褥瘡の在宅ケアとは?家族ができる予防・処置・悪化時の対応

ご家族が在宅療養中に褥瘡(じょくそう)を発症すると、「自分たちで正しくケアできるのだろうか」と不安になる方はとても多いです。実際、褥瘡は放置すれば深い組織まで傷つき、感染症のリスクも高まります。
しかし、日々の予防策と基本的な処置の手順を身につければ、ご家庭でも十分にケアを続けられます。大切なのは「早く気づく」「正しく処置する」「悪化したら迷わず医師に相談する」の3つです。
この記事では、在宅診療の現場で培った経験をもとに、家族が無理なく実践できる褥瘡ケアの方法を具体的にお伝えしていきます。
褥瘡とは?在宅介護をする家族が押さえておきたい基礎知識
褥瘡とは、長時間にわたって皮膚が圧迫されることで血流が途絶え、皮膚や皮下組織が壊れてしまう状態です。
在宅で介護をする家族がまず覚えておきたいのは、褥瘡は「予防できるケガ」であり、正しい知識さえあれば進行を食い止められるという点でしょう。
褥瘡(床ずれ)は皮膚が圧迫され続けることで起きる
褥瘡は一般に「床ずれ」と呼ばれ、寝たきりの方や車いすで長時間同じ姿勢を取る方に多く見られます。体重がかかる部位の血管が押しつぶされると、酸素や栄養が届かなくなり、やがて皮膚の細胞が壊死(えし)を起こします。
発症しやすい場所は、仙骨部(おしりの中央)、かかと、肩甲骨、後頭部など、骨が出っ張っている部分です。こうした部位はベッドや車いすとの接触面で圧力が集中しやすいため、特に注意が必要でしょう。
在宅療養中に褥瘡ができやすい人にはこんな特徴がある
自力で寝返りが打てない方はもちろん、栄養状態が悪い方や皮膚が乾燥しやすい高齢者も褥瘡のリスクが高くなります。また、糖尿病や末梢血管障害など血流に影響する基礎疾患を持つ方も要注意です。
失禁がある場合は皮膚がふやけて弱くなるため、おむつ交換の頻度も発症リスクに直結します。ご家族がこうしたリスク因子を把握しておくと、予防策をより的確に打てるようになるでしょう。
褥瘡リスクの高い方の主な特徴
| リスク因子 | 具体的な状態 | 対策の方向 |
|---|---|---|
| 自力での体動が困難 | 寝たきり・車いす生活 | 定時の体位変換 |
| 栄養不良 | 食事量の低下・低アルブミン血症 | 栄養補助食品の活用 |
| 皮膚の脆弱化 | 加齢による薄い皮膚・乾燥肌 | 保湿ケアの徹底 |
| 基礎疾患 | 糖尿病・末梢血管障害 | 血糖管理・受診継続 |
| 排泄の問題 | 尿失禁・便失禁 | 速やかなおむつ交換 |
褥瘡の深さで分かれる4つのステージを覚えておこう
褥瘡は深さに応じて4段階に分類されます。ステージ1は皮膚の発赤(赤み)だけの状態で、指で押しても赤みが消えません。ステージ2では表皮がめくれたり、水ぶくれができたりします。
ステージ3になると皮下脂肪まで傷が達し、ステージ4では筋肉や骨にまで及びます。在宅ケアで対応しやすいのはステージ1と2の段階で、ステージ3以上は医師や訪問看護師と連携した治療が欠かせません。
褥瘡の初期症状を見逃さないために毎日チェックしたいサイン
褥瘡の治療で一番有利な武器は「早期発見」です。初期の段階で気づくことができれば、ケアも負担も格段に軽くなります。毎日の観察を習慣にすることが、褥瘡ケアの第一歩といえるでしょう。
赤みが消えないときは褥瘡のサインかもしれない
健康な皮膚は圧迫を受けて赤くなっても、圧を解除すれば数分で元に戻ります。ところが、指で押しても白くならない赤み(指圧テストで確認できます)が30分以上続く場合は、ステージ1の褥瘡を疑ってください。
色の白い方は赤みが分かりやすい一方、肌の色が濃い方は紫がかった変色や硬さの変化で判断する必要があります。見た目だけでなく、触った感触もあわせて確認することが大切です。
おむつ交換や入浴介助のタイミングが絶好の観察チャンス
忙しい在宅介護のなかで「皮膚チェックの時間」を別に設けるのは大変でしょう。おむつ交換、着替え、入浴介助など、もともと肌が見える場面をそのまま観察タイムに活用するのがおすすめです。
仙骨部やかかとは衣服で隠れやすいため、意識して目を向けないと見逃してしまいます。1日に最低2回、朝と夜の介助のときに皮膚の状態を確認する習慣をつけましょう。
写真を撮って記録しておくと在宅診療の医師に正確に伝わる
褥瘡の状態を言葉だけで伝えるのは、医療者であっても難しいものです。スマートフォンで患部を撮影し、日付と一緒にメモを残しておくと、訪問診療の医師に正確な経過を共有できます。
撮影時は同じ角度・同じ距離で撮ると比較しやすくなります。色味が変わらないよう、フラッシュは使わずに自然光のもとで撮影するのがポイントです。
褥瘡観察で確認すべき項目
| 観察項目 | 確認すること |
|---|---|
| 色の変化 | 赤み・紫色・黒色など通常と異なる色がないか |
| 傷の大きさ | 直径をメジャーや指の幅で測る |
| 浸出液 | 量・色・においの有無 |
| 周囲の皮膚 | 発赤、腫れ、熱感がないか |
| 痛みの訴え | 本人が痛みを感じているか |
在宅でできる褥瘡予防は「体位変換」と「スキンケア」が両輪
褥瘡は一度できてしまうと治るまでに時間がかかるため、「つくらない」ことが何よりも大切です。在宅での褥瘡予防は、体位変換で圧迫を分散させることと、スキンケアで皮膚そのものを強くすることの2本柱で取り組みましょう。
2時間ごとの体位変換で同じ場所への圧迫を減らす
体位変換とは、寝ている姿勢を定期的に変えることで、一か所にかかる圧力を分散させるケアです。目安は2時間ごとで、仰向け→左向き→仰向け→右向き、のようにローテーションします。
体位を変える際は、身体を引きずらないよう注意してください。引きずると皮膚がこすれて「ずれ力」が加わり、かえって褥瘡のリスクを高めてしまいます。スライディングシートを使うと、介助する側の腰の負担も軽減できるでしょう。
体圧分散マットレスやクッションを上手に活用する
体圧分散用の特殊なマットレスは、身体にかかる圧力を広い面積に分散させて局所への集中を防ぎます。
エアマットレスやウレタンフォームマットレスなど、患者さんの状態に合わせた種類を訪問看護師やケアマネジャーに相談して選びましょう。
車いすを使う方には、座面用の体圧分散クッションも効果的です。ただし、クッションだけに頼らず、座位が長時間続く場合は15〜30分ごとにお尻を浮かせるプッシュアップ動作を取り入れてみてください。
褥瘡予防に使われる主な福祉用具
| 用具の種類 | 特徴 | 向いている方 |
|---|---|---|
| エアマットレス | 空気圧を自動調整して体圧を分散 | 自力で寝返りが打てない方 |
| ウレタンフォーム | 体の形に沿って沈み込み圧を分散 | ある程度動ける方 |
| 体圧分散クッション | 車いす座面の圧力を分散 | 日中車いすで過ごす方 |
| スライディングシート | 体位変換時の摩擦を軽減 | すべての寝たきりの方 |
清潔と保湿を両立するスキンケアで皮膚のバリアを守る
高齢者の皮膚は薄く乾燥しやすいため、外部からの刺激に対するバリア機能が低下しています。入浴や清拭のあとには、低刺激の保湿剤をたっぷり塗って皮膚のうるおいを保ちましょう。
洗浄する際はゴシゴシこすらず、泡で包み込むようにやさしく洗うのがコツです。失禁がある場合は、排泄物が皮膚に長く触れないよう速やかに洗浄し、撥水性のある保護クリームを塗布してください。
家族が自宅で褥瘡を処置するときに守りたい正しい手順
褥瘡の処置と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、ステージ1や浅いステージ2であれば、家族がご自宅で日常的にケアを行うことは十分可能です。大切なのは感染を防ぎ、傷口を清潔に保つ基本手順を守ることです。
処置の前にまず手洗いと使い捨て手袋で感染を防ぐ
褥瘡の処置で最も注意すべきは感染予防です。処置の前後に石けんと流水で手を丁寧に洗い、使い捨ての医療用手袋を着用してください。家族の手から細菌が傷口に入ると、治癒が大幅に遅れてしまいます。
使い終わったガーゼや手袋はビニール袋に密封し、すぐに廃棄しましょう。処置に使う道具を事前にトレイにまとめておくと、清潔な状態を保ったまま作業を進めやすくなります。
傷口の洗浄はぬるま湯でやさしく流すのが鉄則
傷口に残った古い浸出液や汚れは、細菌の温床になります。洗浄には消毒液ではなく、体温に近いぬるま湯(37℃前後)を使いましょう。消毒液は細菌だけでなく、傷を治そうとする正常な細胞まで傷つけてしまうことがあるためです。
ぬるま湯を入れた洗浄ボトルや注射器(針なし)を使い、やさしく流しかけるように洗います。ゴシゴシこすったり、綿棒で強くぬぐったりするのは避けてください。
ガーゼや被覆材の選び方で治りやすさが変わる
かつては傷を乾かして治す方法が主流でしたが、現在は「湿潤療法(しつじゅんりょうほう)」が推奨されています。傷口を適度に湿った状態に保つと、新しい組織が育ちやすくなるのです。
市販のハイドロコロイドドレッシング材(傷口に貼る特殊なシール状の被覆材)は、浅い褥瘡のケアに向いています。どの被覆材が適しているかは褥瘡の状態によって異なるため、訪問看護師や医師に確認してから選ぶと安心です。
褥瘡処置で使う主な物品
- 使い捨て手袋(ラテックスまたはニトリル製)
- 洗浄用のぬるま湯と洗浄ボトル
- ハイドロコロイドドレッシング材や非固着性ガーゼ
- 医療用テープ(肌にやさしい低刺激タイプ)
- 廃棄用ビニール袋
褥瘡が悪化したサインを見極めて、迷わず医師へ連絡しよう
どれほど丁寧にケアをしていても、褥瘡が思うように改善しないことはあります。悪化のサインを知っておけば、手遅れになる前に医療専門職の力を借りられます。「おかしい」と感じたら、遠慮せずに医師へ連絡してください。
黒色の壊死組織や強いにおいが出たら迷わず相談する
傷の表面に黒や暗褐色のかたいかさぶた状の組織が現れた場合、それは壊死組織(えしそしき)と呼ばれる死んだ細胞の塊です。
この組織の下で感染が進行している場合もあるため、自己判断で無理に剥がそうとせず、速やかに在宅診療の医師や訪問看護師に連絡しましょう。
傷口から膿のような浸出液が出たり、生臭い強いにおいを感じたりした場合も感染を疑うサインです。こうした変化は1日で急速に進むときもあるため、週末であっても早めの連絡をためらわないでください。
発熱や全身のだるさは感染が広がっている危険信号
褥瘡の感染が局所にとどまらず全身に広がると、38℃以上の発熱、悪寒、倦怠感などの全身症状が出現します。
高齢者の場合は体温がそれほど上がらなくても、「なんとなく元気がない」「食欲が急に落ちた」という変化が危険信号になることがあります。
敗血症(はいけつしょう)にまで進行すると命に関わるケースもあるため、全身状態の変化を見逃さないようにしましょう。
褥瘡悪化時の症状と緊急度の目安
| 症状 | 緊急度 | 対応 |
|---|---|---|
| 傷の拡大・深くなる | やや高い | 次回の訪問診療を待たず連絡 |
| 膿や強いにおい | 高い | 当日中に医師または看護師に連絡 |
| 周囲の腫れ・熱感 | 高い | 当日中に連絡 |
| 38℃以上の発熱 | 非常に高い | 直ちに医師へ連絡 |
| 意識がぼんやり | 緊急 | 救急搬送も視野に入れる |
在宅診療の訪問日まで待てないときの緊急連絡先を決めておく
在宅診療は定期的な訪問スケジュールで動いていますが、褥瘡の急変は訪問日と重なるとは限りません。
あらかじめ「訪問日以外に異変が起きたらどこに連絡するか」を主治医のクリニックや訪問看護ステーションと決めておきましょう。
夜間・休日の連絡先や、どのような症状のときに救急車を呼ぶべきかの目安も確認しておくと、いざというとき慌てずに済みます。緊急連絡先を紙に書いて冷蔵庫や電話の近くに貼っておくのも良い方法です。
訪問診療・訪問看護との連携で在宅褥瘡ケアの質を高める
褥瘡の在宅ケアは、家族だけで完結させるものではありません。訪問診療の医師や訪問看護師、ケアマネジャーといった専門職と上手に連携すると、ケアの質が格段に向上し、家族の心理的負担も軽くなります。
訪問看護師に日々のケア方法を教わると家族の不安が減る
訪問看護師は褥瘡ケアの専門的なスキルを持っています。処置の仕方がわからないときや、自分のやり方に自信が持てないときは、遠慮なく実技を見せてもらいましょう。
目の前で手技を教えてもらうと、本やインターネットの情報だけでは得られない安心感があります。
「聞くのが申し訳ない」と感じる方もいますが、訪問看護師にとって家族への指導は業務の一部です。むしろ、家族が正しい方法を身につけてくれることは看護師にとっても心強いです。
褥瘡の経過を記録して訪問診療の医師と共有する
前述した写真記録に加え、「いつ」「どんな処置をしたか」「変化があったか」を簡単なノートやスマートフォンのメモアプリに書き留めておくと、訪問診療の際にスムーズに情報を共有できます。
記録は細かくなくて構いません。「5月10日、ガーゼ交換。浸出液は少量、においなし」程度の一行メモでも、前回訪問時との比較に大いに役立ちます。医師や看護師が適切な判断を下すための材料になるのです。
ケアマネジャーに相談すれば福祉用具の導入もスムーズになる
体圧分散マットレスやスライディングシートなどの福祉用具は、介護保険を利用してレンタルや購入ができる場合があります。
ケアマネジャー(介護支援専門員)にケアプランの見直しを相談すれば、必要な用具を適切に導入する手続きを進めてもらえます。
また、訪問入浴サービスや訪問リハビリテーションなど、褥瘡予防に間接的に役立つサービスの利用もケアマネジャーを通じて調整が可能です。一人で情報を集めるより、プロの力を借りるほうがずっと効率的でしょう。
在宅褥瘡ケアで連携する主な専門職
- 訪問診療医(治療方針の決定、処方)
- 訪問看護師(処置指導、状態観察)
- ケアマネジャー(ケアプラン調整、福祉用具手配)
- 管理栄養士(栄養状態の改善アドバイス)
- 訪問薬剤師(外用薬の使い方の説明)
褥瘡ケアを続ける家族の負担を減らして介護を長く続ける工夫
褥瘡のケアは毎日続くものだからこそ、介護する家族自身が疲弊してしまっては元も子もありません。無理のないペースでケアを継続するためには、家族が自分自身を大切にする意識を持つことが欠かせないでしょう。
介護疲れを溜め込まないために「休む日」を意識して作る
在宅介護をしていると、「自分が休んだら誰が面倒をみるのか」と休息を後回しにしがちです。しかし、介護者が体調を崩してしまえば、在宅療養そのものが立ち行かなくなります。
週に1日でも半日でも、介護から離れる時間を計画的に確保してください。趣味の時間を持つ、友人と会う、一人で外出するなど、リフレッシュの方法は人それぞれです。「休むことも介護の一部」と考えてみてください。
介護者の負担を減らすための方法
| 方法 | 内容 | 相談先 |
|---|---|---|
| 訪問介護の利用 | ヘルパーに体位変換や清拭を依頼 | ケアマネジャー |
| 短期入所(ショートステイ) | 数日間施設に預けて介護者が休息 | ケアマネジャー |
| デイサービス | 日中の見守りと入浴・食事の支援 | ケアマネジャー |
| 介護者向け相談窓口 | 電話やオンラインでの悩み相談 | 地域包括支援センター |
訪問介護やレスパイトケアを使って一人で抱え込まない
レスパイトケアとは、介護者が休息(レスパイト)を取るために、一時的にプロに介護を代わってもらうサービスです。ショートステイ(短期入所)やデイサービスがその代表例にあたります。
「他人に任せるのは不安」と感じるかもしれませんが、専門スタッフが対応してくれるため、褥瘡のケアも含めて安心して預けられます。まずは1泊だけ試してみて、ご本人も家族も慣れていくのがおすすめです。
同じ経験を持つ介護者の話が気持ちを楽にしてくれる
褥瘡ケアの苦労は、実際に経験した人でないと分かりにくい部分があります。地域の介護者家族会やオンラインの介護者コミュニティに参加すると、同じ悩みを持つ仲間と情報交換ができ、精神的な支えになるでしょう。
「自分だけではない」と感じられることが、介護を続ける原動力になるときもあります。地域包括支援センターに問い合わせると、近くの家族会を紹介してもらえるはずです。
よくある質問
- 褥瘡の在宅ケアで使う被覆材はどこで購入できますか?
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ハイドロコロイドドレッシング材などの被覆材は、ドラッグストアの介護用品コーナーや医療用品を扱うオンラインショップで購入できます。商品によっては訪問看護ステーションを通じて取り寄せてもらえる場合もあります。
ただし、褥瘡の状態によって適した被覆材は異なりますので、初めて使う際は訪問看護師や在宅診療の医師に相談し、推奨される製品を確認したうえで購入すると安心です。
- 褥瘡の処置で消毒液を使ってはいけないのはなぜですか?
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消毒液はイソジンやオキシドールなどが代表的ですが、細菌を殺すと同時に傷の修復を担う線維芽細胞(せんいがさいぼう)や白血球にもダメージを与えてしまいます。そのため、傷の治りが遅くなるリスクがあるのです。
現在の褥瘡ケアでは、傷口をぬるま湯や生理食塩水でやさしく洗い流す方法が広く推奨されています。消毒液が必要なケースもまれにありますが、その判断は医師に委ねるのが安全でしょう。
- 褥瘡がある方の栄養管理で特に意識すべき栄養素は何ですか?
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褥瘡の治癒には、たんぱく質・亜鉛・ビタミンCが特に深く関わっています。たんぱく質は傷口の組織を再生するための材料となり、亜鉛は細胞の分裂と増殖を助けます。ビタミンCはコラーゲンの生成を促し、傷の修復を後押しする働きがあります。
食事だけで十分に摂れない場合は、医師や管理栄養士に相談して栄養補助食品の活用を検討してみてください。食欲が落ちている方には、少量で高カロリー・高たんぱくの補助飲料が取り入れやすいでしょう。
- 褥瘡の在宅ケアで体位変換を夜間も続ける必要はありますか?
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体圧分散マットレスを使用していない場合は、夜間も2〜4時間ごとの体位変換が推奨されます。とはいえ、介護者が夜通し起きて対応するのは身体的にも精神的にも大きな負担です。
高機能のエアマットレスを導入すれば、夜間の体位変換の頻度を減らせる可能性があります。主治医や訪問看護師と相談し、患者さんの褥瘡リスクとご家族の介護力のバランスを見ながら、無理のないスケジュールを組むのが現実的な方法です。
- 褥瘡が完治するまでにどれくらいの期間がかかりますか?
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治癒までの期間は褥瘡の深さや患者さんの全身状態によって大きく異なります。浅いステージ1〜2であれば、適切なケアを続けることで数日から数週間で改善が見られるケースも少なくありません。
一方で、ステージ3〜4の深い褥瘡は数か月から半年以上かかることもあり、外科的な処置が必要になる場合もあります。焦らず、訪問診療の医師と経過を確認しながら根気よくケアを続けていくことが大切です。


