数か月先まで先に予定を置いておき、必要がなくなれば取り消す使い方のほうが確実でしょう。
手配を担うのはケアマネジャーです。休みたい理由を細かく説明する必要はなく、休息のためだと伝えれば十分に通ります。
医療機関での短期入院を頼めるかどうか
医療の必要度が高く介護保険の枠に収まりにくい場合は、訪問診療を担う医療機関や連携先の病院で、数日間の入院を受け入れてもらえる場合があります。介護している家族の休息を目的とした入院は、レスパイト入院と呼ばれています。
制度として決まった呼び名や全国共通の条件があるわけではないため、受け入れの可否も日数も医療機関ごとに違います。いざというときに使えるかどうかは、落ち着いている時期に主治医へ確かめておくと安心です。
在宅看取りの負担を軽くする相談先の使い分け
相談先を取り違えると、時間だけが過ぎて手が入りません。介護の組み立てはケアマネジャー、症状と夜間の対応は訪問看護師、制度の入り口は地域包括支援センターと覚えておくと迷わずに済みます。
ケアマネジャーには困りごとを具体名で伝える
「しんどい」とだけ伝えても、どのサービスを足すかまでは決まりません。夜中に3回起きている、入浴のたびに腰が痛む、といった具体の形で伝えると、組み替えの案が返ってきます。
サービスを増やすときには、要介護度ごとに1か月あたり使える上限(区分支給限度基準額)が関わってきます。上限の中でどう配分するかまで含めて相談すると、現実に回る計画へたどり着きます。
訪問介護のヘルパーに家族の家事を頼めるか?
訪問介護が対象にするのは本人への援助です。厚生労働省の通知では、家族のための洗濯や調理、来客の応接などを「直接本人の援助に該当しない行為」として整理しており、ヘルパーへは頼めません。
この線引きを知らないまま期待すると、断られたときに落胆だけが残ります。家族の家事の負担は、民間のサービスや配食、親族の分担で埋める前提に立っておくと、計画が途中で崩れません。
地域包括支援センターは家族の相談も受ける
介護保険法に基づいて市町村が設けている地域包括支援センターは、本人だけでなく、介護している家族からの相談も受け付けています。担当のケアマネジャーには言いにくい話を持ち込む先としても使えます。
市町村によっては、介護している家族へ向けた集まりや教室を用意している地域もあります。同じ立場の人と話せる場は、気持ちの負担を抜くための出口になるでしょう。
病院の相談窓口も使える
入退院を経て自宅へ移ってきた場合は、病院の医療ソーシャルワーカーが引き続き相談に応じてくれる場合があります。制度の申請や、状態が変わったときの入院先の相談で力になります。
相談先を複数持つ形に、遠慮する理由はありません。同じ話を別の立場の人に聞いてもらうと、抜け落ちていた選択肢が見つかる場合もあります。
| 相談先 | 向いている相談 | 頼み方 |
|---|---|---|
| ケアマネジャー | サービスの追加や変更、短期入所の手配 | 電話か、サービス担当者会議の場で |
| 地域包括支援センター | 介護保険の入り口、介護している家族自身の悩み | 市町村の窓口で担当区域を確かめてから |
| 訪問看護師 | 症状の見通し、夜間の対応の練習 | 訪問の時間に直接 |
よくある質問
- 在宅看取りで家族が眠れない日が続くときは、どこへ相談すればよいですか?
-
まずはケアマネジャーと訪問看護師の2か所へ伝えます。夜間に何が起きて何回起きているかを具体的に話すと、訪問の時間帯を動かす、夜に使える薬を用意するといった手が出てきます。
眠れない状態が続いていること自体が、支えを足す理由になります。我慢して伝えずにいると、周りは足りていると判断してしまうため、早めに口に出すほうが結果として長く続けられます。
- 在宅看取りの途中で気持ちが続かなくなったら、病院へ切り替えてもかまいませんか?
-
途中で方針を変えても差し支えありません。自宅で過ごすと決めた選択は、最後まで貫かなければならない約束ではなく、状況に応じて何度でも見直せます。
切り替えを考え始めた段階で主治医と訪問看護師へ伝えると、入院先の相談や、短期入所を挟んで様子を見る案など、間を取る手立ても示してもらえます。
- 在宅看取りを支える家族が仕事を続けるには、どんな制度がありますか?
-
育児・介護休業法の介護休業と介護休暇が柱になります。介護休業は対象家族1人につき3回まで通算93日、介護休暇は1年に5日(対象家族が2人以上なら10日)まで取得できます。
介護休暇は時間単位でも使えるため、訪問への立ち会いや手続きで短く抜けたい日に向いています。勤務先の人事の担当者へ、使える範囲と必要な書類を早めに確かめておきましょう。
- 在宅看取りの分担をきょうだいへ頼むとき、どう伝えると角が立ちませんか?
-
頼む内容を役割の名前で切り出すと、相手にも中身がそのまま伝わります。支払いと記録の管理、書類の下準備、週末の泊まりといった具体の仕事なら、遠方に住んでいても引き受けやすくなります。
あわせて、今の状態を同じ形で全員へ共有しておくとよいでしょう。情報の落差が縮まるほど、頼む側も頼まれる側も身構えずに済み、話し合いは短く終わります。
- 在宅看取りの間に家族が数日休みたい場合、預け先はありますか?
-
介護保険の短期入所と、医療機関での短期入院という2つの道があります。医療の手当てが続いている状態なら、介護老人保健施設や病院などが行う短期入所療養介護が候補です。
手配はケアマネジャーが担うため、休みたい日が見えた時点で早めに相談します。希望が集中する時期には空きが出にくいので、先に枠を押さえておく進め方が現実的です。


看取りの場所選択に戻る
