グリーフケアを受けたい時はどこに相談する?在宅看取り後に利用できる支援先一覧

グリーフケアを受けたいときは、医療機関や地域の公的な窓口へ相談できます。遺族会、電話・SNS相談、看取りに関わった医療者も、困りごとに応じて頼れる相手です。
自宅で家族を看取ったあと、話す相手が見つからないときも、訪問診療や訪問看護を利用していなかったときも、相談を始められます。
この記事では、在宅看取り後に利用できる支援先の違いと、連絡から相談までの流れ、急いで助けを求めたい場面を解説します。
グリーフケアを受けたいときの相談先一覧
最初の連絡先は、話を聞いてほしいのか、体の不調を診てほしいのかで選べます。相談の目的がまだまとまらない段階の入口は、住んでいる地域の保健センターです。
5つの支援先で受けられる支え
看取り後の相談先には、気持ちを話す場、診察を受ける場、亡くなるまでの経過を尋ねる場があり、それぞれ担える支援が違います。選ぶ基準は、今いちばん困っている点。気持ちの相談と体調の診察を並行して利用する選び方もできます。
| 支援先 | 受けられる支え | 最初の連絡方法 |
|---|---|---|
| 医療機関 | 睡眠・食欲などの不調の診察 | かかりつけ医や外来受付へ電話 |
| 公的な窓口 | 心の健康相談、地域の支援先の紹介 | 保健センターや精神保健福祉センターへ電話 |
| 遺族会・分かち合いの会 | 同じ経験をした人との対話 | 主催者の案内から申し込み |
| 電話・SNS相談 | その時点のつらさを話す支援 | 電話や文字による相談窓口へ連絡 |
| 看取りに関わった医療者 | 亡くなるまでの経過や気がかりの説明 | 担当した医療機関や訪問看護事業所へ電話 |
地域や主催者によって対象や受付方法が違うため、申し込む前に「家族を看取ったあとの相談を受けているか」と尋ねると、利用できる範囲が分かります。
何を頼めばよいか分からないときの入口
相談内容をうまく言葉にできないときは、「家族を亡くしてつらく、どこに相談すればよいか分からない」という伝え方で十分です。保健センターの保健師は、地域の健康相談を担う職員で、困っている内容を聞きながら受診や面談の行き先を一緒に整理します。
身近にかかりつけ医がいるなら、普段の診察で看取り後の変化を伝える方法もあります。訪問診療や介護サービスの利用歴は、公的な心の健康相談を始めるための前提ではありません。
連絡先選びより先に助けが必要な場面
死にたい気持ちがある、何日も眠れず食べられない、お酒や薬の量が増えているときは、その日のうちに精神科・心療内科や電話相談へ連絡しましょう。予約が先になると告げられても、今の状態を伝えれば、当日につながる受診先や相談方法を尋ねられます。
ただし、今すぐ自分を傷つけそうなときや、すでに薬を大量に飲んだときは救急への連絡が先です。近くの人に同席を頼み、救急要請をしてください。返事を待つSNS相談だけで過ごす状況ではありません。
眠れない・食べられないときは医療機関へ
睡眠や食事に支障があるなら、悲しみの強さだけで判断せず、医療機関で体調を診てもらう選択ができます。受診先に迷う場合は、普段の体調や服薬を把握しているかかりつけ医が入口です。
かかりつけ医に体調の変化を伝える
受診では、いつから眠れないか、食事や水分がどの程度取れるか、日中の生活にどんな支障があるかを伝えます。看取りの話をすべて説明するより、今困っている体調を先に伝えると、診察で扱いたい点がはっきりします。
体の不調には別の病気や薬の影響が関わる場合もあり、悲しみだけが原因だと自分で決めずに診察を受ける意味があります。状態に応じて検査や専門の医療機関への紹介が検討される流れです。
精神科と心療内科は受け付ける内容を尋ねる
精神科は心の不調を診る診療科で、心療内科は心理的な負担が体の症状に関わる状態を主に扱います。実際に診る範囲は医療機関ごとに違うため、名称だけで決めず、死別後の不眠や食欲低下を相談できるか受付に尋ねる方法が確実です。
| 連絡する先 | 伝える内容 | 受付で尋ねる点 |
|---|---|---|
| かかりつけ医 | 看取り後の体調と服用中の薬 | 診察の予約方法 |
| 精神科・心療内科 | 死別後のつらさ、睡眠や食事の状態 | 初診の受け入れと受診可能日 |
| 遺族外来・グリーフ外来 | 亡くなった人との関係と相談したい内容 | 対象者、紹介状、予約の条件 |
薬を使うかどうかは、症状や診察の結果を踏まえて相談する内容です。受診した時点で希望を伝えられるので、薬への心配がある場合は予約時や診察時に話せます。
遺族外来・グリーフ外来の対象と予約
遺族外来やグリーフ外来は、大切な人を亡くした家族の心のケアを専門に扱う外来です。予約前に、亡くなった人がその医療機関に通っていた必要があるか、家族だけで受診できるかを確かめると、受け入れ対象の違いによる行き違いを減らせます。
また、診察と心理相談のどちらを受けられるか、紹介状が必要かも問い合わせたい点です。心理相談は気持ちや困りごとを整理する面談で、診察とは担当者や費用の扱いが分かれる場合があります。予約まで時間が空き、体調が悪いときは、専門外来を待たずかかりつけ医へ相談してください。
地域の保健センターで相談の入口を探す
医療機関を受診するほどなのか迷うときも、地域の公的な窓口で話せます。住んでいる自治体の代表電話から「心の健康相談を担当する窓口」につないでもらえば、担当部署の名前を知らなくても連絡できます。
保健センター・保健所は身近な健康相談の窓口
市町村の保健センターは住民の健康相談を担う施設で、保健所は地域の保健を担う行政機関です。心の健康相談の担当者に、家族を亡くしたあとにつらさが続いていると伝えると、電話相談や面談の利用方法を尋ねられます。
自治体によって担当部署が分かれているため、最初の電話が目的の窓口に直結するとは限りません。そのため、担当が違ったときは、次に電話する部署名と電話番号をその場で聞くと、探し直す負担が小さくなります。地域の窓口の種類は、心の健康相談の情報を案内する厚生労働省のこころの相談の窓口で紹介されています。
精神保健福祉センターでは心の健康を相談できる
精神保健福祉センターは、都道府県や政令指定都市に置かれ、心の健康や精神的な不調について相談できる機関です。悲しみを話したいのか、医療機関を探したいのかが決まっていなくても、現在の困りごとから相談を始められます。
電話を受けた職員が相談内容を聞き、その窓口で面談を行うか、地域の保健所や医療機関を紹介するかを案内する流れです。継続面談の有無や予約の待ち時間は地域によって違うため、初回の連絡で次に利用できる日時を尋ねます。
住所と相談方法を確かめて予約する
公的な相談では、住所によって担当する地域が分かれるため、最初に住んでいる市区町村を伝えると案内が進みます。氏名を伝えるのが気になるときは、匿名で話せる範囲と、面談の予約に必要な情報を分けて尋ねる方法が有用です。
| 確認する項目 | 窓口へ尋ねる内容 | 手元に控える内容 |
|---|---|---|
| 担当する地域 | 自分の住所で利用できる窓口か | 担当部署と連絡先 |
| 相談の手段 | 電話・対面のどちらに対応するか | 予約方法と面談場所 |
| 受付の曜日 | 電話できる曜日と時間帯 | 受付曜日、開始・終了時刻 |
| 面談の予定 | 予約が必要か、相談時間はどの程度か | 予約日時と所要時間 |
急ぐ症状がある場合は、空いている予約日だけを聞かず、今日中に医療機関につながりたいと伝えるのが先です。
遺族会で受けるグリーフケアと参加の選び方
同じ経験をした人の話を聞きたいなら、遺族会や分かち合いの会が選択肢です。自分の経験をどの程度話すかも含めて、参加方法が今の気持ちに合う会を探せます。
同じ経験をした人と話す場を探す
遺族会や分かち合いの会は、大切な人を亡くした人同士が経験や気持ちを話す集まりです。症状や苦痛を和らげる医療を行う緩和ケア病棟、自治体、民間団体が開く会があり、主催者によって対象者や進め方が違います。
たとえば、亡くなった人との関係や死別の事情を限っている会では、自分が参加対象かを先に確かめる必要があります。自治体の心の健康相談の担当者や、看取りに関わった医療機関の相談窓口に、地域で参加できる会を尋ねる方法もあります。
話さずに参加できるかを申し込み前に尋ねる
初めての参加では、話す順番が回ってきたときに見送れるか、途中で休めるかを世話人に尋ねると、当日の過ごし方を想像しやすくなります。世話人は会の運営や参加者の案内をする担当者で、申し込み時の相談相手です。
| 参加前の確認点 | 尋ねる相手 | 確かめたい内容 |
|---|---|---|
| 参加対象 | 会の世話人 | 関係・死別の事情・地域の条件 |
| 話す負担 | 会の世話人 | 聞くだけの参加、途中退席の可否 |
| プライバシー | 主催者 | 会で聞いた話の扱い、録音の規則 |
| 参加の予定 | 申し込み担当者 | 開催日、所要時間、費用、次回の日程 |
会の内容を外で話さない取り決めがあるかは、参加者全員に関わる確認点です。案内文に記載がなければ、主催者から説明を受けてから参加を決められます。
参加後につらさが増したら個別相談へ切り替える
ほかの人の経験を聞く場が負担になるときは、参加を休んだり、個別に話せる公的な窓口や心理相談へ移ったりできます。会への参加を続けられるかは、その日の体調や、扱われる話題によっても変わります。
一方、遺族会は診察の場ではありません。眠れない状態や食欲の低下が続くときは、会の次回開催を待たずに医療機関へ連絡する必要があります。会で話す支えを残しながら、体の不調を診てもらう組み合わせも選べます。
夜や休日に備えて電話・SNSの窓口を控える
外出が難しい日や夜に気持ちが苦しくなったときは、電話や文字で話せる窓口を利用できます。受付時間は窓口ごとに違うため、夜間・休日にもつながる先をあらかじめ選んでおくと安心です。
こころの健康相談統一ダイヤルのつながり方
こころの健康相談統一ダイヤルは、電話をかけた地域の公的な心の健康相談窓口につながる全国共通の番号です。電話番号は0570-064-556で、対応する曜日と時間帯は地域ごとに異なります。
ただし、全国一律の24時間受付ではありません。利用する地域の受付日時は、厚生労働省のこころの健康相談統一ダイヤルの案内で確かめられます。番号と一緒に、曜日・受付終了時刻・時間外の連絡先を手元に控えましょう。
声を出して話しづらいときは文字による相談
家の中で声を出しにくいときや、言葉を考えながら伝えたいときは、SNSやオンラインチャットによる文字の相談が候補です。厚生労働省の相談先一覧から、電話相談とSNS相談それぞれの窓口を探せます。
利用前には、対象年齢、受付時間、返答の方法を読み、送信後すぐに対話できる仕組みかを確かめます。文字での相談には待ち時間が生じるため、命の危険が迫るときは返信を待たず、救急や電話で助けを求める判断が必要です。
電話で伝える内容と、つながらないときの行き先
電話がつながったら、家族を亡くしたあとにつらくなっている点と、今ひとりでいるかを伝えると、相談員が状況を把握しやすくなります。相談員は話を聞きながら、今必要な支えや、継続して利用できる地域の窓口を一緒に整理する相手です。
混み合ってつながらないときは、受付時間を確かめ、現在利用できる別の電話相談へ連絡する方法があります。死にたい気持ちや体調の悪化があるなら、同じ番号へのかけ直しだけで時間を過ごさず、その日の受診先についても助けを求めてください。
看取りに関わった医療者に経過を尋ねる
亡くなるまでの様子に気がかりが残っているなら、看取りを担った訪問診療医や訪問看護師へ、説明を聞けるか尋ねて構いません。訪問診療を利用していなかった場合は、看取りに関わった病院やかかりつけ医の受付が連絡の入口です。
担当した医療機関や訪問看護事業所へ電話する
連絡するときは、亡くなった人の氏名、自分との関係、看取りのおおよその時期を伝え、担当者に経過を尋ねたいと申し出ます。すでに利用が終わっていても、まず受付に電話して、説明を受ける機会を設けられるか聞く方法があります。
担当者が診療や訪問に出ている場合は、折り返しの電話や面談の予約という形になるため、連絡の取れる時間帯を伝えておくと受け取りやすくなります。対応できる人や方法は機関によって違い、希望した日時に話せるとは限りません。
説明を聞きたい点を短いメモにする
看取りの場面を思い返すだけで、話すのがつらくなる日もあるでしょう。気持ちを整えてから連絡しようと待つより、質問を書いた紙を手元に置いて相談する方法があります。説明がほしい場面を短く残したメモは、当日に言葉が出なくても担当者へ伝える助けです。
たとえば、呼吸が変わったときの状態や、使っていた薬の目的について、疑問を感じた場面を指定して尋ねられます。説明を受けたあとも分からない点が残れば、もう一度説明してもらう方法や、別の日に続きを聞けるかを確かめるとよいでしょう。
説明のあとも必要な支えにつなげてもらう
経過の説明を聞いたあとも話す相手が必要なら、地域の公的な窓口や遺族会を紹介できるか担当者に尋ねられます。紹介先の名前だけでなく、誰へ電話し、何を伝えるかまで聞いておくと、次の連絡を始めやすくなります。
なお、遺された家族自身の不眠や食欲低下を診てもらう場合は、自分の診察として受け付けてもらう手続きが必要です。亡くなった人の担当者への問い合わせと合わせて、自分のかかりつけ医への予約を取る方法があります。
グリーフケアの相談を始め、続け方を選ぶ
相談先を1つ選んだら、今の困りごとを伝え、利用できる日時を決める順で進められます。相性や通いやすさが合わなければ、別の窓口へ移る選択もできます。
最初の連絡で支援内容・手段・曜日を控える
最初の電話では、「家族を亡くしてからつらく、話を聞いてほしい」と用件を伝えたうえで、希望する支援を受けられるか尋ねます。受診を希望する場合は、症状を先に伝え、初めての診察を予約したいと申し出る流れです。
| 手元に残す項目 | 控える内容 | 尋ねる相手 |
|---|---|---|
| 受けられる支え | 診察、個別面談、集まりのどれか | 相談窓口の職員や受付 |
| 連絡の手段 | 電話番号、予約方法、折り返しの方法 | 予約を受ける担当者 |
| 受付の曜日 | 曜日と時間、休みの日 | 電話を受けた担当者 |
| 初回の予定 | 日時、所要時間、持参する物、費用 | 予約を受ける担当者 |
面談や集まりの長さ、予約までの期間は一律ではないため、実際に利用する先へ尋ねるのが確実です。終了時刻も聞いておけば、外出後の予定や付き添いを頼む時間を決めやすくなります。
相談の終わりに次の予定を確かめる
電話相談では、担当者から別の窓口を案内されることがあり、紹介された本人が改めて予約する必要があるかの確認が大切です。医療機関では次の診察の要否、遺族会では次回の申し込み方法を、それぞれ担当者から聞いておくと利用が途切れにくくなります。
さらに、案内された先が合わなかった場合に戻って相談できるかも聞けます。集まりが負担なら個別面談へ、話を聞いてもらうだけでは体調の支障が続くなら医療機関へと、困りごとに合わせて行き先を変えられます。
利用を急がず選べるときと、予定を早めたいとき
悲しみはあっても睡眠や食事が保たれ、差し迫った危険がなく、日々の用事を行えているなら、支援先への参加を急いで決めずに過ごす選択ができます。亡くなってから何日たったかだけで利用時期を決める必要はなく、話したいと思った時点で連絡できる支援です。
ただし、待っている間に眠れない・食べられない状態が続いたり、お酒や薬が増えたりしたときは、予約先へ変化を伝えて当日の相談方法を尋ねてください。死にたい気持ちが出てきた場合も、次回の予定まで待たず、医療機関や電話相談へつなぐ判断が必要です。
よくある質問
時間がたっていても相談できます。死別した日からの長さだけで相談を控える必要はなく、現在のつらさや暮らしへの支障を伝えるところから始められます。
遺族会や専門外来には参加・受診対象の条件があるため、希望する先に利用できるかを尋ね、対象外なら公的な心の健康相談の窓口へ連絡する方法があります。
泣いたり言葉が出なくなったりしても相談は利用でき、説明を助ける方法として、予約時に話しづらいと伝え、困っている内容を短く書いたメモを持参するのも有用です。声で伝える負担が大きいときは、文字による相談を選ぶ方法もあります。
公的な窓口で個別に相談しながら、遺族会に参加する利用方法も選べます。個別相談で整理したい内容と、同じ経験をした人に聞きたい話があれば、それぞれの場を使えます。
参加後に疲れが強くなるなら、予定を詰めず、どちらかを休む選択も可能です。睡眠や食事に支障が出ている場合は、相談先の数を増やすより、医療機関で体調を診てもらう判断が先になります。
予約日まで我慢する必要はありません。つらさが強まったときは予約先に電話し、前倒しの相談や、その間に利用できる窓口を尋ねられます。
死にたい気持ちがある、何日も眠れず食べられない、お酒や薬の量が増えている場合は、その日のうちに医療機関や電話相談へ連絡してください。今すぐ自分を傷つけそうなら、予約先からの折り返しを待たず救急へ助けを求める場面です。



