・富士市・富士宮市のように車移動が中心の地域では、本人が意識しないうちに「日常で体を動かす量」が減ってしまいます。
・体重が増える理由は、食べすぎだけではありません。歩く、立つ、家事をするなどの細かな動きが減ることも、じわじわ効いてきます。
・「そんなに食べていないのに太る」と感じるときは、意志の弱さより、生活環境の影響が大きいことがあります。
・ジムに通わなくても、駐車場の止め方や家の中での過ごし方など、日常の動き方を少し変える余地はあります。
・それでも一人で整理しにくいときは、体重だけでなく血糖や脂質も含めて、生活習慣ごと相談する方法があります。
「そんなに食べていないのに太る」と感じたことはありますか
年に一度の健診を受けて、去年より体重が増えていた。でも思い返してみると、食事の内容が特別変わったわけではない。外食が増えたわけでもなく、お菓子をたくさん食べているわけでもない。それなのになぜ、という感覚を持ったことがある方は、少なくないと思います。
「そんなに食べていないはずなのに、体重が減らない」「去年と同じ生活をしているつもりなのに、気づいたら2〜3kg重くなっていた」——そういった違和感は、決して気のせいではありません。食事の量だけが体重を決めているわけではない、ということが、この記事を読み終わるころには少しわかってもらえると思います。
食事を減らしても体重が戻ってくる、その違和感
一度体重が気になって、ご飯の量を減らしたり、間食をやめたりした経験がある方もいるでしょう。最初の数週間は体重計の数字が下がって、「これでいける」と思ったのに、しばらくすると元に戻ってしまった。そういう経験をした方は、何か食べ方が間違っていたのだろうか、と自分を責めてしまいがちです。
でも、食事制限だけで体重をコントロールしようとすると、どうしても限界が出てきます。食べる量を減らしても、消費する量が変わらなければ、変化は一時的なものになりやすい。逆に言えば、体重に影響を与えているのは「食べる量」だけではなく、「消費する量」も同じくらい重要だということです。その「消費する量」の部分に、見落とされがちな要素が隠れています。
「意志が弱いから」で片づけてしまっていませんか
「わかってはいるんだけど、なかなかね」と苦笑いしながら、どこかで自分を責めている方もいるかもしれません。健診の結果を持って帰ったとき、「もう少し運動したら?」「食べすぎじゃない?」と言われた経験がある方もいるでしょう。
ただ、太る・太りやすいということは、意志の強さや弱さとはあまり関係がないことの方が多いです。それよりも、どんな環境で、どんな生活をしているかが、体重に大きく影響しています。これはさぼっているとか、努力が足りないとか、そういう話ではありません。生活の背景をまるごと見ないと、体重の変化は説明がつかないことがあるのです。
富士市・富士宮市の暮らしは、車なしでは成り立ちにくい
富士市や富士宮市に暮らしていると、車は「あると便利なもの」ではなく、「ないと生活が成り立たないもの」です。スーパー、病院、郵便局、銀行——日常に必要なほとんどの場所が、車で行くことを前提に配置されています。電車やバスの本数が限られているエリアも多く、公共交通機関だけで生活しようとすると、時間的にも体力的にも相当な負担がかかります。
これは個人の選択の問題というよりも、地域の構造そのものです。車に乗ることが「楽な選択」ではなく、「普通の選択」になっているのがこの地域の現実であり、それを責めることには意味がありません。
数百メートル先のコンビニにも、気づけば車で向かっている
「ちょっとコンビニまで」という場面でも、気づいたら車のキーを手に取っている——そういう経験に、心当たりがある方も多いのではないでしょうか。
数百メートルの距離を歩かずに車で移動することを、怠けているとは言えません。夏場の暑さ、冬場の冷え込み、荷物がある、急いでいる、歩道が整備されていない道がある——そういった理由が重なれば、車を使う判断はごく自然なことです。
ただ、一回一回は小さな選択でも、それが一日に何度も、毎日積み重なっていくと、「歩く時間」の総量に少しずつ差が出てきます。その差が、後から体重の変化として現れてくることがあります。
実は先日、私自身もこの地域の「歩かない文化」を痛感する出来事がありました。
訪問診療の帰りに1kmほど離れた整形外科を受診した際、助手と車には先に帰ってもらい、私一人で歩いてクリニックまで戻ったんです。すると、戻った私を見たスタッフたちが「えっ、先生、歩いて帰ってきたんですか!?」と本気で驚かれてしまったのです。
東京などの都市部では1km歩くのはごく普通のことですが、ここ富士市では「1km=車で行く距離」というのが共通認識なのだな、と改めて印象に残った出来事でした。
駐車場が広い、道が広い——歩かなくても困らない町の構造
大型スーパーやショッピングモール、病院、ホームセンター——富士市・富士宮市には、広い駐車場を備えた施設が多くあります。入口のすぐ近くに車を止められる設計になっていることも多く、駐車場から建物の入口まで、ほんの数歩で済んでしまうことも珍しくありません。
これは利用者にとって便利なことですし、設計として「正しい」ものでもあります。ただ、その利便性が高まるほど、人が日常の中で「歩かなければならない場面」が減っていきます。歩かなくても困らない環境は、逆に言えば、歩く機会が自然と削られていく環境でもあります。
ただ、訪問診療をしている身としては本当にありがたい環境ではあります。
仕事、子育て、介護……忙しいからこそ車に頼る現実
営業で一日中車で移動している方、子どもの送り迎えと買い物と家事を同時にこなしている方、高齢の親の介護をしながら仕事を続けている方——こういった生活をしている人が、「歩く時間を作る」のは簡単ではありません。
電車の時間に縛られず、駐車場さえあればどこでも効率よく移動できる車は、忙しい日常の中で頼もしい存在です。時間を節約し、体力を温存し、複数のことをまとめてこなすために車を使うことは、合理的な判断です。誰かに責められるような話ではありません。
ただ、その「合理的な選択」が積み重なることで、一日の中で体を動かす時間がどんどん少なくなっていく、という現実はあります。
「運動不足」だけでは説明がつかない体重増加のしくみ
「運動不足だから太る」——この言葉を、一度は言われたり、自分でも思ったりしたことがあるかもしれません。確かに間違いではないのですが、「ジムに行かないから」「スポーツをしていないから」という意味での運動不足だけが原因ではないことも多いです。体重に影響する「消費エネルギー」の話は、もう少し幅広い話です。
消費カロリーは「運動」だけで決まるわけではない
私たちの体が一日に消費するエネルギーは、大きく分けて三つの要素から成り立っています。
一つ目は「基礎代謝」——横になって何もしていなくても、体が生きていくために使うエネルギーです。呼吸をしたり、心臓を動かしたり、体温を保ったりするために、ある程度のエネルギーは自動的に消費されています。
二つ目は「食事誘発性熱産生」——食べたものを消化・吸収するときに使われるエネルギーです。これは食べるだけで自動的に発生するもので、食事の内容によって多少変わります。
三つ目が「身体活動」——体を動かすことで消費されるエネルギーです。ここに「運動(スポーツやジム)」と「それ以外の日常の動き」が含まれます。そして実は、この「それ以外の日常の動き」が、体重に大きく関わっています。
食事量が同じでも、体重が変わる理由
10年前と今を比べたとき、食事の量はほとんど変わっていないのに、体型が変わってきた——そういう方は少なくありません。
それは、年齢とともに基礎代謝が少しずつ下がることもありますが、もう一つの大きな要因として、日常の動き方が変わっていることがあります。子どもが小さかったころは毎日公園を歩き回っていたのが、今は車で送迎するだけになった。現場仕事から内勤に変わった。在宅勤務が増えた。——こういった変化の積み重ねが、「食事量は同じなのに体重が増える」という状況を生み出しています。
「代謝が落ちたから仕方ない」と諦めたくなる気持ちはわかります。でも、代謝の低下だけがすべての理由ではありません。日常の動き方の変化が大きく影響している場合は、その部分に少し目を向けることで、変えられることもあります。
NEATとは何か – 日常に潜む、もうひとつの消費エネルギー
ここで、一つ言葉を紹介したいと思います。「NEAT(ニート)」というものです。これは少し難しそうな名前ですが、内容はそれほど複雑ではありません。
NEATとは、ジムやスポーツなどの「意識して行う運動」以外の、日常のあらゆる身体活動によって消費されるエネルギーのことです。歩くこと、立つこと、家事をすること、職場の中を移動すること——そういった「特に運動だとは思っていない動き」が、すべてNEATに含まれます。
英語の略語ですが、日本語で言えば「生活の中の動き全般」とイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。
歩く・立つ・家事をする……「運動」以外の動きが積み重なる
NEATに含まれる動きは、日常のあちこちにあります。
朝、家から車まで歩く。職場についてデスクまで歩く。打ち合わせのたびに席を立って別の部屋に移動する。昼食を買いに社内を歩く。帰り道に少し寄り道をする。夕食の支度をしながら台所に立つ。洗濯物を干す。掃除機をかける。子どもと遊ぶ。——こういった動きのひとつひとつが、NEATを構成しています。
ジムで走ることだけが体を動かすことではありません。日常のこういった「地味な動き」の積み重ねが、実は一日の消費エネルギー全体の中で大きな割合を占めていることが、研究によって明らかになってきています。
車移動が増えると、NEATはどのくらい変わるのか
たとえば、一日の歩数が8,000歩の人と3,000歩の人では、食事が同じでも消費するエネルギーに差が生まれます。これが毎日続き、一年、数年と積み重なると、体重の変化として現れてくることがあります。
正確な数字は個人差があるので一概には言えませんが、「歩く機会が減る=消費エネルギーが落ちる」という方向性自体は、それほど難しい話ではないと思います。
車で移動すると、駅まで歩く、バスを待つ、乗り換えで歩くといった時間がなくなります。それぞれは短い時間ですが、毎日のこととして考えると、NEATの差は意外と大きくなります。
ジムに行かなくてもNEATが高い人と、そうでない人の違い
普段からよく動いている人と、あまり動いていない人の差は、ジムに通っているかどうかよりも、日常の中でどれだけ体を動かす場面があるかどうかから来ていることが多いです。
現場仕事や接客業の方は、仕事をしているだけで自然にNEATが高くなります。子育て中の親御さんも、一日中子どもに合わせて動き回ることで、同じようになります。一方で、デスクワーク中心・テレワーク・車での移動が多い職種の方は、意識しないとNEATが下がりやすい環境にいます。
これは本人の努力の差ではなく、職業や生活スタイルの構造的な違いです。
車社会の生活では、NEATが削られやすい
ここまでの話をまとめると、こういうことになります。
富士市・富士宮市のような車社会では、日常のあちこちで「歩く機会」「立つ機会」「体を動かす場面」が自然に削られていきます。一回ひとりの削られ方は小さくても、それが生活全体に及ぶと、一日のNEATが全体として低くなりやすい。食事量が変わらなくても、消費エネルギーが減れば、じわじわと体重が変化していきます。
これは「車が悪い」という話ではありません。その環境に暮らしていると、活動の機会が構造的に少なくなりやすい、ということです。
移動・買い物・通勤——歩く場面がひとつずつ消えていく
一日の流れを追ってみると、歩く機会がどこで失われているかが見えてきます。
朝、家から車で出勤する(駅まで歩かない)。昼は職場近くのお店に車で移動する(外に出ても駐車場から数歩)。帰りにスーパーへ寄るが、入口のそばに駐車できる(店内の移動はあるが、駐車場への往復はほとんどない)。帰宅後はソファに座ってテレビを見る。
こうして並べてみると、「車で移動=歩かない」がいかに多くの場面に入り込んでいるかがわかります。特別さぼっているわけではなく、ごく普通の一日として、です。
テレワーク・デスクワークが重なると、さらに影響が大きくなる
車中心の移動に加えて、仕事がテレワーク中心になった方や、一日中デスクに座っている仕事の方は、さらにNEATが落ちやすい状況にあります。
以前は通勤があったから、自然と歩いていた。職場では別の部屋に移動したり、同僚に声をかけに席を立ったりしていた。でも在宅になったことで、その「ついでの動き」がほとんどなくなった——こういった変化が、気づかないうちに積み重なっています。
「コロナが明けてから体重が戻らない」という感覚がある方は、この「移動のなくなった生活」が影響しているかもしれません。
高齢になるほど、NEATの低下が体重に現れやすい
年を取ると基礎代謝が下がることはよく知られていますが、それと同時に、外に出る機会も自然と減ってきます。
現役時代は仕事で毎日外に出て、職場の中を歩き回っていた。退職後は、買い物以外はほとんど外出しなくなった。膝や腰が痛くなってきて、歩くのが少し億劫になってきた。——こういった変化が重なると、NEATはかなり低くなります。
「最近太りやすくなった」と感じている高齢の方の中には、食事量よりも、日常の動き量の変化が大きく影響しているケースがあります。
「ジムに行かなければ痩せない」わけではない – 日常でできる積み重ね
ここからは、少し違う話をします。
「じゃあ運動しないといけないのか」と思った方、少し待ってください。ジムに通う必要はありません。毎朝ウォーキングをしなければいけないわけでもありません。大切なのは、日常の中でNEATをわずかでも取り戻すことです。
「わざわざ運動する時間」ではなく「日常の動き方」を変える発想
「運動しなければ」という意識が強すぎると、逆に続かなくなることがあります。週に3回ジムに行こうと決めたけれど、一週間後には行けなくなった——そういう経験がある方も多いでしょう。
発想を少し変えてみると、楽になります。「特別に運動する時間を作る」ではなく、「今の生活の中で、動ける場面を少し増やす」という方向です。NEATは、ジムや運動とは別次元の話です。いつもの生活を少しだけ変えるだけで、体を動かす量は変わります。
駐車場で少し遠くに止める、エレベーターより階段を使う
これは、今日からでもできることです。
スーパーや病院に行くとき、入口に一番近い場所ではなく、少し端の方に駐車する。職場や病院でエレベーターを待つ代わりに、一階分だけ階段を使ってみる。コンビニがそれほど遠くなければ、今日だけ歩いてみる。
どれも「運動」とは言えないような小さなことです。でも、こういった小さな選択を毎日繰り返すことが、NEATを少しずつ積み上げていくことにつながります。
「それだけで痩せる」と言いたいわけではありません。でも、消費エネルギーを少しでも増やす方向に動くことには、意味があります。毎日続けることができれば、なおさらです。
家の中でも立つ時間を増やすだけで変わること
外出が難しい方、体力的に歩き回ることが辛い方にも、できることはあります。
テレビを見ながら少しの間立ってみる。電話をかけるときは座ったままではなく、立って話す。料理をしながら、その場で少し体を動かす。掃除をいつもより丁寧にやってみる。
「立つだけ」と聞くと、たいした変化に思えないかもしれません。でも、長時間座り続けることと、ときどき立つことを繰り返すことでは、体への影響が少しずつ異なります。体を動かすことが難しい状況にある方でも、「立つ」というレベルから始めることには意味があります。
無理なく続くための、ゆるいNEAT改善のヒント
「毎日やらなければ意味がない」と思ってしまうと、一日できなかっただけでやる気をなくしてしまうことがあります。でも、NEATの考え方で大切なのは、完璧にやることより、やめてしまわないことです。
今日は遠い駐車場に止めたけれど、明日は雨だったから入口近くに止めた。それでいいと思います。昨日はソファに座りっぱなしだったけれど、今日はいつもより少し台所に立って過ごした。それも十分です。
「全部できない日もある」ことを前提にしながら、できる日にできることをやる——それを続けることが、長い目で見たときに意味を持ちます。
食事の見直しと組み合わせると、より効果が出やすい
ここまでNEATを中心に話してきましたが、食事のことも少し触れておきます。
日常の動き量を増やすことと、食事を整えることは、どちらか一方だけやれば十分というわけではありません。両方に少しずつ目を向けることで、体重の変化が出やすくなります。
NEATを増やしても、食事が乱れていると帳消しになりやすい
少し歩く機会を増やしたとしても、それ以上に食べる量や飲む量が増えていると、消費と摂取のバランスは変わりません。特にお酒の量が増えやすい時期や、夜遅くまで食べてしまう生活が続いているときは、動く量を増やしても追いつかないことがあります。
責めているわけではなく、仕組みとしてそうなりやすいということです。NEATと食事は、どちらか一方だけで完結する話ではないということを、頭の片隅に置いておいてもらえると助かります。
「食べすぎ」より「食べ方」のパターンを振り返る
食事を見直すといっても、細かいカロリー計算をしたり、特定の食べ物を完全に断ったりする必要はありません。
まず気になるのは「パターン」です。食べる時間が不規則になっていないか。夜遅くにまとめて食べていないか。早食いになっていないか。野菜やたんぱく質が少なく、ごはんやパンばかりに偏っていないか。
こういった「食べ方のくせ」を少し意識して変えるだけで、体への影響は変わってきます。何を食べてはいけないかよりも、どう食べているかを振り返ることが、続けやすい食事の見直しにつながります。
一人で対策しにくいときは、医療機関に相談する方法もある
日常の動き方を少し変えてみる、食事のパターンを振り返ってみる——それができれば十分ですが、「わかってはいるけれど、一人ではなかなか続かない」「どこから手をつければいいかわからない」という方もいると思います。
そういうときに、医療機関に相談するという選択肢があります。強く勧めるわけではありませんが、選択肢として知っておいてもらえると、いざというときに役に立つかもしれません。
体重・血糖・脂質を指摘されたら、生活習慣ごと相談できる場所がある
健診で「体重が増えています」「血糖が高めです」「脂質に注意してください」と言われた方の中には、何をどうすればいいのかわからないまま、健診結果をそのまましまい込んでいる方もいるかもしれません。
こういった数値の変化は、薬だけで対処するものではなく、生活習慣と合わせて考えることが多いです。どんな生活をしているか、何が変化したか、何が続けにくいかを含めて相談できる場所があります。「受診したら薬を出されるだけ」と思い込まずに、生活全体の話として聞いてもらうことも可能です。
ダイエット外来では何を相談できるのか
「ダイエット外来」と聞くと、特別なもののように感じるかもしれませんが、内容はそれほど特別なものではありません。
食事の取り方、日常の動き方、体重の変化の記録——こういったことを一緒に整理して、その人の生活に合った方法を考えていく場所です。必要に応じて血液検査などで体の状態を確認したり、医療的なサポートを組み合わせたりすることもあります。
「絶対に痩せる方法を教えてもらえる」という場所ではありませんが、一人で考え続けるより、専門的な視点から一緒に整理してもらえるという点で、相談してみる価値はあります。
この地域で暮らしながら、自分のペースで向き合っていくために
車がなければ生活できない環境で暮らしているということは、日常の中で歩く機会が自然と少なくなりやすいということでもあります。それはこの地域の多くの方に共通していることで、あなただけの話ではありません。
「太りやすいのは意志が弱いから」ではなく、「この地域の暮らしの構造として、活動量が落ちやすい要因がある」——そういう整理ができると、自分を責めることが少し減るかもしれません。
ただ、構造があるとしても、できることはあります。駐車場を少し遠くに止める。家の中で立つ時間を増やす。食べ方のパターンを少し振り返る。どれも大きなことではありませんが、続けることに意味があります。
一人でやってみて、どうにも動きが出ないときや、健診の数値が気になってきたときは、医療機関に相談するという選択肢もあります。「まだそこまでではない」と感じる方はそれでも構いません。
この記事が、「自分だけが太りやすいわけではない」「でも、できることは少しある」と感じるきっかけになれば、書いた意味があったと思っています。
【参考文献】
- Levine JA. Non-exercise activity thermogenesis (NEAT). Best Pract Res Clin Endocrinol Metab. 2002;16(4):679–702.
- Levine JA. Nonexercise activity thermogenesis – liberating the life-force. J Intern Med. 2007;262(3):273–287.
- Levine JA. Non-exercise activity thermogenesis (NEAT): environment and biology. Am J Physiol Endocrinol Metab. 2004;286(5):E675–E685.
- Levine JA. Non-Exercise Activity Thermogenesis. Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2006;26(4):729–736.
- Villablanca PA, et al. Nonexercise activity thermogenesis in obesity management. Mayo Clin Proc. 2015;90(4):509–519.
- Drenowatz C, et al. Non-exercise activity thermogenesis (NEAT): a component of total daily energy expenditure. J Basic Clin Physiol Pharmacol. 2018;29(6):599–610.
- Moro T, et al. Non-exercise activity thermogenesis in the workplace: The office is on fire. Front Public Health. 2022;10:1024856.
- Frank LD, Andresen MA, Schmid TL. Obesity relationships with community design, physical activity, and time spent in cars. Am J Prev Med. 2004;27(2):87–96.
- Frank LD, et al. Stepping towards causation: Do built environments or neighborhood and travel preferences explain physical activity, driving, and obesity? Soc Sci Med. 2007;65(9):1898–1914.
- Kalra S, et al. Automobile dependence and physical inactivity: Insights from the California Household Travel Survey. J Transp Health. 2017;5:116–128.
- Ding D, et al. Role of built environments on physical activity and health promotion: a review and policy insights. Front Public Health. 2022;10:870171.
- Müller MJ, et al. Non-exercise activity thermogenesis in human energy homeostasis. In: Endotext [Internet]. MDText.com; 2022.
- Sallis JF, Glanz K. Physical activity and food environments: solutions to the obesity epidemic. Milbank Q. 2009;87(1):123–154.
よくある質問(FAQ)

