褥瘡対策のエアマットと介護ベッドの選び方|訪問診療医が勧める体圧分散用具

在宅療養で褥瘡(床ずれ)を防ぐには、エアマットや介護ベッドといった体圧分散用具の選び方が極めて大切です。しかし種類が多く、ご本人の状態や生活環境によって合う製品はまったく異なります。
この記事では、訪問診療の現場で数多くの褥瘡ケアに携わってきた医師の視点から、エアマットの種類別の特徴や介護ベッドとの組み合わせ方、在宅で無理なく続けられる具体的な選定ポイントを丁寧に解説します。
褥瘡はなぜ在宅療養で起きやすいのか|訪問診療医が現場で痛感する発生リスク
褥瘡は、同じ部位に持続的な圧力がかかり続けることで皮膚や皮下組織が損傷する状態です。
病院と違い、在宅では医療スタッフが常時いないため、体位変換の間隔が空きがちになり、褥瘡の発生リスクが高まります。
寝返りが打てない方に集中する体圧の怖さ
健康な人は睡眠中に無意識で20〜30回の寝返りを打ちますが、脳卒中後の片麻痺や加齢による筋力低下がある方は自力での体位変換が難しくなります。
仙骨部や踵(かかと)など骨が突出した部位に体重が集中し、わずか2時間で皮膚の血流が途絶え始めるというデータもあります。
とくに栄養状態が低下している方は皮膚のバリア機能そのものが弱くなっているため、圧力に対する耐性が落ちています。訪問診療の現場では「気づいたときには赤みを超えて皮膚が破れていた」というケースも珍しくありません。
在宅介護で体位変換の頻度が落ちやすい理由
入院中であれば看護師が2時間おきに体位変換を行いますが、在宅では介護者がご家族1人だけというケースも多いのが実情です。夜間に2時間ごとの体位変換を続ければ、介護者の睡眠は慢性的に分断されます。
褥瘡の発生に関わる代表的な要因
| 要因の分類 | 具体的な内容 | 在宅での影響 |
|---|---|---|
| 圧迫 | 同一部位への持続的な荷重 | 体位変換の間隔が空く |
| ずれ力 | ベッド上で身体が滑る摩擦 | 背上げ時に発生しやすい |
| 栄養不良 | たんぱく質・微量元素の不足 | 食事量の把握が難しい |
| 湿潤 | 発汗・尿失禁による蒸れ | おむつ交換の遅れ |
| 加齢 | 皮膚の菲薄化・弾力低下 | 高齢者ほど高リスク |
「まさかうちの家族が」と後悔しないための初期対応
褥瘡は初期段階であれば体圧分散用具の導入と栄養改善で回復が見込めますが、深部に達すると治癒まで数か月を要するケースもあります。
在宅療養を始める時点で、訪問診療医やケアマネジャーに褥瘡リスクの評価を依頼し、予防的にエアマットや介護ベッドを検討するのが賢明です。
「まだ大丈夫」ではなく「今のうちに備える」という姿勢が、ご本人の苦痛とご家族の負担を大きく減らしてくれます。
体圧分散用具の基本を押さえる|エアマット・ウレタンマット・介護ベッドの違い
介護保険ではベッドやマットレスなどの福祉用具のレンタルもカバーしています。体圧分散用具とは、身体にかかる圧力を広い面積に分散させたり、一定時間ごとに圧力のかかる部位を変えたりすることで褥瘡を予防する器具の総称です。
大きく分けるとエアマット(圧切替型・静止型)、ウレタンフォームマット、そして介護用ベッドの3つに分類できます。
エアマットは「圧切替型」と「静止型」で役割がまったく違う
エアマットと聞くと1種類だけのように思いがちですが、実際には空気セルの圧力を交互に変化させる「圧切替型(交互膨張式)」と、低い圧力で身体を包み込むように支える「静止型」の2タイプがあります。
圧切替型は自力で寝返りが打てない方に向いており、一定間隔で加圧・減圧を繰り返して疑似的な体位変換を行います。
一方、静止型エアマットは空気の量を調整してやわらかく沈み込ませることで、接触面積を広げて圧を分散させるタイプです。ある程度自分で動ける方や、圧切替型の揺れが気になって眠れないという方に適しています。
ウレタンフォームマットは軽度リスクの方に向いている
ウレタンフォームマットは電源が不要で扱いが簡単という利点があります。
ただし体圧分散の性能はエアマットほど高くないため、褥瘡リスクが中等度以上の方には力不足になる場合があります。
訪問診療の現場では、リスクが低い段階での予防策としてウレタンマットを導入し、状態が変化した際にエアマットへ切り替えるという段階的な運用をよく見かけます。
介護ベッドは「背上げ」「膝上げ」機能で選ぶ
介護ベッド(特殊寝台)はモーターの数によって機能が異なります。1モーターは背上げのみ、2モーターは背上げと高さ調整、3モーターは背上げ・膝上げ・高さ調整のすべてに対応します。
褥瘡予防を意識するなら、背上げと膝上げが連動する機能がある2モーター以上のベッドが望ましいです。
背上げだけを行うと身体がずり落ち、仙骨部にずれ力が加わります。膝上げ機能があればずり落ちを軽減でき、褥瘡の原因となるずれを防ぎやすくなります。
| 用具の種類 | 特徴 | 向いている方 |
|---|---|---|
| 圧切替型エアマット | 空気セルが交互に膨張・収縮 | 自力で寝返りが困難な方 |
| 静止型エアマット | 低圧で身体を包み込む | ある程度動ける方 |
| ウレタンフォームマット | 電源不要で導入が簡単 | 褥瘡リスクが軽度の方 |
| 介護ベッド(2M以上) | 背上げ・膝上げ・高さ調整 | 褥瘡予防と介護負担軽減 |
エアマットの選び方で失敗しないための5つの判断基準
エアマットは種類が豊富なぶん、選び方を間違えるとかえって褥瘡を悪化させたり、ご本人の睡眠を妨げたりする危険があります。
褥瘡リスクの評価スケールで自己流の判断を防ぐ
エアマットを選ぶ前に、まずOHスケールやブレーデンスケールなどの褥瘡リスク評価を受けることが大切です。
自力で動けるかどうか、栄養状態、皮膚の状態、関節の拘縮の有無などを総合的に点数化し、そのスコアに応じて推奨される体圧分散用具の性能が変わります。
「高いエアマットなら安心」という考えは危険です。高機能な圧切替型エアマットは寝返りが打ちにくくなるデメリットもあり、自力で動ける方に導入するとかえって活動性を奪ってしまう可能性があります。
耐荷重と体格のミスマッチが褥瘡を生む
エアマットには耐荷重の上限があり、体重がその範囲を超えると底付き(マットの底面に身体が接触する状態)が起きます。
底付きが起きれば体圧分散の効果はゼロになるため、体重に合った耐荷重のエアマットを選ぶことが必須です。
エアマットの主な選定基準
| 判断基準 | 確認すべき内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 褥瘡リスクスコア | OHスケール等で評価 | 自己判断を避ける |
| 耐荷重 | 体重+10kg以上の余裕 | 底付き防止 |
| セルの構造 | チューブ型・ブロック型など | ずれ力への対応差 |
| 静音性 | ポンプの動作音(dB) | 睡眠の質に直結 |
| 停電時の安全策 | 自動復帰・手動バルブ | 在宅では停電対策が重要 |
静音性を軽視すると夜間の睡眠が妨げられる
圧切替型エアマットにはポンプが内蔵されており、動作音が発生します。日中はさほど気にならなくても、深夜の静かな寝室では数十デシベルの音が大きなストレスになります。
製品によってポンプの動作音は20dB台から40dB台まで幅があるため、購入・レンタル前に必ず確認しましょう。
訪問診療で睡眠障害を訴える患者さんの中には、エアマットのポンプ音が原因だったというケースが少なくありません。寝室の環境に合った静音モデルを選ぶだけで、ご本人の生活の質が大きく変わります。
停電時にも底付きしないエアマットを選ぶべき理由
在宅で使うエアマットは停電リスクへの備えが欠かせません。停電でポンプが止まると空気セルがしぼみ、底付きが起きて褥瘡の発生リスクが急激に上がります。
停電時に自動で空気を保持する機能や、手動で空気を補充できるバルブが付いたモデルを選ぶと安心です。
台風や地震による停電は在宅療養者にとって命に関わる問題です。エアマット選びでは「普段の快適さ」と同じくらい「非常時の安全性」を重視しましょう。
介護ベッドとエアマットの組み合わせで褥瘡予防効果を高める
エアマットと介護ベッドはそれぞれ単体でも褥瘡予防に有効ですが、両者を適切に組み合わせることで予防効果は格段に向上します。
ただし相性を無視した組み合わせは逆効果になるため、注意が必要です。
背上げ時の「ずれ力」をエアマットで軽減する
介護ベッドの背上げ機能を使うと、身体が足元方向に滑り、仙骨部にずれ力と圧迫が同時に加わります。この二重の負荷が褥瘡発生の大きな原因になります。
圧切替型エアマットの中には、背上げ連動機能を備えたモデルがあります。ベッドの角度に合わせてエアセルの圧力配分を自動で調整し、ずれ力を軽減してくれる機能です。
背上げ頻度が高い方には、こうした連動機能付きのエアマットとの組み合わせが特に有効です。
マットの厚みとベッド柵の高さのバランスに気をつける
エアマットは製品によって厚さが8cmから20cm以上まで大きく異なります。厚みのあるエアマットを介護ベッドに乗せると、マットの上面がベッド柵の上端に近づき、転落の危険性が高まります。
逆にベッド柵を高くしすぎると、ご本人が自力で起き上がる動作を妨げてしまい、残存機能の低下につながります。
マットの厚みとベッド柵の高さのバランスは、必ず実際にベッドに設置した状態で確認してください。
介護ベッドのボトム形状とエアマットの適合性
介護ベッドのボトム(床板)には、平板タイプとすのこタイプがあります。エアマットの中にはボトムの形状によって安定性が変わるものがあり、すのこタイプのボトムではマットがずれやすくなる場合があります。
購入やレンタルの際は、お使いの介護ベッドの型番をメーカーや福祉用具専門相談員に伝え、適合するエアマットを確認してもらうと確実です。
せっかくの体圧分散効果も、マットが安定しなければ十分に発揮できません。
| 確認項目 | チェック内容 | 対処法 |
|---|---|---|
| 背上げ連動 | エアマットが角度に追従するか | 連動機能付きモデルを選定 |
| マット厚とベッド柵 | 柵の上端より低いか | 設置後に実測で確認 |
| ボトム適合 | すのこ型・平板型との相性 | メーカーに型番を伝えて照会 |
| 総重量 | ベッドの耐荷重を超えないか | 体重+マット重量で計算 |
訪問診療医が教える在宅での褥瘡予防ケア|エアマットだけに頼らない日常の工夫
エアマットや介護ベッドは褥瘡予防の強力な味方ですが、それだけで褥瘡を完全に防げるわけではありません。日常的な体位変換、栄養管理、スキンケアを組み合わせることで、はじめて確かな予防効果が得られます。
2時間ごとの体位変換が難しいときの現実的な対処法
教科書的には2時間ごとの体位変換が推奨されていますが、在宅介護でこれを24時間続けるのは現実的に困難です。とくに夜間は介護者が疲弊しやすく、結果として朝まで同じ姿勢が続いてしまうときがあります。
圧切替型エアマットを導入すれば、機械的に圧を変化させてくれるため、夜間の体位変換の回数を減らしても褥瘡リスクを一定レベルに抑えられます。
ただしエアマットがあっても日中はできる範囲で体位変換を行い、皮膚の状態を目視で確認する習慣を維持してください。
栄養管理が褥瘡の治りを左右する
褥瘡の予防と治癒にはたんぱく質、亜鉛、ビタミンCなどの栄養素が深く関わっています。訪問診療の現場では、エアマットを導入しても栄養状態が悪いままだと褥瘡がなかなか改善しないケースをたびたび経験します。
褥瘡予防に関わる栄養素と食品例
| 栄養素 | 主な食品例 | 期待できる作用 |
|---|---|---|
| たんぱく質 | 鶏肉・魚・卵・大豆製品 | 皮膚・組織の修復に寄与 |
| 亜鉛 | 牡蠣・牛肉・ナッツ類 | 創傷治癒を促進 |
| ビタミンC | 柑橘類・ブロッコリー・いちご | コラーゲン合成を助ける |
| 鉄分 | レバー・ほうれん草・赤身肉 | 酸素運搬を支え組織の回復を助ける |
スキンケアと湿潤管理は褥瘡予防の土台になる
皮膚が蒸れた状態や乾燥した状態はどちらも褥瘡のリスクを高めます。おむつを使用している方は、こまめな交換と清拭に加えて、皮膚保護剤(撥水クリームなど)を塗布して皮膚のバリア機能を守ることが大切です。
また、シーツのしわやパジャマの縫い目が皮膚に食い込んで圧迫やずれの原因になる場合もあります。
寝具や衣類を整えるという基本的なケアが、エアマットの体圧分散効果を最大限に引き出してくれます。
訪問診療・訪問看護チームとの情報共有が予防の鍵になる
褥瘡予防は介護者だけで抱え込むものではありません。
訪問診療医、訪問看護師、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員がチームで連携し、ご本人の状態変化に応じてエアマットの設定や体位変換のスケジュールを見直すと、褥瘡の発生率を大幅に下げられます。
少しでも皮膚に発赤や変色が見られたら、写真を撮って訪問看護師や訪問診療医に共有してください。早期発見と早期対応が、褥瘡の重症化を防ぐ最大のポイントです。
エアマットと介護ベッドのレンタルと購入はどちらが得か
体圧分散用具を導入する方法はレンタルと購入の2つがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。ご本人の状態が変化しやすい在宅療養では、レンタルを軸に検討するのが一般的です。
レンタルなら状態変化に合わせて機種を交換できる
レンタルの大きな利点は、ご本人の身体状況が変わったときに別の機種へ交換しやすいことです。
たとえば、当初は静止型エアマットで十分だった方が、筋力低下が進んで自力での寝返りが難しくなった場合、圧切替型エアマットへスムーズに切り替えられます。
購入した場合は機種変更のたびに新たな費用がかかりますが、レンタルであれば月額料金の範囲で交換できるケースが多いため、経済的な負担を抑えながら常に適切な用具を使い続けることが可能です。
購入が向いているのは長期間同じ用具を使い続ける方
状態が安定していて、数年間にわたって同じエアマットや介護ベッドを使い続ける見通しがある場合は、購入のほうがトータルコストを抑えられることがあります。
ただし購入品は故障時の修理費用が自己負担になる点も考慮に入れてください。
福祉用具専門相談員に相談すると、レンタルと購入それぞれの費用をシミュレーションしてもらえます。判断に迷ったら、まずはレンタルで試し、使い勝手を確認してから購入に切り替えるという方法も賢い選択です。
福祉用具専門相談員の活用で失敗を減らす
エアマットや介護ベッドの選定では、福祉用具専門相談員の存在が頼りになります。相談員はご本人の身体状態や住環境を直接確認した上で、適合する用具を提案してくれます。
さらに定期的なモニタリング訪問で用具の使用状況をチェックし、不具合や体調変化があれば交換の手配をしてくれます。
- レンタル:機種変更が容易・メンテナンス込み・月額制
- 購入:長期利用で割安になる場合あり・修理は自己負担
- お試しレンタル:短期間の試用で使い心地を確認可能
- 相談員の訪問:設置と調整を専門家が対応
エアマットの日常メンテナンスと寿命を延ばす管理方法
エアマットは精密な医療機器であり、適切なメンテナンスを怠ると体圧分散の性能が低下し、褥瘡予防の効果が薄れてしまいます。日々のちょっとした確認と手入れが、エアマットの寿命と安全性を守ります。
毎日確認すべきエアマットの3つのチェックポイント
まず空気漏れがないかを手で触れて確認します。セルの一部が極端にへこんでいたり、ポンプが常時稼働しているのにセルが膨らまない場合は空気漏れの可能性があります。
- 空気セルの膨らみ具合を触診で確認
- ポンプの動作音や振動に異常がないか
- 電源コードやチューブの折れ・接続外れがないか
汚れや臭いへの対処と清掃のコツ
エアマットの表面カバーは中性洗剤を薄めたぬるま湯で拭き取り、その後に乾いた布で水分を除去するのが基本的な清掃方法です。
アルコール消毒液を直接吹きかけると素材が劣化する製品もあるため、必ず取扱説明書を確認してから清掃してください。
尿や便で汚染された場合は速やかに清掃し、防水シーツを併用すると本体カバーへのダメージを軽減できます。臭いが染みついてしまった場合は、レンタル業者に相談してカバーの交換を依頼するのも一つの手段です。
エアマットの耐用年数と交換を見極める目安
エアマットの耐用年数は一般的に5〜8年とされていますが、使用頻度や管理状態によって前後します。
セルの膨らみが以前より弱くなった、ポンプの音が大きくなった、カバーの撥水性が落ちたといった変化が見られたら、交換時期が近づいているサインです。
レンタルの場合はメンテナンスや交換が契約に含まれていることが多いため、気になる変化があれば早めにレンタル業者へ連絡してください。
「まだ使えるから」と放置すると、知らないうちに底付きが起き、褥瘡が発生してからでは手遅れです。
保管時の注意点|使わない期間も劣化は進む
一時的にエアマットを使わなくなった場合、空気を完全に抜いて折りたたむとセルの接着面が劣化しやすくなります。
メーカーの指示に従い、少量の空気を残した状態で直射日光の当たらない場所に保管するのが長持ちのコツです。
再度使用する際はセル全体に空気漏れがないかを確認し、正常に動作することを確かめてから患者さんに使用してください。長期間放置した後にいきなり使用すると、見えない部分の劣化で底付きが起きる恐れがあります。


よくある質問
- 褥瘡対策のエアマットはどのくらいの頻度で空気圧を調整する必要があるか?
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体重の増減や体調の変化に応じて、少なくとも月に1回は空気圧の確認と調整を行うことが望ましいです。
圧切替型エアマットは自動で圧を管理しますが、センサーの精度に限界があるため、手動での底付き確認を習慣にしてください。
具体的には、エアマットの上に手のひらを差し入れ、マットとベッドのボトムの間に手の厚み程度の空間が保たれていれば、適切な空気圧が維持できている目安になります。体重が3kg以上変化した場合には、設定を見直す必要があります。
- 褥瘡予防用のエアマットを使っていても体位変換は続けるべきか?
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エアマットを使用していても、体位変換は可能な範囲で継続してください。エアマットはあくまで体圧分散を補助する用具であり、完全に体位変換の代わりになるわけではありません。
ただし高機能な圧切替型エアマットを使用している場合は、体位変換の間隔を4時間程度まで延ばせるケースもあります。具体的な間隔は、訪問診療医や訪問看護師と相談しながらご本人の皮膚の状態を見て決めるのが安全です。
- 介護ベッドの背上げ機能は褥瘡リスクを高めるのか?
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背上げ機能そのものが褥瘡の直接原因になるわけではありませんが、背上げの際に身体がずり落ちることで仙骨部にずれ力と圧迫が集中し、褥瘡のリスクが上がります。
背上げを行う場合は膝上げ機能を併用して身体のずり落ちを防ぎ、背上げの角度は30度以内に抑えるのが基本的な対策です。
背上げ連動機能を備えたエアマットであれば、角度の変化に応じて空気圧を自動調整してくれるため、ずれ力による褥瘡リスクをさらに軽減できます。
- 褥瘡対策のエアマットを自宅で初めて使うときに気をつけることは何か?
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初めてエアマットを導入する際は、必ず福祉用具専門相談員に設置と初期設定を依頼してください。
体重に応じた空気圧の調整、ベッド柵との高さの確認、電源コードの配線処理など、安全に使うためのチェック項目が多いためです。
導入後は2〜3日のうちに必ずご本人の皮膚の状態を観察し、発赤やかゆみが出ていないかを確認します。新しいマットの感触に慣れるまで数日かかる場合もあるため、違和感が続くときは圧の再調整や機種変更を検討してください。
- 体圧分散用具としてエアマットとウレタンマットのどちらを選ぶべきか?
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選択の基準は褥瘡リスクの程度です。自力で寝返りが打てず褥瘡リスクが中等度以上と評価された方には、圧切替型もしくは静止型のエアマットが適しています。
一方、ある程度自分で動けてリスクが軽度の方であれば、ウレタンフォームマットでも十分な予防効果を期待できます。
判断に迷う場合は、訪問診療医や訪問看護師にOHスケール等で褥瘡リスクを評価してもらい、その結果に基づいて福祉用具専門相談員と一緒に選定するのが確実な方法です。
今回の内容が皆様のお役に立ちますように。
