薬剤費・管理指導料– category –

費用・保険制度薬剤費・管理指導料

訪問診療で薬にかかるお金は、薬そのものと調剤に対する費用、薬剤師が自宅で管理や指導を行う費用に分かれます。院外処方ではクリニックと調剤薬局から別々に請求されますが、同じ費用を二重に支払うわけではありません。

支払額を確認するときは、誰がどのサービスを担ったかを分けて見ることが大切です。介護保険と医療保険の扱いを踏まえて請求元を見分け、緩和ケアでは加算が生じる条件を確認します。

服薬管理の道具を使う場合や残薬を調整する場合には、負担の上限も含めて支払額の見方を説明します。

訪問診療の薬にかかるお金は大きく2種類

薬に関する支払いは、薬局で受け取る薬の費用と、薬剤師の訪問による管理や指導の費用に分けると把握しやすくなります。いずれもクリニックの診療費とは別です。

薬そのものの代金と調剤の費用

処方箋を調剤薬局へ出すと、薬剤料に加えて、薬をそろえる調剤の費用や服用方法を確認する費用などが薬局から請求されます。薬の種類や処方日数が変われば、同じ薬局でも支払額は一定ではありません。

薬剤師が自宅で行う管理と指導の費用

通院や薬局への来店が難しい場合、薬剤師が自宅を訪ね、薬の保管状況や飲み残し、副作用の有無などを確認します。この訪問に対する費用は、薬そのものの代金とは分けて算定される仕組みです。

院外処方ではクリニックと薬局の請求が分かれる

処方箋を境に、クリニックの診療費と調剤薬局の薬代の請求先が分かれる図

院外処方では、医師が診察して処方箋を発行し、調剤薬局が薬を用意します。担う内容が異なるため、診療費と薬局分の費用は別の請求として届きます。

処方箋が支払い先を分ける境目

クリニックでは診察や在宅での医学的な管理に対する費用を支払い、薬局では薬剤料や調剤に関する費用を支払います。それぞれが別のレセプトを作るため、請求時期や支払い方法がそろわない場合もあります。

訪問診療の明細と薬局の明細が同じ月に届いたときは、請求元と費目を確認してください。訪問診療の薬代の請求先は調剤薬局であり、クリニックの診療費と分かれていても二重請求ではありません。

薬局へ行けないときは薬剤師が自宅を訪問

主治医の指示を受けた薬剤師が自宅を訪問し、薬の配達や服薬・保管の管理を行う様子

薬剤師の在宅訪問では、薬を届けるだけでなく、服用方法や保管状態、飲み残しを確認します。利用には主治医の指示が必要で、訪問できる回数にも決まりがあります。

訪問時に確認する薬の使い方と保管状態

訪問薬剤師は、患者さんが薬を予定どおり服用できているかを確かめ、ご家族にも管理方法を伝えます。複数の医療機関から薬が出ている場合には、重なりや飲み合わせを確認し、必要に応じて主治医へ情報を共有します。

通常時と緩和ケアで異なる訪問回数

薬剤師による居宅療養管理指導の訪問は原則として月4回までです。がん末期の患者さんや麻薬注射を使う患者さんは月8回までとなるため、在宅訪問の回数と費用は薬局へ事前に確認すると安心です。

薬剤師の訪問費用は認定状況で使う保険が変わる

薬剤師が自宅で管理や指導を行う費用は、要介護・要支援認定の有無や年齢によって算定先が分かれます。同じ訪問に医療保険と介護保険を併用することはできません。

患者さんの状況費用の名称保険上の扱い
要介護・要支援認定あり居宅療養管理指導費介護保険を優先
認定なし訪問薬剤管理指導料医療保険
40歳未満訪問薬剤管理指導料医療保険

介護保険を先に使う場合

要介護・要支援認定を受けている患者さんでは、薬剤師の訪問は介護保険の居宅療養管理指導費として扱うのが原則です。認定がない患者さんや40歳未満の患者さんは医療保険となり、両方を重ねて請求しません。

居宅療養管理指導費は介護保険を優先するため、クリニックの診療に医療保険を使っていても、薬剤師の訪問費用だけ算定先が異なる場合があります。請求書ではサービス名と請求元を分けて確認してください。

緩和ケアの薬代には管理指導の加算が付く

在宅の緩和ケアで医療用麻薬を使う場合は、薬そのものの費用に加えて、薬剤師の専門的な管理と指導に対する加算が生じます。医師の管理下で痛みを抑えるために使う薬です。

在宅では保管と副作用の確認まで担う

薬剤師は医療用麻薬の保管方法や使用状況を確かめ、副作用が疑われる変化や残量を確認します。患者さんとご家族が自己判断で量を変えず、気になる症状を医師や薬剤師へ伝えられるよう支える業務も含まれます。

外来と在宅で異なる加算の点数

麻薬管理指導加算は外来の22点に対し、在宅では100点です。差があるのは、薬剤師が療養場所を訪ねて保管や服用状況まで確認するためであり、薬の価格そのものが変わるという意味ではありません。

服薬管理の道具は無料提供か実費購入

お薬カレンダー、配薬ボックス、一包化を並べ、費用の扱いの違いを示した図

お薬カレンダーや配薬ボックスは保険診療の費用とは別で、薬局が無料で渡す場合と患者さんが実費で購入する場合があります。対応は薬局ごとに異なります。

  • お薬カレンダー … 曜日や服用時間ごとのポケットに薬を分け、飲んだかどうかを確認する道具
  • 配薬ボックス … 1回分の薬を区切って保管し、取り違えや飲み残しを確かめる道具
  • 一包化 … 同じ時間に飲む薬を1袋にまとめ、カレンダーやボックスへ収めやすくする調剤方法

無料か有料かは薬局ごとに確認

道具の材料費そのものは高額とは限りませんが、無料提供の条件や在庫は薬局によって違います。お薬カレンダーを一包化と組み合わせると、患者さん本人とご家族が服用状況を同じ方法で確認しやすくなります。

お薬カレンダーや配薬ボックスの実費は、利用する薬局へ確認が必要です。患者さんが扱いやすい形や設置場所も伝え、続けて使える道具を薬剤師と相談してください。

飲み残しの確認で薬代を調整できる場合がある

飲み残しの確認から、薬剤師と処方医の相談を経て次回の処方日数を調整するまでの図

自宅に残っている薬の種類と数を薬剤師へ伝えると、処方医への問い合わせを経て処方日数を調整できる場合があります。薬剤料が下がるのは、不要な日数分が減ったときです。

残薬は種類ごとに数えて伝える

飲み残しがあるときは自己判断でまとめて服用したり捨てたりせず、薬の名前と残数を記録してください。お薬手帳を1冊にまとめると、複数の医療機関から出た薬も薬剤師が確認しやすくなります。

処方医への問い合わせ後に日数を調整

薬剤師は残薬を確認したうえで処方医へ問い合わせ、必要な場合に処方日数を減らします。残薬調整には加算が付きますが、自己負担への影響は数十円程度で、減った薬の日数によって薬代の差が決まります。

薬局分も制度を使って負担を抑えられる

薬局で支払う保険診療分も、医療費の自己負担に上限を設ける仕組みの対象です。ただし、年齢や請求元、医療保険と介護保険の別によって合算の扱いが変わります。

69歳以下は医療機関ごとの基準に注意

69歳以下では1件ごとの基準があり、クリニック分と薬局分を別々に数える点に注意が必要です。月の支払いを確認するときは、クリニックと調剤薬局の領収書を保管し、請求元が分かるようにしておきます。

介護保険で算定する訪問費用は別枠

高額療養費制度が対象とするのは医療保険の自己負担であり、介護保険の居宅療養管理指導費は同じ枠へ合算しません。医療保険と介護保険の請求を分け、どの制度の費用かを確かめることが大切です。

よくある質問

訪問診療の薬代は、クリニックの診療費と一緒に請求されますか?

院外処方では、クリニックが診療費を請求し、調剤薬局が薬代や調剤に関する費用を請求します。請求書が別々に届いても、同じサービスへの二重請求ではありません。明細の請求元と費目を確認してください。

訪問診療で薬剤師に来てもらえる回数は決まっていますか?

薬剤師の訪問は原則として月4回までです。がん末期の患者さんや麻薬注射を使う患者さんは月8回までとなります。病状や薬の内容で必要な支援が異なるため、主治医と薬局へ利用予定を確認してください。

訪問診療のお薬カレンダーは無料でもらえますか?

薬局が無料で用意する場合もあれば、患者さんが実費で購入する場合もあります。無料提供の条件や扱う製品は薬局によって違います。一包化との組み合わせや自宅での置き場所も含め、薬剤師へ相談してください。

訪問診療で飲み残した薬は、薬代の調整に使えますか?

残薬の種類と数を薬剤師が確認し、処方医へ問い合わせた結果、処方日数を減らせる場合があります。日数が減れば、その分の薬剤料は下がります。自己判断で服用量を変えず、残薬とお薬手帳を薬剤師へ見せてください。

訪問診療で医療用麻薬を使うと、薬局の費用は増えますか?

在宅で医療用麻薬を使う場合は、薬剤師の管理と指導に対する加算が付きます。薬剤師は保管方法や使用状況、副作用が疑われる変化などを確認します。具体的な請求内容は、利用する薬局の明細で確かめてください。

1