自宅で家族が亡くなった場合にやること|連絡先・死亡確認・救急車の判断を解説

自宅で家族の呼びかけへの反応がなく、普段どおりの呼吸がないときは、予定していた看取りか、突然の急変かで連絡先が変わります。事前に看取りの方針と連絡方法を決めていた場合は訪問医・訪問看護の緊急連絡先へ、予期しない急変や判断に迷う場合は119番へ連絡してください。
体が冷たい、呼吸が見えないという状態でも、死亡の確定には医師の診断が必要です。電話では「亡くなった」と言い切るより、呼びかけへの反応や呼吸の様子を伝えると、今必要な対応につながります。
この記事では、自宅で亡くなった場合の最初の確認、状況別の連絡先、救急車の判断、死亡確認からその後の連絡までを解説します。
自宅で亡くなった場合、まず反応と呼吸を確かめる
動かない家族を見つけたら、周囲の安全を確かめてから声をかけ、普段どおりの呼吸があるかを見ます。死亡したかを家族だけで判断するためではなく、電話先に状態を伝え、救命が必要な場面を見逃さないための確認です。
呼びかけへの反応と胸・腹の動きを見る
名前を呼びながら肩を軽くたたき、目を開ける、声を出す、体を動かすといった反応を確かめます。確認の中心は、呼びかけへの反応と普段どおりの呼吸。胸や腹の動きが分からないときは、確かめ続けて通報を遅らせず、そのまま電話で伝えます。
突然倒れたあとに口を大きく開けて途切れ途切れに息をする状態は、普段どおりの呼吸とは扱いません。呼吸があるか迷う場合も119番につなぎ、電話を受ける通信指令員の質問に答えてください。
救急対応を担う消防庁の応急手当の説明でも、反応や普段どおりの呼吸がない場面で早い通報と処置を促しています。
体の温かさだけで救命の可否を決めない
触れたときの温かさや冷たさは、観察した情報として伝えます。体が温かいまま反応がなくなる場面では急いだ対応が必要ですが、手足が冷たいという理由で救命の対象から外す判断も危険です。
たとえば、暖房の効いた部屋と寒い部屋では皮膚の温かさが違うため、触れた感覚から心臓の状態や経過時間を正確に推測するのは困難です。家族による脈の確認に時間をかけるより、反応と呼吸の様子を伝え、受けた指示に沿って動く方を優先します。
気づいた時刻は連絡を始めてから控える
反応がないと気づいた時刻と、最後に普段の様子を見た時刻は、分かる範囲で控えます。時計を探したり記録を整えたりするために電話を後回しにせず、連絡を始めてから思い出せる範囲を整理する順番です。
見つけた時刻を、そのまま死亡時刻と決める必要はありません。夜間に眠っていると思っていた時間があれば、その間は確認していなかったと伝える方が正確で、時刻が不明な部分を推測で埋める必要もなくなります。
最初の連絡先は訪問診療と看取りの予定で変わる
予定した在宅看取りでは、事前に指定された医療の窓口へ電話するのが基本です。通院歴があるだけで急変時の対応まで決まっているとは限らず、最近の受診状況と、緊急時に誰へ連絡する約束だったかを分けて確かめます。
訪問診療中の看取りは指定の緊急連絡先へ
自宅で定期的に診察を受け、病気の経過から自宅で最期を迎える方針を共有していた場合は、訪問診療か訪問看護の指定された連絡先へ電話します。
訪問看護は自宅で療養を支える看護師による支援で、電話を受けた看護師は状態を聞き取り、担当医への連絡や訪問の調整を行います。
| 確認できる状況 | 最初の連絡先 | 伝える要点 |
|---|---|---|
| 訪問診療中で看取りの方針が決まっている | 指定された訪問医・訪問看護の緊急窓口 | 反応と呼吸、気づいた時刻 |
| 最近通院し、自宅での看取りも相談している | 事前に決めたかかりつけ医の連絡先 | 現在の状態と最後の受診 |
| 診療を受けていない、または予期しない急変 | 119番 | 住所、反応、普段どおりの呼吸の有無 |
ただし、訪問診療を受けていても、突然の事故や説明されていた経過と違う急変は救急対応の対象です。富士市・富士宮市周辺でも、利用中の医療機関から渡された夜間・休日の番号を使い、地域名だけで対応できる窓口を推測しないようにしましょう。
かかりつけ医がいる場合は診療内容も伝える
最近診察を受けていて、自宅での看取りや死亡時の対応を相談していた場合は、その医療機関に連絡します。電話では通っていた病気、最後に診察を受けた日、現在の反応と呼吸を伝えると、担当医が経過を確かめやすくなります。
一方、定期的に薬を受け取っていたという通院歴だけでは、今の急変が予想された経過かどうかは決まりません。急に倒れて反応がない場合は、診療時間の開始を待ったり、複数の病院を探し回ったりせず119番が先です。
訪問医につながらなければ訪問看護と代表番号へ
予定した看取りで指定先につながらないときは、利用している訪問看護の緊急窓口、医療機関の代表番号へと連絡を進めます。留守番電話に別の番号や折り返し方法が案内されている場合は、その内容に従う流れです。
電話が通じたら、本人の氏名、自宅の住所、折り返し先を伝え、誰から次の連絡があるのかまで確かめましょう。連絡した相手が看護師なら担当医への連絡状況を、医師なら訪問までの対応を確認すると、待つ間の行動が具体的になります。
ただし、つながらない間に予期しない急変が起きた場合や、救急対応が必要か判断できない場合は119番へ切り替えてください。
救急車を呼ぶ場面と医師を待てる場面
救命が必要かもしれない場面では、119番への連絡を優先します。予定した看取りで医療者と方針を共有し、電話で待機の指示を受けた場合は、その指示に沿って訪問医の到着を待てます。
予期しない反応の消失は119番を優先する
医療を受けていない家族が突然動かなくなったときや、普段過ごしていた家族が急に倒れたときは、亡くなったと思っても119番へ連絡します。反応がない、呼吸がおかしいという情報があれば、病名や原因が分からない段階でも通報できます。
通報後は、電話を受ける通信指令員から応急手当の指示を受けます。到着した救急隊は状態を確認して心肺蘇生という心臓や呼吸を助ける処置と、搬送の対応を行います。
電話では自宅の住所を先に伝え、胸を押す処置を指示されたら、それに従ってください。電話をスピーカーにできれば、指示を聞きながら両手を使いやすくなります。
予定した看取りは電話で待ち方を確認する
病気の経過を踏まえて看取りを予定し、呼吸が止まったときの連絡方法を決めていた場合は、その窓口に状態を伝えます。医師や看護師から到着まで待つよう指示されたなら、普段の外来受診のように家族の車で医療機関へ移動する必要はありません。
| 今の場面 | 優先する行動 | 判断の分かれ目 |
|---|---|---|
| 突然倒れ、呼びかけに反応がない | 119番へ通報 | 予期しない急変 |
| 予定した看取りで、指定先から待機の指示を受けた | 指示に沿って医師を待つ | 方針の共有と電話での確認 |
| 看取りか急変か判断できない | 119番へ連絡 | 救命が必要な可能性を否定できない |
医師の到着時間が分からない場合は、折り返しの予定や、待つ間に状態が変わったときの連絡先を尋ねます。「訪問診療中だから待つ」と決めるのではなく、そのときの状態を医療者へ伝えてから待つ判断です。
迷いが残るときは電話先に判断を求める
急に家族が動かなくなると、落ち着いて説明しようとしても言葉が出ないものです。「反応がない」「息が分からない」と短く伝えるだけでも、電話先の質問に沿って必要な情報を補えます。
本人が自宅で過ごしたいと話していたとしても、その希望だけで目の前の急変への対応までは決まりません。事前の医療上の方針が分からないときは、家族だけで処置を控える判断をせず、119番で状態と分かっている希望を伝える対応になります。
自宅で亡くなった場合の死亡確認と死亡診断書
死亡を診断し、死亡診断書を作成するのは医師です。最後の診察から時間が空いていても、生前の診療内容と死亡後の診察から判断できれば、診断書を交付できる場合があります。
看護師への連絡後も医師の診断を待つ
死亡の診断と死亡診断書の発行は医師が担います。看護師は体の状態を観察し、医師へ報告する役割です。家族や救急隊も医師に代わって書類を作成するわけではなく、救急隊による処置・搬送の判断と医師の診断は区別されます。
訪問医は呼吸や心臓の動きなどを診察し、生前の病気と現在の状態を合わせて判断します。家族からは、最後に話した様子や見つけたときの状況を伝えると、診察だけでは分からない経過を補う情報になります。
最後の診察から24時間を過ぎても発行できる
医師法第20条のただし書は、診療中の患者さんが診察後24時間以内に死亡し、診療していた病気に関連する死亡と判断できる場合、死亡後に改めて診察せず死亡診断書を交付できるという例外です。24時間を過ぎたら発行できない、という期限ではありません。
24時間を過ぎた場合でも、死亡後に改めて診察し、生前に診療していた病気に関連する死亡だと判断できれば、同条本文に基づいて交付できます。
医療制度を所管する厚生労働省の医師法第20条ただし書の運用に関する通知は、この扱いと、時間の経過だけで警察への届け出が必要になるわけではない点を示しています。
| 最後の診察からの時間 | 診断書交付の基本 | 家族が伝える情報 |
|---|---|---|
| 24時間以内 | 診療中の病気による死亡と判断できれば、再診察を省ける例外あり | 診察後の変化と発見時の状態 |
| 24時間を超える | 死亡後の診察で病気との関連を判断できれば交付可能 | 最後の診察以降の経過 |
死因が判断できないときは次の対応を確認する
死亡診断書は、死亡した事実や原因を医学的に証明する書類です。通院していた事実だけで必ず発行されるとは限らず、診療していた病気で説明できるか、事故を疑う状況がないかを含めた判断が必要になります。
診断がつかない段階では、葬儀のための移動を先に決めず、担当医に次の診察や連絡を誰が行うのか確認しましょう。家族が病名を推測して伝えるより、実際に見た変化を時系列で伝える方が、判断に使える情報になります。
事件や事故が疑われるときは警察にも連絡する
警察への連絡が必要かは、死亡した場所だけでなく、病気の経過や発見時の状況によって決まります。事件や事故が疑われる状況では警察への連絡が必要となり、救命の可能性がある場面では119番への通報も急ぎます。
けがや不自然な状況は見たまま伝える
転落が疑われる場所で倒れている、争ったような跡があるといった場合は、110番へ状況を伝えます。救急の通報でもけがや周囲の様子を説明し、危険が残る場所には近づかず安全な位置から指示を受けてください。
事件なのか事故なのか、病気による死亡なのかを家族が確定してから電話する必要はなく、発見した場所と目に入った事実を伝えれば十分です。
医師が異状を認めれば届け出の対象になる
死亡した体を診察して異状を認めた医師には、警察へ届け出る義務があります。異状とは病気による自然な死亡として説明しきれない所見などを指し、訪問診療を受けていた場合も、その判断の対象です。これは医師法に定められた医師の義務です。
警察は発見時の状況を聞き取り、事件性を調べる検視などを行います。
救命や安全確保以外で現場を変えない
確認が済むまでは、体を別の部屋へ移したり、近くの薬や衣類を片づけたりせず、発見時の状態を保ちます。清潔にしたいと思っても、体を拭く行為や着替えが状況の確認に影響するため、先に医師や警察の指示を受ける対応です。
ただし、救命処置や危険な場所からの避難が必要なら、人の安全を優先します。すでに動かした物があっても元の状態を作り直そうとせず、何をどう動かしたかを伝えます。
医師の到着までに保つ状態とそろえる物
待機の指示を受けたあとは、体や周囲をそのままにし、診療情報と電話で伝えた内容を手元にまとめます。書類を全部そろえるよりも、医師からの折り返しを受けられる状態を保つ方が先です。
体や医療機器は自己判断で動かさない
医師が到着するまでは、体を運ぶ、衣類を替える、口に水を含ませるといった対応を自己判断で始めず、受けた指示に沿って待ちます。呼びかけに反応がない人に水や薬を飲ませる行為は、気管に入る危険があるため避けます。
また、酸素や点滴を使っている場合は、呼吸が見えないという理由で装置を外したり設定を変えたりせず、電話先へ使用中だと伝えます。医療者に現在の接続状態を確認してもらうまでは、機器の操作についても具体的な指示を受ける形です。
お薬手帳と診療先が分かる書類を手元へ
お薬手帳と診察券があれば、薬の内容や受診先を口頭だけで説明する負担を減らせます。診療先から渡された書類、保険資格が分かる物も、すぐ取り出せる場所にある範囲で用意する程度で十分です。
| 手元で確かめる項目 | 探す場所・物 | 役立つ情報 |
|---|---|---|
| 訪問診療の利用と連絡先 | 医療機関から渡された書類、電話の登録 | 担当医と緊急窓口 |
| 服用している薬 | お薬手帳、薬の説明書 | 薬の名前と飲み方 |
| 通院先 | 診察券、受診時の書類 | 医療機関名と本人の登録情報 |
| 保険資格の情報 | 資格確認書など、保険証に代わる確認書類 | 診療時に使う資格情報 |
書類の所在が分からない場合は、その旨を電話で伝えればよく、探し終わるまで訪問の依頼を止める必要はありません。複数の病気で通院していた場合は、見つかった診察券をまとめておくと診療歴を伝えやすくなります。
電話の指示と折り返し先を控える
連絡した窓口、電話を受けた人、受けた指示は、同じメモに残します。特に「医師が向かっている」のか「医師へ連絡して折り返す」のかで待ち方が変わるため、電話を切る前に次の連絡の予定を確かめると行き違いを減らせます。
その後、説明されていた状態と違う変化に気づいたら、待つよう言われたからと連絡を控えず、同じ窓口へ伝えます。緊急性が判断できず、医療者にもつながらない場合は119番へ連絡する判断に戻ります。
自宅で亡くなった場合の確認後の連絡は親族・葬儀社へ
医師による死亡確認が済んだら、親族への連絡と葬儀社への相談へ進みます。病状を確認する段階と、その後の移動や書類を相談する段階を区別すると、まだ決まっていない内容を先に約束せずに済みます。
親族には確認済みの内容を伝える
親族へは、医師による確認が済んだ旨と、現在いる場所を伝えます。急変の段階で支援を頼む連絡は先に行って構いませんが、正式な確認前なら「医師を待っている」と現在の状況に合わせた説明になります。
葬儀の日時や移動先が未定なら、未定のまま伝えて差し支えありません。医療者からの連絡を受ける電話が長時間ふさがらないよう、伝える内容を短くまとめておくと、その後の確認も進めやすくなります。
葬儀社には移動できる段階かを添える
葬儀社は、亡くなった方の搬送や葬儀の手配を相談する相手です。依頼の電話では、医師の確認が済んでいるか、書類は受け取っているか、自宅からの移動について指示があるかを伝えます。
| 連絡する相手 | 伝える内容 | 次に確かめる点 |
|---|---|---|
| 親族 | 医師の確認状況と現在いる場所 | 連絡を受け取れる電話番号 |
| 葬儀社 | 確認済みか、書類の受け取り状況 | 移動の可否と迎えの調整 |
| 診断書を発行する医療機関 | 未受領の書類についての確認 | 受け取り方法と連絡窓口 |
ただし、警察の確認が続いている場合は、葬儀社へ相談していても体を移す時期を家族だけで決めず、担当者の指示を受けます。
診断書を受け取ってから届け出へ進む
死亡診断書を受け取ったら、氏名や生年月日など本人を特定する記載を確認します。読みづらい部分や記載の疑問があれば、家族が書き足さず、発行した医療機関に尋ねる対応です。
その後、死亡の事実を市区町村へ届け出る死亡届の手続きへ進みます。葬儀社に提出の代行を頼む場合も、家族が記入する箇所と、誰が書類を預かるのかを確認し、診断書の受け取り前に済んだつもりにならないようにしましょう。
よくある質問
連絡せず朝まで待つのではなく、その時点で状態を電話先に伝えます。予定した看取りで緊急連絡先が決まっていればその番号へ、突然の急変や判断に迷う場面では119番へ連絡してください。
医師や看護師に状態を伝え、待機の指示を受けた場合は、折り返しの予定と変化があったときの連絡方法を確認して到着を待てます。日中の診療時間まで家族だけで判断して待つ状況とは区別が必要です。
予期しない状況で反応がなく、普段どおりの呼吸がない、または分からない場合は119番へ電話してください。皮膚の冷たさだけでは、家族が死亡や救命の可否を判断できないためです。
電話では冷たく感じた旨に加え、呼びかけへの反応と呼吸の様子を伝えて指示を受けます。予定した看取りで医療者と連絡方法を決めていた場合は、その手順に沿って指定の窓口へ連絡します。
24時間を過ぎても、死亡後の診察で生前に診療していた病気に関連する死亡と判断できれば交付できます。時間の経過だけを理由に発行できないと決めず、診療を受けていた医療機関へ連絡して、診察と書類の受け取りについて確認しましょう。
看護師に連絡がついただけでは、体を移す段階には進めません。医師の死亡確認と、移動についての指示を受けてから調整します。
電話を受けた看護師には、医師への連絡が済んでいるか、誰から次の連絡があるかを確認します。葬儀社へ先に相談している場合も、医師を待っている段階だと伝えれば、確認が済んでいる前提で迎えが決まる行き違いを避けられます。
