痩せた後に筋トレは必要?リバウンド予防としての運動の考え方

  • 痩せた後のリバウンド予防には、筋トレが役立ちます。
  • ジム通いや本格的な筋トレは必須ではありません。
  • マンジャロやリベルサスで痩せた方も、筋肉量の低下には注意します。
  • ウォーキングに軽い筋トレを足すと、体重維持に取り組みやすくなります。
  • 薬の中止や再開は、体重だけで判断してはいけません。
目次

痩せた後のリバウンド予防に、筋トレは役立ちます

「せっかく痩せたのに、筋トレをしないと全部無駄になるのだろうか」

そう感じている方に、まず結論をお伝えします。筋トレはリバウンド予防に役立ちます。ただし、「筋トレをしなければ必ずリバウンドする」という話ではありません。

目的は、さらに追い込んで痩せることではありません。減量中に落ちやすい筋肉を守り、薬をやめた後も体重を維持しやすい体に整えていくことです。

最初から本格的な筋トレは必要ありません

ジムに通う必要も、重いバーベルを持つ必要もありません。自宅でできる軽い運動から始めれば十分です。

「筋トレが続かなかった」「ジムに行くのが面倒」という方ほど、最初のハードルを下げることが先決です。週2〜3回、10分程度の自重運動でも、習慣として続けることに意味があります。

目的は「さらに痩せること」より「戻りにくくすること」

筋トレの目的をボディメイクに置くと、続けるのが苦しくなります。リバウンド予防という観点では、筋肉量と日常の活動量を守ることが軸になります。体重をさらに落とすためではなく、今の体重を維持しやすくするための土台として運動を位置づけてください。

薬で痩せた方は特に、維持期に向けた運動習慣を意識しておく意味があります。その理由は後述します。

リバウンドについて詳しく知りたい方はこちら
筋トレの重要性とメリットに関してはこちら

なぜ減量後は筋肉が落ちやすいのか

体重が減ると、脂肪だけが減るわけではありません

ダイエット中、体は脂肪だけを選んで落としてくれるわけではありません。食事量が大きく減ると、エネルギー不足を補うために筋肉も分解され、筋肉量が落ちます。

食事量が減ると、たんぱく質も不足しやすくなります

食事全体の量が減れば、当然たんぱく質の摂取量も落ちます。たんぱく質は筋肉をつくる材料です。不足が続くと、筋肉量の低下につながります。意識してたんぱく質を確保しようとしなければ、知らないうちに不足しているケースは少なくありません。

筋肉が減ると、以前と同じ生活でも戻りやすくなります

筋肉量が落ちると、基礎代謝(安静時に消費するエネルギー)や日常的な活動量に影響します。「以前と同じように食べているのに体重が戻りやすくなった」と感じる背景のひとつに、このメカニズムがあります。

リバウンドを「意志が弱いから」と片づけるのは正確ではありません。筋肉量が落ちた状態では、体の構造として体重が戻りやすくなります。

有酸素運動と筋トレ、リバウンド予防ではどう使い分ける?

「毎日ウォーキングはしているが、それだけでは不十分ですか?」という疑問は、よく受けます。

ウォーキングは続けてよい運動です

ウォーキングを否定する必要はありません。血糖値のコントロール、血圧の管理、気分の安定、睡眠の質、日常の活動量維持など、さまざまな面で役立つ運動です。続けやすいという点でも、日常の土台として価値があります。

筋肉を守る目的では、筋トレも入れます

ただし、筋肉量を「維持する・増やす」という目的では、有酸素運動より筋トレの方が向いています。ウォーキングは筋肉に直接負荷をかける運動ではないため、筋肉量の維持という点では限界があります。

どちらか一方ではなく、役割を分けます

有酸素運動と筋トレは、どちらが優れているという話ではなく、役割が違います。「歩く習慣はそのまま続けながら、軽い筋トレを週2〜3回足す」という形が、リバウンド予防として現実的です。

運動の種類 得意なこと リバウンド予防での位置づけ
ウォーキング 活動量を増やし、血糖や血圧の管理に役立つ 毎日の土台になる運動
筋トレ 筋肉量の維持に向いている 体重を維持しやすい体づくりに役立つ
組み合わせ 歩く習慣に軽い筋トレを足す 無理なく続けやすい方法

※スマートフォンでは表を横にスクロールしてご覧いただけます。

マンジャロ・リベルサスで痩せた人ほど、運動習慣を作っておきたい理由

薬で食欲が落ちている間は、食事量も筋肉量も変わります

マンジャロやリベルサスは、食欲に働きかける薬です。食欲が落ち着くことで食事量が減り、体重が落ちやすくなります。

一方で、食事量が大きく落ちると、たんぱく質の摂取量も減ります。たんぱく質不足と活動量の低下が重なると、筋肉量の低下につながります。体重が落ちていても、その中に筋肉量の変化が含まれている点には注意が必要です。

薬をやめた後は、食欲が戻る人がいます

薬をやめた後、食欲や食事量が戻る人がいます。そのとき、筋肉量が落ちた状態のままであれば、体重が戻りやすくなります。「薬をやめたら一気に戻った」という経験をされた方の背景には、こうした変化が関係しています。

運動は「薬をやめる準備」にもなります

薬が効いている期間は、ただ体重を落とす時期ではありません。薬をやめた後の維持に備える時期でもあります。この期間に食事の内容を見直し、少しずつ運動の習慣をつくっておくことが、維持期への移行をスムーズにします。

なお、薬の増量・減量・中止・再開は自己判断で行ってはいけません。体重の数字だけで判断するのではなく、体調や採血の結果を含めて医師と相談してください。

マンジャロをやめた後のリバウンド対策についてはこちら
リベルサス終了後の体重維持についてはこちら
自由診療のダイエット薬の考え方はこちら

まずはこの程度で十分です|現実的な筋トレの始め方

「ジムに行く気になれない」「続けられる気がしない」という方向けに、現実的な始め方を示します。

スクワット、椅子からの立ち座り、壁腕立てから始めます

自宅でできる自重運動で十分です。以下のような動きが取り組みやすい例です。

  • スクワット:5〜10回から。脚・お尻・体幹に効きます。
  • 椅子からの立ち座り:膝に不安がある方向け。スクワットの代わりになります。
  • 壁腕立て伏せ:壁に手をついて行う腕立て。腕立てが難しい方でも取り組めます。
  • かかと上げ:立ったままかかとを上げ下げするだけ。料理中でもできます。
  • 軽い体幹運動:寝たままできるものもあります。

1日10分より、週に何回か続く形を選びます

「毎日10分やる」より「週2〜3回、続けられる形でやる」を優先してください。完璧な習慣より、崩れにくい習慣の方が長続きします。回数やセット数は厳密に決めなくてかまいません。

痛みがある人は、痛みを我慢して行ってはいけません

膝や腰に痛みがある方は、負荷を下げた方法から始めてください。スクワットが難しければ、椅子からの立ち座りに変えるだけでも十分です。強い痛みや、運動後に痛みが悪化する場合は、運動を中止して医師に相談してください。動悸、強い息切れ、めまい、胸部の不快感が出た場合も、すぐに中止してください。

糖尿病、心疾患、腎機能の低下がある方は、運動の種類や強度を自己判断で変えないでください。

筋トレだけでは不十分です。食事・体重測定・採血も合わせて見ます

筋トレを始めれば体重が維持できる、という話ではありません。運動はあくまでも要素のひとつです。

たんぱく質不足を見逃さない

筋肉量を守るには、食事からのたんぱく質が欠かせません。食事量を極端に減らしながら筋トレだけ増やすと、かえって体への負担が増します。食事量・たんぱく質・間食・飲み物・睡眠を合わせて見直すことが、筋トレと並行して必要です。

腎機能が低下している方が高たんぱく食を自己判断で始めることは、腎臓への負担を増やします。たんぱく質の摂取量を増やす前に、医師に相談してください。

体重は日々の増減ではなく流れで見る

体重は1〜2kgの日々の変動が普通にあります。前日より増えた数字に毎回反応する必要はなく、週単位・月単位の傾向で見てください。体重が少し戻っても、すぐ失敗と決める必要はありません。ただし、明らかな増加が続く、食欲のコントロールが難しくなってきた場合は早めに相談してください。

採血で確認すべき項目があります

以下のような状態が続く場合は、医師に相談してください。

  • 急に体重が落ちすぎている、または倦怠感が続く
  • めまい、動悸、強い息切れがある
  • 嘔気、便秘、腹痛などの副作用が続く
  • 脱毛、筋力低下、ふらつきがある
  • 食事量が極端に落ちている

医療ダイエットでは、必要に応じて採血を行い、血糖・脂質・肝機能・腎機能・栄養状態なども確認します。

体重が落ちない時期の見方はこちら

富士市・富士宮市・沼津市周辺で、減量後の維持が不安な方へ

薬を使うかどうかより、続けられる形を一緒に考えます

富士市・富士宮市・沼津市周辺でダイエット外来を探している方に、当院の考え方をお伝えします。

薬の処方だけを行って終わり、というスタイルではありません。診察と体調確認を重ね、必要に応じて採血で血糖・脂質・肝機能・腎機能なども確認します。

減量後の体重維持に不安がある、運動が苦手でどこから始めればいいかわからない、薬をやめるタイミングがわからない、少し体重が戻ってきた、そういった相談にも対応しています。リバウンドしたからといって責める場ではありません。立て直し方を一緒に考えます。

当院は生活習慣病や在宅医療を通じた地域医療の経験を持ちます。体重を落とすことだけでなく、体調や将来の健康を含めて体重管理を考えます。

富士市・富士宮市でダイエット外来を検討している方へ
沼津市周辺でダイエット外来を探している方へ

外来でよくある誤解「毎日歩いているから、筋トレは不要」の落とし穴

実際の外来でも、患者さんから「毎日一生懸命ウォーキングをしています」というお話を本当によく伺います。

誤解のないようにお伝えしておくと、有酸素運動は健康面や血圧・血糖の管理において素晴らしい習慣です。しかし、こと「ダイエット(減量・維持)」という文脈においては、実は有酸素運動だけで体重を落としたり、リバウンドを防いだりするのは非常に困難である、という現実があります。

だからこそ私は、外来で「まずは1日10分で構いません。スクワットなどの軽い筋トレを始めましょう」とお話ししています。薬を使っている期間も、そして使用を終えた後も、筋肉量を守って基礎代謝を高く保ち続けること。これこそが、長期的なリバウンド予防において最も確実で、効率の良い近道になるからです。

まとめ

痩せた後のリバウンド予防において、筋トレは有効な手段のひとつです。ただし、最初から本格的なものをする必要はありません。ジムに通わなくても、自宅でできる軽い運動から始められます。

ウォーキングを続けながら、週2〜3回の軽い筋トレを足すことが、現実的な第一歩です。マンジャロやリベルサスを使っている方は、薬が効いている間に食事と運動の習慣を少しずつつくっておくことが、維持期への移行に役立ちます。

体重が少し戻ってきた、運動が続いていない、薬をやめるタイミングがわからない、そういった場合は一人で抱え込まないでください。体重だけでなく、体調や採血の結果も見ながら、一緒に考えます。

よくある質問(FAQ)

痩せた後に筋トレをしないと、必ずリバウンドしますか?

筋トレをしなければ必ずリバウンドするわけではありません。ただし、筋肉量が落ちた状態で食事量が元の水準に戻れば、体重が戻りやすくなります。筋トレは確実なリバウンド予防策ではなく、体重を維持しやすい体をつくるための手段のひとつです。運動が難しい事情があるときは、まず食事の内容から見直すことも選択肢になります。できる範囲で続けることが、長い目で見て意味を持ちます。

リバウンド予防には、ウォーキングと筋トレのどちらがよいですか?

どちらかを選ぶ話ではなく、役割が違います。ウォーキングは活動量、血糖、血圧、気分の管理に向いており、続けやすい運動です。一方、筋肉量を守る目的では筋トレの方が適しています。「ウォーキングは続けているが筋トレはしていない」という方は、自宅でできる軽い筋トレを週2〜3回足してみてください。

マンジャロやリベルサスで痩せた場合も、筋トレは必要ですか?

薬で食欲が落ちている間は、たんぱく質も減りやすく、筋肉量が落ちる人がいます。薬をやめた後に食欲が戻ったとき、筋肉量が少ない状態では体重が戻りやすくなります。「必ず筋トレしなければならない」ということはありませんが、薬が効いている間に少しずつ運動の習慣をつくっておくことは維持期の移行に役立ちます。薬の中止・再開は必ず医師と相談してください。自己判断で変えてはいけません。

膝や腰が痛い場合、筋トレはしない方がいいですか?

痛みを我慢して行ってはいけません。ただし、痛みがある部位を避けた運動や負荷を下げた方法であれば、取り組めるものがあります。膝が痛い方には椅子からの立ち座りやかかと上げ、腰に負担をかけない体幹運動などが候補になります。強い痛み、しびれ、運動後に痛みが悪化する場合は中止して、整形外科や主治医に相談してください。「膝が痛いからゼロ」と決める前に、負荷の低い方法を探すことをすすめます。

体重が少し戻ってきたら、すぐ薬を再開した方がいいですか?

日々の体重変動はだれにでもあります。少し戻った程度で失敗と判断する必要はありません。ただし、明らかに増加が続いている、食欲のコントロールが難しくなっているという場合は、早めに相談することをすすめます。薬の再開・増量・減量は、体重の数字だけで判断してはいけません。体調・採血・生活状況を含めて医師と相談して決めてください。自己判断で再開・増量することは避けてください。

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