ウォーキングだけでリバウンドは防げる?痩せた後に1日10分の筋トレをすすめる理由

  • ウォーキングは健康に良い運動ですが、リバウンド予防には筋トレも合わせた方が現実的です。
  • 痩せた後は、体重だけでなく筋肉を落としすぎないことが重要です。
  • 最初からジムや本格的な筋トレは必要ありません。
  • 当院では、歯磨き中のスクワットなど、1日10分でできる無理のない筋トレをおすすめしています。
  • 薬で食事量が落ち着いている間こそ、戻りにくい生活習慣を作るチャンスです。

「痩せた後もウォーキングを続けているのに、体重が少しずつ戻ってくる」

そう感じている方は、少なくありません。

ウォーキングは続けたほうが良い運動です。ただ、リバウンドを防ぐという観点では、ウォーキングだけに頼るより、筋肉を守るための軽い筋トレも合わせた方が現実的です。なぜそう言えるのか、順番に説明します。

リバウンドそのものの仕組みについて詳しく知りたい方は、リバウンドが起きる仕組みについて詳しく知りたい方はこちらをあわせてご覧ください。

目次

ウォーキングは良い運動ですが、リバウンド予防には十分ではありません

ウォーキングで得られる効果と、得にくい効果

ウォーキングをはじめとする有酸素運動は、健康面でのメリットが多い運動です。

心肺機能の維持、血糖や血圧の管理、気分転換、活動量の確保。これらに対して、ウォーキングはしっかり機能します。厚生労働省やWHOも、有酸素運動は成人が継続すべき運動習慣として推奨しています。

ただ、ウォーキングが苦手とすることが一つあります。それは「筋肉を守る・増やす」という役割です。

筋肉量を維持したり、衰えを防いだりするためには、筋肉に直接負荷をかける筋力トレーニングの方が向いています。

リバウンド予防を考えたとき、「どれだけカロリーを消費するか」と同じくらい、「どれだけ筋肉を落とさないか」が関係してきます。ウォーキングはカロリー消費に貢献しますが、筋肉を守るという働きは、筋トレの方が得意です。

ウォーキングが悪いわけではありません。筋トレを少し加えることで、リバウンドしにくい状態を目指せる、という話です。

項目 ウォーキング(有酸素運動) 筋トレ(筋力トレーニング)
主な役割 心肺機能を保つ、気分転換になる、血糖や血圧の管理に役立つ 筋肉を守る、体を支える力を保つ、日常動作を楽にする
カロリー消費 歩いている間の消費が中心 筋肉を使い、日常の活動量を保ちやすくする
リバウンド予防 健康習慣として役立つが、筋肉を増やす力は弱い 筋肉を守るために取り入れたい運動
始めやすさ 歩くだけなので始めやすい 歯磨き中のスクワットなど、器具なしで始められる

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リバウンド予防で大事なのは「カロリー消費」より「筋肉を落とさないこと」

体重が落ちると、脂肪だけでなく筋肉も落ちます

ダイエットで体重が落ちるとき、減っているのは脂肪だけではありません。筋肉も一緒に落ちます。これはカロリー制限で体重を落とす場合に起きやすい現象で、食事量を大きく減らすほど、筋肉が落ちやすくなります。

筋肉が減ると、日常の動作に使うエネルギー量も下がります。体を動かす力が落ちると、以前と同じ生活をしていても、体重が戻りやすい状態になります。

筋肉の落ち方には個人差があります。もともとの筋肉量、食事内容、運動習慣によって変わるため、一概には言えません。ただ、食事量が大きく減った状態が長く続けば、脂肪とともに筋肉も落ちるというのは、医学的に広く認められていることです。

リバウンド予防を考えるなら、体重計の数字だけを見るのではなく、「どんな痩せ方をしているか」を意識することが欠かせません。

薬で食事量が減ったときも、筋肉への意識は必要です

マンジャロ(チルゼパチド)やリベルサス(セマグルチド)は、食欲や食事量に働きかけることで体重が落ちる人がいる薬です。食事量が自然に落ち着くため、カロリーを意識しなくても体重が減っていくように感じる方もいます。

ただ、食事量が減るということは、筋肉の材料になるたんぱく質の摂取量も下がりやすいということです。脂肪が落ちると同時に、筋肉も一緒に落ちるリスクは、薬を使っている期間も変わりません。

薬の使い方について、一点はっきりお伝えします。薬を自己判断で増やしたり、やめたりしてはいけません。副作用が強い場合や、食事・水分がほとんど取れない状態になった場合は、自己判断で続けず、すぐに医師に相談してください。

マンジャロおよびリベルサスを使用したあとのリバウンドに関しても記事がありますので、ご参照ください。

1日10分でいい。最初からジムや本格的な筋トレは必要ありません

歯磨き中のスクワットでも、始める意味はあります

「筋トレが必要と言われても、ジムに通うほどの気合いはない」

そう感じている方に向けて、当院では最初から本格的な筋トレをすすめていません。まず、1日10分でできる軽い運動から始めてみることを提案しています。

たとえば、こんな動きです。

  • 歯磨きをしながらスクワット(洗面台に手を添えながら行う)
  • テレビを見ながら、椅子から立ってゆっくり座るを繰り返す
  • 壁に手をついて、腕立て伏せの動きをする
  • 駅や職場の階段をゆっくり上る

どれもジムや器具は不要です。自重(自分の体重)を使った運動は、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、筋力トレーニングとして認められています。

1日10分で筋肉が劇的に増えるわけではありません。ただ、「運動ゼロの状態を続けない」という意味では、十分な出発点になります。

痩せた後の筋トレの考え方について詳しくはこちら

続けられる運動は、気合いより生活への組み込みで決まります

運動のためだけに時間をとろうとすると、忙しい日が続いたときにすぐ途切れます。

続けやすいのは、すでにある生活習慣にくっつける方法です。歯磨きの2分間にスクワット。ドラマの視聴中に椅子の立ち座り。浴室に入る前に壁腕立て3回。買い物帰りに階段を使う。こうした「ついでの筋トレ」は、完璧なトレーニングメニューよりも長く続く傾向があります。

「毎日できなかった」と気にするより、「今日はできた」を積み重ねることが先決です。完璧にこなすより、ゼロにしない日を増やすことを目指してください。

膝や腰が不安な人は、スクワットを無理にしなくて大丈夫です

痛みがあるときは、負荷を下げてください

スクワットが合わない体の状態もあります。膝や腰に痛みがある場合、通常のスクワットは無理にしなくて構いません。

代わりにできる動きがあります。

  • 椅子からゆっくり立ち上がって、ゆっくり座る
  • 浅い角度だけの軽いスクワット
  • 壁に手をついて、膝への負担を減らした状態で行う
  • 椅子に座ったまま、片足ずつ足を持ち上げる

これらでも、太ももや体幹の筋肉に刺激を与えることができます。

痛みが出たら、その運動はいったん中止してください。「慣れれば平気」という判断は危険です。無理をして痛みを悪化させると、運動そのものができなくなります。

持病がある場合は、運動内容を相談してください

心臓の病気がある方、糖尿病の合併症(神経障害、網膜症など)がある方、強い息切れやめまいが続く方は、自己流で運動の負荷を上げないでください。

運動の種類や強さは、年齢・持病・関節の状態によって変わります。内科や整形外科、場合によっては理学療法士に相談することも一つの選択肢です。

「運動できない状態だから医療ダイエットには向いていない」と思う必要はありません。安全に続けられる形を一緒に考えることが、医療機関でダイエットを相談する意味の一つです。

医療ダイエットは「薬だけ」ではなく、戻りにくい生活を作る期間です

マンジャロやリベルサスを使っている間に整えたいこと

薬によって食欲や食事量が落ち着いている時期は、生活習慣を整えるうえで動きやすい時間でもあります。

食事量・たんぱく質の確保・間食の見直し・軽い筋トレ。これらを少しずつ習慣にしていくことが、薬をやめた後に体重を戻しにくくするための準備になります。

薬をやめると、食欲が戻ってくることがあります。そのときに生活習慣の土台ができていなければ、また体重が戻るサイクルに入りやすくなります。薬を使っている間に「戻りにくい生活の型」を作ることが、医療ダイエットの本来の目的です。

薬をやめた後の食欲復活に備える生活習慣

体重だけでなく、体調・食事量・採血も確認します

マンジャロやリベルサスでは、吐き気、便秘、下痢、食欲低下などの副作用が出ます。多くは使い始めの数週間に出やすく、徐々に落ち着くことが多いですが、食事や水分がほとんど取れない状態が続くようなら、自己判断で続けてはいけません。すぐに処方した医師に連絡してください。

また、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの持病がある方は、体重だけでなく血液データも変化します。必要に応じて採血を行い、体の内側の変化も確認しながら進めることが欠かせません。

当院では、診察のたびに体重・体調・食事量を確認し、必要なタイミングで採血を行っています。「なんとなく調子が悪い」という感覚も、見逃さないようにしています。

ウォーキングに筋トレを少し足すだけで、リバウンド対策は始められます

ウォーキングはやめなくていい運動です。体を動かす習慣として、続けてください。

ただ、「痩せた後に体重を戻しにくくする」という目的では、ウォーキングだけより、軽い筋トレを少し足した方が現実的です。

最初は歯磨き中のスクワット1セット、それだけでも構いません。テレビを見ながら椅子の立ち座りでもいい。特別な時間を確保しなくていいので、生活の中にそっと組み込んでみてください。

膝や腰に不安がある方は、浅いスクワットや椅子からの立ち座りから始めてください。持病がある方は、受診時に運動の方法を相談してください。

薬を使っている方は、その期間を「リバウンドしにくい生活の型を作る時間」と位置づけてください。体重の数字だけを追うより、食事・運動・体調管理が少しずつ整った状態で薬を卒業することが、長く維持するための道筋です。

富士市・富士宮市でダイエット外来を検討している方は、「富士市・富士宮市でダイエット外来をお探しの方へのご案内」も参考にしてください。沼津市周辺から通院を検討されている方には、「沼津市でのダイエット外来の選び方」もご用意しています。当院の診療方針については、「富士在宅診療所が選ばれる理由」でも詳しくご紹介しています。

まとめ

ウォーキングは健康に良い運動です。続けてください。

ただ、リバウンド予防を目的にするなら、ウォーキングだけに頼らず、筋肉を守る軽い筋トレを少し加えることをおすすめします。特別な器具もジムも必要ありません。歯磨き中のスクワット、テレビを見ながらの椅子の立ち座り。生活の中にそっと入れるだけで、出発点になります。

薬を使っている方は、その期間を「戻りにくい体の習慣を作る時間」として使ってください。食事・運動・体調管理が少しずつ整った状態で薬を卒業することが、長く体重を維持するための道筋です。

体調や運動の方法に不安がある方は、診察時にご相談ください。医師と相談しながら進めることが、自己流より安心です。

よくある質問(FAQ)

ウォーキングだけではリバウンド予防になりませんか?

ウォーキングは心肺機能の維持や血糖・血圧の管理に役立つ、健康面では優れた運動です。ウォーキングをやめる必要はありません。

ただ、リバウンド予防の観点では、筋肉を守ることも同じくらい重要です。有酸素運動は消費カロリーに貢献しますが、筋肉量を維持・増加させる役割は筋トレの方が得意です。ウォーキングを続けながら、歯磨き中のスクワットや椅子からの立ち座りなど、軽い筋トレを加えてみてください。

筋トレは毎日しないと意味がありませんか?

毎日でなくても、続けることに意味があります。週2〜3回でも、筋肉への刺激を与え続けることは筋肉量の維持につながります。

最初は「歯磨き中にスクワット1セット」から始めてみてください。頻度よりも「ゼロにしない」ことを優先するのが、長く続けるコツです。

膝が痛い場合、スクワットはしない方がいいですか?

膝に痛みがある場合、通常のスクワットは無理にしなくて構いません。椅子からのゆっくりとした立ち座り、浅い角度のスクワット、座ったままの足上げなど、膝への負担が少ない動きから始めてください。

痛みが出たら、その運動はいったん中止してください。症状が続く場合は、整形外科や内科への相談をおすすめします。

マンジャロやリベルサスで痩せている間も運動は必要ですか?

薬が効いている間も、筋トレは取り入れた方が良いです。食事量が減ると、脂肪だけでなく筋肉も落ちやすくなります。軽い筋トレを続けることで、筋肉量をできるだけ保ちながら体重を落としていくことができます。

1日10分の筋トレでも本当に意味がありますか?

意味はあります。1日10分で筋肉が劇的に増えるわけではありませんが、「運動をしない状態を続けない」ことには確かな意義があります。

これまで筋トレの習慣がなかった方にとっては、まず体を動かす習慣を作ることが最初の一歩です。完璧なメニューより、今日から続けられる形を選ぶことが先決です。

【参考文献】
  1. 厚生労働省. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023.
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