- オルホルグリプロンは、飲み薬として使える低分子GLP-1受容体作動薬です。
- 米国では2026年4月にFoundayoという商品名で承認されました。
- ただし、日本では現時点で承認薬として一般的に処方できる段階ではありません。
- 注射に抵抗がある方にとって、将来的な選択肢になる可能性があります。
- 効果には個人差があり、食事・運動療法との併用が前提です。
- リベルサス、マンジャロなどとは、薬の種類・使い方・日本での扱いが異なります。
- 新しい薬を待つだけでなく、今使える治療や生活習慣の見直しを進めることも大切です。
2026年4月、米国で「飲み薬として使えるGLP-1受容体作動薬」が承認されたというニュースが、ダイエットや肥満症治療に関心のある方の間で話題になっています。その薬が、オルホルグリプロン/オルフォルグリプロン(orforglipron、米国商品名:Foundayo)です。
注射薬に抵抗がある方にとって、「飲み薬で使えるGLP-1薬」という情報は自然と目に止まります。ただ、現時点で日本に住む方にとって最初に知っておいてほしいことがあります。オルホルグリプロンは、日本では現時点(2026/04/27)で承認薬として一般的に処方できる段階にありません。
この記事では、オルホルグリプロンとはどんな薬か、米国でのFDA承認の内容、日本での現状と今後、副作用と安全性、そしてリベルサス・マンジャロ・ゼップバウンド・ウゴービなど既存薬との違いを整理します。「新薬を待つべきか、今の治療を始めるべきか」という迷いへの考え方についても触れます。
オルホルグリプロンとは|「飲めるGLP-1薬」が注目される理由
GLP-1受容体作動薬とは何か、まず整理しておく
GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、食事をとったときに小腸から分泌されるホルモンの一つです。食欲の調整、満腹感の延長、血糖値の上昇に応じたインスリン分泌の促進など、いくつかの生理的な働きに関わっています。
GLP-1受容体作動薬は、このGLP-1の働きを利用した薬です。もともとは2型糖尿病の治療薬として開発されたものが多く、近年は体重減少効果が注目され、肥満症治療としても使われるようになってきました。
「食欲を無理やり抑え込む薬」というイメージを持つ方もいますが、より正確には、脳の満腹中枢や消化管への作用を通じて、食欲・満腹感の調整に関わる薬です。作用の出方には個人差があり、全員に同じ効果が出るわけではありません。
なぜ「飲み薬」であることが話題になるのか
現在、体重減少効果が高いとされるGLP-1関連薬の多くは注射薬です。ウゴービ、ゼップバウンド(日本ではマンジャロという名で知られるチルゼパチドの肥満症適応製品)、サクセンダなどは、いずれも自己注射または医療機関での注射が必要な薬です。
注射への心理的な抵抗は、治療継続の壁になることがあります。「効果があるとわかっていても、注射は苦手」「自己注射が不安」「旅行中の保管・廃棄が面倒」——こうした声は、ダイエット外来でも実際によく聞かれます。
飲み薬であれば、こうした心理的なハードルが下がる可能性があります。通院の合間でも服用を継続しやすく、日常生活への組み込みがしやすいという利点も考えられます。
ただし、飲み薬だから必ず安全、あるいは誰にでも向いているとは言えません。服用の手軽さと、薬としての効果・副作用・リスクは、別の話として整理する必要があります。
低分子GLP-1薬としての仕組み——従来の経口薬との違い
オルホルグリプロンは、経口投与できる低分子GLP-1受容体作動薬です。
GLP-1受容体作動薬の多くはペプチド(タンパク質の一種)でできており、消化管で分解されやすいため、もともと経口投与が難しい薬でした。リベルサス(経口セマグルチド)はペプチド型のGLP-1薬を飲み薬として実用化するために、吸収補助成分を配合し、特定の服用条件のもとで吸収させる設計になっています。
一方、オルホルグリプロンは低分子化合物です。ペプチドではなく、合成された小さな分子がGLP-1受容体に直接作用する仕組みで、消化管での分解を受けにくい性質を持ちます。米国での説明では、食事や水の量・タイミングによる服用制限が少ない飲み薬として紹介されています。
ただし、日本で将来的に承認される場合には、国内での審査内容に基づいた用法・用量が設定されます。米国での服用方法がそのまま日本でも適用されるとは限らないため、現時点での断定は避けてください。
日本では現時点で未承認です——まず知っておきたい大前提
FDA承認(米国・2026年4月)の内容と対象
米国食品医薬品局(FDA)は、2026年4月1日にFoundayo(orforglipron)を承認しました。承認の対象は、肥満症の成人、または体重に関連する健康上の問題(高血圧・脂質異常症・2型糖尿病など)を伴う過体重の成人です。
承認の条件として、「減量食と身体活動の増加との併用」が前提とされており、薬だけで完結する治療として位置づけられているわけではありません。この点は、他のGLP-1関連薬と同様の考え方です。
なお、オルホルグリプロンの開発背景として、創薬を手がけた中外製薬がLillyと連携していることが公表されています。ただし、この承認はあくまで米国でのものであり、中外製薬が日本での承認を発表したものではありません。
日本での承認状況と今後の見通し
日本では、現時点でオルホルグリプロンは承認薬として一般的に処方できる状況にありません。
将来的に日本での承認申請・審査が進む可能性はありますが、承認の時期・適応の範囲・薬価・保険適用の有無・処方条件などは、現時点では未確定です。「米国で承認されたから、日本でもすぐに使えるようになる」という前提は、現時点では確実なものとして扱えません。
医療情報として正確にお伝えするならば、「将来的な選択肢として期待はされているが、日本での使用について現時点で断定できることはない」というのが誠実な表現です。
海外で承認された薬が日本でそのまま使えるわけではない理由
医薬品の承認は、国ごとに独立した制度のもとで行われます。米国FDAの承認と、日本の厚生労働省による承認は、まったく別のプロセスです。
日本での承認には、国内での有効性・安全性の審査、日本人を対象としたデータの確認、対象患者の設定、用法・用量の決定、薬価の算定などが必要になります。海外で承認されているという事実は参考情報にはなりますが、それだけで日本での使用が認められるわけではありません。
過去にも、海外では広く使われている薬が日本では承認されていなかったり、適応の範囲が異なっていたりするケースは珍しくありません。
個人輸入・非正規ルートについて、医師として伝えておきたいこと
未承認薬を個人輸入で入手しようとする方が一定数いることは、医療現場でも把握しています。ここでは安全管理の観点から、率直にお伝えします。
個人輸入による未承認薬の使用には、以下のようなリスクがあります。
- 偽造品・品質不良品が流通している可能性がある
- 保管状態や流通ルートが適切でない場合がある
- 副作用が出たときに、医師による管理・対応を受けにくい
- 他の薬との相互作用や禁忌の確認が十分にできない
- 正確な用量管理が難しい
体重減少を目的とした薬は、消化器症状だけでなく、血圧・血糖・心拍数・胆のうなどにも影響しうる薬です。医師の管理なしでの使用は、効果が出ない場合だけでなく、健康を損なうリスクがあります。個人輸入による未承認薬の使用は、安易にお勧めできません。
オルホルグリプロンの効果——臨床試験でわかっていること
体重減少効果のデータ:何%減ったのか
製造元のEli Lillyが発表した情報によると、ATTAIN-1試験の最高用量群において、平均約27ポンド(約12kg)の体重減少が示されたとされています。
この数字を読むとき、以下の点を踏まえてください。
- これは試験の最高用量群における平均値であり、すべての参加者が同じ結果を得たわけではありません
- 食事・運動療法との併用が前提となっています
- 試験参加者の体重・体格・生活背景は、日本の一般的な読者とは異なる可能性があります
- 個人差があり、薬の反応が出やすい方と出にくい方がいます
「平均でこれだけ減った」という数字だけが一人歩きすると、期待と実際の結果のギャップが大きくなりやすいです。あくまで試験条件下での参考情報として受け取っていただくのが適切です。
血糖値・メタボリスク指標への影響
GLP-1受容体作動薬は、体重減少だけでなく、血糖コントロール・血圧・脂質・肝機能などの指標にも影響を与えることがあります。体重が減ることで、生活習慣病のリスク因子が改善される可能性も期待されています。
ただし、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの合併症がある場合は、薬の選び方が変わることがあります。合併症の種類や程度は、治療薬を選ぶ際の重要な要素の一つです。
「どれくらい効くか」は個人差がある——過度な期待を持たないために
GLP-1受容体作動薬に対する反応には、個人差があります。もともとの体重、食事量、活動量、睡眠の質、ストレス、既往歴、服用中の薬などが影響します。副作用の出方や継続しやすさにも個人差があり、理論上は効果が期待されても、副作用で続けられなければ結果につながりません。
また、薬を使って体重が減った後の維持が課題になります。薬をやめた後のリバウンドをどう防ぐか、減量後の体重をどう維持するかも含めた、治療全体の設計が重要です。
副作用と安全性——気になる点を正直に整理する
消化器系の副作用(吐き気・下痢・便秘・嘔吐)の頻度と対処
GLP-1受容体作動薬に共通した副作用として、消化器系の症状が多く報告されています。吐き気、下痢、便秘、嘔吐、胃もたれ、食欲低下などが代表的なものです。
これらの症状は、治療開始時や増量時に出やすく、時間の経過とともに落ち着いてくることが多いとされています。一般的な対応としては、食事量を急に減らしすぎない、脂っこい食事を控える、十分な水分補給をするといった工夫が挙げられます。症状が強い場合や長引く場合は、自己判断で続けることはせず、医師に相談することが大切です。
GLP-1薬全般として確認が必要なリスク(膵炎・胆のう・低血糖)
GLP-1受容体作動薬を使用する際には、以下のリスクについて医師との確認が必要です。
膵炎: 強い腹痛・背部痛・嘔吐が続く場合は、膵炎の可能性を考えて速やかに受診が必要です。
胆のう系のトラブル: 胆石・胆のう炎などが報告されており、腹部の痛みや黄疸に似た症状には注意が必要です。
低血糖: GLP-1受容体作動薬の単独使用では低血糖は起こりにくいとされていますが、インスリンやスルホニル尿素薬(SU薬)など他の糖尿病薬と併用する場合には低血糖のリスクが高まります。
脱水・腎機能への影響: 嘔吐・下痢による脱水が続くと、腎機能に影響が出ることがあります。
妊娠中・授乳中・特定の持病がある方への注意
妊娠中・授乳中の方、または妊娠を希望している方は、GLP-1受容体作動薬の使用について必ず事前に医師に相談してください。
膵炎の既往がある方、胆のう疾患がある方、重篤な消化器疾患や腎機能障害がある方は、薬を始める前に慎重に検討が必要です。甲状腺髄様癌や多発性内分泌腫瘍症2型(MEN2)など、GLP-1薬全般で確認されている禁忌・注意事項については、薬剤ごとの添付文書で確認する必要があります。
なお、オルホルグリプロンは日本未承認薬であるため、日本語の添付文書が存在しません。情報の確認に際しては、この点に注意が必要です。
長期使用の安全性はまだ確立されていない
新たに承認された薬は、市販後の実臨床での使用によって初めてわかる情報もあります。長期使用による体重維持の効果、使用中止後のリバウンドの程度、長期的な安全性については、今後のデータ蓄積が必要です。
「新しい薬だから優れている」と短絡的に考えるのではなく、「既存の薬には積み上げられた実臨床データがある」という視点もあわせて持っておくと、情報の受け取り方がより冷静になります。
リベルサスとの違い——同じ「飲むGLP-1薬」として比較する
リベルサスの服用制限と使いやすさの課題
リベルサス(一般名:経口セマグルチド)は、現在日本で使用できる経口GLP-1受容体作動薬です。日本では2型糖尿病の治療薬として承認されており、肥満症治療薬としての承認ではありません。
リベルサスの服用方法には制限があります。起床後すぐの空腹の状態で、水は120mL以下の少量で服用し、服用後30分間は飲食や他の薬の服用を避ける必要があります。この制限は、有効成分の吸収を確保するための設計上の条件です。生活リズムによっては、この条件を毎日守ることが難しい方もいます。
一方、オルホルグリプロンは低分子化合物であるため、米国での情報では食事や水のタイミングによる服用制限が少ない点が特徴として紹介されています。ただし、日本で将来的に承認される場合には、国内審査での用法・用量に従う必要があります。現時点で「リベルサスより必ず使いやすい」と断定することは適切ではありません。
体重減少効果の違いはあるか
リベルサスとオルホルグリプロンを直接比較した試験は、現時点では確認されていません。また、リベルサスは日本では2型糖尿病治療薬、オルホルグリプロンは米国で肥満症・過体重を対象に承認された薬であり、対象患者や使用目的の位置づけが異なります。
試験条件が異なるデータを単純に比べることは、どちらが「痩せやすい薬か」を判断するうえで適切ではありません。「直接比較試験がない以上、単純な優劣はつけられない」というのが現時点での正確な整理です。
どちらが自分に向いているか:現時点での考え方
日本で現時点で使用できる経口GLP-1薬はリベルサスです。オルホルグリプロンは、日本では現時点で一般的な治療選択肢として使える段階にありません。
服薬のしやすさ、費用、効果、安全性、合併症の有無、承認状況を総合的に見たうえで、主治医と相談しながら判断することが基本的な考え方です。
マンジャロ・ゼップバウンドなどとの違い——注射薬と何が変わるか
注射薬の特徴をおさらいする
注射薬として使われている主なGLP-1関連薬は以下のとおりです。
マンジャロ(一般名:チルゼパチド): GIPとGLP-1の両方の受容体に作用するGIP/GLP-1受容体作動薬です。週1回の注射で、日本では2型糖尿病の治療薬として承認されています。
「マンジャロ=痩せる薬」として認識している方も多いですが、日本での適応は糖尿病治療であり、肥満症の治療薬としての適応は同じチルゼパチドを成分とする別の製品名、ゼップバウンドが担っています。日本での承認状況については、最新の情報を医療機関で確認することをお勧めします。
ウゴービ(一般名:セマグルチド注射剤): GLP-1受容体作動薬の注射薬で、日本では肥満症の治療薬として承認されています。週1回の注射です。ただし、保険診療で使用できる対象には条件があり、誰でも保険で使えるわけではありません。
サクセンダ(一般名:リラグルチド): GLP-1受容体作動薬の毎日注射の薬です。注射の頻度が高く、生活への組み込みが課題になる方もいます。日本での流通・処方状況については、医療機関で確認することをお勧めします。
いずれの注射薬も、注射への心理的な抵抗、自己注射の手技、保管・廃棄の管理、費用などが、継続の壁になることがあります。
「注射が苦手」という理由で飲み薬を選ぶことの是非
「注射が苦手だから飲み薬のほうがよい」という気持ちは、自然なことです。ただし、注射が苦手という理由だけで飲み薬が最善の選択とは言い切れません。
薬の選択には、体重減少効果の期待値、副作用の出やすさ、費用、継続しやすさ、合併症の有無と重症度などを組み合わせて考える必要があります。注射薬には心理的なハードルがある一方で、効果と安全性に関する実臨床データが蓄積されているという側面もあります。飲み薬のほうが必ず安全、あるいは効果が軽いとも言えません。
また、現時点でオルホルグリプロンは日本では使えないため、「注射が苦手だからオルホルグリプロンを待つ」という選択が合理的かどうかは、日本での承認時期が見えない現状を踏まえて判断する必要があります。
体重減少効果・費用・継続しやすさで比較したとき
薬を選ぶ際に考えると良い比較軸は、「効果の強さ」だけではありません。以下のような観点を総合的に見ることが、自分に合った治療選択の出発点になります。
| 比較の観点 | 確認すべき内容 |
|---|---|
| 体重減少効果 | 試験データ上の平均値と、個人差の幅 |
| 副作用の出やすさ | 消化器症状の頻度・対処のしやすさ |
| 費用 | 月々の目安、保険適用の有無 |
| 服用・注射の負担 | 毎日か週1回か、服用条件の有無 |
| 継続しやすさ | 生活スタイルとの相性 |
| リバウンド対策 | 使用中止後の体重管理の方針 |
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「新しい薬を待つべきか、今ある治療を始めるべきか」という迷いに答える
オルホルグリプロンが日本で使えるようになるまでに時間がかかる理由
日本でオルホルグリプロンが一般的に使えるようになるには、国内での承認申請・審査・適応範囲の決定・薬価の算定・流通体制の整備などのプロセスが必要です。海外で承認された薬が日本で使えるようになるまでに時間差が生じることは、珍しくありません。
「いつから使えるようになるか」は、現時点では確実に答えられる情報がなく、医師の立場でも断定はできません。「近いうちに使えるはず」と期待して治療開始を先送りにする判断は、現在の健康状態を踏まえて慎重に考える必要があります。
肥満症・生活習慣病は「待ち続ける」ことにもリスクがある
体重増加や肥満が続くことは、血糖値・血圧・脂質・脂肪肝・睡眠時無呼吸・膝や腰への負担などに影響します。体重が増えた状態が続くほど、減量のハードルが上がることがあり、合併症が進行するリスクも出てきます。
新薬を待つことが必ずしも悪いわけではありません。しかし、「待っている間に何もしない」という選択が最善かどうかは、現在の体重・検査値・健康状態によって変わります。新しい薬を待つことと、今できる治療を始めることは、必ずしも対立しません。
薬だけに頼らない治療の重要性——食事・活動量・睡眠・リバウンド対策
どの薬を選ぶ場合にも、生活習慣の土台は重要です。食事の内容・量・バランス、たんぱく質の確保、間食の見直し、飲酒量、睡眠の質と時間、日常の活動量(NEAT:日常生活における非運動性活動)などは、薬の効果にも影響を与えます。
また、薬を使って体重を減らした後の維持・リバウンド対策まで含めた治療設計が大切です。薬は治療の一つの要素であり、生活習慣の改善とセットで考えることが、長期的な結果につながります。
今使える治療選択肢をダイエット外来で相談する意味
体重・合併症・生活スタイル・費用・注射への抵抗感で選択肢は変わる
以下の比較表で、主な薬剤の現時点での位置づけを整理します。
比較表1:主なGLP-1関連薬の整理
| 薬剤名 | 薬のタイプ | 投与方法 | 日本での主な扱い | 特徴・注意点 |
|---|---|---|---|---|
| オルホルグリプロン (Foundayo) |
低分子経口GLP-1受容体作動薬 | 経口(飲み薬) | 日本未承認 現時点で一般処方不可 |
服用制限が少ないとされる。長期データは今後の蓄積が必要 |
| リベルサス | 経口セマグルチド (GLP-1受容体作動薬) |
経口(飲み薬) | 日本承認 2型糖尿病治療薬 |
日本で使える経口GLP-1薬。服用時の制限あり |
| マンジャロ | チルゼパチド (GIP/GLP-1受容体作動薬) |
注射(週1回) | 日本承認 2型糖尿病治療薬 |
2つの受容体に作用。肥満症適応はゼップバウンド |
| ゼップバウンド | チルゼパチド (GIP/GLP-1受容体作動薬) |
注射(週1回) | 日本で肥満症治療薬として適応あり | マンジャロと同成分。注射の負担・費用に注意 |
| ウゴービ | セマグルチド (GLP-1受容体作動薬) |
注射(週1回) | 日本承認 肥満症治療薬 |
肥満症治療のGLP-1注射薬。保険適用には条件あり |
| サクセンダ | リラグルチド (GLP-1受容体作動薬) |
注射(毎日) | 日本での扱いは医療機関で要確認 | 毎日注射が必要。注射頻度の負担に注意 |
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※承認状況・適応は変わることがあります。最新情報は医師または公的情報源でご確認ください。
同じ体重であっても、合併症の有無・生活背景・費用の許容範囲・注射への抵抗感などによって、向いている治療は変わります。糖尿病がある場合、高血圧・脂質異常症を伴っている場合、脂肪肝や睡眠時無呼吸がある場合では、薬の選び方の優先順位も変わります。
比較表2:新薬を待つ場合と、今ある治療を始める場合の整理
| 考え方 | メリット | 注意点 | 向いている人 | 医師に相談したいこと |
|---|---|---|---|---|
| 日本での承認を待つ | 承認後は正規ルートで安全に使える可能性 | 承認時期が未定。待つ間に健康状態が変化する可能性 | 健康状態が安定しており、生活習慣改善を継続できる方 | 今の体重・検査値で急いで治療すべき状態かどうか |
| 今ある治療を始める | 現時点で使える薬・方法で早期に取り組める | 今後、新しい選択肢が増える可能性はある | 合併症リスクがある方、体重減少が急がれる方 | 今の自分に合う薬・方法は何か |
※スマートフォンでは表を横にスクロールしてご覧いただけます。
ダイエット外来でできること——薬の処方だけが目的ではない
ダイエット外来は、「薬を出してもらうところ」だけではありません。現在の体重・血液検査の数値・生活習慣・既往歴・服用中の薬を確認したうえで、どのような治療方針が自分に合うかを一緒に整理する場です。
「薬が必要かどうか」「どの薬が向いているか」「副作用が出たときにどう対応するか」——こうした判断は、医師との相談のなかで行うことが前提です。薬を勧めることが目的ではなく、まず「今の自分の状態を知ること」から始めることができます。
まずは「今の自分に何が合うか」を整理するところから
オルホルグリプロンは、注射に抵抗がある方にとって、将来的な選択肢の一つになる可能性がある薬です。ただし、日本では現時点で一般的に使える段階にはなく、長期的な安全性のデータもこれから積み上げられていく段階にあります。
新しい薬の情報を知ることは大切ですが、今の体重・血糖・血圧・脂質・生活習慣を確認することも、同じくらい重要です。薬が必要かどうか、どの治療が合うかは、体重だけでなく、合併症の有無・生活スタイル・費用・継続しやすさによって変わります。
薬の名前だけで選ぶのではなく、今の自分の状態を整理することが出発点になります。迷う場合は、まず「今の自分に何が合うか」を確認する目的でダイエット外来に相談してみるのも、一つの方法です。
本記事は一般向けの医療情報提供を目的としたものであり、特定の薬の使用や治療を推奨するものではありません。治療方針は、必ず医師にご相談ください。未承認薬や個人輸入薬の使用は、医師の管理なく行わないでください。記事の情報は執筆時点のものであり、承認状況・薬価・適応は変更される可能性があります。
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- 中外製薬株式会社. 米国FDA、肥満症治療薬Foundayo™(オルホルグリプロン)を承認:報道発表. 2026年4月2日.
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- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA). 医薬品審査情報. https://www.pmda.go.jp/
- Drugs.com. Foundayo (orforglipron) FDA approval history. 2026. https://www.drugs.com/history/foundayo.html
よくある質問(FAQ)

