睡眠不足でリバウンドしやすくなる?痩せた後に夜食・食欲が戻る理由

  • 睡眠不足だけでリバウンドが決まるわけではありません。
  • 寝不足が続くと、夜食や間食が増えやすくなります。
  • 体重より先に、睡眠や食欲、夜食の変化が現れることがあります。
  • 薬を使用している間も、睡眠と食事のパターンを確認しておくと役立ちます。
  • 体重が大きく増える前の段階からでも、生活は見直せます。

最近、寝る時間が遅くなった。気づけば夜食が増えていた。そんな変化に、リバウンドへの不安を感じている方は少なくありません。睡眠不足と体重の関係は、「寝不足だから太る」という単純な話ではありません。睡眠が乱れると、食欲や夜食、間食の習慣が先に変わり始めることがあります。この記事では、睡眠不足がリバウンドとどう関わるのか、体重に表れる前に何を見ておくとよいかを解説します。

目次

睡眠不足だけでリバウンドするわけではありません

睡眠不足は、リバウンドに関わる要因の一つです。ただし、睡眠不足だけですべてが決まるものではありません。

体重の変化には、食事量、活動量、ストレス、生活リズムなど、複数の要因が関わります。睡眠はそのうちの一つです。

睡眠が不足する日が続くと、食欲や食べ物の選び方が変わりやすくなります。夜遅くまで起きていれば、間食や夜食の機会も増えます。疲労が翌日の活動量を減らすこともあります。

こうした変化が積み重なると、体重を維持しにくくなります。一晩や二晩眠れなかった程度で、すぐにリバウンドするとは限りません。注意したいのは、睡眠不足が続き、食事や生活のパターンが少しずつ元へ戻っていく場合です。

体重が戻るより先に「夜食や間食」が戻ってきます

体重は遅れて変わる

体重計の数字は、生活の変化をすぐには映しません。

睡眠時間が短くなっても、その日のうちに体重が増えるわけではありません。夜食が増えても、翌朝の体重にはっきり表れるとは限りません。体重は、生活の変化から少し遅れて動きます。

たとえば、残業が続いて就寝時間が1時間遅くなり、帰宅後に何か食べる習慣が戻ったとします。睡眠や食事のパターンが崩れても、脂肪の増加としてすぐ見えるわけではありません。日々の体重は水分などでも変動するため、生活の変化が先に見つかることがあります。

先に見たいのは生活の変化

体重より先に現れやすいのは、睡眠と食行動の変化です。

睡眠時間が短くなると、夜に起きている時間が長くなります。起きている時間が長ければ、そのぶん何か口にする機会も増えます。夕食の時間が遅くなり、夜食が戻ってくる人もいます。甘い飲み物やコンビニのお菓子を買う頻度が増える人もいます。翌日の疲労で、朝食を抜いたり、歩く量が減ったりすることもあります。

これらは、全員に同じ順番で起こる決まった因果関係ではありません。ただ、体重という結果よりも先に、生活の中の小さな変化として現れやすい項目です。

以下のような変化に心当たりがあれば、体重が動く前の段階といえます。

睡眠・生活の変化 起きやすい食行動 まず見直すこと
就寝時間が遅くなった 夕食後に何か食べたくなる 就寝が遅くなりやすい曜日を把握する
睡眠時間が短くなった 甘い飲み物やお菓子が増える 寝る前に口にする物を先に決めておく
夕食の時間が遅くなった 夜食として軽食を追加してしまう 遅くなりそうな日は先に軽く食べておく
疲労が翌日に残る 朝食を抜き、活動量も落ちる 疲れた翌日ほど朝食を抜かないようにする

※スマートフォンでは表を横にスクロールしてご覧いただけます。

睡眠の乱れが必ず体重増加につながるわけではありません。ただ、体重が動く前の段階として、臨床的には早く気づける手がかりになります。体重そのものが戻り始めた場合は、ダイエット卒業後の体重管理で、何kg戻ったらどう対応するかを詳しく解説しています。

睡眠の乱れ方にも個人差があります。睡眠時間そのものよりも、就寝時刻が日によって大きくばらつくことが体重の維持に関係するという報告もあります。減量後の体重維持を対象にした研究では、睡眠時間の長さと体重の再増加には明確な関連が見られなかった一方、就寝時刻のばらつきが大きい人ほど、その後1年間で体重が戻りやすい傾向が示されました。睡眠時間を確保することに加えて、就寝時刻を大きくずらさないことも、体重を維持するうえで意味を持つ可能性があります。

なぜ寝不足になると食べたくなるのか

ホルモンの説明だけでは不十分です

睡眠不足と食欲の関係というと、「グレリンが増え、レプチンが減る」という説明を目にすることがあります。

こうしたホルモンの変化は、一部の研究で報告されています。ただし、その後の研究では結果が一貫していません。同じ条件で睡眠を制限しても、ホルモンの変化が確認されない研究も報告されています。ホルモンの動きだけで、睡眠不足による食欲の変化をすべて説明することはできません。

ストレスと睡眠不足の関係、グレリン・レプチンについては、ストレスから夜食や間食が戻る場合の対処法でも詳しく取り上げています。ここでは重複を避け、別の要因を中心に説明します。

起きている時間が長いほど食べる機会も増える

単純な話として、起きている時間が長ければ、そのぶん食べる機会も増えます。

23時に寝る人と、1時まで起きている人では、後者の方が食事や間食のタイミングが単純に多くなります。夜中にテレビやスマートフォンを見ながら、何か口にする習慣がある方は、この機会の多さが影響している場合があります。

この逆の現象を確かめた研究があります。習慣的に睡眠時間が6.5時間に満たない過体重の成人80人を対象に行われた研究です。参加者は、睡眠に関する個別の助言を受け、2週間、いつもより長く眠る生活を試みました。実際の睡眠時間は、平均で1.2時間ほど延びました。その結果、睡眠を延ばす前と比べて、1日あたりの摂取エネルギーが平均270kcalほど少なくなりました。消費エネルギーには、大きな差が見られませんでした。

この研究は、習慣的に睡眠が短い過体重の成人という特定の集団を対象に、2週間という期間で行われたものです。誰にでも同じだけ効果があるとは限りません。「睡眠を延ばせば必ず270kcal減らせる」という受け止め方は正確ではありません。ただ、起きている時間と摂取エネルギーには、無視できないつながりがあります。

疲れた日は食品選択も変わりやすい

睡眠が足りない日は、食べる量だけでなく、何を選ぶかも変わりやすくなります。

疲れているときは、手間のかかる料理より、すぐに食べられる菓子パンやスナックを選びやすくなります。甘いものや脂っこいものは、疲労を感じたときに手が伸びやすい食品です。

睡眠制限の影響を確かめた研究の一つに、健康で肥満のない成人12人を対象とした試験があります。参加者は21日間、入院した状態で過ごし、4時間の睡眠と9時間の睡眠を、順序を入れ替えて経験しました。睡眠を4時間に制限していた期間は、9時間眠っていた期間と比べて、1日あたり平均308kcal多くエネルギーを摂取していました。体重も増加し、CT検査では内臓脂肪の増加も確認されています。

この試験は対象が12人と少なく、参加者はもともと肥満のない健康な人です。入院という管理された環境での結果でもあります。日常生活でそのまま同じ変化が起きるとは言えません。ただ、睡眠が短くなると食べる量そのものが増えやすいという方向性は、複数の研究で共通して報告されています。

痩せた後は「睡眠の乱れ」を見逃さない

薬で食欲が落ち着いている間に確認したいこと

マンジャロやリベルサスを使用中は、食欲が落ち着き、食事量が自然と減る方が多くいます。

この期間は、食欲そのものが薬によって抑えられているため、睡眠が乱れても食欲の変化として気づきにくいことがあります。だからこそ、食事の量とは別に、就寝時間や夜食の頻度を確認しておく意味があります。

具体的には、いつも何時に寝ているか、夜中に目が覚めていないか、寝る前に何か口にする習慣が残っていないかを振り返ってみてください。薬の作用機序や、薬をやめた後の食欲全般については、GLP-1ダイエット終了後に食欲が戻る理由で詳しく解説しています。

マンジャロ・リベルサス終了後は食欲が戻ることがある

マンジャロ(チルゼパチド)とリベルサス(セマグルチド)は、日本では2型糖尿病の治療薬として承認されています。減量を目的とした使用は、国内の承認された適応の範囲外にあたります。

薬の使用をやめると、抑えられていた食欲が戻る人がいます。同じ時期に睡眠が乱れていると、食欲の戻りをより強く感じることがあります。マンジャロをやめた後の体重管理については、マンジャロをやめた後の体重管理で詳しく取り上げています。

薬の中止、再開、増量、減量は、自己判断で行ってはいけません。特に2型糖尿病の治療として使用している場合、自己判断での変更は血糖管理に影響します。用量や継続の判断は、必ず医師に確認してください。

寝不足の時期でも「完璧な睡眠」を目指さなくていい

まず夜食が増えるパターンを見つける

毎日8時間眠ることを目標にする必要はありません。

現実的なのは、夜食や間食が増えやすい場面を、先に把握しておくことです。残業がある日、飲み会の翌日、休日の夜更かしなど、パターンは人によって違います。自分にとって夜食が出やすい場面を1つか2つ把握しておくだけで、対応しやすくなります。

寝不足の日ほど食事のルールを単純にする

寝不足の日は、細かい判断が面倒になりやすい日でもあります。ルールを複雑にすると、続きません。

以下のような工夫が役立ちます。

  • 就寝が遅くなりやすい曜日を、あらかじめ把握しておく
  • 夕食が遅れそうな日は、帰宅前に軽く何か口にしておく
  • 夜食を全面的に禁止しない。量や内容を先に決めておく
  • 甘い飲み物を眠気覚まし代わりに使っていないか、時々見直す
  • 寝不足の翌日に、極端な食事制限で帳尻を合わせようとしない
  • 睡眠時間と夜食の有無だけでも、簡単に記録してみる

睡眠と夜食の記録は、細かいカロリー計算である必要はありません。「昨日は何時に寝て、夜食を食べたか」の2点だけでも、パターンは見えてきます。

「ただの寝不足」と思わず受診した方がよい場合もあります

いびき・日中の強い眠気がある

大きないびきや、無呼吸を家族から指摘されたことがある方は、睡眠時無呼吸症候群が背景にある場合があります。

日中の強い眠気や、朝起きたときの頭痛が続く場合も、単なる睡眠不足ではない可能性があります。体重の増加が睡眠の質に影響していることもあれば、その逆のこともあります。肥満がある人すべてに睡眠時無呼吸があるわけではありません。ただ、上記のような症状が重なる場合は、一度医療機関で相談する価値があります。

不眠や食行動の異常が続く

なかなか寝つけない状態が何週間も続いている場合や、自分では止められない食べ方を繰り返している場合は、生活習慣の工夫だけで対応できる範囲を超えていることがあります。

嘔吐などで帳尻を合わせている場合や、急激な体重の変化がある場合も、早めに医療機関へ相談してください。こうした状態を、記事の内容だけで診断することはできません。

体重だけでなく検査値も変わっている

体重に大きな変化がなくても、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの指標が変わっていることがあります。

必要に応じて、血糖、HbA1c、脂質、肝機能、腎機能などを血液検査で確認することがあります。血液検査は、睡眠不足そのものを診断するための検査ではありません。体重や生活の変化に関連して、体の状態を確認する目的で行います。

リバウンドは体重が増える前から立て直せます

ここまで見てきたように、睡眠不足はリバウンドの唯一の原因ではありません。ただ、睡眠が乱れると、夜食、間食、食品選択、活動量といった行動が変わりやすくなります。その変化が続いた後に、体重として表れます。

リバウンド全体の仕組みについては、リバウンドが起こる仕組みと対策で解説しています。この記事では、睡眠という一つの切り口に絞ってお伝えしました。

「数kg増えるまで様子を見る」のではなく、「最近寝るのが遅い」「夜食が戻った」「甘いものを買うことが増えた」という段階から、見直しを始めてよいと考えています。体重の具体的な増加幅による対応の目安は、ダイエット卒業後の体重管理を参考にしてください。リバウンドしやすい生活パターン全般については、リバウンドしやすい生活パターンでも取り上げています。

富士市、富士宮市、沼津市周辺にお住まいで、ダイエット後に食欲や夜食が戻ってきた方、マンジャロやリベルサス終了後の体重管理に不安がある方は、体重が大きく増える前の段階でもご相談いただけます。診察では、体重の推移だけでなく、既往歴や内服薬、健診結果、体調を確認し、必要に応じて血液検査を行いながら方針を考えています。

よくある質問(FAQ)

睡眠時間が短いと必ずリバウンドしますか?

必ずではありません。睡眠不足は、食欲や夜食、活動量に影響する要因の一つです。他の生活習慣や体調によっても体重は左右されます。睡眠が乱れても、食事や活動のパターンが大きく変わらなければ、体重への影響は小さいこともあります。

何時間寝ればリバウンドを防げますか?

「何時間眠ればよい」という一律の基準はありません。研究では、習慣的な睡眠不足を改善すると食事量が減る傾向が示されていますが、必要な睡眠時間には個人差があります。就寝時刻を毎日大きくずらさないことも、体重の維持に関係すると考えられています。

寝不足の日に甘いものや夜食が欲しくなるのはなぜですか?

起きている時間が長いほど、食べる機会そのものが増えます。加えて、疲れているときは、手軽な甘いものや脂っこいものに手が伸びやすくなります。ホルモンの変化だけでなく、こうした行動面の要因が重なって起こると考えられています。

マンジャロをやめてから食欲が戻りました。寝不足も関係しますか?

関係している場合があります。薬の作用が弱まると食欲が戻りやすくなりますが、同じ時期に睡眠が乱れていると、食欲の戻りをより強く感じることがあります。まずは睡眠時間と夜食の頻度を振り返ってみてください。薬の再開や増減量は自己判断で行ってはいけません。

最近いびきがひどく、昼間も眠いのですが、ダイエットと関係しますか?

関係している可能性があります。大きないびきや日中の強い眠気は、睡眠時無呼吸症候群のサインであることがあります。体重管理だけの問題ではないため、心当たりがあれば医療機関での相談を検討してください。

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  6. 日本イーライリリー株式会社「マンジャロ皮下注アテオス 電子添文」
  7. ノボ ノルディスク ファーマ株式会社「リベルサス錠 添付文書」
  8. 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」
  9. 厚生労働省「医療広告ガイドライン」「医療広告ガイドラインに関するQ&A」

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