富士宮やきそばとダイエットは両立できる?ご当地グルメとの付き合い方

・富士宮やきそばは、ダイエット中だからといって必ずしも避けるべき食べ物ではありません。大事なのは「食べるかどうか」ではなく、「どのくらい・どう食べるか」です。

・体重や健診の数値は、ひとつの食品だけで決まるものではありません。量、頻度、食べる時間、前後の食事、普段の生活全体の積み重ねが影響します。

・好きなものを我慢し続けるやり方は、長く続かないものです。無理な制限より、続けやすい工夫を積み重ねるほうが現実的です。

・地元の食文化を楽しむことも、暮らしの大切な一部です。食べる楽しみを全部手放すのではなく、上手に付き合うことが、長く続く体重管理につながります。

・自己流でうまく整えられないときや、健診の数値が気になってきたときは、一人で抱え込まずに相談先を持つことも選択肢のひとつです。

富士宮やきそばは、静岡県を代表するご当地グルメとして全国的にも知られています。富士山の麓に広がる富士宮市を中心に、地元の人たちの日常食として長く愛されてきた一品です。週末のお祭りで食べる一皿、観光客で賑わう店先の行列、家族と出かけたときに立ち寄る屋台——そういった場面が、富士宮・富士市に住む人にとっては暮らしの一部になっているのではないでしょうか。

私のようによそから来た者としては、はじめは硬すぎる麺の食感がゴムみたいで違和感があるのですが、だんだんと癖になり、そのうち日常に溶け込んでいるのが不思議な感覚です。

そんな富士宮やきそばを前にして、「ダイエット中だから……」と罪悪感を感じた経験はないでしょうか。あるいは、食べたあとに「また食べてしまった」と自分を責めたことがあるかもしれません。

この記事は、そういった気持ちを抱えている方に向けて書いています。富士宮やきそばを「ダメなもの」として切り捨てるつもりはまったくありません。大切なのは、好きなものとどう付き合うかを整理することです。ご当地グルメを楽しみながら、無理なく体重や健康に向き合う考え方を、一緒に探っていきましょう。


目次

富士宮やきそばが好きな自分を、責めなくていい

「好きなものを食べ続けたら太る一方?」という不安

体重が気になりはじめたとき、真っ先に頭に浮かぶのが「食べているものを変えなければ」という気持ちではないでしょうか。健診で体重の増加を指摘されたり、血糖値や脂質の数値が少し引っかかったりすると、その焦りはさらに大きくなります。

そして、好きなものを食べ続けることへの不安が出てきます。「富士宮やきそばをよく食べるから太ったのかな」「これからは我慢しないといけないのかな」——そう思う気持ちは、とても自然なことです。

ただ、少し立ち止まって考えてみてください。体重が増えるとき、それは「富士宮やきそばを食べたから」というよりも、食生活全体のバランス、運動量、睡眠の質、ストレスの状態、そして年齢とともに変化する代謝など、さまざまな要因が複合的に絡み合っています。特定の食品を「犯人」として名指しするのは、少し単純すぎる見方です。

好きなものを食べている自分を責めるより、その食べ方や全体のバランスをどう整えるかを考えるほうが、ずっと現実的で、長続きする道につながります。

ダイエット中に食欲を我慢し続けることの限界

「ダイエット=我慢」というイメージを持っている方は多いと思います。好きなものを食べず、量を極限まで減らし、ひたすら意志の力で乗り越える——そういうイメージです。

しかし、強い制限によるダイエットは、多くの場合、長続きしません。これは意志が弱いからではなく、体の仕組みとして理解できることです。食事を大幅に減らすと、体は「エネルギーが不足している」と判断し、消費エネルギーを抑える方向に働きます。また、極端な制限が続くと、精神的な反動として食欲が爆発的に高まることがあります。いわゆる「リバウンド」の多くは、このメカニズムから生じています。

それに、食事は単なるエネルギー補給ではありません。地元のやきそばを家族と食べる時間、友人と出かけた先で食べる一杯——そういった食の体験は、生活の質(QOL)と深く結びついています。好きなものを一切食べない生活は、体だけでなく、心にとっても持続しがたいものです。

我慢を続けることには限界があります。それを前提に、「どうすれば楽しみながら体重と向き合えるか」を考えることが、この記事の出発点です。


富士宮やきそばは、本当に”ダイエットの敵”なのか

一皿あたりの栄養成分をざっくり確認してみる

では、富士宮やきそばそのものについて少し見てみましょう。あくまでも目安の数値として参考にしていただければと思います。

富士宮やきそばの特徴は、一般的な蒸し麺ではなく、水分が少なくコシの強い蒸し麺(製麺所によって異なりますが、独特の食感があります)を使う点と、ラードで炒めること、仕上げにいわしの削り粉(だし粉)とソースをかけることです。

一般的な富士宮やきそば(並サイズ・一人前)のカロリーは、作り方やトッピングによって幅がありますが、おおよそ400〜600kcal程度と考えられます。ラードや豚肉が使われることで脂質はやや高めですが、炒め野菜も含まれており、麺自体のたんぱく質も加わります。

一つ注意したいのは、「カロリーだけで食品の良し悪しを判断する」という発想そのものが、少し偏っているということです。カロリーはたしかに体重管理の指標のひとつですが、血糖値への影響、食後の満足感の持続性、何と一緒に食べるかによって、体への影響はかなり変わります。数字だけで善悪を決めるより、「どんな食事の中の一部として食べているか」を見るほうが、ずっと実態に近い判断ができます。

揚げ物や菓子パンと比べたとき、実は見えてくること

ここで少し視点を変えてみましょう。たとえば、コンビニで手軽に手に入る揚げ物(から揚げ棒、フライ類)や大きめの菓子パン、フライドポテトのセットなどと比べたとき、富士宮やきそばはどうでしょうか。

揚げ物や菓子パンは、脂質と糖質が同時に多く、食物繊維はほぼゼロという食品が多くあります。食後の満足感が得られにくかったり、血糖値が急に上がりやすかったりするものも少なくありません。

一方で富士宮やきそばは、野菜と一緒に炒めることが多く、たんぱく質(豚肉やイカなど)も入っています。麺は確かに糖質ですが、炒め料理として野菜と脂質が混ざっているため、血糖値の上昇ペースはたとえば白いご飯だけを食べるよりは穏やかになることも多いです。

「富士宮やきそばは太る」と一言でまとめてしまうより、「ほかに何を食べているか」「どのくらいの量か」「どんな食事の流れの中にあるか」を見る視点のほうが、現実に即しています。極端な話、脂質たっぷりのスナック菓子を毎日食べながら「やきそばを抜いている」より、やきそばを週に一度楽しみながら全体のバランスを整えているほうが、ずっと体にとってもいい場合があります。


「食べる・食べない」より「どう食べるか」を考えてみる

量とタイミング──これだけで印象はかなり変わる

「食べるか・食べないか」の二択で悩むのではなく、「どう食べるか」を考えると、選択肢がぐっと広がります。

まず量の話です。富士宮やきそばは屋台や食堂では「並」「大」と選べる場合が多いです。大盛りが習慣になっているなら、並サイズにするだけで、摂取カロリーと糖質はかなり変わります。「減らすのが苦しい」と感じる方も、まず「大盛りをやめる」という一歩から始めると、それほど大きな苦痛なく量を調整できることがあります。

次にタイミングの話です。同じものを食べても、食べる時間帯によって体への影響は変わります。一般的に、朝や昼に糖質・エネルギーを摂るほうが、夜に同じものを食べるよりも体重管理においては有利とされています。夜遅い食事は、その後の活動量が少ないぶん、エネルギーが消費されにくい状況になりやすいからです。

「夜にやきそばを食べることが多い」という場合は、ランチや休日の昼食としての位置づけに変えてみると、同じ楽しみを得ながらも体重管理のしやすさが変わってくることがあります。

トッピングと食べ合わせで、満足感をコントロールする

富士宮やきそばをベースに、何を一緒に食べるかを工夫することも、現実的な方法のひとつです。

たとえば、食べる前に野菜のサラダや具だくさんの味噌汁を先に食べると、食後の血糖値の上がり方が緩やかになりやすく、満足感も得やすくなります。これは「ベジファースト」と呼ばれる食べ方で、特別な食材を用意しなくても実践できます。

また、トッピングに関しては、豚肉やイカ(たんぱく質)が入っているものを選ぶと、腹持ちが改善されます。反対に、キャベツをたっぷり加えると、かさが増えて食べ応えが出るうえに食物繊維も摂れます。屋台では難しいこともありますが、自宅で作る場合はこのあたりを意識するとコントロールしやすくなります。

食べ合わせという点では、やきそばだけで一食を完結させるのか、それとも汁物や小鉢を添えて食事全体を構成するのかによっても、栄養のバランスや満足感は大きく変わります。

食べた日の前後の食事で、帳尻を合わせる発想

ダイエット中の食事管理を「一食単位」で考えると、少し食べすぎたときに大きな挫折感を覚えやすくなります。しかし、「一週間単位」「数日単位」でバランスを見る視点に変えると、もう少し余裕が生まれます。

たとえば、休日のランチに富士宮やきそばを楽しんだとします。その日の夕食は野菜中心にして少し軽めにする、翌日の朝は野菜たっぷりのスープや和食にする——こういった調整を「罰」ではなく「バランスを整える工夫」として考えると、精神的に無理がありません。

「食べてしまったからもうダメだ」と思った瞬間に、食欲の歯止めが外れてしまう経験がある方も多いと思います。一食の失敗を「チャラにしようとする次の一食」で取り戻そうとすると、かえって過食になりやすいことがわかっています。それよりも、「今日は少し多かったから、明日の朝はさっぱりしたものにしよう」という、穏やかな帳尻合わせの発想のほうが、長続きする行動につながります。


富士宮・富士市の食文化を楽しみながら体重を管理するコツ

祭りや観光、地元の外食シーンとどう向き合うか

富士宮・富士市エリアは、富士山の観光地としての側面もあり、地域のイベントや祭り、観光客向けのグルメスポットが年間を通じて賑わいます。富士宮やきそばの食べ歩き、浅間大社の周辺の飲食店、富士市内の居酒屋や定食屋——地元に住んでいると、こういった外食の機会は自然と多くあります。

外食の場でダイエットを意識するのは、なかなか難しいものです。メニューのカロリーがわからない、断りにくい雰囲気がある、楽しい場で食事を制限することへの気まずさ——これらはどれもリアルな障壁です。

大切なのは、「外食の場でも完璧に管理しなければならない」というプレッシャーを手放すことです。友人や家族と食べる食事は、栄養を摂る行為であると同時に、関係を深め、暮らしを豊かにする時間でもあります。その場を楽しむことは、けっして「ダイエットに失敗した」ことではありません。

外食が多い方の場合は、「外では楽しむ・自宅ではバランスを整える」という大きな設計にすると、気持ちが楽になります。特定の一食に過度に罪悪感を持つより、生活全体の流れをどう設計するかを考えるほうが、現実的です。

「特別な日に食べる」から「日常の中に上手に組み込む」へ

富士宮やきそばとの付き合い方として、二つの考え方があります。

ひとつは、「特別なときだけ食べる」という方法です。お祭りのときや観光客が来たとき、久しぶりに家族で出かけたときだけ楽しむ——という位置づけにすることで、普段の食事とは切り離す考え方です。これはこれで有効な方法ですが、富士宮・富士市に住んでいると、やきそばが屋台でも食堂でもスーパーでも手軽に手に入るため、「特別な日」と「日常」の境界が曖昧になりがちです。

もうひとつは、「日常の中に上手に組み込む」という発想です。週に一度、ランチとして楽しむ日を設ける、食べるときは量を調整する、前後の食事でバランスをとる——という形で、禁止するのではなく「組み込み方」を工夫する考え方です。

後者の発想のほうが、多くの人にとって長続きしやすいことが多いです。「禁止しているもの」は、それだけで強く意識されるものです。「楽しめる食事のひとつとして位置づける」ほうが、食との関係をより健全に保ちやすくなります。


体重より大切にしてほしい、続けられる食生活の考え方

厳しいルールより「マイルール」が長続きする理由

ダイエットの本や記事には、さまざまなルールが書かれています。「夜21時以降は食べない」「炭水化物は一日何グラムまで」「揚げ物は週に一度まで」——こういったルールを厳格に守ろうとして、うまくいかなかった経験がある方も少なくないのではないでしょうか。

厳しいルールが続かない理由のひとつは、「例外が許されない」という硬直性にあります。一度でもルールを破ると、「もうダメだ」という感覚(失敗感)が生じやすく、そこからの立て直しが難しくなります。

一方、自分の生活スタイルや好み、体質に合った「マイルール」を作ると、少し外れたとしても「また戻ればいい」という余裕が生まれます。たとえば、「やきそばは週に二回まで、そのときは並サイズにする」「食べた翌日の朝は野菜を多めにする」「やきそばを食べた日の夜は軽めにする」——これらは厳密な禁止ではなく、自分で決めた「緩やかな指針」です。

続けられるルールは、完璧ではなくていいのです。80%守れればじゅうぶん、という気持ちで設計するほうが、長い目で見たときに成果につながりやすくなります。

健診の数値が気になり始めたときのサインの読み方

体重だけに着目していると、見落としてしまうことがあります。健診で体重は大きく変わっていないのに、血糖値(空腹時血糖やHbA1c)、中性脂肪、LDLコレステロール、肝機能の数値(ALT・GGTなど)が少しずつ上がっている——という場合は、体の内側で変化が起きているサインかもしれません。

これらの数値の異常は、食事の内容だけでなく、運動不足、睡眠の質の低下、ストレス、加齢による代謝変化なども影響します。「太っていないから大丈夫」とは言い切れない場面もあります。

健診でこういった数値を指摘されたとき、「少し気をつけよう」と思いながらもどこから手をつければいいかわからない、という方も多いと思います。その場合、体重を落とすことを最初の目標にするより、食事の内容と食べ方を少しずつ整えることを優先するほうが、数値の改善につながりやすいことがあります。具体的には、糖質・脂質を少し調整する、食物繊維(野菜・きのこ・海藻など)を増やす、アルコールを控えめにする——といった変化が、血糖値や肝機能の数値に影響することがあります。

医師ではなくとも読める情報として、健診の結果票には基準値が書かれています。「要注意」「要精査」と書かれている項目は、体重が正常でも放置せず、かかりつけ医や専門外来に相談することをお勧めします。

体重の増減に一喜一憂しないための記録との付き合い方

体重計に乗るたびに気持ちが揺れ動く、という経験はないでしょうか。前日より500g増えただけで落ち込んだり、1kg減っただけで油断したり——体重の変動に振り回されてしまうことは、多くの方が経験しています。

実際には、体重は食事・水分・運動・体の水分バランス・排便・ホルモンの状態などによって、一日の中でも1〜2kg程度変動することがあります。一日の体重の変化に一喜一憂するより、一週間の平均値や月単位のトレンドで見るほうが、実態に近い判断ができます。

記録をつける場合は、毎朝同じタイミング(起床後、排尿後)に測ることで、日々の条件をそろえることができます。アプリや手帳に記録して、折れ線グラフで眺めると、「少しずつ下がっている」という変化が見えやすくなります。

また、体重だけでなく、「今週は野菜を毎日食べられた」「夜の間食がなかった」「やきそばを楽しんだけど翌日は軽めにした」という行動の記録も意味があります。体重の変化だけを追うより、行動の積み重ねを振り返るほうが、モチベーションの維持につながることがあります。


自己流の調整がうまくいかないと感じたときに知っておきたいこと

「わかってるのにできない」は意志の問題ではないことが多い

「食べすぎないようにしたほうがいいのはわかってる。でも、なかなかできない」——こういう気持ちを持っている方は、とても多いです。そして、できない自分を「意志が弱いせいだ」と思ってしまいがちです。

しかし、食欲や食行動の調節は、意志の力だけで制御できるほど単純ではありません。食欲には、ホルモン(グレリン、インスリン、レプチンなど)が深く関わっています。ストレスや睡眠不足があると、食欲を高めるホルモンが増えやすくなり、逆に満腹感を伝えるシグナルが弱くなることがあります。「食べすぎてしまう」背景には、生活習慣やホルモンバランス、場合によっては血糖値の乱れなど、体の状態が関係していることがあります。

また、食行動にはストレス対処(ストレスを食べることで和らげる)の側面があることも知られています。「気づいたら食べていた」「イライラすると甘いものが欲しくなる」という経験はよくあるものです。

つまり、「やめられない」「続かない」の多くは、意志の弱さではなく、体や心の状態が関係していることがあります。自分を責めるより、「なぜそうなっているか」を少し整理してみることが、改善への近道になる場合があります。

医療機関のダイエット外来でできること・できないこと

自己流の食事調整を試みたけれど、なかなかうまくいかない。健診の数値が毎年少しずつ悪化している。体重が一定以上下がらない。そういった場合に、医療機関のダイエット外来(肥満外来)に相談するという選択肢があります。

ダイエット外来では、まず血液検査や体組成の測定などを通じて、現状を数値で把握することから始めます。「なんとなく食事を減らす」のではなく、その方の体の状態に合った食事・運動の指針を一緒に考えていきます。

また、場合によっては、食欲調整に関連する薬物療法(医師の判断のもとで)を選択肢として検討できることもあります。ただし、薬は万能ではなく、生活習慣の改善と組み合わせることが基本です。ダイエット外来は「楽に痩せる魔法」を提供する場所ではありませんが、一人では気づきにくい原因や改善策を、医療の視点で整理してもらえる場所です。

「受診するほどではないかな」と思う方もいるかもしれません。しかし、健診で数値の異常が続いている場合、体重管理が生活習慣病の予防に直接つながる場合は、専門家に相談することは決して大げさではありません。一人で抱え込まずに、選択肢のひとつとして頭に置いておいてもらえたら、と思います。


富士宮やきそばと一生付き合っていくために

好きなものを我慢しない食生活が、続くダイエットをつくる

ここまで読んでいただいて、「富士宮やきそばを食べながらでも、工夫次第で体重と向き合える」という感覚が少し伝わっていれば嬉しいです。

大切なのは、「我慢して痩せる」ではなく、「付き合い方を整えて、長く続けられる食生活をつくる」という考え方です。好きなものを完全にやめて得た体重管理は、やめたとたんに崩れやすいものです。それに対して、好きなものを楽しみながら食事全体のバランスを整える習慣は、生活の中に定着しやすく、長い目で見たときに健康にも貢献します。

やきそばを食べる量を少し減らす、前後の食事を調整する、食べるタイミングを意識する——こういった小さな工夫の積み重ねが、半年後・一年後の体の状態に影響してきます。大きな我慢より、小さな工夫を積み上げていくほうが、現実的です。

「完璧に管理できている日」を積み上げることより、「崩れても戻ってこられる習慣」を持つことのほうが、ずっと大切だと私たちは考えています。

地域の食文化を楽しむことも、生活の質のひとつ

富士宮やきそばは、この地域で長く愛されてきた食文化です。独特の麺の食感、だし粉の香り、ラードのコク——それを楽しむことは、富士宮・富士市で暮らす人たちにとって、暮らしの豊かさのひとつと言えます。

かなり昔になるのですが、富士宮やきそばがB-1グランプリとった翌年に新富士駅前の「ふじさんめっせ」で同グランプリが開催されたことがありました。その時にたまたま新富士駅から新幹線に乗る用事があったのですが、あまりの混みっぷりで周囲の駐車場が全て満杯になり、駐車するのに大変だった覚えがあります。

ダイエットや健康管理は大切ですが、食べることの楽しさや、地域の食文化とともにある時間は、それと同じくらい大切なことです。「健康のために食事を制限しているが、食べることが楽しくなくなった」という状態は、それ自体が生活の質を損なっています。

体重を管理することと、地元のおいしいものを楽しむこと——この二つは、対立するものではありません。付き合い方を少し整えれば、両方を手にすることは十分に可能です。

富士宮やきそばと、これからも長く付き合っていってください。そのための小さな工夫が、この記事のどこかに見つかっていれば幸いです。

【参考文献】

肥満・体重管理の基本

  1. 日本肥満学会.肥満症診療ガイドライン2022.東京:ライフサイエンス出版;2022.
  2. 厚生労働省.日本人の食事摂取基準(2020年版).https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html(2025年閲覧)
  3. 農林水産省・厚生労働省.食事バランスガイド.https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/(2025年閲覧)

食欲調節・ホルモン・リバウンド

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血糖値・食後血糖・食べ方の工夫

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  2. Jenkins DJ, et al. Glycemic index of foods: a physiological basis for carbohydrate exchange. Am J Clin Nutr. 1981;34(3):362-366.
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脂質異常症・中性脂肪・肝機能

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  2. 日本消化器病学会・日本肝臓学会.NAFLD/NASH診療ガイドライン2020.東京:南江堂;2020.

食行動・心理・継続性

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富士宮やきそば・地域食文化

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  2. 富士宮やきそば学会.富士宮やきそばの歴史と文化.https://yakisoba.org/(2025年閲覧)

医療機関におけるダイエット支援

  1. 日本肥満学会.肥満外来診療の手引き.東京:日本肥満学会;2023.
  2. 厚生労働省.特定保健指導の実践的指導実施者研修テキスト.https://www.mhlw.go.jp/(2025年閲覧)

よくある質問(FAQ)

ダイエット中は、富士宮やきそばを食べないほうがいいですか?

まったく食べてはいけない、ということはありません。富士宮やきそばだけを悪者にするより、量や頻度、食べる時間帯を見直すほうが現実的です。たとえば大盛りを避ける、夜遅くではなく昼に食べる、前後の食事を少し軽めにする、といった工夫だけでも印象は変わります。好きなものを完全に禁止すると、かえって反動が出やすい方もいます。

富士宮やきそばは、やはり太りやすい食べ物なのでしょうか?

麺料理なので糖質はありますし、ラードや肉かすの分だけ脂質も入りやすい料理ではあります。ただ、それだけで「太りやすい食べ物」と決めつけるのは少し乱暴です。量が多すぎないか、ほかの間食が重なっていないか、外食が続いていないかなど、全体の食生活のほうが影響は大きいことも少なくありません。同じ一皿でも、食べ方しだいでかなり差が出ます。

食べるなら、どんな工夫をすると負担を減らしやすいですか?

まず取り入れやすいのは、並サイズにすること、シェアすること、野菜や汁物を一緒にとることです。自宅で作るなら、キャベツやもやしを増やしたり、豚肉やイカなどのたんぱく質をしっかり入れたりすると、満足感が出やすくなります。やきそば単品で勢いよく食べるより、少しゆっくり食べて、食事全体として整える意識を持つほうが続けやすいです。

体重はそこまで多くないのに、健診の数値が気になります。食事を見直したほうがいいですか?

はい、その視点は大事です。体重がそれほど増えていなくても、血糖値、中性脂肪、コレステロール、肝機能の数値が変わってくることはあります。そういう場合は、「痩せること」だけでなく、「食べ方を整えること」が重要になります。好きなものを全部やめる必要はありませんが、頻度や量、間食、飲み物、夜食の有無などを見直すだけでも違ってきます。

わかっていても食べすぎてしまいます。こういうのも相談していいのでしょうか?

もちろんです。「知識がないからできない」というより、忙しさ、疲れ、睡眠不足、ストレス、生活リズムの乱れなどで食行動が崩れることはよくあります。意志の問題だけで片づけないほうがいい場面もあります。自己流で調整が難しい、健診異常も出てきた、体重が少しずつ増えている、という場合は、食事の整理の仕方を一緒に考えてもらうだけでも意味があります。露骨に大げさに考える必要はありませんが、相談先があると気持ちはかなり楽になります。

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