訪問看護が医療保険になる「厚生労働大臣が定める疾病等」とは?別表7の病名一覧

訪問看護を利用するとき、「自分の病気は医療保険で受けられるのだろうか」と不安を感じる方は少なくありません。
厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)に該当する20の疾病がある場合、年齢や要介護認定の有無にかかわらず医療保険での訪問看護が受けられます。
医療保険が適用されると、週4日以上の訪問や1日複数回の看護など、介護保険よりも手厚いサービスを利用できるようになります。
この記事では、別表7の全20疾病の一覧に加え、制度の仕組みや確認方法まで、在宅療養に取り組むご本人やご家族に向けてわかりやすく解説します。
「厚生労働大臣が定める疾病等」(別表7)は訪問看護の医療保険適用を左右する大切な制度
別表7とは、特定の疾病を持つ方が医療保険で訪問看護を受けられるようにするための制度です。
通常、65歳以上で要介護認定を受けている方の訪問看護は介護保険が優先されますが、別表7に該当する疾病があれば医療保険が適用されます。
訪問看護には介護保険と医療保険の2つの適用パターンがある
訪問看護を利用する際、どちらの保険が適用されるかは、年齢や病名、要介護認定の有無によって変わります。65歳以上で要介護認定を受けている方は原則として介護保険での利用になるでしょう。
一方、65歳未満で要介護認定を受けていない方や、40歳未満の方は医療保険の対象となります。40歳から64歳の方で16特定疾病に該当し要介護認定を受けた場合も、原則は介護保険です。
しかし、どの年齢層であっても別表7に掲げられた疾病に該当していれば、医療保険が優先されます。この仕組みを知っておくだけで、利用できるサービスの幅が大きく変わってきます。
別表7に該当する疾病があると医療保険が優先される
別表7の正式名称は「特掲診療料の施設基準等別表第七に掲げる疾病等」です。訪問看護ステーションの運営や診療報酬に関する省令の中で定められた20の疾病・状態が列挙されています。
要介護認定を受けていても、主治医が別表7の疾病に該当すると判断した場合には、介護保険ではなく医療保険での訪問看護に切り替わります。そのため、病名によって適用される保険が異なる点を押さえておくことが大切です。
介護保険と医療保険の訪問看護の違い
| 比較項目 | 介護保険 | 医療保険 |
|---|---|---|
| 訪問回数の上限 | ケアプランの範囲内 | 週4日以上も可能 |
| 1日の訪問回数 | 原則1回 | 複数回可能 |
| 利用できるステーション数 | 原則1か所 | 2〜3か所 |
| 高額療養費制度 | 対象外 | 対象 |
医療保険で訪問看護を受けると回数や日数の制限が緩和される
医療保険による訪問看護の大きな特徴は、利用の制限が緩やかになる点です。介護保険では週3日までが基本ですが、別表7に該当すると週4日以上の訪問看護を受けることが可能になります。
さらに、1日に2回から3回の訪問も認められるため、状態が変動しやすい方や医療処置が頻繁に必要な方にとって安心できる体制を整えやすくなります。
介護保険の支給限度額を気にせず医療的なケアを受けられる点も、ご本人やご家族にとって心強いでしょう。
別表7に記載されている20の疾病等を一覧で確認しよう
別表7には合計20の疾病・状態が記載されており、その多くは進行性の神経難病や末期のがんなど、長期的かつ専門的な医療ケアを要する疾患です。以下で、それぞれのカテゴリーに分けて解説します。
末期の悪性腫瘍(がん)は別表7の代表的な対象疾患
別表7のトップに挙げられているのが「末期の悪性腫瘍」、つまり末期がんです。医学的に治癒が見込めず、症状の緩和や在宅でのターミナルケア(終末期ケア)が中心となる段階の方が対象となります。
末期がんの在宅療養では、痛みのコントロールや点滴管理、ご家族への精神的なサポートなど、多岐にわたるケアが求められます。医療保険で訪問看護を受けられることで、必要なときに必要な回数だけ看護師に来てもらえる体制を整えやすくなるのです。
神経難病が別表7の大半を占めている
別表7に記載されている20の疾病のうち、大部分は神経や筋肉に影響を及ぼす進行性の疾患です。筋萎縮性側索硬化症(ALS)やパーキンソン病関連疾患、進行性筋ジストロフィー症などが中心となっています。
いずれも一度発症すると完治が難しく、徐々に身体機能が低下していく病気です。
こうした神経難病の方は、嚥下障害(飲み込みの困難)や呼吸機能の低下、体位変換の困難など、日常的に高度な医療的サポートを必要とします。通常の訪問回数では対応しきれないケースが多いため、別表7による特例が設けられているのです。
人工呼吸器を使用している状態も対象に含まれる
別表7の20番目には「人工呼吸器を使用している状態」が記載されています。これは特定の病名ではなく、人工呼吸器を装着して在宅で療養しているという「状態」を指します。
人工呼吸器を使用している方は、24時間体制での呼吸管理や痰の吸引が欠かせません。ご家族だけで対応するには限界があるため、訪問看護師が頻回に訪問し、呼吸器の管理や全身状態の観察を行う体制が重要になります。
別表7の20疾病・状態一覧
| 番号 | 疾病・状態名 | 補足 |
|---|---|---|
| 1 | 末期の悪性腫瘍 | いわゆる末期がん |
| 2 | 多発性硬化症 | 中枢神経の脱髄疾患 |
| 3 | 重症筋無力症 | 筋力が著しく低下する自己免疫疾患 |
| 4 | スモン | 薬剤性の神経障害 |
| 5 | 筋萎縮性側索硬化症(ALS) | 運動神経が侵される難病 |
| 6 | 脊髄小脳変性症 | 小脳の萎縮による運動失調 |
| 7 | ハンチントン病 | 遺伝性の神経変性疾患 |
| 8 | 進行性筋ジストロフィー症 | 筋肉が徐々に壊れていく遺伝性疾患 |
| 9 | パーキンソン病関連疾患 | ホーエン・ヤール3以上等の条件あり |
| 10 | 多系統萎縮症 | 線条体黒質変性症等を含む |
| 11 | プリオン病 | 異常プリオンによる脳疾患 |
| 12 | 亜急性硬化性全脳炎 | 麻疹ウイルスによる遅発性脳炎 |
| 13 | ライソゾーム病 | 先天性代謝異常の一群 |
| 14 | 副腎白質ジストロフィー | 副腎と中枢神経に影響する疾患 |
| 15 | 脊髄性筋萎縮症 | 脊髄前角細胞の変性による筋萎縮 |
| 16 | 球脊髄性筋萎縮症 | 遺伝性の下位運動ニューロン疾患 |
| 17 | 慢性炎症性脱髄性多発神経炎 | 末梢神経の脱髄による運動・感覚障害 |
| 18 | 後天性免疫不全症候群(AIDS) | HIV感染による免疫機能の低下 |
| 19 | 頸髄損傷 | 首の脊髄が損傷した状態 |
| 20 | 人工呼吸器を使用している状態 | 病名を問わず対象 |
別表7に該当すると訪問看護で何が変わるのか
別表7に該当すると、訪問看護の利用条件が大幅に緩和されます。具体的には、訪問日数や回数、利用できるステーション数など、介護保険にはない柔軟な対応が可能となり、在宅での療養生活を手厚く支える体制が整います。
週4日以上の訪問看護を受けられるようになる
通常、医療保険の訪問看護は週3日までという制限がありますが、別表7に該当する方はこの制限が撤廃されます。主治医が必要と判断すれば、毎日でも訪問看護を受けることが可能です。
たとえばALSのように病状が徐々に進行し、日々の体調管理や医療処置が欠かせない疾患では、週3日の訪問では十分なケアを提供しきれないときがあります。
週4日以上の訪問が認められると、ご本人の安全とご家族の安心を両立しやすくなるでしょう。
1日に複数回の訪問看護が認められる
別表7に該当する方は、主治医が複数回の訪問を必要と認めた場合、1日に2回から3回の訪問看護を受けられます。朝の体調確認と夕方の処置対応など、時間帯を分けたケアが実現するのです。
人工呼吸器を使用されている方や痰の吸引が頻繁に必要な方にとっては、1日1回の訪問では対応が追いつかないケースも珍しくありません。複数回の訪問により、在宅でも安全な医療管理を継続できます。
別表7該当者が受けられる訪問看護の特例
| 特例の内容 | 通常の医療保険 | 別表7該当者 |
|---|---|---|
| 週あたりの訪問日数 | 週3日まで | 週4日以上可能 |
| 1日の訪問回数 | 原則1回 | 2〜3回可能 |
| 訪問看護ステーション数 | 1か所 | 2〜3か所 |
| 退院日の訪問看護 | 不可 | 可能 |
2か所以上の訪問看護ステーションを利用できる
別表7の疾病に該当する方は、同時に2か所、特別な場合には3か所の訪問看護ステーションからサービスを受けられます。
1つのステーションだけでは対応しきれないケースでも、複数のステーションが連携することで24時間に近い看護体制を構築できるのです。
複数のステーションを利用すると、各ステーションの専門性を活かしたケアが受けられる点もメリットの1つです。
たとえば、ある訪問看護ステーションは呼吸器ケアに強く、別のステーションはリハビリテーションに特化しているといった組み合わせも可能になります。
別表7と別表8(厚生労働大臣が定める状態等)はどう違うのか
別表7が「疾病名」で対象者を判断するのに対し、別表8は「患者さんの状態」に着目して対象者を判断します。
どちらも訪問看護の回数制限の緩和といった特例がありますが、適用される保険の種別や利用できる特例の内容に違いがあります。混同しないよう注意が必要です。
別表7は「疾病名」で判断し、別表8は「状態」で判断する
別表7は主治医が診断した病名によって該当の有無を判定します。たとえば「筋萎縮性側索硬化症」と診断されていれば、それだけで別表7に該当し、医療保険での訪問看護が適用されます。
一方、別表8は病名ではなく「どのような医療的管理を受けているか」で判断します。具体的には、気管カニューレを使用している方や、留置カテーテルを使用している方、真皮を超える褥瘡(床ずれ)がある方などが該当します。
別表8に該当する代表的な状態とは
別表8には、在宅で特別な医療管理が必要な状態が列挙されています。在宅自己注射や在宅酸素療法、在宅中心静脈栄養法(IVH)などを行っている方が主な対象です。
別表8に該当しても、別表7の疾病に該当しなければ原則として介護保険が優先されます。ただし、別表8の該当者は訪問回数の制限緩和や長時間訪問(90分超)が認められるなど、介護保険の枠内でも手厚いケアを受けやすくなります。
別表7と別表8を混同しやすいケースに注意しよう
臨床の現場では、別表7と別表8の両方に該当する方も少なくありません。たとえばALSの方(別表7)が人工呼吸器を装着している場合、同時に別表8にも該当します。この場合は医療保険が適用され、両方の特例を受けられます。
注意したいのは、「別表8のみに該当し、別表7には該当しない」ケースです。気管カニューレを使用していても、その原因疾患が別表7に含まれていなければ、医療保険への切り替えにはなりません。
保険の種別は別表7の該当の有無で決まる点を覚えておきましょう。
別表7と別表8の主な違い
- 別表7は「疾病名」で判定し、別表8は「管理を受けている状態」で判定する
- 別表7に該当すると医療保険が優先されるが、別表8のみでは介護保険のまま
- 別表8の該当者は90分超の長時間訪問看護が可能になる
- 両方に該当する場合は医療保険で訪問看護を受け、双方の特例を適用できる
別表7の対象かどうかを確認する方法と手続きの流れ
ご自身やご家族が別表7に該当するかどうかは、自己判断ではなく主治医の診断と訪問看護指示書の記載に基づいて決まります。不安を感じたら、まずはかかりつけ医に相談することが一歩目です。
主治医が発行する訪問看護指示書が判断の起点になる
訪問看護を開始するには、主治医が発行する「訪問看護指示書」が必要です。指示書には、患者さんの病名、現在の状態、必要な医療処置やケアの内容が記載されます。
別表7に該当する疾病と主治医が判断した場合、その旨が指示書に明記されます。訪問看護ステーションはこの指示書をもとにケア計画を立てるため、指示書の正確な記載が医療保険適用の出発点になるのです。
訪問看護ステーションやケアマネジャーへの相談が大切
主治医に相談するだけでなく、訪問看護ステーションの看護師やケアマネジャーにも積極的に相談しましょう。
訪問看護ステーションには、別表7の該当判断に詳しいスタッフがいることが多く、患者さんの病名を伝えれば適用の可能性を一緒に確認してくれます。
ケアマネジャーも介護保険と医療保険の使い分けに精通しているため、制度をまたいだサービスの調整を依頼できます。一人で悩まず、チームで情報を共有しながら進めることが安心につながります。
別表7の確認から訪問看護開始までの流れ
| 手順 | 内容 | 関係者 |
|---|---|---|
| 1 | 主治医に病名が別表7に該当するか確認する | 患者・主治医 |
| 2 | 主治医が訪問看護指示書を発行する | 主治医 |
| 3 | 訪問看護ステーションに指示書を提出する | 患者・ステーション |
| 4 | ケア計画が作成され訪問看護が開始される | ステーション・ケアマネジャー |
かかりつけ医に自分の病名が該当するか聞いてみよう
「自分の病名が別表7に含まれるかわからない」という方は、遠慮なくかかりつけ医に質問してみてください。別表7は20の疾病・状態を列挙したものですので、診断名が明確であれば該当の有無はすぐに判断できます。
特にパーキンソン病は注意が必要です。別表7に該当するのは「ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上かつ生活機能障害度がII度またはIII度」の場合に限られます。
同じパーキンソン病でも、重症度によって別表7に該当するかどうかが変わるため、主治医への確認が欠かせません。
別表7と16特定疾病の違いを正しく押さえよう
別表7と16特定疾病は、どちらも公的保険制度で特別な扱いを受ける疾病の区分ですが、その目的や適用される保険の種類が異なります。
名前が似ていることから混同されがちですが、この違いを理解しておくとサービスの選択を誤らずに済みます。
16特定疾病は介護保険の対象を広げるための区分
16特定疾病とは、加齢に伴い発症しやすい16の疾病で、40歳から64歳までの方(第2号被保険者)が介護保険サービスを利用できるようにするために定められた区分です。
通常、介護保険は65歳以上の方が対象ですが、16特定疾病に該当すれば65歳未満でも要介護認定を申請できます。
一方の別表7は、どの保険で訪問看護を受けるかを決めるための区分です。16特定疾病が「介護保険への入口を広げる」役割であるのに対し、別表7は「医療保険で手厚い訪問看護を受けられるようにする」ための仕組みと言えるでしょう。
別表7と16特定疾病は一部の疾病名が重複している
16特定疾病と別表7には、パーキンソン病関連疾患、多系統萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症など、半数以上の疾病が重複しています。
そのため、「16特定疾病に該当するなら別表7にも該当するだろう」と思いがちですが、必ずしもそうとは限りません。
たとえば、関節リウマチや初老期における認知症は16特定疾病に含まれますが、別表7には記載されていません。16特定疾病に該当しても別表7に該当しなければ、訪問看護は介護保険での利用となります。
難病医療費助成の受給者証があっても別表7に該当するとは限らない
「難病と診断されているから医療保険で訪問看護が受けられる」と思い込んでしまうケースも見受けられます。
しかし、難病医療費助成制度の対象は300疾病以上に拡大されており、受給者証をお持ちでも別表7の20疾病に含まれていない場合があるのです。
あくまで医療保険での訪問看護が適用されるかどうかは、別表7に該当するかどうかで判断されます。難病の受給者証がある方も、念のため自分の疾病名が別表7に含まれているか、主治医や訪問看護ステーションに確認しておくと安心です。
混同しやすい制度の見分け方
- 16特定疾病は65歳未満の方が介護保険を使うための区分
- 別表7は年齢を問わず医療保険で訪問看護を受けるための区分
- 難病医療費助成の対象疾病と別表7は一致しない場合がある
- 判断に迷ったら主治医か訪問看護ステーションに確認するのが確実
在宅療養を支える家族が別表7について押さえておきたいこと
在宅療養では、ご本人だけでなくご家族の負担も大きくなりがちです。別表7に関する知識を早めに身につけ、訪問看護師やケアマネジャーと連携しながら無理のない療養生活を組み立てることが、ご家族自身の心と体を守ることにもつながります。
ご家族の病名が別表7に含まれるか早めに確認する
ご家族が進行性の神経難病や末期がんと診断された場合、できるだけ早い段階で主治医に別表7の該当の有無を確認しましょう。
医療保険での訪問看護が利用できれば、週4日以上の訪問や複数ステーションの利用が可能になり、在宅療養の体制づくりがぐっと楽になります。
病気の告知を受けた直後は気持ちの整理がつかないものですが、制度を知っているかどうかで、その後の療養計画に大きな差が生まれます。まずは主治医やソーシャルワーカーに「別表7に該当しますか」と一言聞いてみてください。
ご家族が別表7の確認時に準備しておくと便利なもの
| 準備するもの | 用途 |
|---|---|
| 診断書または紹介状のコピー | 正確な病名の確認 |
| 現在服用中の薬のリスト | 病状や治療内容の把握 |
| 要介護認定の結果通知書 | 介護保険との適用関係の整理 |
訪問看護師やケアマネジャーとの連携が在宅介護の負担を減らす
別表7に該当する疾患を持つ方の在宅療養は、医療的なケアが日常的に必要になるため、ご家族だけで抱え込むのは現実的ではありません。訪問看護師は医療処置だけでなく、体調の変化の見極めやご家族への介護指導も行ってくれます。
ケアマネジャーに相談すれば、訪問看護以外の福祉用具のレンタルやヘルパーの手配など、介護保険サービスとの併用プランも一緒に考えてもらえます。医療保険と介護保険を上手に組み合わせることで、サービスの空白を減らしていけるでしょう。
地域の相談窓口や在宅支援センターも積極的に頼ろう
各市区町村には地域包括支援センター(在宅介護支援センター)が設置されており、在宅療養に関する幅広い相談を無料で受け付けています。
保険制度の手続きや利用可能なサービスの紹介はもちろん、ご家族の精神的な負担に寄り添ったアドバイスも受けられます。
別表7に関する制度のことだけでなく、「在宅療養そのものがつらい」「先が見えなくて不安」といったお気持ちも遠慮なく相談してみてください。
一人で悩みを抱え込まず、地域の支援を活用することが、長く続く在宅療養を乗り越えていく力になります。


よくある質問
- 別表7(厚生労働大臣が定める疾病等)に該当すると訪問看護は週に何日まで受けられる?
-
別表7に該当する方は、医療保険の訪問看護を週4日以上受けることができます。通常の医療保険による訪問看護は週3日が上限ですが、別表7の疾病を持つ方にはこの制限が適用されません。
ただし、無制限に利用できるわけではなく、主治医の訪問看護指示書に基づき、ご本人の状態に応じた必要回数を訪問看護計画書で定めます。日数の判断は、主治医と訪問看護ステーションが連携して行います。
- 別表7の対象疾病に含まれるパーキンソン病にはどのような条件がある?
-
パーキンソン病が別表7に該当するのは、ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であり、かつ生活機能障害度がII度またはIII度の場合に限られます。軽症のパーキンソン病はこの条件を満たさないため、別表7の適用対象にはなりません。
なお、進行性核上性麻痺や大脳皮質基底核変性症は、重症度の条件なくパーキンソン病関連疾患として別表7に含まれます。ご自身がどの段階にあるかは、主治医に確認してみてください。
- 別表7と別表8の両方に該当する場合、訪問看護はどちらの特例が適用される?
-
別表7と別表8の両方に該当する場合は、医療保険で訪問看護を受けながら、双方の特例を組み合わせて利用できます。
別表7による週4日以上の訪問や複数ステーションの利用に加え、別表8の特例である90分を超える長時間の訪問看護も可能になります。
たとえば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)で人工呼吸器を使用している方は、別表7と別表8の両方に該当する典型的なケースです。主治医や訪問看護ステーションと相談し、必要な特例をフルに活用しましょう。
- 別表7に該当するかどうかは誰が判断する?
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別表7に該当するかどうかの判断は、患者さんを診察している主治医が行います。主治医が病名や病状を総合的に評価し、別表7の疾病等に該当すると判断した場合、訪問看護指示書にその旨を記載します。
患者さんご本人やご家族が自己判断で決めることはできませんので、まずは主治医に相談してください。訪問看護ステーションのスタッフに病名を伝えて、該当する可能性があるか事前に確認してもらうのも有効な方法です。
- 別表7に該当する場合、訪問看護の自己負担額はどのように計算される?
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別表7に該当して医療保険で訪問看護を利用する場合、自己負担額は年齢や所得に応じた負担割合(1割から3割)で計算されます。70歳未満の方は原則3割、70歳以上75歳未満の方は2割、75歳以上の方は1割が基本です。
さらに、医療費が高額になった場合は高額療養費制度が適用され、月ごとの自己負担額に上限が設けられます。介護保険にはこの制度がないため、医療保険で訪問看護を受ける場合のほうが経済的な負担を抑えやすいといえるでしょう。
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