複数の薬を飲んでいてもダイエット外来を受診できる?お薬手帳と検査が必要な理由

  • 複数の薬を服用している方も、ダイエット外来を受診できる場合は多くあります
  • マンジャロやリベルサスを使えるかどうかは、服薬内容や体の状態を確認したうえで判断します
  • 薬の名前を覚えていなくても、お薬手帳や薬袋などで現在の薬を把握できます
  • 市販薬、漢方薬、サプリメントも、診察では伝える対象になります
  • 必要に応じて血液検査を行い、体の状態を確認したうえで治療方針を考えます

高血圧や糖尿病の薬を何種類も飲んでいると、ダイエット外来を断られるのではないかと感じる方は少なくありません。実際には、服用している薬の数だけで受診を判断することはありません。ただし、使用できる薬は一人ひとりの服薬内容や検査結果によって異なります。この記事では、なぜお薬手帳や血液検査が必要になるのか、受診前に何を伝えればよいのかを説明します。

目次

複数の薬を飲んでいても、ダイエット外来は受診できます

薬の種類が多いことは、受診そのものを妨げる理由にはなりません。高血圧、糖尿病、脂質異常症などの持病がある方にとって、体重の変化は治療全体に関わることがあります。そのため、生活習慣病の治療中であっても、体重管理について相談する意味はあります。

マンジャロはGIP/GLP-1受容体作動薬、リベルサスはGLP-1受容体作動薬です。どちらを使用できるかは、現在の薬や持病、検査結果をもとに医師が判断します。

受診できることと、希望する薬を処方できることは、切り分けて考える必要があります。診察や検査の結果によっては、その日は処方を見送ることもあります。薬が多いことは受診を断る理由ではなく、服薬内容を確認してから治療方針を考える理由になります。

お薬手帳があると、短い診察でも大切な情報を確認できます

薬の名前だけでなく、量や飲み方も確認します

お薬手帳には、薬の名前だけでなく、用量、服用回数、処方された日、処方元の医療機関が記録されています。同じ薬でも、量によって体への影響は変わります。何ミリグラムを一日に何回飲んでいるかまでわかることが、診察で役に立ちます。

最近追加された薬や、逆に中止された薬があれば、それも重要な情報です。同じ成分や似た働きを持つ薬が重なっていないかを確認する手がかりにもなります。

紙のお薬手帳のほか、電子お薬手帳や薬剤情報提供書、薬袋、薬の写真でも代用できます。薬の名前を暗記しておく必要はありません。手元にある資料を持参してください。

別の病院や診療科から出ている薬も重要です

複数の医療機関にかかっている場合、一つの医療機関だけでは全体の服薬状況を把握できません。内科、整形外科、皮膚科など、診療科をまたいで処方された薬も、体重管理を考えるうえでは同じように重要です。

情報が足りない場合、その場ですべてを判断せず、確認したうえで方針を決めることもあります。お薬手帳の情報から、生活習慣病の薬と体重の関係について詳しく知りたい方は、生活習慣病の薬と体重・副作用の関係も参考にしてください。

処方薬だけでなく、市販薬やサプリメントも伝えてください

本人が「薬」と思っていないものが見落とされます

風邪薬、鎮痛薬、胃薬、便秘薬、漢方薬、睡眠改善薬、健康食品、サプリメント。これらは処方薬ではないため、「薬」として申告されないことがあります。しかし、診察ではこうしたものも確認の対象です。

個人輸入した薬や、他院で使用中のダイエット薬についても、必ず医師へ伝えてください。使用していることを伝えずに新しい治療を始めると、体の状態を正しく評価できなくなります。

すべての市販薬やサプリメントに重大な相互作用があるわけではありません。ただし、関係なさそうだと自分で判断して除外するより、普段使っているものをまとめて伝えるほうが確実です。

以前使って合わなかった薬も診察の手がかりになります

過去に副作用が出た薬や、使用を中止したばかりの薬も、診察では参考になります。どんな症状が出たのか、いつ頃だったのかがわかると、今後の薬の選択にも役立ちます。

薬が多いことと「ポリファーマシー」は同じではありません

薬の数だけで良い・悪いは判断できません

ポリファーマシーという言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。これは「複数」を意味するポリと「調剤」を意味するファーマシーを組み合わせた言葉です。単に薬の種類が多いことではなく、薬の重複、副作用、相互作用、飲み間違いなど、何らかの問題が薬によって生じている状態を指します。

何種類からポリファーマシーと呼ぶかについて、厳密な基準はありません。薬剤数が増えるほど副作用のリスクが高まる傾向を示すデータはありますが、これは一律の線引きではなく、必要な薬を複数使用すること自体は問題ではありません。3種類の薬でも問題が起きる人もいれば、6種類以上を必要とする人もいます。

見るべきなのは薬の数そのものではなく、現在の体に合った内容になっているかどうかです。重複している薬がないか、目的がはっきりしない薬が残っていないかを確認することが、数を数えることよりも意味を持ちます。

ダイエット外来は、他院で処方された薬を判断なく整理する場所ではありません。変更が必要だと考えられる場合は、処方した医師や薬剤師と相談することになります。薬と体重の関係を総論として知りたい方は、薬によって体重が変化する仕組みも参考にしてください。

マンジャロ・リベルサスを検討するときに確認する薬

マンジャロは、国内では2型糖尿病の治療薬として承認されています。同じ有効成分のチルゼパチドを含むゼップバウンドは、一定の条件を満たす肥満症に承認されていますが、対象や使用条件はマンジャロと異なります。糖尿病のない方にマンジャロを体重管理目的で使用する場合は、適応外使用です。費用やリスク、入手経路などの詳細は、自由診療で使われるダイエット薬の種類と注意点にまとめています。

糖尿病の薬を使用している場合

マンジャロやリベルサス単独では、血糖値が正常な方で低血糖が起こりにくいとされています。ただし、インスリン製剤やスルホニルウレア剤(SU薬、血糖を下げる作用が比較的強い糖尿病薬)と一緒に使う場合は、意識を失うほどの重い低血糖が報告されています。低血糖が起きると、脱力感、強い空腹感、冷や汗、動悸、震えなどの症状が現れます。

すでに使っているGLP-1関連薬や同系統の薬があれば、重複していないかを確認します。既存の糖尿病治療薬を自己判断で減らしたり、中止したりしてはいけません。マンジャロの詳しい効果や副作用についてはマンジャロの効果・副作用・使用上の注意、リベルサスの服用方法についてはリベルサスの飲み方と注意点で解説しています。

血圧の薬や利尿薬を使用している場合

マンジャロやリベルサスと降圧薬の間に、直接的な危険な飲み合わせが知られているわけではありません。注意が必要なのは、食事量の低下や体重減少にともなって血圧が変化する場合があることです。特に利尿薬を使用中は、体内の水分量が変わりやすく、嘔吐や下痢が重なると脱水やふらつきが起こりやすくなります。

血圧の薬を自己判断で減らしたり、中止したりしてはいけません。降圧薬とマンジャロ・リベルサスを一緒に使う際の詳しい注意点は、降圧薬とマンジャロ・リベルサスを併用するときの注意点にまとめています。

胃腸症状や食欲に影響する薬にも注意します

マンジャロやリベルサスは、悪心や食欲低下といった胃腸症状が現れることがある薬です。もともと胃腸症状を起こしやすい薬や、ステロイド、甲状腺疾患の薬を使用している場合は、あわせて確認します。腎機能や肝機能に影響しうる薬を使用している場合も同様です。

脂質異常症の治療でスタチンやフィブラートを使用している方は、薬の種類に加えて肝機能や腎機能の状態も判断材料になります。筋肉痛、脱力感、褐色の尿などがあれば医師へ伝えてください。既存薬を自己判断で中止してはいけません。詳しい併用の考え方は、スタチン・フィブラートとダイエット薬の併用で扱っています。

なお、マンジャロには急性膵炎(頻度0.1%未満)、胆嚢炎や胆管炎、腸閉塞を含むイレウスなどの重大な副作用が報告されています。嘔吐をともなう持続的な激しい腹痛、高度な便秘、腹部膨満がある場合は、使用を中止し、処方元へ連絡してください。腹部の手術歴やイレウスの既往、膵炎や胆石の既往がある方、妊娠中または妊娠を希望している方、授乳中の方は、使用前に必ず医師へ伝えてください。

なぜ診察や血液検査が必要なのか

薬を選ぶ前に、現在の体の状態を確認します

診察では、現在の病気だけでなく、これまでにかかった病気、体重の推移、食事量、飲酒、嘔吐や下痢、便秘、腹痛、ふらつきの有無を聞きます。低血糖を疑う症状があるか、妊娠や授乳の有無、膵炎や胆石の既往があるかも確認の対象です。摂食障害が疑われる状態でないかも、安全に治療を進めるうえで欠かせない情報です。

血液検査は、必要に応じて血糖値、HbA1c、腎機能、肝機能、脂質、電解質などを確認します。検査の目的は、隠れている糖尿病や脂肪肝などを把握すること、薬を使用できる状態かどうかの判断材料にすること、そして治療開始前の基準値を残しておくことです。

確認の場面 主な確認内容 目的
診察 持病、体重の推移、食事量、体調の変化、服薬内容 治療全体の状況を把握するため
血液検査(必要に応じて) 血糖値、HbA1c、腎機能、肝機能、脂質、電解質など 体の状態を把握し、薬を使用できるかの判断材料にするため

※スマートフォンでは表を横にスクロールしてご覧いただけます。

すべての方に、毎回同じ検査項目が必要になるわけではありません。持病や服薬内容、症状、直近の検査結果によって、必要な項目は変わります。

治療開始後も、体重だけを見ればよいわけではありません

血液検査は、痩せられるかどうかを判定する検査ではありません。正常値であっても、副作用が起こらないと保証するものでもありません。治療開始後も、体重の変化だけでなく、体調や検査値の変化を確認しながら進めます。

かかりつけ医に内緒で始めない方がよい理由

体重が減ると、既存の治療にも変化が起こりえます

すべての方に、事前にかかりつけ医の許可が必要というわけではありません。ただし、糖尿病、高血圧、腎疾患などで治療中の場合は、情報を共有しておくことが役立ちます。

体重が減ったり、食事量が変わったりすると、血糖値や血圧が変化することがあります。かかりつけ医が新しく追加された薬を知らないと、検査値や症状の変化がどこから来ているのか判断しにくくなります。ダイエット外来の側が、他院で処方された薬を一方的に変更することはありません。必要に応じて、診療情報提供書などを使って連携する方法もあります。どこまで情報を共有するかは、診察の際に相談してください。

内科として体重だけでなく、生活習慣病も一緒に確認します

体重管理を行う医療機関には、美容クリニック、内科として診療するクリニック、オンライン診療など、いくつかの形態があります。医療機関によって、診察の内容や検査体制、副作用が出た場合の対応は異なります。持病がある方は、現在の薬や検査結果まで相談できるかどうかも、確認しておくとよい点の一つです。

体重だけでなく、血圧、血糖、脂質、肝機能、腎機能、服薬内容も含めて確認することは、生活習慣病の治療と体重管理を切り離さずに考えるための土台になります。薬を渡すこと自体を診察の目的にはしていません。体調や検査値を踏まえながら、治療の方針を考えます。

受診前に準備しておくとよいもの

手元にある資料をまとめておくと、診察が進めやすくなります。すべてがそろっていなくても受診はできます。

このほか、過去に合わなかった薬の情報や、他院でダイエット薬を使った経験があれば、それも診察の参考になります。

富士市・富士宮市・沼津市周辺で、持病と体重を一緒に相談したい方へ

当院は静岡県富士市にあり、富士宮市、沼津市周辺から受診を検討している方も対象としています。生活習慣病の治療中の方や、複数の薬を服用している方も相談できます。

お薬手帳、健康診断結果、直近の血液検査結果があれば、持参してください。診察や検査の結果によっては、その日の処方を見送ることもあります。薬を処方すること自体を診察の目的にはしていません。当院の診療内容については、当院のダイエット外来の診療内容にまとめています。

よくある質問(FAQ)

薬を何種類も飲んでいますが、ダイエット外来を受診できますか?

複数の薬を服用していることだけを理由に、受診を断るわけではありません。受診後、服薬内容や持病、体調、検査値を踏まえて、処方の可否を判断します。受診できることと、希望する薬を処方できることは別の話です。お薬手帳を持参してください

お薬手帳を忘れた場合は、診察を受けられませんか?

お薬手帳がなくても、受診できます。薬袋、薬剤情報提供書、電子お薬手帳、薬の写真でも参考になります。正確な薬名、用量用法などを把握できるように準備しておいてください。

市販薬やサプリメントも伝える必要がありますか?

定期的に使用している市販薬、漢方薬、サプリメント、健康食品は伝えてください。個人輸入した薬も対象です。すべてに重大な相互作用があるわけではありませんが、関係なさそうだからと自分で判断して除外しないでください。

体重が減ったら、血圧や糖尿病の薬を減らしてもよいですか?

自己判断で薬を減らしたり、中止したりしてはいけません。体重の変化、食事量、血糖値、血圧の推移を見ながら、処方医が調整を検討します。数値が良く見えても、今の薬の効果で保たれている場合があります。ふらつきや冷や汗などがあれば、早めに医療機関へ連絡してください。

かかりつけ医にダイエット外来の受診を伝える必要がありますか?

全員に事前の許可が必須というわけではありません。ただし、糖尿病、高血圧、腎疾患などで治療中の場合は、情報を共有しておくことが役立ちます。主治医が追加の薬を知らないと、検査値や症状の変化を判断しにくくなります。他院の治療を一方的に変更することはありません。連携の方法は診察時に相談してください。

【参考文献】
  • 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「マンジャロ皮下注 患者向医薬品ガイド」(2025年12月更新)
  • 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「マンジャロ皮下注 添付文書」
  • 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「リベルサス錠 添付文書」
  • 厚生労働省「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」2018年5月
  • 厚生労働省「医療広告ガイドライン」(医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針)

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