医療ダイエット、オンラインと対面の本当の違い – 価格・副作用対応・向いている人をわかりやすく解説

オンラインの医療ダイエットは、始めやすさや続けやすさが大きな魅力です。

一方で、副作用が出たときの相談しやすさや、持病・内服薬がある方の安全確認では、対面診療のほうが向いている場面もあります。

「どちらが上か」ではなく、今の自分の体の状態や、不安の強さに合っているかで考えるのが大切です。

すでにオンラインで治療中の方でも、途中から対面診療を組み合わせることはできます。

迷ったときは、価格だけで決めず、「困ったときに相談しやすいか」まで含めて選ぶとよいでしょう。

「オンラインのダイエット外来にしようか、地元のクリニックに通おうか、迷っています」

こういった声を、近年よく耳にするようになりました。オンライン診療の普及で、以前は「クリニックに行かなければ始められなかった」医療ダイエットが、スマホ一つで受診できる時代になりました。選択肢が増えることは、多くの方にとって良いことです。

もうすでに結論の一端になってしまいますが、簡単な比較表を作りましたので、ご参考にどうぞ。

比較項目 オンラインクリニック 対面クリニック
始めやすさ スマホで始めやすい 予約と来院が必要
通いやすさ 通院なしで続けやすい 移動時間がかかる
診察のしやすさ 画面越しの相談が中心 直接相談しやすい
検査の受けやすさ 別で検査が必要なことも その場で相談しやすい
副作用の相談 チャットや再診で相談 体調変化を伝えやすい
持病がある場合 内容によっては慎重に判断 全身を見て相談しやすい
費用感 安めのことが多い やや高めになりやすい
向いている人 忙しく通院しにくい人 不安が強い人や持病がある人

※スマートフォンでは表を横にスクロールしてご覧いただけます。

ただ一方で、「オンラインで薬をもらっているけど、このまま続けていて大丈夫だろうか」「副作用かもしれない症状が出たとき、どこに相談すればいいのかわからなかった」という声も届いています。始めやすくなったぶん、立ち止まって考える機会が少なくなっているのかもしれません。

この記事は、二つの場面を想定して書いています。一つは、オンラインと対面のどちらにしようか検討中の方。もう一つは、すでにオンラインで治療を受けていて、「このまま続けていいのかな」と感じている方。どちらにも、少し頭が整理される内容をお届けできればと思います。

最初に一つだけお伝えすると、この記事は「オンラインが悪い」「対面が正しい」という話をするためのものではありません。それぞれに良さがあり、向いている人が違います。ご自身の状況や優先順位に合わせて、より納得のいく選択ができるよう、一緒に考えていけたらと思います。


目次

オンラインのダイエット外来が選ばれているのはなぜか

通院ゼロで始められる手軽さが、受診のハードルを下げた

医療ダイエットというと、以前は「クリニックの予約を取って、仕事を調整して、待合室で待って…」というプロセスが必要でした。それが億劫で、なかなか一歩を踏み出せなかった方も多いのではないでしょうか。

オンライン診療は、その入口を大きく変えました。自宅にいながら、好きな時間に診察を受け、そのまま薬の処方・配送まで完結できる。特に「まず試してみたい」「とにかく始めてみたい」という気持ちの方にとって、この手軽さは非常に大きなメリットです。

受診のハードルが下がることで、以前は「医療の力を借りよう」という発想自体がなかった方にも選択肢が生まれました。これはオンライン診療が社会にもたらした、本物の変化だと言えます。

スマホ一つで処方まで完結する利便性

多くのオンラインダイエットクリニックでは、問診→ビデオ診察→処方→薬の自宅配送、というフローがすべてスマホ上で完結します。クレジットカードでの決済、薬の受け取りも玄関先で、というサービスも珍しくありません。

通院に使う時間・交通費・体力を節約できるというのは、忙しい日常を送っている方には特に響くポイントです。処方された薬を毎月受け取るだけであれば、こうした仕組みはとても合理的に機能します。

地方在住・忙しい人でも続けやすいという実態

「近くに専門のダイエット外来がない」「子育て中で平日に外出するのが難しい」「仕事の都合で通院時間を確保できない」——そういう方にとって、オンライン診療の存在は選択肢を実質的に広げてくれます。

続けやすさは、ダイエット治療において非常に重要な要素です。どれほど良い治療法でも、続けられなければ意味がありません。その意味で、オンラインが「継続のしやすさ」という点でアドバンテージを持っているのは、否定しにくい事実です。

ただし、「続けやすい」ことと「適切に管理されている」ことは、必ずしも同じではありません。次の章では、その点をもう少し丁寧に見ていきます。


オンライン診療のメリットと、あまり語られない注意点

時間・交通費・心理的ハードルが下がる点は本物のメリット

前章で触れたことと重なりますが、改めて整理すると、オンライン診療の主なメリットは以下の通りです。

  • 交通費・移動時間がかからない
  • 待合室での待ち時間がない
  • 人目が気になる方も、自宅から受診できる
  • 平日日中に動けない方でも、夜間・早朝対応のサービスを利用できる

これらは実際に多くの方が評価しているポイントで、「気軽に始められた」「定期的な受診が苦にならない」という声も聞かれます。

診察の「深さ」はオンラインと対面で変わるのか

少し正直に触れておきたいのが、診察の「深さ」の問題です。

オンライン診療は画面越しの診察になるため、医師が直接体に触れることはできません。顔色、体のむくみ、皮膚の状態、腹部の張りなど、視診・触診・聴診で初めてわかることは、対面診療に比べると確認が難しくなります。

もちろん、問診や画面を通じた対話でも多くのことはわかります。ただ、「問診票の回答」と「実際に診察室で医師と話す」のでは、引き出せる情報量に違いが出ることがあります。特に体の変化を言葉で表現しにくい方、複数の症状が絡んでいるケースでは、対面診察のほうが状況を正確に把握しやすいという側面があります。

これはオンライン診療の欠点というよりも、「ツールの特性」として理解しておくことが重要です。

副作用が出たとき、オンラインで対応してもらえる範囲はどこまでか

医療ダイエットで処方される薬(例えばマンジャロなどのGLP-1受容体作動薬)は、効果が期待できる反面、吐き気・下痢・便秘・倦怠感などの副作用が出ることがあります。多くの場合は軽度で時間とともに落ち着きますが、症状の程度によっては用量の調整や服薬の中断が必要になることもあります。

オンラインクリニックでも、チャットや次回診察での相談対応は可能です。ただし、「症状がどの程度か」を画面越しに正確に評価するには限界があります。また、服薬中に別の症状(腹痛、動悸、頭痛など)が現れたとき、それが薬の影響なのか、別の原因によるものなのかを判断するには、血液検査などが必要になる場合もあります。

こうした状況で「どこに連絡すべきか」「どこで検査を受けるべきか」が不明確なクリニックの場合、患者さんが対応に困ってしまうことがあります。受診前に「副作用が出たとき、どのような対応フローがあるか」を確認しておくことは、オンライン・対面を問わず重要です。

持病や内服薬がある人は、オンライン受診で何が変わるのか

高血圧、糖尿病、脂質異常症、甲状腺の病気、精神科系の薬を飲んでいる方など、持病や服薬がある場合は、ダイエット治療の進め方に注意が必要なことがあります。

たとえば、マンジャロ(GLP-1受容体作動薬)は糖尿病の薬と相互作用する場合があります。また、急激な体重変化が既存の疾患管理(血圧のコントロールなど)に影響することもあります。こうした場合、ダイエット外来の医師だけでなく、かかりつけ医との連携が必要になることもあります。

オンラインクリニックでは、問診票の入力と審査によって処方可否を判断する流れが多いですが、複数の疾患・薬が絡む場合の判断は、対面診療のほうが情報を総合しやすい面があります。持病がある方は、この点を意識しておくと良いでしょう。


地元の対面クリニックのメリットと、正直なデメリット

血液検査・体組成・血圧――対面でしかわからない体の変化がある

対面クリニックの大きな特徴の一つは、検査ができることです。

たとえば、ダイエット治療を始める前や途中で血液検査を行うことで、肝機能・腎機能・血糖値・コレステロール値・甲状腺機能などの変化を客観的に把握できます。「体重は減ってきたけど、どこかに負担がかかっていないか」「薬が体に合っているか」を数値で確認できるのは、安心材料になります。

また、体組成計(筋肉量・体脂肪率・内臓脂肪レベルを測定する機器)や血圧測定を定期的に行えるクリニックであれば、「体重の数字だけではわからない体の変化」を一緒に追うことができます。体重が停滞していても、体組成が改善しているケースもあります。逆に、体重は減っているのに筋肉量が落ちているケースもある。こうした細かな変化に気づきやすいのは、対面診療の強みです。

副作用・体調変化をその場で相談できる安心感

「なんとなく調子が悪い気がする」「これは副作用なのかどうかわからない」というとき、その場で医師に直接話を聞いてもらえる環境は、心理的な安心感が違います。

特に、症状を言葉で表現しにくい方、複数の変化が同時に起きている方、「大げさかな」と思いながらも気になっていることがある方——そういうケースでは、対面での相談が診断の精度を上げることがあります。

また、継続的に同じ医師に診てもらうことで、「先生は自分の経過を知ってくれている」という感覚が生まれ、相談しやすくなる方も多いようです。

通院の手間やコストが、継続の壁になることもある

正直に書くと、対面クリニックにもデメリットがあります。

最もよく挙げられるのは、通院の手間です。仕事の調整、移動時間、待合室での待機——これらが毎月の負担になると、「面倒になって行かなくなってしまった」という方が出てくるのも事実です。

また、近くに専門のダイエット外来がない地域では、そもそも通えるクリニックの選択肢が限られてしまいます。交通費や、クリニックによっては駐車場の問題も、地味に継続のハードルになります。

対面の安心感と、継続しやすさのバランス。これは人によって重みが違います。この先のチャプターで、もう少し具体的に整理していきます。


価格だけで選んでいいのか – 本当に比べるべき5つのポイント

「オンラインのほうが安いから」という理由だけで選ぶと、後から後悔するケースがあります。費用は確かに大事な比較軸ですが、それだけではありません。実際に選ぶときに確認しておきたいポイントを整理します。

初期費用と月額だけでなく、「追加費用が発生しやすいか」も確認する

オンライン・対面ともに、「初期費用〇〇円、月額〇〇円」という表示は一つの目安ですが、実際の費用はそれだけではないことがあります。

たとえば、薬の配送料、診察ごとの診察料、処方箋発行料、体組成測定料など、項目ごとに費用が発生するクリニックもあります。「月額〇〇円」という表示が薬代のみを指している場合、診察料が別途かかるケースもあります。

選ぶ前に「月にトータルでいくらかかるか」を具体的に確認することをおすすめします。

副作用が出たときの対応フローは、事前に聞いておくべき

これは、費用より重要かもしれません。「副作用が出たとき、どのように相談できますか?」という質問を、受診前に投げかけてみてください。

・担当医に直接連絡できるか ・チャットのみか、電話・ビデオ診察もできるか ・緊急時は近くの病院に行くよう案内されるのか ・追加の検査が必要なとき、どこで受けられるのか

こうした点がはっきりしているクリニックは、それだけ副作用対応への意識が高いと言えます。逆に、「問診票に書いてください」「次の診察時に」という対応しか提示されない場合は、少し立ち止まって考えてみると良いかもしれません。

「相談できる医師」が毎回同じかどうかも大切な比較軸

オンライン・対面ともに言えることですが、毎回診察する医師が変わるクリニックでは、経過を理解してもらいにくいことがあります。

「前回の担当医が今回は不在で、初めて会う医師に最初から説明した」という経験をされた方もいます。それが繰り返されると、「ちゃんと自分の経過を見てもらえているのか」という不安につながります。

担当医が固定されているか、カルテが引き継がれる仕組みがあるか、という点は、事前に確認する価値があります。

継続サポートの手厚さ――数値が出ないときに誰が動いてくれるか

体重が思ったように減らない時期は、多くの方に訪れます。そのとき、クリニック側からアドバイスや処方の見直しが提案されるか、あるいは「しばらく続けてみてください」のみで終わるか——この違いは、治療の質に直結します。

「数値が出ないとき、誰がどう関わってくれるか」は、金額だけでは見えない大切な比較軸です。

処方内容の見直しが受けやすい体制かどうか

体の状態は変化します。体重が一定程度減ってきたとき、副作用が続いているとき、生活環境が変わったとき——こうした変化に応じて、処方量や薬の種類を見直すことが必要になる場合があります。

「最初の処方のまま、ずっと同じ量・同じ薬が続いている」というケースでは、体の変化に対応できていないことがあります。処方の見直しをどのような判断で行うか、定期的な評価の機会があるかどうかも、クリニック選びの重要な視点です。


オンライン向きの人・対面向きの人――それぞれの特徴を整理する

どちらが「良いか悪いか」ではなく、「自分にはどちらが合っているか」という視点で整理します。

オンライン受診が向いている人の条件

以下のような状況・考え方に当てはまる方は、オンライン診療との相性が良いと言えます。

  • 健康診断で大きな異常が出ておらず、持病がない、または安定している
  • 服用している薬がなく、薬の相互作用を気にする必要がない
  • 「まず試してみたい」という段階で、まず始めることを重視している
  • 通院できる環境にない(地理的・時間的な制約がある)
  • 症状を自分で観察・記録できる、モニタリングが得意な方
  • 薬についての説明をしっかり読んで理解した上で服用できる

こうした条件が揃っている場合、オンライン診療は合理的な選択になりえます。

対面クリニックが向いている人の条件

一方、以下のような方は、対面診療をベースにすることを検討してほしいと思います。

  • 高血圧、糖尿病、脂質異常症、甲状腺疾患、心臓・腎臓系の持病がある
  • 複数の薬を服用しており、相互作用が気になる
  • 過去に消化器症状(胃腸の不調)を繰り返したことがある
  • 「副作用かもしれない」と感じたとき、自分で判断するのが難しいと感じる
  • 体組成や血液検査の結果を定期的に確認しながら進めたい
  • 食事指導や生活習慣の相談も含めてサポートしてほしい
  • 「医師に診てもらっている」という安心感が、継続の後押しになる

持病・内服薬・過去のダイエット歴がある人はどちらを選ぶべきか

持病や服薬がある方は、まず対面クリニックへの相談をおすすめしたいです。理由は、「処方の判断に必要な情報量」が多くなるからです。

問診票だけでは伝えきれない情報もあります。たとえば「薬を飲んでいます」と書いても、その薬の種類・用量・服用期間・管理状況——これらを総合して判断するには、対話や検査が有効です。

また、過去に何度もダイエットを試みたが続かなかった、または体重の増減を繰り返してきた方(いわゆるリバウンドを経験している方)も、一度対面で経緯を話してみることで、自分の体に合ったアプローチが見えてくることがあります。


すでにオンラインで治療中の人へ – 一度対面で相談したほうがよいサインとは

ここからは、すでにオンラインのダイエット外来を利用中の方に向けて書きます。「自分のことかもしれない」と感じる項目があれば、少し立ち止まって考えてみてください。

「思ったより体重が減らない」が3ヵ月以上続いているとき

薬を使った治療を始めて数ヵ月が経つのに、体重の変化が停滞しているケースがあります。体重の減少には個人差があり、一時的な停滞は珍しいことではありません。ただ、3ヵ月以上ほぼ変化がない場合は、処方量の見直し、薬の変更、生活習慣の改善アドバイスなど、何らかの方針変更が必要なサインである可能性があります。

こうした停滞に対して、オンラインクリニック側から積極的な提案がなく「続けてください」のみが続いているとしたら、一度別の視点から評価してもらう機会を持つことが助けになるかもしれません。

副作用らしき症状があるが、相談しにくいと感じているとき

「吐き気がするけど、これくらいは普通なのか」「少し動悸がする気がするけど、気のせいかな」——こうした曖昧な症状が続いているのに、相談のタイミングがつかめていない方は、一度きちんと診てもらうことをおすすめします。

副作用の多くは自然に軽減しますが、中には用量の調整や服薬の見直しが必要なものもあります。「相談しにくい」「大げさかな」という気持ちが強くなっているとしたら、それ自体が「一度対面で話してみるサイン」かもしれません。

処方内容が変わらないまま、経過観察が続いているとき

最初に処方された薬・用量のまま、半年以上変化がない場合は、処方の見直しが適切に行われているか確認したいところです。

体重が変化すれば必要な薬の量も変わる場合があります。また、長期服用によるリスク管理や、次のステップ(薬から生活習慣中心への移行など)を考えるタイミングも、経過とともに変わります。「ずっと同じ処方」が続いているとしたら、一度評価の機会を持つことを考えてみてください。

持病の悪化・新しい症状が出てきたとき

ダイエット治療を続けている中で、もともとあった持病の状態が変わってきた、あるいは今まで気にしていなかった症状(疲れやすさ、むくみ、食欲の著しい変化、精神的な不調など)が出てきたとき。こうした変化は、体重の変化とは別の文脈で評価が必要になることがあります。

オンラインクリニックの担当医が持病のかかりつけ医ではない場合、情報の連携がうまくいっていないことがあります。複数のクリニックにかかっている方は、それぞれの医師が互いの処方・経過を把握しているかどうか、一度確認してみることが大切です。

「このまま続けていいのか」という漠然とした不安があるとき

症状や数値の問題がはっきりしているわけではないけれど、なんとなく不安がある——そんな状態が続いているとしたら、その感覚は無視しないほうが良いと思います。

「相談しに行くほどじゃないかな」と思っている方ほど、実際に話してみると「ちゃんと相談してよかった」と感じることが多いものです。医療ダイエットは、始めることよりも、安全に・自分に合った形で続けることのほうが大切です。漠然とした不安は、一度だれかに話してみるだけで、かなり整理されることがあります。


オンラインと対面を「使い分ける」という考え方もある

ここまで読んで、「どちらかを選ばなければ」と感じている方もいるかもしれません。でも実は、二択にしなくても良い場合があります。

最初は対面で方針を立て、安定期はオンラインで継続する方法

一つの現実的な考え方として、「最初の評価と方針決定は対面で行い、その後の安定したフォローアップはオンラインで」という使い方があります。

治療の初期は、体の状態を詳しく確認し、どのような方法が合っているかを判断する段階です。ここを丁寧に行うことで、その後の経過がスムーズになることがあります。体重が順調に減り、副作用もなく、処方が安定してきたタイミングで、利便性の高いオンラインに移行するというのは、合理的な選択肢の一つです。

オンラインで始めてみて、不安が出たら対面に切り替える流れ

逆のパターンもあります。まずオンラインで試してみて、途中で「ちゃんと診てもらいたい」と感じたら対面に切り替える、または対面で相談を加える、というやり方です。

「オンラインで始めたからオンラインで最後まで続けないといけない」というルールはありません。体の状態や気持ちの変化に応じて、途中で受診先を見直すことは、むしろ自然なことです。

地元にかかりつけ医を持ちながら、遠隔で薬を受け取る選択

地域のかかりつけ医が「薬の処方はできないが、定期的な血液検査と体調管理はしてもらえる」という場合、オンラインで処方を受けつつ、地元のかかりつけ医で検査や体調の相談を行うという形もあります。

複数の医療機関を上手に使いながら、それぞれの強みを活かす。これが、医療ダイエットを安全に続けるための一つの賢い方法かもしれません。その際は、どちらの医師にも服薬状況を伝えておくことが大切です。


自分に合った方法を選ぶために――最後に確認してほしいこと

費用・利便性・安全性のうち、自分が一番重視しているのはどれか

正直なところ、何を最優先するかによって、「正解」は変わります。

費用を抑えることが一番の優先事項であれば、オンラインが有利なことが多いでしょう。通院の手間を省くことが最優先であれば、オンラインの選択肢は現実的です。一方、「治療の安全性をきちんと担保したい」「副作用が不安なのでしっかり診てもらいたい」という方は、対面でのサポート体制を重視することに意味があります。

どれが「正しい」ではなく、あなたにとって何が大切かが基準です。

今の体の状態を「誰かにちゃんと診てもらいたい」と感じているか

ここは少し、正直に自分に問いかけてみてください。「今の自分の体を、医師にきちんと診てもらいたい」という気持ちがあるかどうか。

その気持ちがある場合、それは体が何かを知らせているサインかもしれません。オンラインでの対応でなんとなく進んでいるけれど、どこかに「ちゃんとみてもらえているのかな」という引っかかりがある方は、その感覚を大切にしてほしいと思います。

迷っているなら、まず一度だけ地元のクリニックに話を聞きに行くという選択

「オンラインとどちらが良いか迷っている」「今の治療に少し不安がある」という方は、まず一度、地元のクリニックで話を聞いてみるというのも一つの方法です。

「相談に行ったからといって、必ず通い続けなければいけない」わけではありません。現状を医師に話して、「このまま続けていいのか」「自分の体の状態はどうなのか」を確認するだけでも、頭の中がかなり整理されることがあります。

医療ダイエットは、短期間で終わるものではなく、体と長くつきあいながら進めるプロセスです。一人で抱え込まず、適切なタイミングで専門家に話すことが、遠回りなようで最も確かな道になることがあります。

オンラインであっても対面であっても、あなたの体を守るのは、あなた自身の選択です。どうか、自分に合った方法で、安心して取り組んでいただければと思います。

当院での診療の進め方について

当院では、初回の診察は原則として対面で行っています。
はじめに現在の体の状態をできるだけ正確に把握したいため、血液検査の結果や健診結果をお持ちであれば、ご持参をお願いしています。必要な情報を最初にしっかり確認したうえで、無理のない治療方針を一緒に考えていく形です。

診察は予約制としており、できるだけ待ち時間が少なくなるようにしています。診察からお会計までの流れもなるべく簡潔にし、通院そのものが負担になりにくいよう工夫しています。

2回目以降は、状態が安定していればオンライン診療にも対応しています。
お手持ちのスマートフォンを使って、LINEで診察を受けていただくことが可能です。お薬についても、薬局からクール便で発送しています。マンジャロは冷蔵での管理が必要なため、その点も踏まえて、できるだけ余計なお手間がかからない形を心がけています。

ハイブリッドな使い方も

本音を言えば、一度当院で始めた治療を、そのまま安心して続けていただけたらうれしく思っています。
ただ、当院のような個人経営のクリニックでは、オンライン専門クリニックの最安値に価格だけで合わせるのは難しいのも現実です。少しでも安いほうが続けやすい、というお気持ちもよくわかります。

そのため、必ずしも「ずっと当院だけで」とは考えていません。
たとえば最初の2か月は当院で診療を行い、安全性や体の反応を確認したうえで、その後はオンラインクリニックで継続する。あるいは半年に1回ほど対面で診察や検査を受けながら、普段はオンラインを活用する。そうした使い方も、十分現実的だと思っています。

個人的には、最初から最後までオンラインだけで進めるより、必要な場面で対面診療も組み合わせたほうが安心ではないかと考えています。
体調のことで気になることが出てきたとき、増量を検討する前に一度検査をしておきたいとき、思ったように体重が減らないとき。そういう節目で対面の診察を使っていただくことは、体の安全面でも、その後の体重管理という意味でも、プラスになることが多いからです。

当院の患者さんでも、順調に体重が減って適切にお薬を使えるタイミングになって「オンラインクリニックに切り替えたのかな」と思われる人もいました。そういう方が体調の変調があった時、検査を受けたい時に頼ってもらってもよいのです。

「こういうときに対面で相談できる場所がある」と思っていただけるだけでも、治療の続けやすさは変わるのではないかと思いますよ。

【参考文献】

オンライン診療制度・ガイドライン

  1. 厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(令和6年改訂版) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/rinsyo/index_00010.html
  2. 厚生労働省「令和4年度診療報酬改定におけるオンライン診療に関する取扱い」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00037.html

GLP-1受容体作動薬・肥満症治療薬

  1. 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」(ライフサイエンス出版)
  2. Wilding JPH, et al. “Once-Weekly Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity.” New England Journal of Medicine. 2021;384:989–1002. → セマグルチド(オゼンピック・ウゴービ)の第III相試験(STEP 1試験)
  3. Jastreboff AM, et al. “Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity.” New England Journal of Medicine. 2022;387:205–216. → チルゼパチド(マンジャロ)のSURMOUNT-1試験
  4. 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「ウゴービ皮下注(セマグルチド)審査報告書」 https://www.pmda.go.jp/

肥満症・医療ダイエットの安全性・副作用管理

  1. 日本肥満学会「肥満症治療のエビデンスと実践」(2023年)
  2. Nauck MA, et al. “GLP-1 receptor agonists in the treatment of type 2 diabetes – state-of-the-art.” Molecular Metabolism. 2021;46:101102. → GLP-1製剤の副作用・安全性プロファイルのレビュー
  3. 厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル(消化器系副作用)」 https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/tp1122-1.html

テレメディシン(遠隔診療)の有効性・限界

  1. Dorsey ER, Topol EJ. “State of Telehealth.” New England Journal of Medicine. 2016;375:154–161.
  2. Kruse CS, et al. “Telehealth and patient satisfaction: a systematic review and narrative analysis.” BMJ Open. 2017;7:e016242.
  3. 日本医師会「オンライン診療に関する調査報告書」(2023年) https://www.med.or.jp/

肥満と生活習慣病・持病との関係

  1. 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)」
  2. 日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2022-2023」
  3. 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」

薬の相互作用・多剤服用

  1. 厚生労働省「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編)」(2019年) → 多剤服用(ポリファーマシー)と薬物相互作用の考え方
  2. 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「薬の相互作用について」 https://www.pmda.go.jp/

減量の継続・リバウンド・行動変容

  1. Wing RR, Phelan S. “Long-term weight loss maintenance.” American Journal of Clinical Nutrition. 2005;82(1 Suppl):222S–225S.
  2. 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index.html

よくある質問(FAQ)

医療ダイエットは、オンラインだけでも安全に続けられますか?

オンラインだけでも問題なく続けられる方はいます。通院の負担が少なく、忙しい方でも治療を続けやすいのは大きなメリットです。
ただ、体質や持病、飲んでいる薬によっては、対面で診てもらったほうが安心なこともあります。特に、副作用が出たときに相談しやすいか、必要な検査を受けられるかは大切なポイントです。
安全に続けられるかどうかは、「オンラインか対面か」だけで決まるわけではありません。今の体の状態と、困ったときにきちんと相談できる体制があるかどうかで考えるのが現実的です。

オンライン診療で薬をもらっているのですが、途中から対面クリニックに相談しても大丈夫ですか?

大丈夫です。むしろ、途中から相談先を見直すことは良いことだと思います。
最初は手軽に始められるオンラインが合っていても、治療を続けるうちに「一度ちゃんと診てもらいたい」「今のままでいいのか確認したい」と感じることがあります。そういうときに対面クリニックへ相談するのは、自然な流れです。
オンラインで始めたから最後まで同じところで続けなければいけない、ということはありません。体調や不安の強さに合わせて、途中で受診の形を変えていくのは普通のことです。

副作用かどうか迷う症状があるときは、どのタイミングで対面受診を考えたほうがいいですか?

「これくらいで受診していいのかな」と迷うことは多いですが、迷いが続く時点で一度相談する意味はあります。
特に、吐き気や便秘、だるさが長引いているとき、食事や水分がしっかり取れないとき、腹痛があるとき、体重は減っているのに体調が悪いと感じるときは、対面で相談したほうが安心です。
また、症状そのものが強くなくても、「相談しづらい」「このまま続けていいのかわからない」と感じているなら、それも受診を考えるきっかけになります。無理して我慢するより、一度確認したほうが結果的に続けやすくなるのではないでしょうか。

料金が安いオンラインクリニックを選べば十分なのでしょうか?

料金は大事ですが、それだけで決めるのは少し危ないことがあります。
たしかに、オンラインクリニックは価格面で始めやすいところが多いです。ただ、診察の内容、副作用が出たときの対応、医師に継続して相談しやすいか、必要なときに処方の見直しをしてもらえるか、という点は料金表だけでは見えません。
治療は、安く始めることも大事ですが、無理なく続けられることも同じくらい大切です。あとから「安かったけれど不安が残った」と感じるより、自分にとって必要なサポートがあるかどうかも一緒に見ておくほうが納得しやすいと思います。
オンラインクリニックであっても「同じ医師に変化を把握してもらう」というのは非常に大切なことです。

持病がある人や、ほかに薬を飲んでいる人は、オンラインと対面のどちらが向いていますか?

持病がある方や、すでに何か薬を飲んでいる方は、最初は対面で相談したほうが良いでしょう。
理由は、薬の飲み合わせや体の状態によって、進め方を少し慎重に考えたほうがいい場合があるからです。健康診断の結果や、今までの治療内容も含めて見たほうが判断しやすいこともあります。
もちろん、状態が安定していれば途中からオンラインを取り入れる方法もあります。大切なのは、「持病があるから絶対オンラインはだめ」と決めつけることではなく、自分の体に合わせて無理のない形を選ぶことです。

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この記事を書いた人

新井隆康のアバター 新井隆康 富士在宅診療所 院長

米国スタンフォード大学にて幹細胞を用いた心筋再生と細胞のマルチモダリティイメージングの研究に従事。
分子細胞学、ES細胞の培養とウィルスベクターによる遺伝子操作、動物モデルによる実験、MRIの撮像プロセスそのものの研究していくなかで、機械工学に関しても幅広い知識を習得しました。
同時に米国医師免許(USMLE/ECFMG)を取得しました。

帰国後は東京都内の在宅クリニックにて研鑽を積み、その後2016年に富士在宅診療所を開業し、約10年間にわたり末期がん、神経難病、生活習慣病などを幅広く診療し、地域医療の最前線を担ってきました。現在の富士在宅診療は常勤医5名体制で、年間の看取り数は200名程度の規模に成長しました。
現在は、訪問診療をメインに据えながら、外来の保険診療およびダイエット外来に注力し、全身を診られる医師として地域医療の旗手を担っていきます。

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