せん妄は死期が近いサイン?終末期せん妄の原因・症状・家族の対応を解説

せん妄が起きると、ご家族は「いよいよなのだろうか」と受け止めがちですが、せん妄そのものが残された時間を告げているわけではありません。
せん妄は身体の異常や薬が引き金になって急に現れる意識の障害で、終末期に限らず、手術のあとや入院をきっかけにしても起こります。脱水や薬が引き金なら、取り除くと落ち着く場合もあります。
一方で、進行した病気の終末期には引き金がいくつも重なりやすく、戻りにくい場合があるのも事実です。だからこそ、決めつけるより先に原因を確かめる順番が大切になります。
症状の現れ方、認知症との違い、原因の見分け、自宅で過ごす家族の関わり方までを、国内の指針と公的な資料にそって整理します。
せん妄が現れても死期が近いとは限らない
せん妄は、身体の異常や薬という引き金があって急に現れる意識の障害であり、それ自体が残された時間を測る物差しではありません。引き金によっては落ち着く場合もあるため、まず何が重なっているのかを確かめる順番になります。
急に現れて波がある意識の障害
日本サイコオンコロジー学会と日本がんサポーティブケア学会がまとめたせん妄の指針は、せん妄を「身体的原因や薬剤原因によって急性に出現する意識・注意・知覚の障害であり、その症状には変動性がある」と要約しています。
国立がん研究センターのがん情報サービスも、せん妄を身体の異常や薬剤が引き起こす急性の脳機能不全と説明し、周囲の状況が理解できない、実際にはないものが見えたり聞こえたりする、興奮する、眠れないといった多彩な症状が現れると記しています。
引き金があって初めて現れる状態なので、その引き金を取り除けるかどうかで、その後の見通しは変わってきます。認知症のようにゆっくり進む変化とは、成り立ちからして別のものです。
治療で落ち着く人も少なくない
厚生労働科学研究として行われた緩和ケアの地域プロジェクトが作成した家族向けの説明資料には、せん妄について「50〜70%の方は、治療により回復します」と書かれています。
この数字は終末期だけを対象にしたものではなく、手術のあとや入院をきっかけに起きたせん妄も含めた説明ですが、せん妄が必ずしも戻らない状態ではないと示す手がかりになります。
実際、脱水や電解質の異常、薬剤が引き金になったせん妄は終末期であっても回復の可能性が残されているため、引き金の見きわめが立て直しの入り口になるといえます。
終末期に多いのは引き金が重なりやすいから
せん妄の頻度は場面によって大きく違い、せん妄の指針は、一般病院の入院患者さんでおおよそ10〜30%、緩和ケア病棟に入院した時点で42%、死亡直前には88%にみられたとする報告を紹介しています。
数字だけを見ると終末期と強く結びついて感じられますが、これは終末期に、脱水や臓器の働きの低下、痛みを和らげる薬の調整といった引き金がいくつも重なりやすいためです。
せん妄が現れたという事実そのものより、何がその人に重なっているのかを一つずつ確かめるほうが、これからの過ごし方を考える助けになるでしょう。
家族が気づきやすい終末期せん妄の症状
ご家族が最初に気づくのは、時間や場所の感覚のずれ、見えないものが見えるという訴え、そして昼と夜の入れかわりです。どれも一日の中で強くなったり和らいだりする波を伴います。
いずれも家族向け資料に挙げられている変化ですが、すべての方に現れるわけではありません。当てはまる数の多さで重さが決まるわけでもないので、数えて不安を募らせなくて大丈夫です。
時間や場所が分かりにくくなる
今日が何月何日か、自分がどこにいるのかが分かりにくくなるのは、せん妄でよく見られる変化です。自宅にいるのに病院だと思ったり、季節を取り違えたりする場面もあります。
ただし、時間や場所が分からなくなっても、ご家族のことが分からなくなるケースはめったにないです。顔を見て安心する力は残っている場合が多く、そばにいる意味が失われるわけではありません。
見えないものが見える、話がかみ合わない
実際にはない虫や人が見えると訴えたり、過去のできごとを今のことのように話したりする場面が出てきます。つじつまが合わない話を前にすると、ご家族はどう返せばよいのか分からなくなります。
せん妄の指針では、せん妄から回復した患者さんの多くがその体験を思い出せており、体験に恐怖や不快感を感じていたと報告されていると記しています。本人にとっても心細い時間だと考えると、返し方の重みが違って見えてきます。
昼と夜が入れかわる
日中はうとうとして、夜になると目がさえて動き出すという入れかわりは、介護するご家族の負担が最も大きくなる変化の一つでしょう。夜間に何度も起き上がろうとして、転倒につながる場合もあります。
眠れなくて困っているというより、意識の障害が睡眠と目覚めのリズムそのものを崩している状態なので、寝かしつけようと説得しても収まりにくいといえます。夜のあいだ気を張り続けるより、日中に交代で休む段取りを組むほうが長く続けられるでしょう。
一日の中で良い時間と悪い時間が入れかわる
せん妄の大きな特徴は、症状の重さが一日の中で変動する点にあります。朝は普通に話せていたのに夕方から混乱が強まる、という差はしばしば見られるものです。
穏やかな時間帯だけを見た方が「何ともない」と言い、夜に付き添った方が「別人のようだ」と感じる食い違いも、この変動から生まれます。訪問看護師や医師へ伝えるときは時間帯もあわせて話すと、状況がそのまま伝わります。
おとなしいせん妄ほど家族に気づかれにくい
せん妄は暴れる状態だけを指すのではなく、活動が落ちて静かになる型もあります。むしろ静かな型のほうが見過ごされやすく、気分の落ち込みと取り違えられやすいと指摘されています。
| タイプ | 目立つ様子 | 気づかれやすさ |
|---|---|---|
| 過活動型 | 落ち着かない、動き回る、怒りっぽくなる | 気づかれやすい |
| 低活動型 | 動きや反応が減り、会話が少なくなる | 見過ごされやすい |
| 混合型 | 過活動と低活動の様子が入れかわる | 時間帯で印象が変わる |
この分け方は、アメリカ精神医学会の診断基準でもせん妄と診断した際に特定するよう求められているものです。
動き回るタイプは目に留まりやすい
過活動型は、動きの量が増える、活動を抑えられなくなる、じっとしていられずに歩き回るといった様子が24時間以内に現れる型として整理されています。ご家族が異変に気づきやすい反面、支える側の負担は大きくなりがちです。
夜間に強く出ると介護する側が眠れず、疲れがたまって判断も鈍りますから、抱え込まずに訪問看護へ相談してよい場面といえます。
静かなタイプは落ち込みと間違われやすい
低活動型は、活動量や動きの速さが落ち、周囲の状況をつかむ力や会話が減っていく型です。うなだれて口数が減る姿は気分の落ち込みに似ているため、別の問題と取り違えられる場合があります。
低活動型であっても過活動型と同じくらい患者さんと家族に苦痛をもたらすと報告されているため、静かだから軽いとは考えないようにしましょう。
高齢の入院患者さんを対象にした調査では、看護師がせん妄を見逃していた割合が81%に達し、低活動型であることが見落としと関わっていたとも紹介されています。専門職でも気づきにくい状態だと知っておくと、遠慮なく相談を切り出せます。
入れかわるタイプは家族の印象が食い違う
混合型は、24時間のうちに過活動型と低活動型の両方の様子が現れる型を指します。日中は静かで夜だけ落ち着かない、という形をとる場合もあります。
ご家族の間で「元気だった」「様子がおかしかった」と印象が割れるのは、この型ではよくある話です。誰の見立てが正しいかを競う必要はなく、それぞれが見た時間帯の様子をそのまま伝え合うほうが役に立ちます。
終末期せん妄と認知症の違いを家族が見分ける手がかり
手がかりは、始まり方が急かゆるやかか、一日の中で波があるか、もとに戻る見込みがあるかの3点です。ただし両方が重なる場合も多いので、ご家庭で結論まで出す必要はありません。
始まり方が急かゆるやかか
せん妄は数時間から数日という短い間に現れ、それまでの様子からはっきり変わります。認知症はゆるやかに進むため、いつからと日付で言い当てにくいのが普通です。
「先週まで普通に会話していたのに、この2日で急に変わった」と語れるなら、せん妄の可能性を先に考えてよい場面でしょう。急な変化には引き金があるという前提で、医療者もそこから探し始めます。
一日のうちで変わるかどうか
せん妄は重さが一日の中で揺れ、穏やかな時間帯と混乱する時間帯が入れかわります。認知症でも夕方に不安定になる形はありますが、揺れ幅はせん妄ほど大きくない場合が多いとされます。
付き添う時間が短い方ほど、たまたま穏やかな時間に居合わせて変化を見落としがちですから、日中と夜間の様子を分けて書き留めておくと違いが見えてきます。数行のメモで十分です。
もとに戻る見込みがあるかどうか
一般的な鑑別点では、せん妄は意識の障害で可逆性があり、認知症は記憶の障害でゆっくり進み非可逆と整理されています。戻る余地があるかどうかは、両者を分ける大きな違いです。
ただし、せん妄のあとに認知機能の低下が続く場合もまれではないと同じ指針は補足しており、必ず元どおりになると約束できるものではありません。戻る余地があるという言い方は、可能性の話としてお受け取りください。
せん妄と認知症が重なっている場合
認知症はせん妄を起こしやすくする素因の一つで、両者の合併が22%から89%と高い割合で報告されていると記しています。入院した患者さんでは50%を超えるとも紹介されています。
もともと認知症のある方が急に落ち着かなくなったとき、「認知症が進んだ」と片づけてしまうと、脱水や感染といった取り除ける引き金を見逃す恐れがあります。急な変化は進行ではなく別の要因を疑う合図と考えると、判断を誤りにくくなります。
| 見るところ | せん妄 | 認知症 |
|---|---|---|
| 始まり方 | 数時間から数日で急に | ゆるやかに進む |
| 一日の中の変化 | 重さが変動する | 変動は小さい |
| もとに戻るか | 戻る余地がある | 戻りにくい |
この見比べ方はあくまで目安で、レビー小体型認知症のように急に始まったり症状が揺れたりする型もあるため、最後の判断は診察と検査に委ねる領域です。
終末期せん妄の原因には取り除けるものと戻りにくいものがある
原因は、素因と引き金と後押しの3つに分けて考えるのが一般的で、脱水や薬剤のように取り除ける引き金もあります。一方、臓器の働きの低下が背景にあると、戻りにくい場合が多くなります。
3つの重なりでせん妄は起こる
せん妄を準備因子・直接因子・促進因子という3つの要素に分けて考えると診療で役に立ちます。準備因子は起こしやすい素因、直接因子は最終的な引き金、促進因子は起こりやすい状況へ近づける要因を指します。
| 分け方 | 意味 | 挙げられている例 |
|---|---|---|
| 準備因子 | 起こしやすい素因 | 高齢、認知症などの慢性の脳の病気 |
| 直接因子 | 最終的な引き金 | 臓器不全、感染症、脱水や電解質の異常、薬剤 |
| 促進因子 | 起こりやすくする状況 | 痛みなどの症状、眠れない状態、動けない状態 |
せん妄が起きたときには引き金が必ずあると考え、まず直接因子を丁寧に探しましょう。順番を守ると、見落としが減ります。
取り除ける引き金が残っている場合
脱水や電解質の異常、薬剤が引き金のせん妄については、終末期であっても回復の可能性が残されています。引き金の除去を図りながら、日中の目覚めを促し、時間や場所の感覚を保つ関わりを組み合わせる方針がとられます。
在宅でも、水分の摂り方や点滴の量、痛みを和らげる薬や眠りを助ける薬の使い方には調整できる幅があるため、気づいた変化を早く伝えるほど選べる手が増えます。
戻りにくい引き金が背景にある場合
一方で、脳への転移、肝臓の働きの低下、酸素が十分に行き渡らない状態など、臓器の不全に伴うせん妄は回復が難しい場合が多いとされています。
戻りにくいと考えられるとき、回復を目指すケアがかえって本人の負担になりうるため、苦痛を減らして穏やかに過ごせる状態を目標に置き直す考え方が大切です。目標が変わるのは見放されたからではなく、本人の楽さを先に置く切り替えです。
引き金は一つとは限らない
精神科へ相談が寄せられたがん患者さんの原因を調べた研究では、42%で複数の原因が重なっていました。一つ見つかったから終わり、とはならない領域です。
痛み、便秘や尿が出にくい状態、眠れない夜、動けない時間の長さといった後押しの要因も積み重なります。取り除ける後押しを一つずつ減らしていくと、混乱が和らぐ場面もあります。
後押しの要因へ働きかけると場面によっては発症の約50%を抑えられたとする報告があり、引き金の重みが大きい終末期ではその効き目が弱まります。それでも、痛みや便秘を放っておく理由にはなりません。
| 引き金の例 | 落ち着く見込み |
|---|---|
| 脱水、電解質の異常、薬剤の影響 | 残されている場合がある |
| 脳への転移、肝臓の働きの低下、酸素が届かない状態 | 難しい場合が多い |
どちらに当てはまるかは診察と検査で見当をつける領域なので、ご家庭で判断を急がず、気づいた変化をそのまま医療者へ渡すのが確実でしょう。
せん妄のある方に家族ができる関わり方
柱は3つで、話を否定しない、時間と場所の手がかりを置く、昼と夜のめりはりと安全を整えるという順になります。どれも特別な道具はいりません。
つじつまが合わなくても否定しない
つじつまの合わない会話であっても否定しないようにしましょう。否定されるとかえって本人が苦痛を感じる場合があるためです。
患者さんが「どろぼうがそこにいる……助けて!」と訴えたときは、ご家族が「そうだね、つかまえたから、もう大丈夫だよ」と応じると良いでしょう。間違いを正すより、安心できる返し方を選ぶという考え方です。
ちぐはぐな会話を「おかしい」と指摘すると本人の気持ちや誇りを傷つける場合があるため、その場では正さず、どんな話をしていたかを医師や看護師へ伝えるほうが役に立ちます。話の中身に、渇きやトイレの訴えが隠れている場合もあります。
時間と場所の手がかりをそばに置く
時計やカレンダーを見えるところに置き、日付や時間を何気なく会話に混ぜると、感覚を取り戻す助けになります。使い慣れた品やご家族の写真を枕元に置く工夫も、同じ資料に挙げられています。
自宅は本来もっとも見当がつきやすい場所ですが、介護用ベッドを入れて部屋の景色が変わると、かえって戸惑いが強まる場合もあります。窓の外が見える向きにするなど、いつもの眺めを残す配置が支えになります。
昼と夜のめりはりをつける
昼間は日光を採り入れて明るくし、テレビや会話、散歩といった適度な刺激を持つと、リズムが整いやすくなります。夜は静かにして、40〜60Wのスポット照明を使う目安が家族向け資料に示されています。
夜に暗くしすぎると混乱が強まるうえ、転倒や転落の危険も上がるため、薄明かりを残すほうが安全だとせん妄の指針は説明しています。眠りを妨げない程度の弱い光で十分です。
安全のために遠ざけておくもの
刃物やライター、ポットは本人の周りに置かず、一時的に別の場所へ移しておくと安心です。ベッドを低くしておけば、起き上がったときに落ちても怪我が軽くすみます。
体を押さえつける対応については、強い後押しの要因になると指摘されていて、身体拘束がない場合と比べて発症の危険が約2.9倍になったという報告もあります。
自宅で縛るような対応は選ばず、環境の工夫と医療者への相談で乗り切る方針が勧められます。
せん妄に気づいた家族が訪問診療へ伝えたいこと
夜中に様子が変わったとき、朝まで待つべきか迷うご家族は少なくありません。落ち着かず対応しきれないとき、呼びかけへの反応が乏しいときは、時間帯を気にせず連絡してよい場面です。
はじめの2つは家族向け資料が連絡の目安として挙げている場面で、けがや管の抜けは在宅で起こりやすい出来事です。迷ったら連絡してよいと、あらかじめ在宅の医療者と決めておくと動きやすくなります。
伝えると役に立つ観察の点
夜眠れているか、日中に話のつじつまが合うかの2点を医療者へ伝えましょう。段階で答えられる形になっているので、記憶をたどって細かく説明しなくてもかまいません。
| 伝える項目 | 答え方の目安 |
|---|---|
| 夜眠れているか | よく眠れる/時々起きるがだいたい眠れる/眠れない |
| 日中に話のつじつまが合うか | あう/時々合わないがだいたい合う/合わない |
この2つは、せん妄が起きているかどうかと、いまどのくらいの重さかを推し量る土台になります。毎日同じ物差しで答えていくと、良くなっている途中なのか、じわじわ強まっているのかという流れまで見えてきます。
加えて、いつから変わったか、どの時間帯に強いか、直前に薬や点滴の内容が変わったかを添えると、引き金を探す手がかりになります。分からない点や困っている点も、遠慮せず言葉にしてかまいません。
家族自身が休む時間を確保する
疲れ切ってしまったときは、まず自分が休める工夫を看護師と相談するようにしてください。他のご家族に協力を求め、本人が休んでいる時間に合わせて横になる方法も有効です。
せん妄の指針も、家族の負担や疲れに注意を払いながら付き添いを頼む姿勢を医療者に求めており、無理のない範囲でという前提が置かれています。介護する側が倒れてしまっては、自宅での療養そのものが続きません。
これからの過ごし方を繰り返し話し合う
厚生労働省は、人生の最終段階における医療とケアの決め方を示した指針の中で、本人の意思は変化しうるものであり、話し合いを繰り返し行うのが重要だと述べています。
本人の意思が確認できない場合には、ご家族などが本人の意思を推定できるならその推定意思を尊重し、本人にとって最善の方針をとるのを基本とする、とも書かれています。せん妄で意思の疎通が難しくなる前に交わした会話が、その場面で支えになります。
訪問診療では、経過を知る医師や看護師が定期的に自宅へ入ります。日々の様子を共有しておけば、急な変化のときにも見当をつけやすくなり、慌てずに次の手を選べます。
よくある質問
必ず起こると決まっているわけではありません。せん妄は手術のあとや入院をきっかけにしても現れ、終末期以外の場面でも珍しくない状態です。
終末期に頻度が高いのは事実ですが、それは引き金が重なりやすい時期だからで、せん妄が現れたこと自体が残された時間を示すわけではありません。
正すより、安心できる応じ方を先に置く考え方が勧められています。厚生労働科学研究の地域プロジェクトが作成した家族向け資料も、つじつまが合わない会話を否定しないよう促しています。
否定されると本人がかえって苦痛を感じたり、誇りを傷つけられたりする場合があります。話の中身は覚えておいて、医師や看護師へ伝える材料にすると役立ちます。
手がかりはありますが、ご家庭だけで結論を出す必要はありません。急に始まったか、一日の中で波があるかは、そばにいるご家族だからこそ気づける情報です。
認知症のある方にせん妄が重なる場合も多く、専門職でも判断が難しい領域とされています。気づいた変化をそのまま伝えるところまでが、ご家族の役割と考えてよいでしょう。
症状の強さと原因によって方針が変わります。日本サイコオンコロジー学会などの指針は、終末期の軽度から中等度のせん妄には気持ちの高ぶりを抑える薬を積極的には使わないよう提案する一方、動き回る型で症状が強い場合には使用の検討を挙げています。
薬の選び方は本人を診た医師が判断する領域です。眠りと日中の目覚めのどちらを大切にしたいかも含め、希望を伝えたうえで相談するとよいでしょう。
覚えている場合が多いと報告されています。先の指針は、多くの患者さんがせん妄の体験を思い出せており、その体験に恐怖や不快感を感じていたと記しています。
本人には分からないだろうと考えて言葉を選ばずにいると、心細さを深めてしまいかねません。ふだんどおりに声をかけ、静かにそばにいる時間そのものが支えになります。



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