脳血管性認知症とは?アルツハイマー型との違い・症状の特徴・在宅ケアのポイントを解説

脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血といった脳血管障害をきっかけに発症する認知症です。アルツハイマー型認知症とは症状の現れ方や進行パターンが異なり、身体機能の低下を伴うことも少なくありません。
「昨日はしっかりしていたのに、今日は別人のよう」というまだら症状に戸惑うご家族も多いでしょう。
この記事では、脳血管性認知症の基礎知識からアルツハイマー型との違い、在宅ケアで押さえたいポイントまで、在宅診療の現場経験をもとにわかりやすく解説します。
脳血管性認知症は脳卒中の後に起きやすい認知症です
脳血管性認知症は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで脳細胞がダメージを受け、認知機能が低下する病気です。脳卒中を経験した方に多く、発症のタイミングや経過にはアルツハイマー型とは異なる特徴があります。
脳梗塞や脳出血で脳の血流が途絶えると認知機能に影響が出る
脳の血管が詰まる脳梗塞や、血管が破れる脳出血が起きると、その先の脳組織に酸素や栄養が届かなくなります。損傷を受けた部位が記憶や判断をつかさどる領域であれば、認知機能に直接的な影響が及びます。
小さな脳梗塞(ラクナ梗塞)が繰り返し起きるケースでは、一度の発作では目立った症状が出なくても、積み重なることで認知機能が段階的に落ちていく場合もあるでしょう。
脳血管性認知症はどのくらいの割合で発症するのか?
日本の認知症全体のうち、脳血管性認知症が占める割合はおよそ15〜20%とされています。アルツハイマー型認知症に次いで2番目に多いタイプで、決して珍しい病気ではありません。
かつては日本人の認知症で占める割合が高かったものの、高血圧治療の普及などにより割合は変化してきました。ただし、高齢化に伴い脳卒中の患者数自体が増えているため、引き続き注意が必要な認知症です。
認知症のおもなタイプと特徴
| 認知症のタイプ | 割合の目安 | おもな原因 |
|---|---|---|
| アルツハイマー型 | 約60〜70% | 脳内のアミロイドβ蓄積 |
| 脳血管性 | 約15〜20% | 脳梗塞・脳出血などの血管障害 |
| レビー小体型 | 約10〜15% | レビー小体の蓄積 |
| 前頭側頭型 | 数%程度 | 前頭葉・側頭葉の萎縮 |
脳血管性認知症と診断される年齢層は幅広い
高齢者に多い病気という印象があるかもしれませんが、50代や60代で脳卒中を経験し、その後に脳血管性認知症を発症する方もいます。
働き盛りの年齢で診断されるケースも珍しくないため、「まだ若いから関係ない」とは言い切れません。
特に高血圧や糖尿病などの生活習慣病を抱えている方は、年齢にかかわらず脳血管障害のリスクが高まります。早い段階からの予防意識が大切です。
アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症は進み方がまったく違う
同じ「認知症」でも、アルツハイマー型と脳血管性では進行の仕方や症状の出方に大きな違いがあります。適切なケアにつなげるためにも、両者の違いを把握しておきましょう。
アルツハイマー型は緩やかに進行し脳血管性は階段状に悪化する
アルツハイマー型認知症は、時間の経過とともに少しずつ認知機能が低下していきます。一方で脳血管性認知症は、脳卒中が起きるたびに症状が一段階悪化する「階段状」の進行パターンが特徴的です。
新たな脳梗塞や脳出血が起きなければ、症状が一定期間安定するケースもあります。そのため、再発予防が進行を抑えるうえで非常に重要な意味を持ちます。
物忘れの出方にも大きな差がある
アルツハイマー型では、近い過去の出来事から順に忘れていく傾向が強く、全般的に記憶力が低下します。脳血管性認知症では、損傷を受けた脳の部位によって「忘れること」と「覚えていること」がまだらに分かれるのが特徴です。
たとえば、昨日の夕食の内容は忘れていても、趣味の手順は正確に覚えているといった偏りが生じるケースがあります。ご家族から見ると「できるときとできないときの差が激しい」と感じることが多いでしょう。
感情の変動が激しいのは脳血管性認知症に多い
脳血管性認知症の方には、些細なことで涙を流したり急に怒り出したりする「感情失禁」と呼ばれる症状が現れやすい傾向があります。脳の感情を制御する領域が障害を受けることで、自分の意志とは関係なく感情があふれ出てしまうのです。
ご本人も困惑しているケースが多いため、「わがままを言っている」と誤解せず、脳の障害による症状だと受け止めてあげてください。
アルツハイマー型と脳血管性の比較
| 比較項目 | アルツハイマー型 | 脳血管性 |
|---|---|---|
| 進行パターン | 緩やかに低下 | 階段状に悪化 |
| 記憶障害の特徴 | 全般的に低下 | まだらに出現 |
| 身体症状 | 初期は少ない | 麻痺・歩行障害を伴う |
| 感情の変動 | 比較的穏やか | 感情失禁が起きやすい |
| 発症のきっかけ | 明確でないことが多い | 脳卒中の後に発症しやすい |
「日によって調子が変わる」のは脳血管性認知症の典型的な症状
脳血管性認知症には、日や時間帯によって認知機能に波が生じる「まだら症状」という特徴があります。身体面の症状も伴いやすく、ご本人にもご家族にも戸惑いが大きい認知症です。
まだら認知症と呼ばれる症状の波がご本人も家族も戸惑わせる
「まだら認知症」とは、認知機能が保たれている部分と低下している部分が混在する状態を指します。朝はしっかり会話できていたのに、午後には同じ質問を何度も繰り返すといった変動が日常的に起こりえます。
周囲からは「やればできるのに怠けている」と見えてしまうときもあり、ご本人が傷つくケースも少なくありません。症状の波は脳の障害によるものだと家族全員が共有しておくことが大切です。
運動麻痺や嚥下障害など身体症状を伴いやすい
脳血管性認知症では、脳卒中の後遺症として手足の麻痺や言語障害が残る場合があります。食べ物をうまく飲み込めない嚥下障害(えんげしょうがい)も起こりやすく、誤嚥性肺炎のリスクが高まる点にも注意が必要です。
身体機能の低下は日常生活の動作にも直結するため、認知面のケアだけでなくリハビリテーションを含めた総合的な支援が求められます。
脳血管性認知症で現れやすい身体症状
| 身体症状 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 運動麻痺 | 片側の手足に力が入りにくくなる |
| 歩行障害 | 小刻み歩行やすり足になりやすい |
| 嚥下障害 | 食べ物や水分が飲み込みにくくなる |
| 構音障害 | 言葉がはっきり発音できなくなる |
| 排尿障害 | 頻尿や尿失禁が起こりやすくなる |
意欲の低下やうつ状態が見逃されやすい
脳血管性認知症では、何事にもやる気が起きない「意欲低下(アパシー)」や、気分の落ち込みが続く「うつ状態」が高い頻度で見られます。しかし、これらの症状は「年のせい」や「性格の問題」として見過ごされがちです。
以前は趣味を楽しんでいた方が急に興味を失ったり、ぼんやり過ごす時間が増えたりした場合は、脳血管性認知症による精神症状の可能性も考えてみてください。
夜間の頻尿や歩行障害にも脳血管性認知症が関係している
夜中に何度もトイレに起きたり、歩くときにふらつきが目立つようになったりするのも、脳血管性認知症で起こりやすい症状のひとつです。排尿をコントロールする脳の機能が低下すると、頻尿や尿失禁につながるケースがあります。
夜間のトイレ歩行は転倒リスクを高めるため、室内の動線に足元灯を設置するなどの工夫が安全面で有効といえるでしょう。
脳血管性認知症を引き起こす原因と今日から見直したい生活習慣
脳血管性認知症の発症には、脳卒中を引き起こす生活習慣病が深く関わっています。原因を正しく把握し、日々の暮らしの中で予防策を実践することが、発症リスクの軽減に直結します。
高血圧・糖尿病・脂質異常症が脳血管性認知症のリスクを高める
脳血管障害を引き起こす三大要因は、高血圧、糖尿病、脂質異常症です。高血圧は脳の細い血管に負担をかけ続け、動脈硬化を進行させます。糖尿病による血糖値の乱高下も血管壁を傷つけ、脳梗塞のリスクを高めます。
脂質異常症でLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が増えると、血管の内側にプラークと呼ばれる脂肪の塊がたまり、血管が狭くなったり詰まったりしやすくなります。
喫煙と過度な飲酒は脳の血管を傷つける
タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は、血管を収縮させて血圧を上昇させるだけでなく、血液を固まりやすくする作用もあります。喫煙者の脳卒中発症率は非喫煙者の約2倍とも報告されており、禁煙は予防への大きな一歩です。
アルコールの摂りすぎも血圧を上げ、脳出血のリスクを高めます。適量(1日あたりビール中瓶1本程度)を守り、休肝日を設けるのが望ましいでしょう。
塩分と脂肪を控えた食事が脳血管性認知症の予防につながる
日本人の食事は塩分が多い傾向があり、高血圧の大きな要因になっています。1日の塩分摂取量を6g未満に抑えることを目標に、出汁のうまみや香辛料を活用して減塩を心がけてみてください。
野菜や果物、青魚などを積極的に取り入れたバランスの良い食事は、血管の健康維持に役立ちます。特にEPAやDHAを豊富に含む青魚は、血液の流れを改善する効果が期待できるでしょう。
脳血管障害を防ぐために見直したい生活のポイント
- 血圧を毎日測定して記録する習慣をつける
- 1日30分程度のウォーキングなど有酸素運動を取り入れる
- 禁煙と適度な飲酒量の管理を徹底する
- 野菜や青魚を中心としたバランスのよい食事を心がける
- 定期的な健康診断で血糖値やコレステロール値をチェックする
脳血管性認知症かもしれないと感じたら受診したい検査と診療科
脳血管性認知症は、画像検査と認知機能検査を組み合わせて診断されます。「物忘れが目立つ」「脳卒中の後から様子が変わった」と感じたら、早めに専門の医療機関を受診しましょう。
脳のMRI・CT検査で血管障害の部位と範囲を確認する
脳のMRIやCT検査では、脳梗塞や脳出血の痕跡を画像で直接確認できます。どの部位にどの程度の損傷があるかを把握して、認知機能の低下と脳血管障害との関連性を評価します。
MRIは脳の細かな変化を映し出す力に優れており、小さなラクナ梗塞や白質病変(脳の深部にある神経線維の傷み)の発見に適しています。
認知機能検査で「できること」と「できないこと」を明らかにする
長谷川式認知症スケールやMMSE(ミニメンタルステート検査)といった認知機能検査は、記憶力・計算力・見当識(今の日時や場所を正しく認識する力)などを総合的に評価するための検査です。
脳血管性認知症ではスコアのばらつきが見られやすく、得意な項目と苦手な項目の差が大きくなる傾向があります。検査結果はケアプランを立てる際にも参考になるでしょう。
脳血管性認知症の診断に用いられるおもな検査
| 検査名 | 内容 |
|---|---|
| 頭部MRI | 脳の断層画像を撮影し、梗塞や出血の有無を確認する |
| 頭部CT | 短時間で脳出血や大きな梗塞を確認できる |
| 長谷川式スケール | 記憶・見当識など9項目で認知機能を評価する |
| MMSE | 国際的に広く使われる認知機能のスクリーニング検査 |
| 脳血流SPECT | 脳の血流状態を画像化して低下した領域を特定する |
脳神経内科や物忘れ外来が専門的な診断に対応している
脳血管性認知症の診断は、脳神経内科、脳神経外科、精神科(老年精神科)、または物忘れ外来で受けられます。かかりつけ医がいる場合は、まず相談したうえで専門医への紹介状を書いてもらうとスムーズです。
訪問診療を利用している方であれば、担当の医師に気になる症状を伝えると、自宅にいながら専門医との連携や検査の手配を進められる場合があります。移動が難しい方にとって、在宅で相談できる環境は心強い味方です。
在宅ケアで脳血管性認知症のご本人が穏やかに暮らせる環境を整えよう
脳血管性認知症の方が住み慣れた自宅で安心して暮らし続けるには、住環境の整備や服薬管理、リハビリの工夫など、多角的な在宅ケアの体制を整えることが大切です。
転倒を防ぐバリアフリー対策は在宅ケアの基本
脳血管性認知症では運動麻痺や歩行障害を伴うケースが多く、転倒のリスクが高い状態にあります。廊下やトイレ、浴室に手すりを設置し、段差をなくすバリアフリー化は、在宅ケアで真っ先に取り組みたい対策です。
敷居やカーペットの端といった小さな段差がつまずきの原因になりやすいため、見落としがちな箇所も含めて室内を点検してみてください。夜間はセンサーライトを活用すると安心感が高まります。
服薬管理を工夫して飲み忘れや飲みすぎを防ごう
脳血管性認知症の方は、血圧の薬や抗血小板薬(血液をサラサラにする薬)など複数の薬を服用しているケースが多いものです。認知機能の低下により飲み忘れや重複服薬が起こりやすくなるため、服薬管理の仕組みづくりが欠かせません。
お薬カレンダーや1回分ずつ小分けにした一包化(いっぽうか)を活用するとよいでしょう。訪問看護師や薬剤師の訪問服薬指導を利用すれば、専門家のサポートを受けながら安全に薬を管理できます。
リハビリテーションを日常に取り入れて残った機能を活かす
脳血管性認知症では、障害された部分がある一方で、保たれている機能も多く残っています。リハビリテーションは、残存機能を維持・活用するうえで効果的な手段です。
腕の曲げ伸ばしや指先の運動など、自宅で無理なく続けられるリハビリを日課にしてみましょう。訪問リハビリを利用すれば、理学療法士や作業療法士が自宅に来てご本人に合ったプログラムを一緒に組み立ててくれます。
訪問診療と訪問看護で在宅生活を医療面から支える
通院が困難な方にとって、医師が定期的に自宅へ訪問する訪問診療は大きな安心材料となります。体調の変化にいち早く気づき、薬の調整や検査の指示を自宅で受けられるため、ご本人もご家族も負担が軽くなるでしょう。
訪問看護師は日々の健康チェックに加え、医療的な処置や介護の相談にも対応してくれます。訪問診療と訪問看護を組み合わせると、在宅での医療体制がより充実したものになります。
在宅ケアで活用したい訪問サービス
- 訪問診療(医師が定期的に自宅を訪問して診察を行う)
- 訪問看護(看護師が健康管理や医療処置を自宅で実施する)
- 訪問リハビリテーション(理学療法士・作業療法士による自宅での機能訓練)
- 訪問薬剤管理指導(薬剤師が服薬状況を確認しアドバイスする)
- 訪問歯科診療(歯科医師が自宅で口腔ケアや治療を行う)
脳血管性認知症の介護で家族が疲れ果てる前に頼れる支援と相談先
脳血管性認知症の介護は、身体介助と認知症ケアの両方が求められるため、ご家族にかかる負担は決して小さくありません。一人で抱え込まず、公的な支援や地域の相談窓口を上手に活用してください。
介護保険サービスを活用して家族の負担を減らそう
脳血管性認知症と診断された方は、介護保険の要介護認定を受けるとさまざまな介護サービスを利用できるようになります。まずはお住まいの市区町村の介護保険窓口に申請し、認定調査を受けましょう。
要介護度に応じて利用できるサービスの内容や限度額が変わるため、ケアマネジャー(介護支援専門員)と相談しながら、ご本人とご家族の生活に合ったケアプランを組み立てることが大切です。
介護保険で利用できるおもなサービス
| サービス種類 | 内容 |
|---|---|
| デイサービス | 日帰りで施設に通い、入浴や食事、レクリエーションを受ける |
| ショートステイ | 短期間施設に宿泊し、介護を受ける(家族の休息にも有効) |
| 訪問介護 | ヘルパーが自宅を訪問し、食事・排泄・入浴などを支援する |
| 福祉用具レンタル | 車いすや介護ベッドなどをレンタルで利用できる |
デイサービスやショートステイで介護する側にも休息を
デイサービスは、日中にご本人が施設で過ごすことで、介護をしているご家族がまとまった時間を確保できるサービスです。他の利用者との交流やレクリエーションがご本人の気分転換にもなり、認知機能の維持にプラスに働く場合があります。
数日間にわたって施設に滞在するショートステイは、ご家族が旅行や冠婚葬祭で家を空ける際だけでなく、介護疲れの回復を目的に利用してもかまいません。
「自分が休むためにサービスを使うのは申し訳ない」と遠慮する方もいますが、介護者自身の健康を守ることこそ、長くケアを続けるための土台です。
地域包括支援センターは介護の悩みを打ち明けられる身近な窓口
地域包括支援センターは、高齢者の介護や生活に関する相談を無料で受け付けている公的な窓口です。社会福祉士やケアマネジャー、保健師などの専門職が在籍しており、介護保険の申請手続きや適切なサービスの紹介も行ってくれます。
「どこに相談すればいいかわからない」という段階でも気軽に連絡できるのが、地域包括支援センターの強みです。
認知症の家族を支える介護者向けの交流会や勉強会を開催しているセンターもあるため、同じ悩みを持つ仲間とつながるきっかけにもなるでしょう。
よくある質問
- 脳血管性認知症はどのような原因で発症しますか?
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脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が原因で発症します。脳の血管が詰まったり破れたりすることで、その先の脳組織に酸素が届かなくなり、脳細胞がダメージを受けるのがおもな発症の流れです。
高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病は脳血管障害のリスクを高めるため、これらの管理が発症予防の鍵となります。小さな脳梗塞が繰り返し起きるタイプもあるため、脳卒中の既往がある方は定期的な検査を受けるのが望ましいでしょう。
- 脳血管性認知症の初期症状にはどのようなものがありますか?
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脳血管性認知症の初期症状は、障害を受けた脳の部位によって異なります。物忘れだけでなく、判断力の低下や注意力の散漫、意欲の低下などが初期から現れる方も珍しくありません。
「日によって調子の良し悪しが激しい」というまだら症状も特徴的なサインです。手足のしびれや歩行時のふらつきなど、身体面の変化を伴う場合は、早めに医療機関を受診してください。
- 脳血管性認知症は治療によって改善が期待できますか?
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脳血管性認知症そのものを根本的に治す治療法は、現時点では確立されていません。ただし、原因となる脳血管障害の再発を防ぐと、症状の進行を遅らせることは十分に可能です。
高血圧や糖尿病の管理を徹底し、血液をサラサラにする薬(抗血小板薬)の服用を続けることが再発予防の柱になります。リハビリテーションによって低下した機能を回復させたり、残された力を維持したりするのも生活の質を高めるうえで効果的です。
- 脳血管性認知症の方を在宅で介護するときに気をつけるべきことは何ですか?
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在宅介護では、転倒防止のためのバリアフリー化と服薬管理の2つが特に大切です。脳血管性認知症では運動麻痺を伴うケースが多いため、手すりの設置や段差の解消を早い段階で進めてください。
認知機能に波があるため、「できるとき」と「できないとき」の差に戸惑うときもあるかもしれません。調子が悪い日はご本人を責めず、穏やかに寄り添う姿勢を心がけましょう。
介護者自身が疲弊しないよう、デイサービスやショートステイを積極的に利用することも忘れないでください。
- 脳血管性認知症の進行を遅らせる方法はありますか?
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脳血管性認知症の進行を遅らせるうえで最も大切なのは、脳卒中の再発を防ぐことです。血圧・血糖値・コレステロール値を適正な範囲にコントロールし、処方された薬は自己判断で中断しないようにしましょう。
日常的なリハビリテーションや適度な運動も、脳への血流を改善して認知機能の維持に役立つといわれています。禁煙や減塩などの生活習慣の改善も合わせて実践することで、再発リスクの低減が期待できるでしょう。


